セブン銀行とイオン銀行、便利でお得なのは?比較してみた!
今回は同じ流通系の企業をグループ会社に持つ、セブン銀行とイオン銀行について、各々特徴やスペックなどを比較してみたいと思います。
共に、一部店舗展開はしているものの、ほぼネット専業銀行として運営している二つの銀行ですが、 金利面やサービス面ではどちらの方が有利なのか詳しく見ていくことにしましょう。
記事の目次
セブン銀行とイオン銀行の違い
まず、セブン銀行とイオン銀行の違いから確認をしていきます。
セブン銀行とイオン銀行はライバル銀行
まず、各々の銀行が設立されたのは「セブン銀行」が2001年の4月10日、「イオン銀行」が2006年の5月15日という事ですので、両行とも比較的若い銀行という事が出来ます。
セブン銀行はグループ会社にセブンイレブン、そして全国に169店舗を展開するイトーヨーカドーなどの流通系店舗を持つ銀行、 一方イオン銀行はグループ会社にイオンがあり、全国に625店舗・274のイオンモールが展開されています。
既にお察しかとは思いますが、イトーヨーカドーとイオンは同じ流通スーパーとしてライバル関係にありますので、セブン銀行とイオン銀行についてもライバルとしてお互いが提携するということは基本的にはないようです。
また、セブン銀行は セブンイレブンやイトーヨーカドーで使えるnanaco カードとの連携が強化されており、一方イオン銀行もイトーヨーカドーで使える WAON カードや WAON のクレジットカードとの親和性があるサービスを、各々提供しています。
キャッシュカードは双方で使えるか?
次に、双方のキャッシュカードが各々で使えるかどうか?という点についても確認していきましょう。
まず、イオン銀行の ATM でセブン銀行のキャッシュカードが使えるかという点についてですが、イオン銀行ではセブン銀行のキャッシュカードは使えないようになっています。
一方、セブン銀行の ATM でも、イオン銀行のキャッシュカードは使えません。
ちなみに、セブン銀行はほとんどの銀行とも提携しており、 収益のほとんどをATM の手数料でまかなう…という銀行としては珍しいビジネスモデルを採用しています。
しかし、さすがにライバル企業のイオン銀行との親和性は悪いようです。
詳しくは、各銀行の提携 ATM に関するホームページを掲載しておきますので、ぜひ参考になさってください。
◆セブン銀行公式サイト:「セブン銀行ATMで使える提携銀行キャッシュカード」
◆イオン銀行公式サイト:「イオン銀行ATMで使える提携銀行キャッシュカード」
金利面で比較
次に、各々の銀行の普通預金、そして定期預金の金利についても比較をしてみることにしましょう。
定期預金の金利が高いのは?
まず定期預金の金利を比較してみます。
イオン銀行の場合、スーパー定期(300万円未満)の1年もの定期では、年「0.050%」、セブン銀行の1年もの定期の場合は「0.020%」となっていますので、 若干イオン銀行の方が金利が高いということになります。
ただ、各々の金利の差はたった0.030%ですので、数百万円までの資産であればそれほど大差はないということになります。
普通預金年の金利が高いのは?
次に普通預金の金利についても比較してみましょう。
セブン銀行の普通預金金利は「0.001%」となっていますので、ほとんどの銀行の普通預金金利とは変わらないということになります。
一方イオン銀行の普通預金についても、基本的には0.01%と低い金利ですが、イオンカードセレクト/キャッシュ+デビット/イオンデビットカードを持っている場合には、何と普通預金の金利が「0.100%」になる特典が付いています。
この金利は一般的な定期預金金利よりも高いため非常にメリットがあると言えます。
ATMの利便性で比較
次に、各々の銀行の ATM の利便性でも比較してみることにします。
ATM手数料の無料回数は?
最初に ATM 手数料の無料回数を比較してみますが、セブン銀行もイオン銀行も基本的には自社の ATM の手数料は無料です。
ただ、イオン銀行の場合は、イオンMyステージと言うステージアップ制度を利用すると、他行の ATM の利用手数料が最大5回まで無料になる特典も用意されていますので、そういう意味ではイオン銀行が有利と言えるかもしれません。(セブン銀行にはステージアップ制度はありません)
イオンMyステージとは、 イオン銀行の取引に応じてステージアップする仕組みになっており、例えば、イオンカードセレクトやカードローンの利用でもポイントが貯まるようになっています。
ATMの設置台数や利用可能時間は?
次に、ATM の設置台数や利用可能時間についても、双方の銀行を比較してみましょう。
まず、セブン銀行ですがセブン銀行はセブンイレブンの店舗とイトーヨーカドーの店舗にATM が設置されており、直近のデータでは全国で約2万5000台の ATM が設置されています。
一方、イオン銀行も全国各地のイオンにATM が設置されており、設置台数は6000台ということになっています。
これだけを見るとセブン銀行の方に軍配が上がる気がしますが、イオン銀行の場合は提携 ATMも無料で使えるところが多く、それらの ATM 台数を含めると、全国で約55,000台の ATM が無料で利用できることになっています。
また、利用時間については、イオン銀行は24時間無料、一方セブン銀行は、朝の7時から夜の7時までが無料で、それ以外は108円の手数料がかかってきます。
したがって、ATMの利便性という意味では、イオン銀行に軍配が上がります。
振込手数料や無料回数を比較
次に、振込手数料についての比較をしてみます。
基本的にはイオン銀行もセブン銀行も振込手数料は有料となっており、1回に216円の手数料がかかります。
ただ、イオン銀行の場合、先ほどお伝えしたイオンMyステージのステージを上げて行くと、1ヶ月につき最大5回まで他行の振込手数料が無料になる特典があります。
一方、先ほどもお伝えした通り、セブン銀行にはステージアップ制度がありませんから、実質的な無料回数という意味ではイオン銀行の方に軍配が上がります。
nanacoやWAONとの関係は?
次に nanaco カードや WAON カードとの親和性についても比較をしてみましょう。
ポイントが貯まりやすいのはどっち?
セブン銀行もイオン銀行も、 各々のポイントカードにポイントが貯まるようになっていますが、各銀行を利用した場合、どちらの方がポイントが貯まりやすいのでしょうか?
nanacoカードとセブン銀行の連携サービス
まずセブン銀行を利用した場合、 nanaco カードにどれぐらいのポイントが貯まるのか?いくつかの例を挙げてみたいと思います。
- デビットサービス利用金額に応じて0.5%~1.5%分のnanacoポイント
- 給与・賞与の受け取りで初回特典500Point(2回目からは10Point)
- 口座振替で10Point
- 振込出金で10Point
- オムニセブンの代金支払いで10Point
- 海外送金で10Point
WAONカードとイオン銀行の連携サービス
次に、イオン銀行を利用した場合の WAON カードへのポイント付与の代表例です。
- 電子マネーWAONオートチャージ200円分チャージ毎でWAONポイント1Point
- 給与口座指定で、WAONポイント10Point
- 各種公共料金の支払い1件につき、WAONポイント5Point
- 投資信託購入時手数料は、WAONポイントで50%返金
以上見る限りポイントに関しては、セブン銀行とイオン銀行は、それほど差はない…ということになります。
ATMの利便性もイオン銀行に軍配
続いて利用できるATMの種類や手数料に関してですが、これに関してもイオン銀行に軍配が上がりそうです。
イオン銀行は、ローソンATM・イーネットATMというコンビニATMで利用可能なので、普段使いでの使いやすさは抜群です(セブン銀行のATMは利用できない)。
その他にも数多くの金融機関と提携しているので、イオン銀行のキャッシュカードが利用できないATMを探すほうが難しいぐらいでしょう。
一方、セブン銀行はセブンイレブンに設置されているセブン銀行のATMこそ利用できるものの、上述したローソンATMやイーネットATMは利用できないので、コンビニで利用できないというケースに多々遭遇しそうなのがネックです。
他に利用できるATMも、ゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行のものにとどまるので、周辺のATM事情によってはセブン銀行のキャッシュカードを利用するために少し遠出しなければならない、ということすらありえそうですね。
手数料は基本的にどちらも自行ATMを利用する場合は無料で(セブン銀行の場合は引き出しは7時~19時に限られる)、提携金融機関やコンビニのATMを利用する場合は所定の手数料が必要という形になっており、時間制限がない分だけここでもイオン銀行の優位は動きません。
イオン銀行では住宅ローンの金利が優遇
最後に口座開設者に対するローン金利優遇の有無に関してですが、そもそもセブン銀行ではカードローン以外のローンを取り扱っておらず、そのカードローンでも口座開設者に対する優遇措置などがあるわけではありません。
一方セブン銀行では、口座開設者は住宅ローンの金利を優遇してもらえる可能性があります。
ただし、ただ口座を開設するだけではなく「イオン銀行の口座を給与振込口座に指定」「イオン銀行カードローンの申し込み」「投資信託口座開設」のいずれかの条件を満たさなければなりません。
もともとイオン銀行の口座を給与振込口座にするつもりだった、住宅ローンと一緒にカードローンも利用しようと思っていた、など無理のない形で条件を満たせる人であれば住宅ローンの金利優遇は非常にありがたい措置だと言えるでしょう。
新規借り入れ・借り換え・固定金利・変動金利によって、優遇される金利幅は異なりますが、いずれの場合でも2%弱の金利優遇を受けることができるので、借り入れ金額が大きくなりがちな住宅ローンの返済にとっては非常に大きなインパクトを持つことは間違いありませんね。
まとめ
今回はセブン銀行とイオン銀行の各々の特徴について、さらには nanacoカードや WAON カードとの親和性について、各々の銀行を比較してみました。
確かに、ATM 手数料の適用が受けられる時間帯や、ステージアップの制度の有無など、いくつかの違いがありましたが、各々ネットでの取引がメインということもあり、それほどサービス面では差がないこともわかりいただけたかと思います。
銀行を選ぶ際、様々な条件で迷うのも無理はありませんが、自分で最も重視したい条件を一つ選び、その条件にマッチする銀行を優先的に選ぶのが賢明なのかもしれませんね。