無理をしない結婚のスタイルと結婚資金
結婚に対する価値観や必要性に対して、人それぞれのスタイルで表現できる時代になりました。
結婚をすることが当たり前の時代ではなくなってきたようです。
婚姻組数は毎年減少し、2006年の73万971組が2016年には63万5156組となり、10年間で11万件以上、対比で約85%まで減りました。(出典:厚生労働省平成28 年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況より)
また結婚はするけど、籍だけ入れる、いわゆる「なし婚」という方が30万組とも言われております。
結婚にはお金がかかるイメージがあり、結婚までのお金と結婚してからのお金があります。
今回は「結婚までのお金」についてお伝えします。
結婚するにはどんな資金が必要なのか?
「平均額で見てみましょう」
ここ20年の間に結婚に対する考えの他に結婚に対するお金の考え方や使い方が大きく変わりました。
簡単に言えば、考え方次第で必要な資金が大きく変わります。
実際にお金がかかるモノには何があるのでしょうか?
① 結納(結納金・結納道具)、結納返し ② 両家顔合わせ ③ 婚約指輪・結婚指輪 ④ 結婚式・披露宴 ⑤ 新婚旅行 ⑥ 新居 |
昔からある習慣の大きなモノは上記6点ではないでしょうか(地域特有の習慣は除きます)。
では実際に上記のモノは必ず行わなければならない、必ず買わなければならないモノかといえばそうではありません。
それぞれの実施率と全国平均費用は以下のとおりです。
新生活準備費用は首都圏・東海のデータのため全国平均が出ておりません。
上記の平均額(結納・婚約から新婚旅行にまつわる金額は全国平均、新生活準備費用は首都圏)を合計すると557万円となります。
非常に大きな金額となります。
ただし、結婚式・披露宴のご祝儀の平均額が232.8万円となっていますので、324.2万円が結納から新生活準備までに必要な準備資金となります。
結婚式・披露宴のスタイルが多様化してます
「おふたりのライフスタイルに合わせたスタイルで」
結婚するということはすべてのおふたりがこのような大金がいるかというとそうではありません。
一番大切なことは結婚してからの生活であり、結婚式を豪華にすることでも、参列者の人数の多さでもありません。
おふたりの結婚を心からお祝いしてくれる方々におふたりの晴れの日を見ていただき、参列者に感謝を伝えることが大切です。
当然、両家のご両親の考えやお付き合いもあると思いますが、昨今、そのような「しがらみやお付き合い」で参列者をご案内することも大変少なくなりました。
では、どんなスタイルがあるのでしょうか。
籍だけを入れて、何もしないカップルもいれば、海外などのリゾート挙式を身内だけでするカップル、神社仏閣、教会で挙式だけするカップル、ホテルや結婚式場で挙式・披露宴を少人数から数百人で行なうカップルまでと、数年前とは違い、かなり結婚式が多様化しております。
会費やご祝儀だけで費用をまかなうこと(自己負担0円)ができる式場や結婚プロデュースの会社もあります。
ライフデザイン(価値観)やライフプラン(計画)をもとにおふたりにとって無理のないスタイルで結婚式を行いましょう。
結婚資金はどのようにいくら貯めれば良いの?
「おふたりで計画をもって、ご両親にもご相談を」
結婚費用のための夫婦の貯金総額の全国平均金額はなんと317.2万円。
プロポーズが平均結婚式12.7ヶ月前なので、貯蓄がないおふたりならプロポーズ後から月5万円を貯め始め、「5万円(毎月)×2人×12.7=127万円」貯めましょう。
ご両家から結婚への援助の金額は全国平均195.1万円あります。
両親からの何らかの援助を受けるおふたりは94.5%に達します。
127万円と195.1万円を足すと322.1万円になり、557万円までは残り234.9万円です。
ご祝儀232.8万円を考えれば、これで足りることになります。
ご祝儀での支払いが可能かを確認しておきましょう。
新婚生活では何かと出費がかさむものです。
安心して生活ができるための最低限必要な貯蓄額は生活費の6ヶ月だといわれます。
「ゼクシィ 新生活準備調査2016」によると、新婚夫婦の1ヶ月の生活費は平均22万円です。
6ヶ月分で132万円はあれば、当面は安心ではないでしょうか。
上記の計算は両親からの援助がある計算になっておりますので、両親からの援助がない、もしくは少ないようでしたら、プロポーズ前から200万円ほど(1人100万円)の貯蓄はしておきましょう。
最後に
「無理をしない結婚のスタイル」
これまでもお話してきましたが、結婚式はおふたりにとってのスタートです。
これから始まる新しい生活、子供を授かる、住宅を購入するなど結婚するとお金のかかることが多くなります。
結婚式はおふたりが自分たちに関わる大切人たちへの結婚の報告とおふたりを大切に思う人たちからの祝福のための儀式です。
そんな大切な儀式がこれからの生活に負担になってしまうことを望む人は参列者の中には1人もいないはずです。
結婚式や披露宴は自分たちの身丈にあった、自分たちカラーのイベントにしましょう。
〈参照〉
◆ゼクシィ結婚トレンド調査2018
◆厚生労働省平成28 年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況
ファイナンシャルプランナー
西川 誠司
FPエンジェルウェディング協会 代表。
一般社団法人エンジェルウェディング協会代表理事。
有限会社アツクリエーション代表取締役。ファイナンシャルプランナーAFP、2級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、終活ライフケアプランナー。
「人生100年時代をどう楽しむか」をコンセプトに、これから就職する学生、結婚するおふたり、子供を持つファミリーを中心にセミナーやコラム記事などを通じ、情報を発信。特に「人生100年時代」を楽しく生き抜く中で考えていかなければならない(お金・働き方・教育・人・老後)について掘り下げたセミナーは企業だけではなく、子育て支援センターなど行政との協同企画を開催。さらに社会人へのキャリア&ライフアドバイザーも行う。
顧客の利益を最優先とするは中立な立場をとり、ご要望以外の保険や資産運用、投資などの営業・販売を一切しない「独立したFP」として活躍。18年間、ウェディングドレスショップを経営し、これから結婚するおふたりへのライフプランニングの提案、新生活のアドバイスをしています。高校生、小学生の子を持つ2児の父。現在、小学校のPTA会長。