Suicaの残高が足りない時の対処法!現金もない時はどうする?
今や交通系のICカードは電車移動をする人にとっては常識となってきました。
しかし、毎日の改札ではカードの残高が不足したまま改札を通ろうとして、「チャージして下さい」というアナウンスと共に慌てる乗客の姿は、必ずといっていいほど見かけます。
そこで、今回は交通系ICカードの代表格でもある「suica」を例に、カードの残高がなくて電車に乗れない場合や、改札を出れない場合の対処方法について、ご紹介したいと思います。
記事の目次
suicaの仕組みをおさらい
Suicaの残高不足の対処法についてお伝えする前に、まずはsuicaの仕組みについて、簡単におさらいしておきたいと思います。
suicaカードを作るには
Suicaカードには、クレジットカード機能無しの「記名式」と「無記名式」の2種類のカードがあります。
共にJR各線はもちろん、その他の私鉄・地下鉄でも現金をチャージしておく事で、わざわざ切符を買わなくて済む便利なカードとなっています。
また、suicaカードは駅の多機能券売機か、みどりの窓口で購入が可能で、カード購入時には「預かり金※デポジット」として500円が必要となります。
(※500円分のデポジットは、カード解約時に利用者に返還されます。)
電車以外でも使えてポイントも貯まる
Suicaは電車賃だけではなく、駅構内の一部店舗はもちろん、その他のショップなどの買い物でも利用が可能です。
さらに、suicaカードで買い物をした場合には、JREポイントが付与されますので、貯まったポイントはさらに別の買い物で使う事も出来ます。
Suicaカードは特にJR構内で使えるところが多く、賢くポイントを貯める人は駅構内の自動販売機や、新幹線での社内販売などでもsuicaカードを利用して、コツコツとポイントを貯めています。
尚、2017年12月05日よりSuicaポイントクラブでsuicaポイントを貯めていた方は、「JRE POINT」にポイントが共通化されています。
詳しくは下記参考リンクをご覧になってください。
◆viewカード公式サイト:「SuicaポイントクラブおよびJRE POINTのサービスをご利用の皆さまへ サービス変更のお知らせ」
suicaの残高がない場合の対処法
では、いよいよsuicaカードの残高がない場合の対処方法について、いくつかご紹介したいと思います。
乗車前から残高がない場合
Suicaカードに残高がないケースの1つ目は、「電車に乗る前から残高がない場合」です。
この場合、以下の通りカードに残っている金額次第では、改札の入り口さえも通過できないことになります。
- JRの初乗り運賃以上の残高がある場合
…改札には入る事が出来るが、それ以上の区間に電車に乗った場合には、降車駅でチャージが必要 - JRの初乗り運賃以上の残高がない場合
…改札から入る事も出来ない
実は、同じJR系の電車でも、関西地方と関東地方とでは、このあたりの対応方法が変わってきます。
上記のケースで考えると、例えばsuicaカードに10円の残高しかない場合、関西地方のJR線では改札に入る事は可能ですが、関東地方のJR線の場合は、最低運賃に満たないので改札も入る事が出来ない…といった感じです。
「同じJRでも何故?」と思ってしまいますが、JR東日本と西日本は、厳密に言えば別会社ですし、カードに関する考え方も若干異なっているようですので、このような事が起きているようです。
改札を出るときに残高不足だった場合
次に、改札を出る時に「チャージして下さい!」と残高不足のアナウンスが流れた場合の対処法です。
これは、何度やっても恥ずかしい思いをする瞬間ではありますが、対応方法は「追加チャージする」という方法しかありません。
また現金の持ち合わせが充分でない時は、乗り越し清算で足りない分だけをチャージするという事も可能です。
別のSuicaとの2枚使いは不可!
Suicaは、そもそも2枚以上を同時に利用できないICカードです。
そのため、残高不足のSuicaで入場した場合は、別のSuicaに充分な残高があったとしても、残高があるSuicaを使って出場することができません。
もちろん、Suica以外の別の交通系電子マネーも合算できませんので、充分な残高があるSuicaを使って入場するようにしましょう。
Suicaは残高が初乗り運賃以下のときは入場できない
目的地までの運賃が入っていない場合でも、Suicaを使って入場することはできます。
ただし、Suicaの残高が入場する駅の隣駅までの運賃(最低運賃)未満のときは、入場することすらできなくなってしまいます。
ゲートが閉じてしまって入場できないときは、すぐに券売機もしくは多機能券売機を使ってチャージするようにしてください。
改札係員に相談しよう
Suicaが残高不足。
しかも精算するための現金もないというときは、まずは改札係員に相談して下さい。
本当はSuicaを同時に2枚使うことは不可能ですが、係員に誠実に事情を話せば、もう1枚のSuicaを使って精算してもらえることもあります。
また、Suicaを1枚しか持っていない人で、不足分の運賃が500円以下の場合は、係員に「差額運賃が支払えないのでSuicaを解約します」と告げてください。
すると、Suicaのデポジット500円を差額運賃に充当し、余った分の現金を返還してもらうことができます。
デポジットで差額運賃を支払う方法は、SuicaだけでなくICOCAでも利用できますので、本当に困ったときは実践して下さいね。
suicaにチャージする現金がない時は?
では、そもそもsuicaにチャージする現金を持ち合わせていない場合は、どのようにすればいいのでしょうか?
suicaを解約し、戻ってきた保証金で切符を買う
「suicaにも残高がなくて」且つ「現金もない」という場合には、一度suicaカードを解約し、戻ってきたテポジットの500円分で切符を買うという方法があります。
但し、suicaカードでデポジットを返却してもらう場合には、運転免許証などの身分証明書が必要になりますので、suicaカードだけを持ち歩いて、免許証を忘れた…という場合は、使えない方法となります。
クレジットカードで切符を買う
もし財布の中にクレジットカードがあるなら、クレジットカードで普通の切符を買う…という方法もあります。
クレジットカードが使える券売機なら、140円程度の区間でも問題なくカード決済が出来ますし、少し恥ずかしいですが、みどりの窓口でもカードで切符を購入する事は可能です。
家族や友達に持ってきてもらう
3つ目の方法は、家族などに連絡して改札まで持ってきてもらう…という方法があります。
最もオーソドックスな方法ではありますが、余計なカード解約もしなくて済みますし、安心できる方法と言えます。
後日清算
4つ目はJRの駅員さんに事情を話し、後日清算として一度改札を出させてもらうという方法です。
身分証などは必要になりますが、後日改めて正規のお金を持参する事を約束し、改札を出してもらうように話をすれば、許可してもらえる事があります。
交番で借りる
5つ目は交番で借りるという方法です。
交番には、「財布を落として家に帰れない」という方もよく相談に来られますが、警察官がやむを得ないと認めた場合には、公費(公衆接遇弁償費)の中から1,000円を限度に無利子でお金を借りる事が可能になっています。
したがって、以上の方法を使えない場合には、近くの交番で警察官に相談してみる事をおすすめします。
suicaの残高不足を防ぐ為には
Suicaの残高が足りない時の対処方法は以上の通りなのですが、いざという時に「残高が足りない」という状況にならない為の事前対策も必要です。
対策の仕方は2つあります。
クレジットカード付きのsuicaに切り替える
1つ目の対策は、クレジットカードのオートチャージを利用する方法です。
Suicaカードには、クレジットカード機能無しの一般的なカードと、クレジットカード機能付きのビューカード(suica一体型)の2種類があります。
後者のクレジットカード一体型のsuicaでは、残高が足らなくなった場合に自動的に不足分をチャージしてくれる「オートチャージ機能」がついていますので、残高不足で改札から出れない…という事にはなりません。
チャージするときは思い切って1万円単位で!
2つ目の対策は、suicaカードのチャージ金額を増やすという事です。
「そんなの当たり前では?」と思う方も多いと思いますが、意外にも「suicaカードには1,000円~3,000円程度しかチャージしない」という方も多く居るようです。
それらに特に理由はないようですが、手元に現金を置いておきたかったり、単なる貧乏性で余分なチャージはしない、という方が多いようです。
しかし、どちらにせよsuicaカードを普段使いするなら、思い切って1万円以上をチャージしておかれる事をおすすめします。
そうする事で残高不足も防げますし、またそのカードで買い物をしてポイントを貯める事も出来ます。
チャージするお金がない時は?
最後に、「そもそもsuicaにチャージする現金がない…」という場合の対策についても、いくつかお伝えしておきたいと思います。
カードローンで生活再建する
Suicaにチャージする現金がない…という事は、普段の生活でもお金がなく、困窮しているようなケースも少なくありません。
そのような場合は、節約するのはもちろんですが、一度カードローンなどで現金を用意して、分割で返済するなどして、その間に生活を再建する…という方法もあります。
ただ、当然の事ですが、カードローンを利用するという事は毎月の返済も発生しますし、金利負担も生じます。
したがって、出来ることなら1%でも金利が低いカードローンを利用し、できるだけ短期で返済する事が重要になってきます。
副収入を得る努力をする
カードローンを利用して現金を用意しただけでは、余計に生活を困窮させる原因を増やしているだけですので、現金がある間に副収入を得るような努力をする事が最も重要になってきます。
例えば、そのお金を使って資格を取りに行ったり、自分で参考書などを購入して新しいスキルを身につける事も出来ます。
生活費の補填の為にキャッシングする場合、生活の余裕が出来た時点で、余暇の時間を使って副収入を得たり、本業でスキルアップして給料を増やすなど「自分に投資する事ができるかどうか…」という事が、ポイントになってきます。
徹底した家計管理も重要
カードローンで一息つけたら、一度家計を見直す事も大切です。
特に、普段何気なく出費している、「通信費」「保険料」「車両費」などは、考え方次第で大きく削減が可能です。
例えば、車に関係する費用だけでも、「ローン」「ガソリン代」「駐車場代」はもちろん、1年や2年単位でかかってくる「保険料」「車検代」「修理費」などがあり、それらを合計すると、毎月の実質負担が3~4万円を超える場合も少なくありません。
こうなると、多少不便になるかもしれませんが、思い切って車を手放して「タクシー」「レンタカー」「カーシェアリング」をうまく組み合わせる事で、今よりももっと車両費を削減する事が可能になります。
無人駅でSuicaが残高不足のときは?
乗降客が少ない駅の中には、駅係員が一人もいない「無人駅」があります。
改札を出るまでにのりこし精算機があれば、Suicaが残高不足でも出場することができるのですが、ほとんどの無人駅にはのりこし精算機がありませんので、不足分を精算することができませんよね。
そのようなときは、一旦、そのまま改札を出て、後日、Suicaを利用する前に有人駅の係員に「○○駅で下車しましたが、残高不足で精算できていません。精算をお願いします。」と言い、不足分を現金で支払いましょう。
その後、券売機や多機能券売機でチャージをすれば、問題なくSuicaを利用することができます。
バスでSuicaが残高不足のときは?
SuicaはJR東日本のICカードですが、都営バスなどでも利用することができます。
しかし、バスにはJR駅のように「のりこし精算機」がありませんので、残高不足のときも利用者自身でチャージをすることができませんよね。
ですが、ご安心ください。
Suicaは現金と併用できますので、不足運賃分を現金で支払うことが可能なのです。
ただし、全額をSuicaで支払わない限りお得な「IC運賃」は適用されませんので、お得にバスを利用したい人は、かならず充分な金額をチャージしてからバスに乗るようにしましょう。
バス車内でチャージができる!
Suica等の交通カードが残高不足で利用できないときは、運転手に言えばチャージすることができます。
ただし、チャージができるのは、Suicaにバス運賃未満の残高しかないときに限定されています。
また、1回にチャージできる金額は1,000円のみに限定されています。
コンビニでSuicaが残高不足のときは?
コンビニでの買い物にもSuicaを使うことができます。
ですが、Suica残高が買い物額に満たないときは、店員さんに「残高不足です」と言われてしまいます。
そのようなときは、不足分を現金で支払うか、不足分以上の金額をレジでチャージすればOKです。
チャージする方法はローソンでもファミマでもセブンイレブンでも同様で、次の手順となります。
- 店員さんに「チャージをお願いします」と言い、カードリーダーにSuicaを乗せます。
- 画面に「1,000円」「3,000円」「5,000円」「10,000円」等の金額が表示されますので、チャージを希望する金額をタッチします。
- チャージ金額を店員さんに支払います(お釣りを受け取ることも可能です)。
松屋でSuicaが残高不足のときは?
松屋の食券用の券売機で注文したいメニューを選んでからSuicaをかざすと、Suicaで精算することができます。
Suicaの残高が不足しているときは、現金で精算すればOKです。
ただし、すべての松屋がSuicaに対応しているわけではありません。
松屋公式サイトの店舗検索ページで「Suica対応」店舗が確認できますので、Suicaを利用する前にチェックするようにしてください。
口座が残高不足でSuica利用額が引き落とせない時
クレジット機能付きのSuica(ビューカード)を利用している場合は、毎月4日(4日が土日祝日のときは翌営業日)にクレジットカードの利用額が引き落とされます。
かならず引き落とし日の前日までに、請求される金額以上のお金を入金しておくようにしましょう。
ルミネカード等のビューカード系列のカードの引き落としについては、次の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
JRでSuicaが利用できなくなる?
振替口座が残高不足で引き落としができなかったときは、引き落とし日の翌日からクレジット機能が利用できなくなってしまう恐れがあります。
ですが、SuicaをICカードとして利用することは可能です。
Suicaに残高がある限りは改札を通れないということにはなりませんので、安心して利用し続けて下さい。
オートチャージ機能は使えなくなる!
Suicaとして利用することは可能ですが、クレジット機能が使えなくなってしまうとオートチャージ機能が作動しなくなってしまいます。
クレジットカードとしての機能が復活するまでは、のりこし精算機や券売機、コンビニのレジなどで、手動でチャージするようにしてください。
クレジット機能を復活させる方法
振替口座が残高不足で引き落としができないと、ビューカードのクレジット機能が停止してしまいます。
Suicaとしては利用できても、クレジットカードとして利用できないと不便ですよね。
駅のATM「ビューアルッテ」で引き落としできなかった金額を入金するか、以下の口座に入金して、クレジット機能を再開して下さい。
金融機関 | 三菱UFJ銀行 |
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振込先支店 | 振込第一支店 |
振込先名義 | (株)ビューカード |
振込金額と口座番号 | 各自が確認 |
※振込金額と振込先の口座番号は利用者によって異なりますので、明細書もしくはビューアルッテで確認して下さい。
Suica定期券は利用できる?
Suica機能は利用できますので、クレジット機能が利用できなくなってしまった後もSuica定期券としては利用し続けることができます。
とはいえ、不便なことには変わりありませんので、早めに請求額を入金し、クレジット機能を再開させるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか、今回はsuicaの残高不足の話題から始まり、家計管理の話にまで及びましたが、参考になったでしょうか?
今、私たちの周りには本当にたくさんの「カード」があります。
ざっと財布の中を見ただけでも、「クレジットカード」「キャッシュカード」「交通系ICカード」「ポイントカード」等、5枚~10枚はあると思います。
しかし、それらのカードの特典を全て使いこなせているかどうか…というと、実はそうではありません。
今回の残高不足の話題からは少し外れるかもしれませんが、今回の記事をきっかけに、一度自分が持っているカードのメリットを見直し、1円でも無駄にしないようにしてみるのもひとつかもしれませんね。