借金返済に効果的な家計簿のつけ方とは?
借金が膨らんで困っている方、借金返済しようと努力されている方に、「家計簿」をつけることをおすすめします。
いまさら家計簿なんてと思われるかも知れませんが、家計簿は使い方次第で借金を減らす、高い効果が期待できます。
記事の目次
家計簿が必要な理由
家計簿をつけたからと言って、借金返済できるはずがないと思う方もいますよね。
家計簿で見える化
たしかに、借金返済するにあたっては、副業して収入を増やしたり、節約することが大事で、家計簿なんか付けても、なんの役にも立たないと思ってしまいがちです。
しかし、借金返済のために、家計簿をつけることには、実は大きな効果が期待できるのです。
その要因は、「お金の動きを見える化」することにあります。
確かに、借金返済するうえで、収入を増やしたり、節約して支出を減らすことは非常に重要です。
特に、自分でコントロールしやすい「支出」を減らすことは、借金返済の王道と言っても良いでしょう。
しかし、支出を減らすといっても、何を、どう減らせば良いのか解らないという方は多いと思います。
家計簿は、そんな方に大変役立ちます。
小さな支出の積み重ね
手元に貯金が全く残らない、もしくは毎月の収支が赤字だけど、いつの間に、そんなに沢山のお金を使ったのか解らないという方がたくさんいます。
これは珍しいことではありません。
普段の支出というのは、小さな金額の蓄積となるため、気付かない間に増えてしまいがちです。
その都度の支出は大きい金額ではないので、「これ位良いだろう」と考えてしまい、そのうえ記憶にも残りませんし、罪悪感もなく、お金を使ってしまうのです。
そして、後になって気付いた時には、お金が残っていないということが起こるのです。
家計簿をつくると、自分がどこにどれだけのお金を使っているのかを把握することができます。
そのうえで、家計簿をもとに、どうやってご自身の支出を減らしていくかを考えることが出来るようになります。
それが、借金返済の第一歩になるのです。
支出をリストで一覧化
ここでは、家計簿を活用して、借金返済をするための返済原資の作り方を解説します。
家計簿を作ると、毎月のご自身の支出の状況が見えてくるようになります。
家計簿自体は、市販のものでもなんでも構いません。
ご自身が支出した金額と、何に使ったかの明細が解れば良いのです。
そのうえで、毎月の費用をリストにして、それぞれの支出に対して、大まかな区分を割り振っていきましょう。
例えば、食費、住居費、消耗品費、被服費、娯楽費など、どういった目的の費用かが解るように項目を割り振っていくと、費用を整理しやすくなります。
そのうえで、リスト化した費用・区分毎に集計した結果を見ながら、節約して削減できる余地が無いかを探していくことになります。
例えば、食費は多すぎないか、毎月の金額を並べて比較した時に、突出して高くなってしまっている月はないか、家賃は収入に対して高すぎないか、娯楽費にかける費用は多すぎないかなど、費用それぞれを検討していくことになります。
毎月の支出から、いくら減らしたいのかという目標額を事前に決めていれば、その額を、支出のリストにあてはめて、それぞれの費用毎にいくら減らす必要があるかを割り振っていくことができます。
特定の費用項目毎に節約する目標金額が決まれば、毎月の実際の支出を決めるうえで、使って良い費用と、駄目な費用を見極めて、立ち止まることが出来ます。
食費を1万円減らすとなれば、外食を減らす、自炊する、特売を活用するなど、1万円減らすのに必要な対策を考えられるようになります。
パソコン管理も有効
家計簿を作るとして、これまで家計簿を作っていなかった方は、「どうやって作るのが良い」と迷われる方もいるでしょう。
本屋に行けば、手書きで作る家計簿もたくさん販売しています。
最近は色々工夫のある家計簿もたくさん出ています。
また、紙に手書きで作成しなくても、パソコンのエクセルを使い慣れている方であれば、ご自身なりに作成しても良いですし、スマホのアプリでも簡単に家計簿を作れるものが出ています。
どちらを使っても良いので、ご自身にあったものを選ぶのが良いでしょう。
電卓と手書きで作ったほうがやる気が出るという方や、パソコンが得意で、データ管理が良いという方もいますよね。
個人的な好みを言えば、パソコンのエクセル管理がおすすめです。
借金返済のための家計簿管理であれば、凝った作り込みは必要なく、重要なのは、毎月の支払の内容を漏らさず網羅できれば十分です。
支払の都度のレシートなどを取っておき、週末にまとめてエクセルに入力していけば、問題なく網羅できるでしょう。
エクセル上で管理することのメリットは、一旦入力したものを、後から加工することが容易なことと、計算が解り易くなることです。
食費などの区分による集計も出来ますし、項目毎の削減額の集計なども行いやすくなります。
家計簿をつけると貯蓄癖が付く
家計簿を作ることによる節約、支出の削減方法は以上となります。
しかし、家計簿をつくることで追加的な効果も期待できます。
支出に対する意識が変わる
家計簿をつくることによる副次的な効果の1つ目は、費用に対する意識が変わることです。
家計簿をつくり、管理をするようになると、自分自身の支出を振り返って確認することになり、支出に対する意識や、理解が深まります。
レシートや、口座の出入りをもとに、後で支出の内容を精査するようになりますので、「この費用はなぜ必要だったのか?」、「本当に必要だったのか?」を振り返ることになります。
そして、自分の費用に対して、無駄に気付き、反省を繰り返すことで、余計な費用を減らすように意識が変わっていきます。
家計簿を付けていないと、支出に対する振り返りは難しいものです。
家計簿は反省を促して、無駄な費用を使わないように意識を変えてくれます。
目標を持った管理ができる
2つ目の効果は目標を持った管理ができるようになることです。
家計簿を作るにあたって、借金返済という大きな目標があります。
借金を何年で返したいかという目標を持てば、1年単位や、1ヶ月単位での、貯蓄の目標額が決まります。
仮に、100万円の借金を3年で完済したいと思えば、1年で33万円(≒100万円÷3年)、1ヶ月で3万円(≒33万円÷1ヶ月)の支出を減らして、借金返済に充てれば良い事になります。
家計簿を作ると、支出の全体像を見ながら、3万円の費用を減らすためには、どの費用でいくら減らせば良いかという計画を立てることができ、その目標を実現できたかどうかを、毎月確認することができます。
さらに、実現できなかった月には、なにが原因だったのか、その分を他の月で帳尻を合せるなど、目標をもった支出の管理が行えるようになります。
家計簿を作って、毎月の管理を行うようになると、意識の変化や、目的意識を持って支出を減らすことができるようになり貯蓄癖がつきます。
借金返済を加速させるためには、貯蓄癖を付けることが重要です。
家計簿を付けることで返済意識が向上
特に女性の場合には家計簿を付けたことがある、または今も付けているという人は多いと思います。
家計簿を付けることによって収入に対してどれだけ支出をしているのかということを簡単に把握することができますので、毎月かかる生活費などの管理をすることができます。
この家計簿を付けるということは、借金を返済していくにあたってはとても有効なことであり、きちんと返済をしていくための方法としては是非とも取り入れたいことです。
基本的に借金は必要な分を1度にまとめて借り、それを毎月利息と共に少しずつ返済していくものです。
まとめて借りた部分を少しずつ返済していきますので、借金した分をすべて返済してしまうまでには期間が必要であり、完済するまでは生活に関わる支出のうえでは固定費となります。
もちろん家計簿を付けなくても収支の状況を把握できている人もいますが、家計簿を付けることでより明確に把握することができます。
返済額が変動するローンもある
最近のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどでは、基準日の残高に応じて返済額が変わる「残高スライド方式」を採用しているところが多いです。
ですので、繰り返し使っていくことによって返済額が増えることや返済が進んでいくことによって返済額が減るということもあります。
また、残高によって変わる返済額はそれぞれの会社によって変わりますので、それらを完璧に把握することはかなり難しいです。
家計簿であればなにも収支だけを記入していくものではありませんので、このようなことなども簡単に把握できるように作ることもできます。
借金返済のために家計簿を付ける場合には、このような毎月の返済額が変わるものの管理もしやすくなるというメリットもあります。
家計簿アプリも提供されている
家計簿といえばこれまでのように専用のノートに記入していくものもありますが、最近では携帯の家計簿アプリも多く提供されています。
アプリであればいつでも収支を付けることができますし、計算も自動で行ってくれますので家計簿を付けていくための面倒な手間がかかりません。
家計簿は付け続けなければ意味がありませんので、このようなアプリを利用して簡単に付けていくこともできます。
まずはきちんと返済できているか確認
借金返済のために家計簿を付けた際にまず確認をしなければならないことが、きちんと返済できているのかということです。
ここでいうきちんと返済できるのかということは、延滞なく返済できているのかという意味ではなく、きちんと収入の範囲内で返済ができているのかという意味です。
どういうことかといいますと、収入が30万円あるとして借金の返済を含めた支出が30万円以内に収まっているのかということです。
借金の返済以外の支出が28万円であるのに対し、借金の返済が5万円あるのであれば合計の支出は33万円となり、実際は5万円返済しているのにもかかわらず実質的には2万円しか返済できていないということです。
毎月の収入よりも多い支出となっている場合、その超えてしまっている部分を借金で賄っている場合には簡単に把握することができますが、貯蓄の一部を切り崩しているという場合にはわからないこともあります。
ですので、きちんと収入の範囲内で生活をしているのかという確認をすることが必要であり、このことをきちんと把握していないという人も多くいます。
借金返済のための借金は多重債務者
先ほどの中で毎月の収入を超えた部分を借金によって賄っている場合、それは多重債務者がよく陥ってしまう「自転車操業」になってしまっているということを意味します。
自転車操業をすることで返済はしているものの借金自体は減ることがなく、いつまで経っても完済できないということになります。
また、金利も複数のところに支払わなければなりませんので、その分の金利負担も多くなってしまいます。
この状況が続いてしまうといつかは自転車操業ができなくなってしまいますので早めに対処をして改善する必要があります。
改善するにあたってはできるだけ支出をなくすことがまず必要となりますので、このような場合も家計簿を付けていることでどの部分を削ることができるのかということが簡単にわかります。
ですので、家計簿を付けることは支出の見直しを行ううえでも必要なことであり、早く改善することが必要な時には非常に助かります。
大分類を作ることで正確に把握する
家計簿に毎月の収支を付けるにしても、収入は毎月固定されている人は多いかもしれませんが支出は毎月同じ金額となることはそうないはずです。
月によっては飲み会などが重なることもありますし、冠婚葬祭などの特別な行事があることによって月に数万円支出が違うということは当然です。
このような中で家計簿をそのまま付けたとしても、正確な支出を把握することは難しくなりますので本当の意味での管理は困難となります。
本当の支出を把握することができなければ月にどれだけの金額が余ることのなるのかということがわからなくなってしまいます。
そうならないためにも家計簿を付ける場合には家賃や水道光熱費などの毎月かかる部分と特別な支出(急な出費)というような大分類を作ることで把握しやすくなります。
借金返済の分類も作るとなお良い
毎月かかる分の支出といえば家賃や水道光熱費、保険料、お小遣いなどであり、これらのほとんどは毎月同じような金額となる「固定費」です。
大分類を作るうえでまずはこの固定費を作ることが重要であり、固定費を把握することは家計の大部分を把握することになります。
次にその月だけの一時的な支出である冠婚葬祭の支出や新年会、忘年会などの支出は「変動費」といい、臨時の支出であるために固定とは別にして管理をします。
ここで借金返済にかかる支出なのですが、もちろん固定費として管理をする事でもいいのですが、先ほどもお話ししましたように残高によって返済額が変わるローンもあります。
ですので、より管理をしっかりしたいという場合には「借金返済」という分類を作ることをおすすめします。
人によっては借金が複数あることもありますので、それらの返済額を常に個別で把握することによって延滞をしないようにすることもできます。
必要に応じてダブルワークをする
家計簿を付けたのはいいが、収入よりも支出の方が多くなっているということが慢性化している人もいるはずです。
こうなってしまえば「自転車操業」によってある程度は凌ぐことができますが、自転車操業はいつまでも続けることはできません。
多くの場合は自転車操業を繰り返していくうちに限度額を使い切ってしまうか、借入利用停止になることによって突然回すことができなくなってしまいます。
そうなってしまうと生活もままならなくなってしまいますので、このような場合には必要に応じてダブルワークをすることで収入を増やすことで借金に頼ることなく生活していくことができます。
また、収入が増えたことによって気持ちが大きくなってしまう人も多いのですが、家計簿を付けていれば無駄遣いも把握することができますので防止することもできます。
クラウドソーシングもおすすめ
ダブルワークといっても副業先がなかなか見つからないことや見つかったとしてもそこまでの通勤などで時間を有効に使うことができないこともあります。
ですが最近では自宅にいながら仕事をするクラウドソーシングというものもあり、インターネットの環境があれば誰でも簡単に仕事をすることができます。
これは一昔前まででいうところの内職と同じようなことですが、記事の作成などのさまざまな仕事から自分がやりたいものを選ぶことができます。
内職というとそこまで稼ぐことができないと思うかもしれませんが、クラウドソーシングで副業をしているという人は月に数万円を稼いでいるという人も多くいますし、人によっては数十万円稼いでいる人もいます。
専門的な知識がある人はもちろんのこと、未経験の人でも頑張り次第では数万円を稼ぐこともできます。
まとめ
「家計簿」を付けるのは、面倒くさい、意味が無いと思いがちですが、そうではありません。
特に、借金返済をしたいと考えている方には、目標を定めて、支出を管理できるようになる家計簿の作成がおすすめです。
家計簿を作ることで、どこで、どれだけの費用を削減できるかという計画を立てることができます。
そのうえ、家計簿を付ける習慣が身に付くと、費用に対する意識が変わったり、目的意識を持つことができるなど、追加的な効果も期待できます。
借金を返済したいと考えているなら、是非、家計簿を作成することをおすすめします。