お金に困ったときは「お金がない馬」

海外在住者でも日本の年金をもらえるってご存知ですか?

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決定

長寿社会になりつつある中、多くの人が将来の生活に不安を抱えています。

2019年6月金融庁が老後に必要な資産が2,000万円と報告して話題となりましたが(しかしちょうどこの記事を書いている日に金融庁はなんと撤回を発表しました!)、就労所得がなくなる定年退職後は年金とそれまでに蓄えた預貯金や資産がどれ位必要で、自分にはどれ位あるのか、皆さんとても気になりますよね?

さて老後の生活に不可欠な年金(公的年金)については日本をはじめ各国で導入されていて、海外で暮らしている人も日系企業の駐在員を除き、現地の国の年金に加入しています。

つまり年金は居住国の年金制度に加入すること事が原則で、たとえば日本で暮らす外国人は日本の国民年金に加入しなければならず(会社員の人は厚生年金に加入します)、海外で暮らす日本人は国民年金へ加入する必要はありませんが、代わりに居住国の年金(Social Security)に加入します。

では以前日本で年金に加入していた人が、その後外国に移住しその国の年金に加入した場合、老後の年金はどちらの国からもらうのでしょうか?

答えは両方の国で年金をもらうことができます。

海外在住でも請求すれば日本の年金をもらえます

年金は「年金保険」というように保険制度です。

将来の老後の生活のため、若くて働ける現役時代のうちに少しずつ自分のお金を保険料として納め、将来保険金としての年金を受給します。

そしてこの制度は法律に基づいた国の制度であり、たとえ昔のことでも、また積み立てた金額が小さくても、年金保険料として支払った記録はしっかりと保管されていて、必要な手続を踏めば国籍や居住地に関係なく誰でも積み立てた額に見合った年金を老後に受け取ることができます。

海外で暮らす人(特に永住者)の中には「居住国の年金に加入しているので日本の年金は貰えない」と思いこんでいる人がいるようですが、そんなことはありません。

以前日本でサラリーマンをして厚生年金に加入していたり、国民年金保険料を毎月払っていた人は、居住国の年金と日本の年金の両方をもらうことができます。

したがい以前日本で年金保険料を納付していた人は65歳以降請求手続をすることで年金をもらうことができます。

でも「年金は長期間加入して保険料を払い続けないと、貰えないのでは?」とおっしゃる人がいるかもしれません。確かにその通りです。

では年金を受給するために必要な加入期間について説明しましょう。

年金を受給するために必要な加入期間

日本の年金制度では、老後(65歳から)年金を受給するためには最低10年間年金に加入している必要があります。

「加入」しているとは毎月の保険料を納付しているという意味で、この期間を受給資格期間といいます。

国民年金加入者の中には毎月の国民年金保険料を納付しない(これを未納といいます)人もいますが、この場合は受給資格期間に含まれません。(ただし障害年金受給者など保険料納付免除者は例外として含まれます)

したがい以前日本で年金に加入していた期間が10年あれば、その後海外で暮らしていても老後に日本の年金を請求して受給することができるのです。

尚もともと受給資格期間は25年だったのですが、2017年8月に10年に短縮されました。

長年海外で暮らしている人の中には、まだそのことをご存じない人もいるかもしれませんね。

さらに海外在住者は加入期間が10年に達していなくてももらえる?

ここでもう一つ特筆すべきことがあります。

それは海外在住者の場合は年金加入期間が10年に達していなくても受給できる場合があるということです。

どういうことかと言いますと海外在住者の場合、以下の制度が適用されます。

1) 海外在住者に適用される合算対象期間

合算対象期間(「カラ期間」ともいいます)とは年金の任意加入期間のことをいいます。

海外居住期間中は国民年金が強制加入でなくなるため、日本で国民年金保険料を支払わなくても受給資格期間に算入できます。

言いかえれば海外在住というだけで、その期間を受給資格期間に含めることができるのです。

ただしこの合算対象期間は;①海外に住所を移してから最低1年間経過後、②20~60歳までの日本国籍(二重国籍は不可)の期間、のみの対象となります。

2)社会保障協定による居住国年金との通算

社会保障協定とは、異なる2国間の年金制度に対し年金加入者の不利益とならないようにするための2国間での取り決めです。

この社会保障協定では、両国で加入していたそれぞれの年金の加入期間を通算(合計)し受給資格期間として取り扱うことができます。

日本は下記の国と社会保障協定を締結しています。

<社会保障協定締結国の内、2国間の年金通算可能な国>
ドイツ アメリカ ベルギー フランス カナダ オーストラリア
オランダ チェコ スペイン アイルランド ブラジル スイス
ハンガリー インド ルクセンブルグ フィリピン スロバキア

海外在住者の多くが受給の可能性あり

海外へ移住した時期にもよりますが、20~30歳代に移住した高齢者の中には当時の年金加入状況についてあまり覚えていない人と思いますが、昔サラリーマンをしていたり親が子供の将来のため国民年金を払っていたなど、自分でも知らない内に年金保険料を払っていたケースは少なくありません。

そして日本国籍の人であれば合算対象期間、外国籍を取得した人でも社会保障協定締結国に居住していれば二国の年金加入期間の通算制度によって年金受給の可能性が高くなります。

現在海外在住で、自分の年金記録を確認したことのない人はぜひ一度調査することをお勧めします。

もし年金記録が見つかれば、思わぬボーナスが入るかもしれません。

両方の国でもらえるが、別々の請求手続が必要

このように日本と海外の居住国の両方で日本の保険料を一定期間納付していれば、それぞれの年金制度に従いそれぞれの国で老後の年金を受給できます。

したがい年金受給開始年齢や年金額の算出方法は異なり、手続も別々に行ないます。

年金加入期間を通算できるからと言って、2国の年金合計額を片方の国から受給するというわけではありません。

年金請求手続きは遅れてももらえます。あきらめずに手続しましょう

これを読んだ人の中には年金受給開始年齢である60~65歳以上の人がいるかもしれませんが、自分が年金をもらえるとは知らなかった、または忘れていて請求手続をしていないケースでも遅れて年金請求手続きはできます。

70歳でも80歳でも遅れて請求手続をすれば受給できます。

しかも請求時点から過去5年分まではさかのぼって一括で受給できます。あきらめる必要はありません。

年金記録調査など具体的な手続方法については日本年金機構のウェブサイトをご覧いただくか、当事務所までお問合せ下さい。

<備考>

上記は老齢年金に関する説明ですが、障害年金、遺族年金も同様に受給できます。
ただし受給要件は異なりますので、詳細は日本年金機構にご確認下さい。

ライフメイツ社会保険労務士事務所 代表
蓑田 透 (みのだ とおる)

保有資格:社会保険労務士、1級FP技能士、CFP(R)認定者、米国税理士、宅建士など

大学卒業後IT業界に従事していたが、格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。

各種年金(老齢、障害、遺族)の相談、請求代行、海外在住日本人向け支援(国内行政手続、日本の老親のケア、帰国支援など)、高齢者や障害者のライフプランに関する相談サービスを提供中。国内外に多数実績をもつ。

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