火葬や葬式費用が払えない場合どうする?葬儀費用ローンで借りられる?
大切な身内に不幸があったとき、葬式代や火葬代を支払う立場でありながら、費用を捻出できないという事態に迫られるケースがあります。
この記事では、葬式代や火葬代が払えない場合の対処法を、具体的に紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
今回の記事は以下の人におすすめの内容です。
・葬式費用が用意できずにどうすれば良いか困っている人
・葬式費用や火葬費用が払えないときの対処法を知っておきたい人
・葬儀に使えるローンの種類が気になる人
記事の目次
葬式代が払えない場合の豆知識
万一、身内に不幸があった場合、その突然の事態に悲しみに暮れることとなるでしょう。
お別れのタイミングは急に訪れるため、何も準備ができずに供養に移らなければならない人が多いです。
しかし、悲しみに沈んでいる状況の中で、葬式代や火葬代の支払いが待ったなしで必要となるため、追い打ちをかけるかのうように金策が必要となる場合があります。
日本消費者協会の調査によると、全国葬儀費用の平均額はおよそ200万といわれています。
いざという時に、まとまったお金が必要となると、冷静な判断ができなくては困りますよね。
まずは葬式代が払えない場合の対処法として「葬儀費用を支払うタイミング」「葬儀費用は一括払いが一般的」「クレジットカードも対応可能」「葬式ローンで払うこともできる」という4つのポイントを解説します。
葬儀費用はいつ払う?
そもそも葬儀費用はいつ支払うものなのでしょうか?
葬儀会社にもよりますが、基本的には後払いとしているところがほとんどです。
現金払いをする場合には、葬儀が終わったあとで、直接支払うこともありますが、葬儀屋へは1週間ほどしてから支払うことが一般的です。
ただし、お坊さんへのお布施は、葬儀の前や、葬儀直後に渡すことが通例ですので、知っておくと良いでしょう。
どうしても金策が間に合わない場合には、直接お坊さんに相談してみましょう。
葬儀費用は一括払いが一般的
葬儀の費用は、一括払いか分割払いのどちらが一般的かという質問も多いのですが、一般的には一括払いをされるケースが多数派のようです。
葬儀が行われて1週間ほどしたあとに、葬儀会社の人が集金するか、銀行振込などによって直接現金払いを行います。
とはいえ、一括払いが必ず良いということでもありません。
葬儀はとんとん拍子で行われ、気持ちの整理を付ける間もないため、どこで葬儀をするか、どれくらいの費用をかけるか等を熟慮できないまま行ってしまうことが多々あります。
結果的に、生活費が不足して困ってしまうこともあり得ますので、一括払い以外の方法も考えましょう。
葬儀屋が一括払いしか対応していないとしても、分割で支払う方法はあるので、気になる人は最後までこの記事を読むことをおすすめします。
クレジットカードも対応可能
クレジットカード対応の葬儀会社もあるため、もし利用可能であればクレジットカード払いという方法も良いでしょう。
クレジットカードの一括払いを利用すれば、支払日までに金策の猶予期間ができますし、分割払いを利用すれば月々の負担が軽減できますよね。
また、リボ払いを利用すると、毎月一定額の支払いで良いため、金策が立てやすくなるでしょう。
さらに、ボーナス払いを行えば、月々の負担を最小限に抑えることが可能です。
カードにポイントも貯まりますので、お得な支払いができますね。
ただし、葬儀費用に対して、クレジットカードの限度額が足りない可能性や、一度の支払いの上限金額が足りない可能性もあります。
事前に、葬儀費用と限度額を確認しておきましょう。
葬式ローンで払うこともできる
現金払いが厳しく、クレジットカードで支払えないという場合には、葬儀ローンを活用するという手もあります。
葬儀ローンに対応している葬儀会社かどうか確認した上で利用を申し出ましょう。
葬儀ローンは、葬儀の申し込み手続きをするときに、クレジット会社と契約を行います。
葬儀ローンの利用ができれば、クレジットカードを保有していなくても分割で支払うことが可能です。
葬儀ローンなら、生活にゆとりを持たせた支払いが可能ですね。
ただし、金利や手数料、支払い回数などを、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
お金がない人の葬儀の方法
お金がないときに葬儀をあげなければならない場合、支払い方法によって対策を打つのも良い手ではあるのですが、根本的に負担を軽減する方法はないものでしょうか?
ここでは、お金がない人の葬儀の方法として「補助金をもらう」「公営の斎場を利用する」「直葬を行う」「市役所に生活保護葬を相談する」というパターンを紹介します。
葬儀をあげるタイミングで調べるのは急すぎると思いますので、あらかじめ知っておいた方が良いかと思います。
補助金をもらう
葬儀をあげる場合にかかる費用は、お葬式の費用だけではありません。
埋葬するための埋葬料も必要です。
埋葬料は申請によって、全国健康保険組合から給付金をもらうことが可能です。
およそ5万円程度の費用が給付されますので、申請をオススメします。
申請は勤務先が行ってくれる場合もありますが、自分で申請する時には、全国健康保険組合か社会保険事務所に請求します。
手続きの方法が分からない場合は、全国健康保険組合か社会保険事務所に聞いてみると良いでしょう。
また、国民健康保険の場合にも葬祭費として補助金をもらえますが、もらえる金額や受取方法などは自治体ごとに異なるため、管轄の市区町村窓口に問合せしてください。
公営の斎場を利用する
葬儀費用を安くするためには、公営の斎場を利用すると良いでしょう。
公営の斎場は、市民や区民の負担軽減のために建てられており、故人や喪主が該当する自治体に居住している(していた)場合に利用できます。
サービス内容は民間の斎場の方が、圧倒的に充実したサービスを提供していますが、費用を抑えながらしっかりと見送りたいという場合には、公営の斎場を賢く利用しましょう。
ただし、最近は家族葬として、地味なお葬式をあげられる民間業者もありますので、価格比較をしてみましょう。
直葬を行う
直葬という方法もあります。
実は、お葬式は必ずしなければならないものではありません。
日本は宗教が複数存在しており、宗教ごとにお葬式の方法や埋葬方法が違うため、法律上でお葬式が強制されてはいません。
お葬式は個人を弔う儀式であり、必ず必要というものではないのです。
また、火葬を行うまでの遺体を保管しておくのは、自宅でも構わないため安置施設の利用をしなくても大丈夫です。
一方、必ずしなければならないのが火葬と埋葬です。
火葬と埋葬は必ず必要であるため、これらにかかる費用も必須となるのです。
しかし、お葬式をせずに、病院から直接火葬場に送ると、安置所の費用と棺や火葬代、搬送代などの最低限の費用で済みます。
およそ、20万円程度で済みますので、大きく費用を軽減できます。
なお、日本では土葬も法律上認められていますが、地方自治体の禁止されていないことや、土葬可能な墓地があるなどの条件を満たさなければいけないため、余り現実的な埋葬方法ではありません。
生活保護葬を相談する
市区町村の市役所や区役所に、生活保護葬の相談をすることも可能です。
生活保護葬とは、行政が葬儀に必要なお金を負担してくれるというものです。
どうしても生活が困窮していて、葬儀費用が工面できない場合に利用すると良いでしょう。
ただし、喪主の家が困窮しているだけでは、生活保護葬は活用できない可能性があります。
生活保護葬は、自分だけでなく、親や兄弟など全員が負担した上で、それでも不足する場合に不足分を負担してもらえる制度ですので注意しましょう。
火葬代払えない人の豆知識
お葬式の費用どころか、火葬代が払えるか心配という人もいるとおもいます。
直葬すれば、葬儀費用を抑えられると紹介いたしましたが、そもそも火葬代もままならないという状況の場合、急いで金策をしなければなりません。
ここでは、金策の前段階として、直葬費用や火葬代、埋葬費用の相場がいくらなのか、前述内容よりももう少し具体的に紹介していきます。
直葬費用の相場はいくら?
さきほど、直葬をする場合の目安は約20万円だと紹介しました。
直葬する場合には、火葬代しかかからないと勘違いをしている人もいると思いますが、前述の通り、安置所の費用や棺代、搬送代などが必要です。
このような費用が必要な背景には、法律によるところがあります。
日本の法律では、亡くなってから24時間は火葬してはいけないという決まりがあるため、その間は安置しないといけないのです。
そのため、安置するたの備品などの費用も必要であるため、火葬代以外にも諸費用がかかるのです。
火葬代の相場はいくら?
では、火葬代そのものの費用自体はいくらぐらいが相場なのでしょうか?
火葬代は公営の火葬場と、民営の火葬場によって費用は大きく異なります。
公営の火葬場の目安は、数千円から5万円程度が相場ですので、とてもリーズナブルな料金となっています。
民営の火葬場の場合は、5万円から15万円程度が相場となっており、ほかにも家族が使う休憩室代が別途かかります。
埋葬費用の相場はいくら?
埋葬費用は、埋葬する墓地などに一覧表があるかと思いますので、一覧表で確認するか、墓地の管理者に聞いてみると良いでしょう。
一般的には2万円から5万円が目安といわれていますので、参考にしていただければと思います。
ただし、埋葬する場合には、お坊さんを呼んで納骨をするため、別途お坊さんへの読経代が必要となります。
読経代は、1回のお経に対して3万円が相場とされ、複数の場合は2万円加算とするようですが、定価があるわけではないので、事前にお坊さんに確認した方が無難です。
また、お布施以外にも骨壺の費用や収骨時に戒名を書いてもらうお金など、墓地の利用料以外にも必要な金額があるので注意してください。
葬式や火葬前の注意点
お葬式や火葬前には、必ず注意しておくべきことがあります。
それは、故人の銀行口座が使えなくなるということや、故人に財産があるとき、場合によっては故人が借金していた可能性があることなどがあげられます。
これらの内容によっては、残された者がトラブルに巻き込まれることもありますので、しっかりと確認しておきましょう。
故人の銀行口座は使えない
故人の預金口座のお金を、葬儀費用にしようと考えている場合は要注意です。
死亡した人の銀行口座は、凍結されるということを知っておきましょう。
銀行口座が凍結されると、故人が生まれてから死亡するまでの間の戸籍などを用意しなければなりませんし、相続人全員の実印が必要となります。
とても葬儀費用の準備には間に合いませんので、注意しなければなりません。
故人の財産は調べるべき
故人の財産はしっかりと調べておきましょう。
故人しか知らない財産や、故人も忘れている財産がある可能性は十分考えられることです。
故人にゆかりのある地域の銀行などに、預金が残っていないかを調査すると良いでしょう。
可能性のある銀行や郵便局などをリストアップし、順番に聞いてみましょう。
借金がないかも調べるべき
財産と同様に、借金がないかも調べておきましょう。
相続は、財産だけでなく借金も引き継がれます。
そのため、たとえば親に借金がある場合には、親の借金を子供が返済しなければならなくなる可能性もゼロではありません。
しかし、相続放棄をすれば、財産は得られない代わりに、借金の返済義務もなくなりますので、負担を負う必要がありません。
相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に、管轄の家庭裁判所に届け出ましょう。
注意点として、正式に遺産相続をする前に、故人の財産を利用した場合には、相続放棄ができなくなってしまいます。
遺産を葬式費用にあてるときには、借金の存在を確認して正式に相続手続きを踏むようにしてください。
親や身内から借金をしたときに確定申告で気を付けたいこと【贈与税】
葬式や火葬代がない場合の貸付
どうしても葬式代や火葬代が捻出できない場合には、どのような対処法があるのでしょうか?
葬式費用や火葬代は、いわゆる臨時出費であるため、その場さえしのげれば、対処は難しくありません。
ここでは、その対処法として「銀行カードローンを利用する」「大手消費者金融から借りる」「街金からキャッシングする」の3つを紹介します。
銀行カードローンを利用する
銀行カードローンは個人が無担保、無保証人で融資を受けられる上、限度額の範囲で何度でも借入れや返済が可能です。
そのため、手軽に金策を講じられるため、葬儀費用の捻出に効果的な方法です。
銀行にもよりますが銀行カードローンは1%台から14%程度の金利で、最大1,200万円まで利用可能です。
ただし、融資まで数日必要であるため、葬儀会社への支払い日から逆算した申し込みが必要です。
また、借入限度額が希望額に満たない可能性があるため、葬儀費用が高額になる場合には気を付けましょう。
大手消費者金融から借りる
大手消費者金融は、3.0%~18.0%の金利で、最大800万円までの融資を受けれます。
銀行カードローンよりも金利が高い反面、審査に柔軟性があるため、気軽な借入れができるのは嬉しいですね。
また、即日融資に対応しているので、急な不幸のときにも金策が可能です。
インターネットでの申し込みができたり、自動契約機で借入できたり、提携ATMなどが整っているため、お通夜後や葬儀前などいつでもどこでも金策ができます。
街金からキャッシングする
銀行カードローンや大手消費者金融の審査に自信がない場合には、街金を利用する方法もあります。
街金は小規模の消費者金融で、利用者の状況に応じた柔軟な融資をしてくれます。一昔前には、闇金ように激しい取立てや法外な金利を請求されるイメージがありましたが、現在は法律の改正により、大手消費者金融と同じようなサービスが受けられます。
金利は大手消費者金融よりも割高ですが、待ったなしの葬儀費用の捻出には便利です。
ただし、少額融資を得意としているため、借入限度額と必要な費用のバランスは配慮しなければなりません。
お住まいの地域で利用可能な街金の限度額を比較した上で、申込むと良いでしょう。
葬儀費用は香典で足りる?
お葬式と言えば香典を思い浮かべる方も多いかと思いますが、この香典で葬儀費用を補うことは可能なのでしょうか?
市民葬や区民葬など一般的なお葬式の中でも、安い形式を選べば香典も併せて賄えるのではと考える人も多いです。
しかし、結論から言うと、香典に過度に期待するのは危険だと言えるでしょう。
そもそも、お葬式にも様々な種類があり、お通夜や告別式など広い一般的なお葬式を行う一般葬や、一般の弔問客を呼ばず家族のみで行う家族葬などあります。
また、上記の2つのように告別式やお通夜も行わない直葬(火葬式)の場合もあり、宗教による形式や規模によってそれぞれ費用は大きく異なります。
基本的に一般葬が一番香典に期待できますが、費用も一番高いです。
また、直葬は費用が抑えられるものの香典は一番集まりにくいと言えるでしょう。
香典をいただかないと決めて直葬を行う場合もあるので、これらの香典を平均にすることは難しいですが、基本的に香典で葬儀費用を補うには、かなり広い交友がない限り厳しいです。
ただし、直送の場合は、上記でご紹介した寺院にかかる費用が告別式やお通夜を行わないので、費用はおおよそ20万円程度に収まることが一般的となっております。
このように、亡くなった方に応じて葬儀の方法を工夫する必要があり、最も費用を抑えられる直葬でも20万円ほどの費用を、最低用意する必要があると言えるでしょう。
葬式費用の相場
大きな火葬や埋葬の相場を紹介してきましたが、次は身内の誰かが亡くなってしまった時の、お葬式や埋葬にかかる費用から解説していきます。
支払うお金
日本消費者協会が行った調査「2017年 第11回葬儀についてのアンケート調査報告書」によると、一般的な葬儀に必要な費用の平均は196万円となっています。
ここには、お通夜などで出される料理にかかる費用、寺院への費用、その他葬儀会場にかかる費用などが含まれています。
ただ、これもあくまで平均のデータですので、100名程度の参列者の場合などは、70万円~100万円程度で済む場合もあります。
入ってくるお金
葬儀で支払うべき費用は以上の通りなのですが、出ていくお金がある一方で、入って来るお金もあります。
また、ここでは紹介していませんが、故人が配偶者や親である場合には遺族年金が受けられる可能性もあるため、受給資格を確認しておきましょう。
ご香典
最近では、香典返しなどの手間を省くなどの理由で、香典を辞退する方も増えてきていますが、一般的な葬儀では香典を受け取ります。
香典の金額は故人との関係性や年齢などでも変わってきますが、通常は一人3,000円~5,000円のケースが多いようです。
例えば100名程度の参列者があった場合は、香典だけでも30万円~50万円は入ってくることになります。
ただ、この中から香典返しで香典の約50%をお返しすることになりますので、実際に残るお金は15万円~25万円程度となります。
葬祭費・埋葬料の補助金
意外に知らない人も多いのですが、故人が国民健康保険や社会保険に加入していた場合は、葬儀にかかった費用や埋葬にかかる費用に対し、給付金が支給されます。
埋葬費については、本人が死亡した時に国民健康保険などの手続きをすれば、その際に葬祭費に関する案内があると思いますが、おおよそ1万円~7万円のお金が戻ってきます。(自治体により給付金は異なる)
また、埋葬費についても、同じく健康保険から支給されることになっており、金額は5万円となっています。
なお、以上の給付金は故人が死亡してから2年以内に手続きしないと、もらえなくなりますので、必ず申請手続きは忘れないようにしましょう。
慶弔見舞金
また、故人が会社勤めしていた場合は、会社によっては慶弔見舞金が支給される場合もあります。
また、大手企業などでは、社員が死亡した時に支給される団体生命保険に加入している場合があり、ある企業では社員死亡で500万円(管理職は700万円)支給されるケースもあります。
葬儀費用を負担すべき人と支払い方法
これまで紹介してきたように、葬儀費用や埋葬費用は方式によって金額が大きく異なりますが、ある程度のまとまった金額が必要であることがわかりました。
それでは、以上でお伝えした葬儀の費用は、誰が負担し、いつ支払うべきなのでしょうか?
葬儀費用を負担し支払う人がだれか、また支払方法はどのような手段が取られるか確認して行きましょう。
一般的には喪主が負担するが…
実は、葬儀費用を誰が負担すべきか?という点については、法律で決められていることでもなく、一般的な「ルール」というものはありません。
しかし、通常は故人の配偶者や子供などの「法定相続人」が負担するケースが多いようです。
また、後見人など扶養義務者が設定されている場合には、該当する人が葬儀費用の支払いを行うこともあります。
つまり、基本的には「受け継いだ遺産から、葬儀費用を支払う」というイメージです。
しかし、中には受け継がれる遺産などが一切なく、むしろ借金などが残っていて、葬儀の支払いどころではないケースがあり、そのような場合は遺族の中で揉めごとに発展する場合もあります。
したがって、亡くなってからそのようなトラブルが想定される場合には、きちんと「遺言」というかたちで、文書に残しておかれることをおすすめします。
支払いは葬儀終了後1週間後
葬儀会場のほとんどは、葬儀終了後の1週間以内に一括で料金を支払うシステムになっています。
ただ、会場によっては未払いのリスクを避ける為に、葬儀までに「前金」というかたちで、一部入金を依頼されるケースもありますので、葬儀前によく確認しておくようにしましょう。
ちなみに、葬儀費用は分割でも支払えます。
葬儀費用の分割やローンについては、この後触れていきたいと思います。
葬儀代を支払わなかったらどうなる?
ちなみに、葬儀を行ったあと、「費用が高くて払えない」ということで、料金を支払わなかった場合にはどんな事態になるのでしょうか?
非常に稀なケースではありますが、中には「葬儀費用の踏み倒し」という事案も発生しているようです。
契約書に基づき法的手段がとられる
葬儀会社に葬儀を依頼した場合、葬儀の内容や料金、そしてその料金の支払い方法が書かれた「契約書」にサインすることとなります。
契約書には、料金が支払われなかった場合の措置についての一文があるはずです。
ほとんどの場合は、争議解決の場として、地域の裁判所などの判断に委ねる…という一文や、法的手段をとらせていただきます、といった文言が記載されます。
したがって、万一葬儀費用を支払わずに放置していると、弁護士事務所などから書面や連絡がきたり、最悪の場合には訴訟にまで発展したりするケースもあります。
そもそも、そんなことをして故人が喜ぶ訳もありませんので、間違っても料金の不払いという無礼なことだけはしないようにしたいものです。
葬儀代金を用意する4つの方法
先ほども軽く触れましたが、葬儀費用の支払いに使える分割ローンや、給付金以外の公的支援などの情報についてもお伝えしておきます。
公的補助
健康保険での給付金については、先ほどお伝えした通りなのですが、故人が生活保護の受給者である場合や、生活保護を受けていた故人に身寄りがなく、大家さんなどが代理で葬儀を行う場合には、法律により葬祭扶助制度の給付金が支給されます。
ただ、その支給額は「大人で201,000円以内」「子供で160,800円以内」と決められていますので、通夜や葬儀を行わずに火葬のみ行う「直葬」の費用だけを賄えるというイメージとなります。
クレジットカード
費用が比較的少額なら、クレジットカードの利用も可能です。
クレジットカードは、利用してから決済日まで、1ヶ月以上開けることが可能ですので、香典や給付金などが入ってくるまでの「つなぎ」として利用ができます。
しかし、基本的にクレジットカードは一括払いが原則ですし、リボ払いにすれば毎月の支払いは抑えられますが、金利もかかってきます。
したがって、クレジットカードはあくまで「一時的な利用」という位置づけでの使用をおすすめします。
ローン
葬儀費用にも各種ローンは使えます。
ローンの種類としては主に、「銀行の目的ローン」「信販会社のローン」「信金や労金ローン」「銀行や消費者金融のカードローン」の4つがあります。
銀行の目的ローン
葬儀費用の支払いは、メガバンクや地方銀行などで取り扱われている「目的ローン」が利用可能です。
金利もそれほど高くなく、返済も10年以内の返済となっているところが多いので、無理なく借り入れ・返済ができます。
ただし、銀行の目的ローンは、契約後に追加で借り入れができないローンです。
後でご紹介するカードローンのように、「借りたり・返したり」ができませんので、少々利便性に欠ける点は否めません。
信販会社のローン
葬儀会社によっては、ローン会社と提携しているところがありますので、比較的スムーズな審査で信販会社などのローンを利用することも可能です。
その代表的な例は「オリコの目的ローン」です。
オリコの多目的プランのローンなら、金利は6.0%~13.2%、融資限度額も最高300万円までと、葬儀費用のほとんどをカバーができます。
信金や労金ローン
信金や労金の組合員や会員であれば、銀行と同じ感覚で目的ローンやカードローンの利用が可能です。
例えば、「ろうきん」の多目的ローンは、金利も年率3.7%~4.5%と低めですし、最大融資可能額も1,000万円となっていますので、葬儀費用が高くなった場合でも安心です。
信金や労金のローン商品は、低金利で利用しやすい商品が多いですが、組合員でなければ利用できないというデメリットもあるため、葬儀前から組合員でなければ利用は難しいでしょう。
銀行や消費者金融のカードローン
少額で短期間の資金を用立てするなら、カードローンの利用をおすすめします。
カードローンには「銀行系」と「消費者金融系」の二通りがありますが、消費者金融系カードローンのほうが、銀行よりも若干金利は高めです。
しかし、迅速な審査と融資という面では、消費者金融カードローンのほうが頼りになりますので、葬儀費用などで「急いでお金が必要」と言う場合には、是非検討してみてください。
親族で分担
最後に、ローンなどを利用しないなら、兄弟や親族で費用を分担する方法があります。
ただ、これについては遺産と違い分担比率などが法律で決まっている訳ではありませんので、先ほども触れたとおり相続するお金が多い順番で、葬儀費用も多く負担するというケースが多いようです。
しかし、それでも費用負担が厳しい場合は、親戚や兄弟が香典を多く包むなどの配慮をします。
葬式費用の負担が厳しい場合には、相談できる親族に話してみましょう。
葬儀ローンのメリット
これまで何度が紹介してきた葬儀ローンですが、主なメリットとしては、以下のことが挙げられます。
- ネットで簡単に手続きが可能
- 即日審査が可能ですぐに借りられる
- 審査が通りやすい
ローンの仕組みは、車を購入するときのディーラーローンをイメージすると良く、非常に早い審査スピードと柔軟な審査が特徴です。
葬儀会社が提携する信販会社は、オリコなどの大手が多いですので、安心して借りられる事もメリットであると言えます。
葬儀ローン利用の流れ
葬儀ローンは銀行のローンとは違い、審査スピードが非常に早く、簡単な手続きでその日のうちに契約までできます。
また、融資されたお金は直接葬儀会社へ支払われますので、資金移動などの手間もかかりません。
ここで、葬儀ローンを利用するときの一般的な流れについて紹介していきます。
- 申込
- 審査
- 契約意思確認・契約
- 支払い開始
審査スピードは信販会社によって異なりますが、業界最速を誇るオリコでは、最短3分で審査が終わるほどスピーディです。
銀行ローンでは即日融資を受けられませんので、時間がない中でもすぐに借入ができます。
葬儀ローンのデメリット
葬儀ローンのデメリットは、ローンの金利や借入条件が他のローンと比較するとあまり良くない点にあります。
葬儀ローンの一般的な金利が10%程度と高く、返済は最長3年~7年で行わなければなりません。
例えば、全国平均である200万円を10%で借り、3年で返済するとします。
この場合、毎月の返済額は64,534円となり、総返済額は2,323,237円となります。
毎月6万円以上の返済は負担も多く、住宅ローンを抱えている人にとってはどちらかのローンを延滞してしまう可能性も高くなってしまいます。
最長7年で返済できたとしても、毎月33,202円となり、総返済額は2,788,998円にもなります。
もちろん、借りる金額を少なくすれば負担も軽くなりますが、葬儀は故人の想いもありますし、やり直しもできません。
より良い葬儀プランにすると、それだけ多くの費用がかかりますので、これを全額葬儀ローンで賄うことはリスクがあります。
葬儀ローンを提供する主な信販会社
ここで、葬儀ローンを提供する主な信販会社と、ローンの詳細を紹介していきたいと思います。
信販会社 | 分割手数料 | 分割回数 |
---|---|---|
オリエントコーポレーション | 1回払い:2.936% 6回以上の分割:10.0% | 最長36回 ※最低支払金額3,000円以上 |
イオンプロダクトファイナンス | 9.2% | 最長84回 ※最低支払金額3,000円以上 |
ジャックス | 10.0% | 最長84回 ※最低支払金額5,000円以上 |
このように、利用する信販会社によってローンの内容が異なりますので、依頼する葬儀会社がどこと提携しているのかを確認するようにしましょう。
また、あまり時間的余裕がないとは思いますが、葬儀ローンだけではなくフリーローンや目的ローンが利用できないかも、あわせて比較することを忘れず行いましょう。
金利で選ぶなら銀行のフリーローン
銀行のカードローンやフリーローンを利用することでも、葬儀費用を準備できます。
カードローンやフリーローンは、葬儀ローンよりも低金利で借入れができますので、負担を少なくできます。
しかし、カードローンの場合は、いきなり200万円以上の限度額で借りられることは少ないですので、葬儀費用を借りるにはフリーローンの方が適しています。
また、銀行によっては最長10年で返済もできますので、毎月の返済額を減らし負担を軽くすることも可能です。
ただし、フリーローンは融資されるまでに時間がかかりますので、葬儀会社の支払期限に間に合わないこともありますし、厳しい審査に通らず、借りられないという可能性もあります。
また、審査によっては、葬儀ローンよりも金利が高くなることもありますので注意が必要です。
おすすめの銀行フリーローン
葬儀ローンよりも低金利で借りられる可能性がある、おすすめの銀行フリーローンを紹介していきます。
銀行 | 商品名 | 金利 | 返済期間 |
---|---|---|---|
りそな銀行 | りそなプライベートローンJ | 固定 6.5%~14.0% | 最長7年 |
りそなフリーローン | 固定 6.0% | 最長10年 | |
みずほ銀行 | みずほ銀行多目的ローン | 変動 5.875% 固定 6.700% | 最長7年 |
千葉銀行 | 多目的ローン(ちばぎんメモリアルローン) | 変動 5.00%~5.20% | 最長10年 |
横浜銀行 | 横浜銀行フリーローン | 固定 1.9%~14.6% | 最長10年 |
住信SBIネット銀行 | ミスターフリーローン | 変動 3.775%~12.0% | 最長10年 |
イオン銀行 | イオンアシストプラン | 固定 3.8%~13.5% | 最長8年 |
このように、葬儀ローンよりも低金利で借入れができるフリーローンが多く、中には千葉銀行のように葬儀費用専用の商品がある銀行もあります。
また、信用金庫や信用組合でもフリーローンを提供しており、審査スピードは大手銀行よりも早いですので、こちらもおすすめです。
国や自治体の受給制度を活用
葬儀費用は状況に応じて、国や自治体から補助金を受給できます。
しかし、給付を受けるためには時間がかかりますので、葬儀会社の支払期限に間に合わない可能性があります。
そのような時は、全額を葬儀ローンや銀行のフリーローンで借り、受取った補助金を繰上返済などに利用して負担を軽減させるようにしましょう。
葬儀費用を受給できる制度としては、
- 国民年金、社会保険の給付金
- 後期高齢者医療制度の給付金
- 遺族年金、寡婦年金
などがあります。
これらの給付金は、故人が住んでいた市区町村や健保組合、年金事務所などの所定の部署で手続きすることで受給できます。
受給できる金額や申請のために必要な書類は、各給付金によって異なりますので、まずは担当の部署に相談するようにしましょう。
また、これらの給付は申請できる期間がありますので、できるだけ早く手続きするようにしましょう。
生活福祉資金貸付制度を活用
先ほど紹介しましたように、国や自治体から葬儀費用を受給できますが、自治体には貸付する制度もあります。
この制度のことを「生活福祉資金貸付制度」といい、生活に関わる資金を無利子または低金利で借りられます。
貸付を受けられる要件は、障害者世帯や高齢者世帯、生活保護世帯、低所得者世帯となっており、他では借りられない人にも貸付してくれます。
また、生活福祉資金貸付制度は借入目的が明確で、基準を満たしていなければなりませんが、葬式関連の費用は福祉費の名目で借入可能です。
この制度は、各地域にある社会福祉協議会で相談や手続きできますので、まずは相談することをおすすめします。
貸付の限度額や利子
借入資金の目的が福祉費の場合には、生活福祉資金貸付制度の限度額は580万円とされていますが、冠婚葬祭目的の場合には上限が約50万円程度に設定されてしまいます。
ただし、利息に関しては年率1.5%と低金利となっており、保証人を用意できれば何と無利息で借入可能です。
審査期間が長い点や、申込条件と審査内容が厳しいなどデメリットもありますが、ある程度条件を満たす人は利用を検討してみましょう。
貸付窓口
生活福祉資金貸付制度は在住している市区町村の生活福祉協議会が、相談の受付窓口となっています。
生活福祉協議会に相談に行けば、福祉費の場合には申し込みの方法をその場で教えてもらえます。
貸付窓口に行けば早く審査に移れますが、審査には1か月以上期間が必要なケースが多いため、何らかのつなぎ資金を準備しておかなければなりません。
故人の預金も活用できる
葬儀費用の準備のため、故人が銀行などに預けていたお金を利用できないのかということを考える人も多いと思います。
しかし、銀行では取引している人が亡くなると、口座を凍結して、簡単にはお金が下ろせなくしてしまいます。
これは、相続によるトラブルを回避するためであり、相続人全員分の署名や印鑑など、非常に手間がかかる手続きをしなければ、口座からお金を下ろせません。
ですが、葬儀費用などの相続前にかかる費用に関しては、相続人全員の同意があれば下ろせます。
相続人全員の同意といっても、全員の署名・実印・印鑑証明書などの面倒な手続きは必要なく、皆さんが思っているよりも簡単に下ろせます。
口座を凍結されてしまうと相続手続きが終わるまで使えないと思っている人も多いですが、相続前の資金であれば使用できますので、預金をしている銀行に相談することをおすすめします。
Q&A
最後に葬式や火葬に関連して、質問が多い内容をQ&A形式にまとめてみました。
気になる内容や知らない情報がないか、是非確認してください。
しかし、死亡保険金の受取りができる人は、生命保険の受取人に指定されている人のみですので、葬儀費用負担者と受取人が異なる場合は気を付けましょう。
しかし、だれも葬儀を行わなかった場合には、市区町村が葬儀を行わずに火葬と埋葬を行ってもらうこととなります。
また、密葬の場合には、後日一般の参列者を呼ぶ本葬が行われるケースもありますが、基本的には著名人の葬儀以外では行われません。
まとめ
葬儀費用や火葬費用は、ある程度まとまったお金が必要である反面、人の不幸はいつ起こるか読めません。
また、身内の不幸で金策を考える心の余裕がないことも想定されますので、ここで紹介した情報は、ぜひ予備知識として知っておきましょう。