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脱サラ起業前に要チェック~あなたの退職後の健康保険料負担、軽くなるかも!?

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決定

小池さんの憂鬱

先月、今年3月に会社を退職して飲食店を始めたという小池さん(仮名)に会ったところ、お店の経営は少しずつ良くなってきたようですが、退職後の自分の健康保険料の負担の重さに悩まれていました。

(小池さん)「国民健康保険(以下「国保」)の保険料ってなんでこんなに高いの?会社員の時に給料から引かれていた健康保険料より高い!?収入がまだ安定しないのに厳しいよ~。」

(私)「国保の保険料は住民税と同様に前年の所得で決まるので、前年の所得が多ければ今年度は今の保険料額を払わざるを得ないです。また、会社員は会社と折半で保険料を負担しますが、国保の保険料は全額自己負担です。
細かく言えば、会社員の時は毎月の給料とボーナスからその都度引かれていた保険料が、国保は原則年10回(6月~翌年3月)と少ない回数で納めるので、月々の保険料を高く感じるかもしれません。
さらに国保には加入者数に応じた「均等割」という制度もあるので扶養家族が多い場合は負担が増えます。」

「働き方によって健康保険の負担が変わるなんて、なんだか不公平な気がしますね~。何かいい方法はないんですか?」

「退職後に他社へ転職する場合を除き、国保の他にも退職前の健康保険を最長2年間継続する制度もありますが、退職の際に会社から説明は受けませんでしたか?」

「確か説明はあったけど、退職後は会社が半分負担していた分がなくなって全額自己負担になると聞いて国保にしたんだよ。 退職前の健康保険を継続した場合の方が保険料は安く済んだの?」

「それは、退職時の保険料が高かったかどうかによります。退職前の健康保険を継続する制度を『任意継続被保険者』といいますが、保険料に上限があります。
国保の保険料の上限より低いので、年額で10万円以上安くなることもあります。
上限は加入していた健康保険によって違いますが、退職時に国保とどちらが得か確認した方がよかったですね。」

「えーっ、10万円以上も・・・!そんなに違うなら確認しておけばよかった。今からじゃ入れないの?」

「残念ながら入れません。資格を喪失した日(退職日の翌日)から20日以内に健康保険へ申出することが法律(健康保険法第37条)により定められています。」

退職後の健康保険と任意継続

最近では相次ぐ保険料率の引き上げで税金よりも負担感が増している社会保険料ですが、退職後の健康保険は「任意継続被保険者」を選んだ方が得になるケースが少なくないため、会社員時代にある程度の給料をもらっていた方は必ずチェックすることをお勧めします。

なお、給付は、国保も健康保険もほぼ変わりませんが、健康保険組合(主に大企業が加入する健康保険)の場合は、高額医療費、出産一時金、埋葬料等に法定給付に加えて付加給付を設けている場合が多いです。

■会社員の給与控除は、退職したらどうなる?(退職後に自営業をする場合。法人の役員になる場合等を除く。)

注1)国民年金に加えて、任意で付加年金・国民年金基金・iDeCo(個人型確定拠出年金)・小規模企業共済等に加入することができます。
注2)確定申告時に個人事業税も申告・納付します。

■健康保険の任意継続被保険者の加入要件

  • 資格喪失日(退職日の翌日等。以下同じ。)の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
  • 資格喪失日から20日以内に加入していた健康保険が定める加入申請をすること。
    ※郵送による提出は書類到着が20日以内。
    ※資格喪失時に75歳になる場合は加入できません。(後期高齢者医療制度の対象です。)

保険料シミュレーション

国保と会社の健康保険の任意継続の年間保険料の比較例(令和元年度)

年齢・世帯・月給・年収例国保の保険料
(東京都江東区)
任意継続の保険料
(協会けんぽ東京支部)
25歳・独身

月給24万円

年収360万円
  1. 医療分
    ①均等割
    加入者数×39,900円
    =39,900円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×7.25%
    =145,725円
  2. 支援分
    ①均等割
    加入者数×12,300円
    =12,300円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×2.24%
    =45,024円
    合計 242,949円
標準報酬月額
240,000円
月額23,760円
×12ヵ月
※保険料率
健保 9.9%
介護 1.73%

合計 285,120円
→国保より
42,171円高い

35歳・扶養家族1人
月給40万円
年収600万円
  1. 医療分
    ①均等割
    加入者数×39,900円
    =79,800円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×7.25%
    =284,925円
  2. 支援分
    ①均等割
    加入者数×12,300円
    =24,600円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×2.24%
    =88,032円

 合計 477,357円

標準報酬月額
300,000円
(上限額)
月額29,700円
×12ヵ月

合計 356,400円
→国保より
 120,957円安い!

45歳・扶養家族2人
月給56万円
年収840万円
(本人と扶養家族1人計2人が40歳以上)
  1. 医療分
    ①均等割
    加入者数×39,900円
    =119,700円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×7.25%
    =437,175円
  2. 支援分
    ①均等割
    加入者数×12,300円
    =36,900円
    ②所得割
    加入者全員の年間所得額
    ×2.24%
    =135,072円
  3. 介護分
    ①均等割
    40~64歳の加入者数
    ×15,600円
    =31,200円
    ②所得割
    40~64歳の加入者全員
    の年間所得額×1.68%
    =101,304円

 合計 861,351円

標準報酬月額
300,000円
(上限額)
月額34,890円
×12ヵ月

合計 418,680円
→国保より
 442,671円安い!

注)45歳の例には介護保険料を含みます。なお、国保の保険料はお住まいの市区町村によって、任意継続の保険料は加入していた健康保険によって異なります。

上記の比較例をみると、上限額によって、国保より任意継続の保険料が安いケースが多いことがわかります。

任意継続の上限額は、加入者(被保険者)の平均標準報酬月額で決められるため、健康保険によって異なります。

以下は参考までに協会けんぽ以外の健康保険組合の例です。

例)関東ITソフトウェア健康保険組合の上限額(令和元年度)

  • 標準報酬月額 380,000円(保険料率:健保8.5% 介護1.6%)
  • 介護保険不該当者の保険料 月額32,300円(年額387,600円)
  • 介護保険該当者      月額38,380円(年額460,560円)

_

例)全国外食産業ジェフ健康保険組合の上限額(同上)

  • 標準報酬月額 280,000円(保険料率:健保9.5% 介護1.9%)
  • 介護保険不該当者の保険料 月額26,600円(年額319,200円)
  • 介護保険該当者      月額31,920円(年額383,040円)

補足

国保の保険料にも上限額はありますが、40歳未満で年間約80万円、40歳以上(介護保険料もある場合)で年間約96万円と、任意継続の上限額よりも高めです。

ただし、倒産やリストラなどが理由で退職して国保に入る場合は減額されます。

また、自営業の中でも、医師・弁護士・税理士・理容師等の一部の職種は、市区町村の国保とは別に、地域・職種別の「国民健康保険組合」に加入できる場合があります。(職種だけでなく多くは地域も限定されています。)

保険料が定額で所得割がないものも少なくないので、該当しそうな方は事前に調べてみるとよいでしょう。

※本記事の内容は2019年10月現在の情報に基づき作成しております。

特定社会保険労務士
曽根 尚(そね たかし)

特定社会保険労務士。

1998年 専修大学経営学部情報管理学科卒業。
2000年 社会保険労務士試験合格。
2001年~2019年3月 複数のアウトソーサーで給与計算・社会保険業務を経験後、焼肉チェーンの(株)トラジへ転職し、人事労務担当として10年あまり勤務。
2019年4月 社会保険労務士曽根事務所を開業。

現在の顧問先は、飲食店・歯科医院など。前職企業の成長過程で得た経験・知識を、これから成長していく中小企業で働くすべての人の幸せのために活かしたいという思いで日々取り組んでおります。
趣味はマラソンで「サブ4」(4時間以内完走)を目指し鋭意努力中。

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