オリックス銀行の定期預金はペイオフの対象?安全に銀行を利用するには
今回はオリックス銀行の信用度をはかる「格付け」に関する情報や、“預金保険機構”や“ペイオフ“など、金融危機に関する基礎知識について、いくつかの情報をお届けしたいと思います。
ペイオフとは?
まず、ペイオフとはどういう意味の事を指すのか?基本的な部分から解説していきたいと思います。
ペイオフとは英語で書くと「Pay・Off」となりますが、直訳すると「支払いを行わない」という意味になります。
これだけ聞くとわかりづらいと思いますが、結論から申し上げると、ペイオフとは「預金の全額保護を行わない制度」という意味があります。
金融機関が破綻しても保障される制度
この制度は、国や金融機関が出資して出来た「預金保険機構」が取り扱っている制度で、万一金融機関が破綻した場合には、預金保険機構から利用者に対して、預金や利息などの保障が行われる仕組みになっています。
この制度は以前からも存在しており、2002年3月末までは保障される金額が「預金者の預金の全額」となっていましたが、その後金融機関の破綻などが影響し、2002年4月からは「ペイオフが解禁」となり、保障される金額に上限が定められるようになりました。
万一銀行が破綻した場合
では、このようなペイオフ制度が敷かれている今の日本で、万一金融機関が破綻した場合、どれだけの金額が保障され、また破綻してから預金者に払い戻しされるまでには、どれくらいの期間がかかるのでしょうか?
まず、預金の保護の範囲ですが、基本的には「決済用預金以外の元本1,000万円を超える部分とその利息等」及び「預金保険制度の対象外の預金等」については、保障の対象とはなりません。
したがって、逆に申し上げると一般的な預金に於いては、1,000万円までの預金とその利息は保障されるという事になっています。
また、万一破綻した場合の預金者に払い戻されるまでのスケジュールですが、預金保険機構が「資金援助方式(※)」を採用した場合は、最短で翌営業日には払い戻しが受けられるような体制は整えられているようです。
(※)資金援助方式とは…(1)破綻した金融機関の事業を救済金融機関に引き継ぎ移管し、その際に救済金融機関に資金援助を行う方式の事。
ちなみに、もう一つの保障の方式としては、「保険金支払方式」といって、預金者に直接保険金を支払うという方式もあります。
今の日本では、資金援助方式が優先的に採用されています。
オリックス銀行のペイオフの対象は?
次に、万一オリックス銀行が破綻した場合、保護される預金とそうでない預金はどのようになるのか?い詳しく見ていきたいと思います。
保護される預金
オリックス銀行の場合も、その他の銀行の場合も同じなのですが、以下の預金については預金保険機構の保障の対象となりますので、1,000万円までの元金とその利息については、預金者に保障される事になっています。
- 当座預金、普通預金、別段預金、定期預金、通知預金、納税準備預金、貯蓄預金
- 定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)
保護の対象とならない預金
一方、預金保険機構の保障の対象とならないのは、以下の預金や投資資金です。
- 外貨預金、譲渡性預金、金融債(募集債及び保護預り契約が終了したもの)、特別国際金融取引勘定において経理された預金(オフショア預金)
- 無記名預金、他人・架空名義預金等。
尚、前述の保障対象となる預金のうち1,000万円を超える預金や、保障対象外の預金についても、金融機関の破綻後の状況によっても事情が変わってくる場合もあり得ます。
(金融機関の財産などの状況次第では、取り戻せる可能性もある)
オリックス銀行の破綻の可能性
ここまで、オリックス銀行が破綻した場合を仮定して、預金保険機構の制度などを詳しくご紹介してきました。
では、そもそもオリックス銀行が破綻する可能性はどれくらいあるのでしょうか
金融機関をはじめ、各企業が破綻する確率は何%…というような感じで、破綻の確率を示す事は出来ません。
しかし、第三者の評価機関である「信用格付け会社」が評価した内容から、オリックス銀行の破綻の可能性は予測する事が可能です。
オリックス銀行を評価する信用格付け会社とは
信用格付け会社とは、金融庁が認定した会社で、金融機関や一般企業の財務基盤や事業内容から、信用度をA~C等と感じでランク付けしている会社の事を指します。
特に企業に投資をする場合は、中長期的な観点から企業を判断する必要性がありますので、これらの指標が参考にされます。
オリックス銀行の直近の評価は「A+」
ちなみに、直近のデータを見ると、株式会社格付投資情報センターのオリックス銀行への評価は「A+」となっており、基本的には財務状態も良く、債務が履行できなくなるリスク…つまり破綻の可能性は限りなく低いという評価が得られています。
オリックス銀行の場合、メガバングなどとは異なり預金残高の8割以上が個人向けである事などから、銀行の資金としての安全性は高いと言われています。
又、ワンルームの投資用マンション向け住宅ローン・カードローン・法人融資・信託などの事業も手掛け、国内銀行の中での収益性の高さでは評価が高い部類に入ります。
また、店舗を運営しておらずキャッシュカードも発行しないなど、ローコストオペレーションを徹底し、経費率も低水準に抑えている事が高評価の理由となっています。
自分の資金を安全に運用するなら
最後に、ここまでご紹介したような内容を踏まえ、結局のところ自分の資金を安全に運用するのには、どんな方法が最適なのか?という点を考えてみたいと思います。
預金は1,000万円単位で銀行を使い分ける
一つ目は銀行に預け入れる預金を小分けにする方法です。
先でも触れた通り、預金保険機構で保障される預金は1,000万円までと決まっていますので、もしそれ以上の預金がある場合は、いくつかの銀行に預金を分けておく事をおすすめします。
また、銀行を選ぶ際には、利率やネームバリューばかりを気にするのではなく、振込手数料の無料回数や口座開設時のキャンペーンなどもチェックしておかれる事をおすすめします。
税金の事を考え長期で運用するならIdeco
銀行の安全性以外で考えておくべきなのは、運用利率です。
お気づきの通り、今の日本では定期預金の金利は0.5%以下のところが殆どですので、お金を賢く運用するなら銀行預金以外の方法を選択したほうが賢明と言えます。
そういう意味では、最近話題になっている「個人型確定拠出年金」をおすすめします。
確定拠出型年金の中には「企業が掛け金を負担する企業型」と、「個人が掛け金を負担する個人型」がありますが、共に60歳まで解約が出来ないというデメリットはあるものの、運用益に対しては税金がかからないなど、数々のメリットがあります。
金利のリスクはあるがMRFもおすすめ
又、証券会社で発売されている投資信託のひとつ「MRF」も、実はリスク回避にはおすすめです。
MRFは元本保証ではない為、多少の金利変動のリスクはありますが、購入した証券会社が破綻したとしても、実際にはその財産は信託銀行に分離して保管されている為、証券会社などの金融機関の破綻のリスクを限りなく抑える事が可能です。
まとめ
今回はペイオフに関する基礎知識や、オリックス銀行の信用度に関する情報をいくつかお届けしました。
たしかに、初めてネット銀行を選ぶ際には、銀行の信用度は気になるところです。
したがって、銀行選びは「ネームバリュー」よりも、「経営基盤の強さ」で選ぶのが賢明と言えます。