賃貸契約時に必要な収入証明書とは?
賃貸マンションを借りる際には、様々な書類の提出を求められます。
その中でも比較的重要な書類として必要なのが、「収入証明書」です。
では、賃貸契約の際、なぜ収入証明書の提出が必要なのか?
どんな書類が収入証明書として認められるのか?
さらに、その書類が用意できない場合の対処方法に至るまで、こちらの記事でお伝えしていきたいと思います。
収入証明書が必要になる理由
まず、賃貸マンションの契約の際に、なぜ収入証明書の提出が求められるのか…?
その理由について触れていきたいと思います。
住宅ローンの金利も低くなってきて、分譲マンションや持ち家などの価格も手ごろになった昨今ですが、やはり手軽に転居できたり、家族のライフスタイルに合わせて住み替えが出来る賃貸マンションは、依然人気です。
しかし、その一方で賃貸マンションを経営するオーナーには、一つの悩みがあるようです。
それは「家賃滞納」という問題です。
もうお察しかとは思いますが、収入証明書はそのような家賃滞納を防ぐ目的で、提出を求められます。
賃貸入居者の6.6%が家賃滞納?
最近のある調査結果では、日本の賃貸マンションの部屋数のうち、6.6%が家賃の滞納をしている…というデータが報告されています。
これは15世帯に1世帯の確率で発生する計算になります。
例えば15世帯の賃貸マンションを持っているオーナーは、入居者のうち1世帯が家賃を払ってくれない…というリスクを抱えたまま、賃貸経営をするという事になります。
家賃の理想は年収の約30%程度
そのような理由から、賃貸マンションを経営するオーナーは、入居を希望する人から必ず収入証明書の提出を求めるようになっています。
では、どれくらいの収入があれば、いくらまでの家賃のマンションを契約できるのでしょうか?
一般的には、家賃や住宅ローンなど、理想的な住居費の額は、「年収の1/3程度」と言われています。
例えば、年収が600万円の方なら、その1/3までの家賃が理想という事になりますから、年間の理想的な家賃は200万円、という事になります。
1ヶ月にすると約16万円程度まで、という事になりますね。
賃貸マンションのオーナーとしては、家賃があってこそマンション経営が成り立つわけですから、入居者に安定した収入があるかどうかを、収入証明書でチェックするという訳です。
賃貸契約時に提出すべき収入証明書
では、賃貸マンションの契約時、収入証明書として認められる書類には、どのようなものがあるのでしょうか?
源泉徴収票
賃貸契約者がサラリーマンの場合は、会社から発行される源泉徴収票があれば、収入証明書として認めてもらえます。
一般的な会社では、年末までに年末調整が行われますが、その時点で年間の収入が確定し、毎年12月~翌年の1月には源泉徴収票が発行されます。
尚、もし会社が源泉徴収票を発行してくれない場合には、会社へ発行を依頼するか、それでもダメなら税務署へ相談するようにして下さい。
確定申告書の写し
源泉徴収票の提出が出来ない場合や、部屋を契約するのが個人事業主などの場合は、確定申告書の写しを収入証明書として提出する事も可能です。
但し、個人事業主として開業してから間もない場合など、確定申告をまだ実施していない場合などは、直近の売上げを証明する書類や、銀行の入出金履歴などを見せる事で、契約を進めてくれるケースもあります。
課税証明書
こちらも提出できる書類です。
市役所などで請求すれば、課税証明書を発行してもらう事が可能です。
課税証明書には、住民税の課税額・所得金額・扶養家族の人数・控除の内訳・課税標準額などが記載されていますから、賃貸マンションのオーナーも、所得金額や家族構成などを把握する事が可能です。
給与明細書・賞与明細書
以上でご紹介したような書類を提出できない場合は、直近の給与明細書などの写しを提出する事で、お部屋の契約をさせてくれる所もあります。
ただし、この方法は入居者の信用度を証明する方法としては、もっとも信用度が低くなりますので、あまりお勧めは出来ませんし、不動産業者によっては給与明細書だけでは入居を認めてくれないケースもあります。
収入証明書提出の偽造は犯罪
上記でお伝えした必要書類ですが、不動産会社や賃貸マンションのオーナーによっては、源泉徴収票や課税証明書の原紙ではなく、「コピーでも可」としているところがあります。
そこで、思いつくのが「収入証明書を偽造してコピーしてもバレないのでは…」という考えです。
自分で偽造する事も可能かもしれませんし、中にはアリバイ工作会社を使って、源泉徴収票などを偽造するケースも、実際にはあるようです。
しかし、それらの偽造は「立派な犯罪」である、という事を肝に銘じておきましょう。
そもそも収入証明書を偽造してまで、賃貸マンションの契約をしないといけないくらい、収入に困窮している場合、安易に賃貸マンションを契約するよりは、安い公営住宅を探したりするほうが賢明かもしれません。
また、そのような偽造はどこかのタイミングで必ずバレてしまいます。
安易な気持ちで、リスクの高い行動に出るのは、やめておいたほうが無難です。
収入証明書が要らない賃貸もある
しかし、働き出してから間もないタイミングや、独立してから間もないなど、収入を証明する書類を提出できないケースもあろうかと思います。
そんな時の対処方法についても、いくつかご紹介します。
オーナーへ相談する
収入がある程度あるけど、どうしても書類が用意できない場合などは、その旨を正直にマンションオーナーに相談してみるのも一つの手段です。
マンションオーナーも人の子です。
しっかり事情を話して、その誠実さや実際には働いていて収入がある事などがわかれば、マンションの契約を許可してくれる場合も多いものです。
特に、都会のマンションよりは、少し地方の小さな街へ行くと、比較的融通の効くマンションオーナーが多いようです。
マンスリーマンション
少し家賃や割高にはなりますが、取り急ぎ寝泊りする場所を確保するなら「マンスリーマンション・ウィークリーマンションを契約する」という方法もあります。
この場合は、短期での契約となるので、一般的には収入証明書の提出まで求められないケースがあります。
しかし、家具や食器などが備え付けられていることから、家賃は一般住宅の1.5倍程度するケースがありますので、そこに住んでいる間に収入証明書の提出ができるような目処を付けることが重要です。
シェアハウス
友達などと一緒に部屋を借りるという方法もあります。
シェアハウスとして募集広告が出ている物件を探し、とりあえず収入がある友達と一緒に申し込めば、なんとか住む場所は確保できます。
公営、雇用促進住宅
その他には、公営住宅や雇用促進住宅を探してみるというのも一つの手です。
但し、URや市営住宅などは基本的には収入証明書の提出は求められます。
但し、それとは別に低所得者向けの支援制度もありますので、市役所などに相談に行けば、なんらかのアドバイスがもらえるケースもあります。
また、雇用促進住宅についても、低所得者や求職中の方の為に用意された低家賃の住宅です。
こちらの入居は事前にハローワークへの相談が必須となりますが、一般の賃貸マンションと比較しても、約30%~40%程度安いので、相談してみる価値はありそうです。
まとめ
今回は、賃貸マンションの契約に必要な収入証明書について、いくつかの情報をお届けしました。
では、簡単におさらいしておきましょう。
- 収入証明書は、入居者に安定した収入がある事を証明する為に必要な書類である
- 一般的に源泉徴収票や課税証明書、確定申告書の写しなどが収入証明書として認められる
- 収入証明書は絶対に偽造してはいけない
- もし書類を用意できない場合は、マンションオーナーに相談してみたり、役所へ公営住宅の斡旋を依頼してみる方法もある
収入証明書を用意するのは少々面倒くさいかもしれませんが、素敵なマンション生活をしていくうえでは必要不可欠な書類です。
今回お届けした内容を参考に、是非今後の賃貸契約の際の参考にしていただければと思います。