イオン銀行って何?メリット・デメリットを徹底解説!
新しく口座を開設しようとするときには、いろいろな金融機関を候補に挙げて考えると思いますが、イオン銀行もその候補の1つに入っているという人は多いのではないでしょうか。
金融機関は日常生活に大きな影響を与えるので、メリットやデメリットなどをしっかり把握して実際に利用するところを決めたいですよね。
そこで今回は、イオン銀行のメリットやデメリットを徹底解説していきたいと思います。
記事の目次
イオン銀行ってどんな銀行?
イオン銀行のメリット・デメリットについて説明していく前に、まずはそもそもイオン銀行とはどんな銀行かということについて簡単に説明をしておきましょう。
イオン銀行は、イオン・マックスバリュ・ジャスコなどを傘下に持つ流通グループ、「イオングループ」傘下のネット銀行です。
2006年に設立されたばかりで、銀行業界の中では比較的「新入り」の銀行と言えるでしょう。
金融庁の分類では「新たな形態の銀行」に分類されていますが、投資信託や個人向け融資も取り扱っており、ネット銀行でありながら従来の銀行としての性格も併せ持った銀行となっています。
使い勝手を左右する「Myステージ」
そんなイオン銀行について考える際に避けては通れないのは、「イオン銀行Myステージ」という制度です。
イオン銀行Myステージとは、イオン銀行との取引それぞれに一定のスコアが定められており、貯まったスコアに応じて決まるステージごとにいろいろな特典を利用することができるサービスのことです。
後述するメリットやデメリットにおいても、イオン銀行Myステージでの「ステージ」がどこであるかが非常に重要になることが多いので、イオン銀行で取引を行う際にはぜひ取引ごとのスコアを意識していただきたいと思います。
ステージは全部で4段階あり、イオン銀行スコア20点以上でブロンズステージ、50点以上でシルバーステージ、100点以上でゴールドステージ、150点以上でプラチナステージとなっています。
どのような取引でスコアが貯まる?
ステージを効率的に上げていくには、どのような取引でどれくらいのスコアが貯まるのかということを把握しておく必要があります。
イオン銀行での各取引と、それぞれの取引に設定されているスコアは以下の表のようになっています。
対象取引 | イオン銀行スコア |
---|---|
イオンカードセレクトorキャッシュ+デビット、イオンデビットカードの契約 | 10点 |
イオンゴールドカードセレクトの契約 | 30点 |
イオンカード利用代金の引き落とし | 10点~100点 (取引内容により変化) |
WAONの利用金額 | 10点~100点 (取引内容により変化) |
WAONオートチャージの利用 | 10点 |
積立式定期預金の口座振替 | 10点 |
投資信託残高 | 10点~100点 (取引内容により変化) |
投資自動積立の口座振替 | 10点 |
外貨預金残高 | 10点~100点 (取引内容により変化) |
外貨普通預金積立の口座振替 | 10点 |
NISA口座の開設 | 30点 |
iDeCo掛金の口座振替 | 30点 |
イオン銀行カードローンの契約 | 10点 |
無担保ローン残高 | 30点 |
住宅ローン残高 | 30点 |
インターネットバンキングの登録 | 30点 |
イオン銀行の口座での給与の受け取り | 30点 |
イオン銀行の口座での年金の受け取り | 30点 |
イオンカード利用代金の引き落としのように金額によってスコアが変動するものは、スコアを狙って獲得するのは多少難しいですが、その他の取引であれば計画的にスコアを貯めていくことが可能でしょう。
特にあと少しで上のステージに上がれるというときには、そのために必要なスコアが貯まる取引を何かしら行ってもいいかもしれませんね。
イオン銀行のメリットは?
ではここからは、イオン銀行を実際に利用していく場合のメリットについて考えていきたいと思います。
普通預金の金利が抜群に高い
イオン銀行のメリットとしていの一番に挙げられるのは、「普通預金の金利の高さ」です。
普通預金の金利は、高ければ高いほど預金に対して発生する利息が高くなるので、銀行利用者としてはぜひ預金金利が高い銀行で預金を行いたいところです。
過去には、平均的な預金金利が2%近いような時代(バブル真っ最中ですね)もあったのですが、最近では大半の大手銀行の預金金利は0.001%となっており、昔から考えると信じられないほどの低金利となってしまっています。
そんな中で、イオン銀行の普通預金金利は最大で0.120%(プラチナステージ到達時)という高金利になっており、超低金利時代において気を吐いている銀行だと言えるでしょう。
この普通預金金利も、イオン銀行Myステージのステージによって変動してしまうので、できるだけ高いステージを維持してイオン銀行の預金金利の高さを最大限享受したいですね。
キャッシュカードにWAONの機能
イオングループではWAONという電子マネーが非常に便利に利用できますが、イオン銀行のキャッシュカードには必ずWAONの機能が搭載されています。
本来WAONは専用のカードを発行して利用するものですが、キャッシュカードとWAONカードがセットになっていれば所有するカードを1枚減らすことができるので、管理や防犯といった観点からもプラスですよね。
イオン銀行での口座の開設とWAONカードの発行をどちらも考えているというかたは、イオン銀行で口座を開設するだけでどちらも完了してしまいますよ。
ネット銀行ながら実店舗あり
イオン銀行は大きく分けると「ネット銀行」に分類されますが、全国のイオンモールに実店舗を設置していますので、ネット銀行でありながら対面での手続き等を行うことも可能です。
ネット銀行は利便性においては優れていることが多いのですが、疑問点等が生じた際にそれを対面で解消できる場所がないことを、不満に思う人もたくさんいます。
イオン銀行は、そういった不満をうまく解消したハイブリッド型の銀行だと言うことができるでしょう。
利用できるATMの種類が豊富
銀行の利便性は、どれだけたくさんの金融機関と提携してどれだけたくさんのATMを利用することができるかに左右される部分が多々ありますが、そういった観点で考えてもイオン銀行は優秀です。
イオン銀行は、全国の数多くの金融機関と提携してそれらのATMで利用できる状態を構築しているだけではなく、イーネットATMやローソンATMといったコンビニATMでも利用できるので、利用できないATMを探すほうが難しいぐらいです。
利用したいときにすぐに利用できるというのは、ストレスなく利用を継続していくためには非常に重要なポイントであり、イオン銀行はそういったポイントをしっかり押さえていると言えます。
イオン銀行のデメリットは?
では逆に、イオン銀行のデメリットとしてはどのようなことが考えられるでしょうか。
セブン銀行のATMでは利用できない
イオン銀行は多くの金融機関と提携しているので、いろいろな金融機関のATMでイオン銀行のキャッシュカードを利用することができ、それはコンビニATMでも同じことが言えるのですが、唯一セブン銀行だけは提携していないのでセブン銀行のATMでは利用することができません。
セブン銀行のATMはセブンイレブンはもちろんのこと、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドー・そごうなどの商業施設に設置されており、普段の生活でこれらのお店を利用するという人は多いと思います。
そのようなお店で急きょお金を引き出したいという場合に、イオン銀行のキャッシュカードが利用できないのは非常に不便ですよね。
生活の中で、上述したようなお店に行く機会が多いという人にとっては、イオン銀行は少し使いにくく感じられてしまうかもしれません。
定期預金のうま味が少ない
銀行に預金を行う際には、普通預金か定期預金のどちらかを利用するという人は多いでしょう。
定期預金は、普通預金と異なり満期までは引き出すことができないという制限がある代わりに、普通預金よりも金利が高くなっていることが大半です。
しかしすでに説明したように、イオン銀行の普通預金金利はすべての銀行の中でもナンバー1と言ってもいいほど高い金利となっています。
それに比べると、定期預金の金利は実はそこまで高くなっていないのです。
イオン銀行Myステージでのステージがブロンズステージの場合には、定期預金のほうが金利が上回ることもあるのですが、シルバーステージ以上になると定期預金の金利が普通預金の金利を上回ることはありません。
そのため、定期預金を組もうと思っている人にとっては、イオン銀行はあまりうま味のない銀行ということになってしまうでしょう。
他行への振込手数料がかかる
イオン銀行では他行に振り込みを行う際に、振り込む金額に関わらず216円の手数料が必要となります。
提携している金融機関同士であれば振込手数料が無料になるようなケースもあるのですが、イオン銀行ではそのような形での優遇はありません。
そのため、他行に振り込みを行わなければならない場合には、一気にまとめて行って手数料を節約するのがいいでしょう。
なお、シルバーステージ以上だと他行あての振込手数料が毎月一定回数無料になりますので(シルバーステージで1回、ゴールドステージで3回、プラチナステージで5回)、振込手数料の観点からもできるだけ上のステージを目指したほうがいいでしょう。
Myステージ次第で預金金利が変化
イオン銀行の普通預金金利は、「イオン銀行Myステージ」という制度のランクによって変動するようになっており、0.120%の金利で預金を行いたければ「プラチナステージ」に到達する必要があります。
プラチナステージに到達せずとも、「ブロンズステージ」で0.050%、「シルバーステージ」「ゴールドステージ」で0.100%の預金金利となっているため十分高金利ではあるのですが、0.120%で預金できると期待していた場合にはこれらの金利では少々不服かもしれませんよね。
イオン銀行Myステージのスコア付与条件に関して、プラチナステージに到達できそうかどうかを事前に確認しておいたほうがいいかもしれませんね。
海外送金サービスは行っていない
イオン銀行は、普段通りの生活を送っていく中で便利に利用できるサービスを多数取り扱っていますが、海外への送金サービスは取り扱っていません。
海外に送金を行うような機会がなく、今後もないであろう人にとってはそこまで気にするようなことではないと思いますが、その機会がある人にとっては自分が利用している金融機関で海外への送金が行えないと、他の金融機関を利用しなければならず地味に面倒くさいものです。
自分の生活スタイルを鑑みたうえで、イオン銀行を利用すべきかどうかを決めたほうが良さそうですね。
キャッシュカードは3種類から選ぶ
メリットを説明する際にキャッシュカードの話に少し触れましたが、イオン銀行では3種類のキャッシュカードの中から好きなキャッシュカードを選んで発行することができます。
イオンカードセレクト
1つ目は「イオンカードセレクト」というカードで、キャッシュカードにクレジットカードと電子マネーのWAONの機能が搭載されており、一枚で3つの機能を利用することができるという優れものです。
クレジットカードの国際ブランドもVISA・Master Card・JCBの3つの中から選ぶことができるので、メインで利用するクレジットカードとしても、すでに所有しているクレジットカードの国際ブランドとかぶらないサブのクレジットカードとしても利用することが可能です。
また、かわいい券面の「ディズニー・デザイン」も選ぶことができるので、女性にも嬉しいですね(ディズニー・デザインの場合の国際ブランドはJCB限定となります)。
イオンカードセレクトは、使い続けているとイオンゴールドカードセレクトのインビテーションが届くこともありますので、ぜひ継続して利用し続けたいですね。
イオン銀行キャッシュ+デビット
2つ目は「イオン銀行キャッシュ+デビット」というカードで、こちらはキャッシュカードにデビットカードと電子マネーのWAONの機能が搭載されたカードとなっています。
デビットカードはクレジットカードと同じような形で利用することができるカードですが、根本的に異なるのはお金を支払うタイミングで、クレジットカードは後払いですがデビットカードは「決済分の金額が即座に口座から引き落とされる」という形での支払いとなります。
そのため、デビットカードでの決済金額は「その時の口座の残高」が上限となるので、クレジットカードでありがちな「使いすぎて翌月の支払いに頭を抱える」ということが決して起きません。
クレジットカードの入門編のような形で利用するには、非常に向いているカードだと言えるでしょう。
イオン銀行キャッシュカード
最後はイオン銀行キャッシュカードで、キャッシュカードに電子マネーのWAONの機能が搭載された3つの中ではもっともシンプルなカードです。
シンプルな分特筆すべきメリットはありませんが、キャッシュカードにはあまり余分な機能を持たせたくないという人や、すでにクレジットカードを所有しておりこれ以上新たにクレジットカードを発行したくないという人にとっては、オススメできるカードとなっています。
イオンモール等での優遇も見逃せない
イオン銀行はイオングループ傘下の銀行なので、イオン銀行で口座を開設していると、イオンモール等で各種の優遇を受けられる点も見逃せません。
お客さま感謝デー
テレビでよくCMも放送されていますので名前を聞いたこともある人も多いと思いますが、イオンでは毎月20日と30日に「お客さま感謝デー」という日を設けています。
お客さま感謝デーでは、支払いをイオンカードセレクトで行うかWAONで行うことによって、5%オフの優遇を受けることが可能となります。
そのため、イオン銀行に口座をお持ちのかたがイオンでまとめ買いをするのであればお客さま感謝デーに狙いを定めるといいでしょう。
ただし、支払い方法が多少限定されてしまいますので、人によっては5%オフの優遇を受けられない可能性もあることには注意が必要です。
お客さまわくわくデー
20日と30日はお客さま感謝デーですが、毎月5の付く日(5日・15日・25日)は「お客さまわくわくデー」となっており、電子マネーWAONポイントが普段の2倍も貯まるようになっています。
お客さま感謝デーでは純粋に割引をうけることができましたが、お客さまわくわくデーではいろいろなものに交換できる電子マネーWAONポイントがより貯まりやすくなっているので、お客さま感謝デーとお客さまわくわくデーをうまく使い分けて利用するといいでしょう。
もう少しで電子マネーWAONポイントと欲しい商品を交換できるところまできているというような場合には、お客さまわくわくデーでまとめ買いして一気にポイントを貯めてしまうのがいいかもしれませんね。
G.G感謝デー
さらに毎月15日は「G.G感謝デー」という日に設定されており、55歳以上の人がイオングループの対象店舗で買い物をする際に、WAON・クレジットカード・デビットカードのいずれかで支払いを行うことで、5%オフの優遇を受けることができます。
これだけ利用者に対していろいろな還元を行っている流通グループは、他にあまり例がないのではないでしょうか。
ありが10デー
これで最後になりますが、毎月10日は「ありが10デー」に設定されており、なんとポイント還元率が普段の5倍にもなります。
普段であればWAONでの支払い200円ごとに1ポイント貯まる電子マネーWAONポイントも、ありが10デーであれば、200円の支払いで5ポイントも貯めることが可能であり、まさに出血大サービスと言えるでしょう。
イオン銀行で口座を開設している人にとっては、毎月5の倍数の日はイオングループで何かしらの優待が受けられる日と覚えておいてもいいかもしれませんね。
どんな人にオススメできる?
では、メリットやデメリットを踏まえたうえで、イオン銀行はどのような人にオススメできる銀行なのでしょうか。
まず、まとまった金額を預金するための銀行口座を開設したいと思っている人にとっては、間違いなくオススメできる銀行であることは間違いありません。
イオン銀行Myステージのステージにもよりますが、普通預金で0.10%~のような優秀な金利を実現しているところは、現在では本当に数えるぐらいしかありませんからね。
また、よくイオンモールやイオン銀行のキャッシュカードが利用できるATMが設置されてある商業施設を利用しているという人にとっても、普段の生活の中で無理なくお金の預け入れや引き出しを行うことができるので、便利に利用できる銀行であると言えるでしょう。
逆に、セブンイレブンやイトーヨーカドーなどのセブン&アイ・ホールディングス傘下のお店をよく利用するような人の場合は、少し使いにくいと感じる機会が多くなってしまうかもしれませんね。
まとめ
以上、イオン銀行のメリットやデメリットを徹底解説してきました。
イオン銀行は、普通預金金利の高さなど銀行としてのポテンシャル自体も非常に高いものがありますが、イオングループの一員ということでの、イオン系列の商業施設でのさまざまな優待特典が魅力的でもあります。
そのため、イオン銀行で口座開設を行うかどうかは、普段からイオングループの商業施設をよく利用しているかどうかに大きく左右されると言えるでしょう。
普段の自分の生活と照らし合わせたうえで、イオン銀行で口座開設を行うべきか否かを決めるようにしてくださいね。