ゆうちょ銀行住宅ローンの審査は甘い?
ゆうちょ銀行は、全国に支店があり、利用している人も多いのではないでしょうか? ゆうちょ銀行で住宅ローンを借りるときに、利用状況に合った優遇などがあればうれしいのに、という人は多いと思います。
しかし、ゆうちょ銀行は住宅ローンの提供を行っているのか気になりますよね。 今回はゆうちょ銀行の住宅ローンについて、解説します。
ゆうちょ銀行はスルガ銀行の代理業者
ゆうちょ銀行は全国どこの地域にもある銀行であり、その利便性は非常に高いです。
また、普段の生活に係わる決済などを、ゆうちょ銀行で行う人も多いので、ゆうちょ銀行から、住宅ローンを借りることを考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、ゆうちょ銀行は銀行とは違い、自行が直接融資を行うことはありません。
というのも、ゆうちょ銀行はスルガ銀行の代理業者として運営をしており、融資を受ける場合には、スルガ銀行の審査に通らなければならないのです。
また、スルガ銀行には、ゆうちょ銀行専用支店という支店が存在し、ゆうちょ銀行が受付した申し込みなどを取扱う業務を行っています。
ただし、2018年に起きたスルガ銀行の不祥事をきっかけに、ゆうちょ銀行の住宅ローンの公式ページはゆうちょ銀行から消えてしまいました。 さらに、ゆうちょ銀行の見解として、住宅ローンの営業を差し控えていると発表しています。
一応、スルガ銀行のホームページには住宅ローンのページは消えておらず、申し込み自体は可能ですが積極的な融資は行っていないようなので気を付けましょう。
では、ゆうちょ銀行が提供する住宅ローンの審査は、甘いのかということを、商品内容などから分析していきたいと思います。
※2019年6月28日をもって、ゆうちょ銀行との提携が終了したとスルガ銀行のアナウンスがあり、ゆうちょ銀行のローン商品はなくなりました。
住宅ローン以外の取り扱いもある
ゆうちょ銀行が媒介しているスルガ銀行のローンは、住宅ローンだけでなくカードローンやパーソナルローンもあります。
カードローンといえば、銀行でお馴染みとなっているローンであり、利用限度額の範囲内であればいつでも借入ができる非常に便利なものです。
パーソナルローンは、目的に応じて変わる8つのプランによってさまざまなニーズに応えられるローンです。
パーソナルローンには、「教育プラン」「オートプラン」「リフォームプラン」などがあり、他銀行でいうところのフリーローンである「フリープラン」もあります。
このように、ゆうちょ銀行では直接の融資は行っていないものの、他の銀行と同じような融資商品を取扱っています。
ただし、カードローンやパーソナルローンの一部は、2018年の10月末に新規申込みが停止しているので、気を付けましょう。
ゆうちょ銀行の住宅ローン審査は甘い?
ゆうちょ銀行は以前公営の企業であったため、住宅ローンなどの融資に関しても「審査がそこまで厳しくないのでは」と思われやすいです。
しかし、実際にゆうちょ銀行の住宅ローン審査の内容は甘かったのでしょうか、金利など様々な条件から審査のハードルを確認して行きましょう。
金利は審査基準のバロメーター
一般的にローン審査の甘い・厳しいを見極める基準は、金利を見ることで簡単にわかります。
金利というのは、銀行の収益となる部分と貸倒れなどのリスクに備える部分の二つに分けられます。
基本的に銀行の収益部分はほぼ一定の割合となっており、リスクに備える部分をどの程度取るのかによって金利に差が生まれます。
ですので、金利が高くなるほどリスクに備えているため審査は甘くなり、逆に低くなるほど貸倒時のリスクが高いため厳しくなります。
金利幅が大きいほど審査は甘い
単純な表示金利の他に、金利に幅があるほど審査は甘くなります。
例えば、住宅ローン「夢舞台」は、変動金利と固定金利のそれぞれに0.3%の幅があります。
金利に幅があると、下限金利では融資はできないが、上限金利でなら融資ができるという判断となります。
銀行によっては、金利タイプで一律の金利を申し込み者に当てはめて適用しているところもありますが、ゆうちょ銀行は一定の基準を満たす人にしか融資ができません。
結論:ゆうちょ銀行住宅ローンの審査は甘い
ここまで解説してきたことから総合的に判断すると、ゆうちょ銀行の「夢舞台」は審査が甘いと判断されます。
これは主に金利を基準に判断されるものであり、保証料が含まれていることを考えても、ほぼ基準金利で融資を行うのであれば高いリスクに備えられます。
また、金利の幅は大きいこと、金利引き下げ制度がないということも、審査が甘いと判断できる要因です。 また、そのことから非常に多くの人を対象に融資を行える体制が整っていると考えられます。
実際に融資をするスルガ銀行自体が、審査が甘い銀行であると言われていますので、ゆうちょ銀行の住宅ローンでも審査は甘くして多くの人に融資を行っていると思われます。
ホームローン夢舞台の商品内容
ゆうちょ銀行が媒介して提供する、スルガ銀行の住宅ローンを「ホームローン夢舞台」といい、商品ラインナップは15個もあります。
このうち、通常の住宅ローンを「基本プラン」といい、その商品内容は以下のようになっております。
利用対象者 | 次のすべてにあてはまる個人
|
---|---|
融資金額 | 10万円以上8千万円以上(10万円単位) |
融資期間 | 1年以上35年以内(1ヶ月単位) |
金 利 | 変動金利または固定金利 (固定期間は3年または5年) |
返済方法 | 元利均等返済または元金均等返済 (融資金額の30%を上限に、ボーナス返済可) |
保証人 | 原則不要(SDP㈱が保証) ただし、年収合算者または担保物件に共有者がいる場合には保証人が必要 |
担 保 | 所有する不動産に所定の保証会社が担保を設定 |
基本プランの住宅ローンは、一般的な銀行の住宅ローンと同じような性能を持っています。 ここでは、金利などの気になる情報を確認して行きましょう。
適用される金利と他銀行との比較
ホームローン「夢舞台」の基本プランでは、変動金利と固定金利(3年、5年)を選択できます。
それぞれを選択した時に適用される金利は以下のようになっております。
変動金利 | 2.475%~2.775% |
---|---|
固定金利選択型3年 | 2.900%~3.200% |
固定金利選択型5年 | 3.000%~3.300% |
では、ホームローン「夢舞台」基本プランに適用される金利と、他銀行で適用される金利を比べてみましょう。
なお、比較には大手銀行で非常に人気のある住宅ローンを提供する、三菱UFJ銀行の金利で行っていきます。
三菱UFJ銀行の住宅ローンに適用される金利はこのようになっております。
金利タイプ | 店頭表示金利 | 引き下げ後金利 |
---|---|---|
変動金利 | 2.475% | 0.625%~0.775% |
固定特約タイプ3年 | 2.90% | 1.05%~1.20% |
固定特約タイプ5年 | 3.15% | 1.30%~1.45% |
「夢舞台」の金利と三菱UFJ銀行の店頭表示金利に違いはありませんが、金利引き下げ後の金利になると2倍以上の差となります。
「夢舞台」に金利引き下げ制度はない
「夢舞台」にも三菱UFJ銀行のように金利を引き下げる制度があればいいのですが、調べた限りではそのような制度はないようです。
ですので、金利引き下げ制度のある銀行と比べると金利は高くなってしまうのですが、保証料は金利に含まれています。
銀行によっては金利の他に、別途融資実行時に保証料が必要となりますので、実質的な金利差は見た目よりは少なくなります。
自営業者向けのスーパーホームローンアシスト
ゆうちょ銀行が現在住宅ローンの営業を積極的に行っていませんが、提携先のスルガ銀行が行っている住宅ローンも、様々な特徴がある商品が多くて利用しやすいです。
中でも自営業者が利用できるスーパーホームローンアシストは、一般的にはローンの組みにくい自営業者でも利用しやすいため、おすすめです。
スーパーホームローンアシストの具体的な商品内容は以下の通りです。
利用対象者 | 個人事業主で20歳以上65歳未満かつ最終返済時の年齢が82歳未満所定の団体信用生命保険に加入できる人 |
---|---|
融資金額 | 30万円以上3億円以内 |
融資期間 | 1年以上35年以内 |
金利 | 変動金利制 |
返済方法 | 元利均等返済方式 |
保証人 | 原則不要 |
担保 | 購入の不動産を担保に設定 |
個人事業主の場合には、住居のためだけではなく店舗や事業所との兼用目的で住宅の購入をしたい人もいるでしょう。
スーパーホームローンアシストは兼用目的でのローン利用も認められており、借入金も3億円以内と十分な金額であると言えます。
シニアの借り換えにドリームライフホームローン
スルガ銀行には他にも、50歳以上のシニアが利用できるドリームライフホームローンもおすすめのローンです。 ローンの詳しい内容は以下の通りです。
利用対象者 | 年齢が50歳以上で最終返済日に82歳未満の人安定収入や一定の資産を所有している人 |
---|---|
融資金額 | 10万円以上1億円以下 |
融資期間 | 1年以上30年以内 |
金利 | 変動金利制 |
返済方法 | 元利均等返済方式 |
保証人 | 原則不要 |
担保 | 購入の不動産を担保に設定 |
高齢になればなるほど、定年までの期間が短くなるため住宅ローンの審査にはとおりにくくなります。
しかし、ドリームライフホームローンは50歳以上を対象にしているローン商品であるため、年齢に関係なく利用できる点が大きな魅力です。
また、利用目的は新規の不動産の購入だけではなく、現在利用している住宅ローンの借り換えにも利用できます。
リフォームやガーデニングの修繕など、住宅に関する様々な資金として活用できるため、シニアの人は是非チェックしてください。
フラット35も取扱いしている
ゆうちょ銀行の「夢舞台」商品ラインナップには、住宅金融支援機構の「フラット35」もあります。
住宅金融支援機構は、銀行が長期固定金利を融資しやすくするためにサポートすることを目的としていますので、通常の銀行住宅ローンでは借りられない人でも融資を受けられると評判です。
ですので、「夢舞台」で審査に通らなかったとしても、フラット35で借入ができることもあります。
また、フラット35の方が「夢舞台」よりも低金利で借入できますので、最初からフラット35に申し込みをし、完済まで安定した金利で安心して返済していくことも1つの方法といえます。
ただし、フラット35は固定金利しか選択できない点や、団体信用生命保険の種類が通常の住宅ローンと異なるなど、事前に確認しておかなければならない項目が幾つかあるため気を付けましょう。
ゆうちょで審査落ちしてしまう人とは
ゆうちょ銀行のローン商品で審査落ちをしてしまう人には、幾つか共通する特徴があるケースが多いです。 ここでは、審査落ちをしないためにも共通する特徴を事前に確認しておきましょう。
事前審査で落ちる人の特徴
住宅ローン審査には事前審査と本審査の2段階で行われますが、事前審査で落ちてしまう人の特徴として、返済負担率の条件をクリアしていないケースがあります。
返済負担率とは、自分の年収に対して住宅ローンの年間返済額がどのくらいの割合を占めているかを指します。 一般的には返済負担率が30~35%以上の場合には、審査にとおることが難しくなります。
返済負担率の他にも、ローン申込者の勤続年数や業種、雇用形態などに問題がある場合には、事前審査の段階で審査落ちとなってしまいます。
本審査で落ちる人の特徴
事前審査は通過したものの本審査で落ちてしまう人は、個人信用情報に問題があるケースが考えられます。
個人信用情報とは、住宅ローン申込者の過去に利用したローンやクレジットカードの情報を指し、個人信用情報機関と呼ばれる専門機関が個人情報とともに管理しています。
この個人信用情報に過去の滞納情報や債務整理の情報など、審査に不利となってしまう内容があると、本審査で個人信用情報を確認されたときに審査落ちとなるのです。
また、本審査では実際に購入する不動産の確認や提出書類の内容確認も行われるため、事前審査での内容と相違点があると審査落ちにつながってしまいます。
ゆうちょ銀行住宅ローンに関するQ&A
ゆうちょ銀行の住宅ローンに関して、審査を中心に様々な情報を紹介してきましたが、まだまだ伝えきれていない情報が幾つかあります。
そこで、質問の多い内容をQ&A形式で回答しているので、気になる内容を確認しましょう。
まとめ
ゆうちょ銀行の住宅ローンは、スルガ銀行のローンを媒介して提供しており、契約や融資はスルガ銀行が行うものでした。
審査はスルガ銀行と所定の保証会社が行っており、スルガ銀行自体が、審査が甘いと評判の銀行です。
ですので、ゆうちょ銀行の審査も同じように甘く、その分金利を高く設定していると考えられます。
また、ゆうちょ銀行ではフラット35も取扱っていますので、審査が甘い住宅ローンを2つも申し込みできます。
しかし、いくら審査が甘いと言っても、延滞やクレジットカードの滞納、ブラックとなっている人は借入れができませんので、住宅ローンの審査に通るための準備はしっかりとしなければなりません。
また、ゆうちょ銀行には2019年7月22日現在、住宅ローンの取り扱いがありませんので、注意しましょう。
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