消費者金融の問題点はどこにある?
消費者金融を経営してきた筆者から見ると、消費者金融の問題点は業者にあるというよりも借りる側にあるのではないかと思うのです。
消費者金融は基本的に借入申込者に対してお金を貸す方向で審査し、信用情報に特別問題になるような点がなければほとんどの場合審査に通します。
しかも消費者金融は総量規制範囲内であれば契約できるため、借主がお金をどのように使うのかまで関知しません。
資金使途が生活費や旅行資金だったとしても、本当はパチンコや競馬などのギャンブルなのかもしれませんよね。
しかし、消費者金融を利用する側に立ってみれば、利用する個人ではなく利用させる業者側が悪いと見えているのかもしれません。
消費者金融の本当の問題点はどこにあるのか、消費者金融業界と消費者金融を利用する個人の両面から考えていきましょう。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
目次
消費者金融から一度でも借りると抜け出せない噂
消費者金融は悪いと思っている人の多くは、消費者金融を一度も利用したことがない人なのではないでしょうか。
実際に利用したこともないのに、「消費者金融を一度でも使うと抜け出せなくなる。消費者金融は怖いところだ」と思い込み、周りの人々にも「消費者金融を使うと抜け出せなくなるよ。関わらない方が良いよ」と広めているのです。
しかし、それは風評被害というものです。
本当にお金に困っているときだけ消費者金融を利用している人は多いですし、困難な時期が終わるとさっさと解約して縁を切る人も少なくないのです。
金利は出資法と貸金業法の改正によって正常化されている
「消費者金融は金利が高すぎる!だから払っても払っても返済が終わらずに抜け出せないのだ」という人もいます。
しかし、それは半分は事実ですが、半分は嘘です。
確かに銀行カードローンと比べると金利は高めに設定されているのは事実です。
しかし、法律に叶った金利(融資額10万円未満に対しては年20%以下、10万円以上100万円未満に対しては年18%以下、100万円以上に対しては年15%以下)を超えて課すことは絶対にありませんので、「払っても払っても返済が終わらない」ということにはならないようになっています。
「払っても払っても返済が終わらない」のは金利の高さが問題なのではなく、利用者個人が、返済してもすぐに新たに借り入れてしまうことに問題があるのです。
過剰貸付問題は解決済み
「本人の返済能力以上に消費者金融がお金を貸し付けるのが悪い」と主張する人もいます。
しかし、消費者金融は総量規制の適用を受けますので、通常のカードローン商品で年収の3分の1を超えて融資することはありません。
決して利用者の返済能力を超えて貸し付けることはないのです。
とはいえ、万が一、消費者金融が利用者の返済能力以上にお金を貸したとしても、本当に悪いのは貸す側でしょうか?
大人なのに自分が返済できる金額を把握していない利用者の方が悪いのではないでしょうか?
取立行為の規制
「消費者金融はいつまでも悪質な取り立て行為をする。だから悪い」を決めてかかっている人もいます。
しかし、これも事実ではありません。
夜間や早朝の取り立て、近隣住民に迷惑がかかる取り立てなどはいずれも法律で禁じられていますし、万が一、消費者金融が悪質な取り立てを行うと貸金業者としての立場を剥奪されることになります。
実際に悪質な取り立てを実施している業者がないわけではありませんが、それらの業者は正規に登録された消費者金融ではなく、金融庁に無許可で貸金業を営む闇金なのです。
つまり、消費者金融と名乗っている限りは合法の業者ですし、悪質な取り立てを実施することはないのです。
消費者金融は悪なのか?
貸金業法改正によって消費者金融は確実に良い方向に向かっているのに、未だに消費者金融の実態を知らずに「消費者金融は悪だ」、「汚らわしい存在だ」と嫌っている人も多いようですね。
どうして消費者金融のことを悪いイメージに捉えるのか、それは消費者金融の業務形態が生産的ではない、株式投資やFX取引のようにある種マネーゲーム的な要素を含んでいるからに違いありません。
商品を売ることで利益を上げるなら実業とみなしても、お金を投資してお金を儲けるのは虚業と言われるのは無念ですね。
現代の経済が等価交換によって発展してきたことは言うまでもありません。等価交換は物々交換に比べて「お金」を介在させることで、商業や貿易をしやすいようにしたものです。
例えば魚を買いに鮮魚店に行って、お金の代わりに魚と同じ価値のあるモノを持って行ったのでは効率が良くありませんよね。
海外との貿易ともなればなおのことお金に変わる「何か」が必要であったため、ただの紙切れや金属に政府が一定の価値を保証することで、等価交換を可能としてきたわけです。
しかし古代ギリシャから中世にかけての交換経済は商業や貿易をすることは許されても、お金を貸して利息を取ることは等価交換とは言えないし、お金がお金を生むのは宗教的にも認められないものとして考えられてきた歴史があります。
シェイクスピアのヴェニスの商人にもあるように、ユダヤの金貸しシャイロックがアントニオに貸したお金を回収するために、カラダの肉1ポンド要求するも、裁判官は肉を切り取っても良い代わりに契約書に書かれていないカラダの血を一滴でも流すことは許さないとした有名な戯曲ですね。
この話のオチはアントニオの命を奪おうとしたユダヤ人のシャイロックは、刑の執行を許される代わりにキリスト教徒に改宗させられることろです。
消費者金融が怖いと言われる理由は?
消費者金融には、アコムやプロミスのほかに、SMBCモビットなどの大手以外にも、セントラルやフクホーなど中小消費者金融もあります。
そんな消費者金融が「怖い」と言われるのはどのような理由からなのでしょうか。
よく耳にする噂を、いくつか挙げていきましょう。
どれだけ支払っても元金が減らない
まずは毎月どれだけ頑張って返済を継続しても、返済分と同じぐらいの利息が発生してしまい、一向に元金が減らないということです。
融資を受けた場合の返済で債務者を悩ませるのは主に利息ですから、この利息が大量に発生するとなれば怖いと思われてしまうのも間違いはないでしょう。
支払いが滞ってしまえば、返済しきれない債務を抱えて債務整理するしか道が残されていない、というような状況に陥ってしまうという可能性も考えられます。
支払いが遅れると厳しい取り立てにあう
続いては、支払いが遅れた場合に家まで押しかけて厳しい取り立てを行うということです。
お金を借りた場合の取り立てといえば、映画やマンガに出てくるようなテンプレ的な取り立てをイメージする人も多いでしょう。
毎月毎月高い利息を支払って頑張っているのに、少しでも返済が遅れた途端に家まで取り立てに来られてしまうようでは、どこかで心が折れてしまうかもしれません。
個人情報を悪用される
最後は、個人情報を悪用されてしまうということです。
今までまったく取引のないはずの金融業者から融資のお誘いの電話がかかってきたり、大量のダイレクトメールが送られたりしてきたら困りますよね。
家族や近所に消費者金融の利用を内緒にしている場合でも、こういった電話や郵送物などのせいでバレてしまうということも考えられます。
噂は本当かどうかを検証
ここまで触れてきた噂が本当なのであれば、消費者金融を利用するのはなかなか勇気のいることかもしれません。
では、それぞれの噂が本当なのかどうかについて、1つ1つ検証していきましょう。
支払いをきちんと行えば元金は減る
まずは「どれだけ支払っても元金が減らない」という噂に関してですが、これはまったくのウソです。
各消費者金融のホームページ上では支払いシミュレーションを行うことができますが、シミュレーションを行った場合に毎回の支払いの内訳も確認することができるようになっています。
その内訳を確認すれば、返済している金額における利息と元金の割合がどれくらいになっているかを確認することができます。
たとえばある消費者金融で、金利18.0%で50万円を借り入れてそれを1年間で返済していこうとした場合の返済シミュレーションを行ってみると、初月の返済金額は45,839円でそのうち元金返済に相当するのが38,339円、利息分は7,500円となっています。
最終回の返済でも、返済金額は45,845円で元金返済相当が45,168円で利息分が677円と、どれだけ支払っても元金が減らないというような事態にはまったく陥っていないということがお分かりいただけるでしょう。
実際にシミュレーションを行ってみると、噂が誤っていることがきちんと確認できますね。
消費者金融は返せない金額を貸さない
融資をする消費者金融としては、利用者の返済能力を無視して、多くの利息収入を得るように営業しているイメージがあるかもしれません。
しかし、返済能力を無視した融資は、単に返済額が多くなるだけで、回収できなくなるリスクが高くなってしまいます。
返済日に返済が行わなければ、通常の金利の他にも遅延損害金を請求できるのですが、普通の状態でも返済できない人にそれよりも高い遅延損害金の負担を追わせても、かえって回収できないリスクが高くなります。
また、取り立てには多くの人員や時間が必要となりますので、それに対する給与や諸経費などもかさんでしまいます。
必要以上の融資は、回収できなくなるリスクが高まるだけでなく、消費者金融が負担する費用が多くなってしまうことから、自社の危機管理の観点からもきちんとした審査で利用者の返済能力を見極めなければならず、それに応じた融資しか行わないのです。
さらに、現在では総量規制がありますので、そもそも法的に「年収の1/3以上」の融資を行うことはできません。
消費者金融では返済できないほどの金額を融資するというイメージとなるのは昔の話であり、現在ではしっかりとした審査や法律によって、返済できないほどの融資を行うことは不可能です。
取り立ては決して怖いものではない
続いては「支払いが遅れると厳しい取り立てにあう」という噂ですが、これも真っ赤なウソです。
もちろん返済が遅れている以上は、消費者金融から何らかの形で督促を受けることは免れません。
しかし、その督促はいわゆるテンプレ的な「取り立て」とは異なり、電話や書類などで「返済が遅れているようですので、速やかに入金をお願いします」といったような非常に丁寧なものです。
そういった連絡を繰り返し無視して返済をずっと遅延しているようだと多少表現が厳しくはなりますが、実力行使に訴えたり暴力を振るったりするようなことは決してありません。
取立方法は法律で決まっている
取り立ては、契約をきちんと履行していない人に対して行うものですが、それが人権や私生活・仕事の妨げになるような行為とはなってはなりません。
そのため、取り立ての方法は法律によって以下のように決まっています。
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なお、ここでいう「正当な理由」とは、債務者と連絡が取れないことも含まれていますので、取り立ての連絡を無視し続けていると、22時に取り立てを受けても、勤務先に電話をされても違法とはなりません。
返済に遅れたら督促は必ずされる
消費者金融としては、返済遅れによる遅延損害金を得ることは目的としていません。
本当の目的は、融資したお金をきちんと回収したいだけです。
そのため、できるだけ早く回収するために、返済が遅れている人に対しては必ず督促を行います。
もちろん、先ほど紹介した取り立ての禁止行為を踏まえたうえで、丁寧に対処してきます。
利用者としても、お金を借りている以上、何らかの事情で返済が遅れることは誰でもあることですが、きちんと対応していれば全く怖いものではありません。
個人情報はきちんと管理されている
最後は「個人情報を悪用される」という噂ですが、これも他の2つの噂と同様にあくまで噂に過ぎません。
消費者金融から融資を受ける際には最初に契約書が発行されますが、その契約書の中には個人情報の取り扱いに関する内容も含まれており「審査等に必要な場合にのみ用いる」ということが明記されています。
つまり我々が提供した個人情報がその消費者金融から外に漏れてしまう可能性は、一切ないということです。
こうして噂を検証していけば、消費者金融に関してどれだけ誤った噂が世に流れているかがよく分かるのではないでしょうか。
消費者金融の利用を検討しつつも、いろいろな噂に惑わされて本当に利用すべきかどうか悩んでいるという人は、ぜひそういった悩みを捨てて申し込んでいただければと思います。
金利は市場の原理に任せるべき
消費者金融を語る上で外せないのが、金利の高さです。
消費者金融の金利が銀行より高いのは動かせない事実ですし、金利の高さ故、消費者金融のイメージも悪くなっています。
しかし、消費者金融は、何も好き好んで金利を高く設定しているわけではありません。
次に説明する市場の原理が働いた結果、自然と消費者金融の金利が高くなっているのです。
信用があれば金利は安く、信用がないから金利が高い
お金を借りなくてはいけないとき、あなたならどこに頼りますか?
やはり信用できそうで金利も低い、銀行や信用金庫などの金融機関を頼るでしょう。
特にトラブルを抱えていない限り、いきなり消費者金融に借りようと思う人は少ないのではないでしょうか。
しかし、銀行のローン審査に落ちたならどうするでしょうか?
全国的に知名度の高いプロミスやアコムなどの大手消費者金融に融資を申込み、それでも審査に落ちたときは、知名度は高くはないもののなんとなく安心できそうな中小消費者金融に申し込むでしょう。
つまり、銀行等の金融機関→大手消費者金融→中小消費者金融の順で、利用者の信用度が低くなっていきます。
消費者金融は信用が低い人を対象にお金を貸すことになりますので、貸し倒れのリスクを軽減するためにも金利を高く設定しているのです。
総量規制によって借りられない人が続出
消費者金融は総量規制の適用を受けますので、年収の3分の1を超えるお金を貸し付けることはありません。
総量規制は利用者が返済不能状態に陥らないための法律でもありますから、融資額を制限することで利用者を守っているとも言えるのです。
しかし、消費者金融が総量規制を守ることで、融資を受けられない人が増えているのは事実です。
消費者金融で借りられない専業主婦
年収の3分の1を超える融資を受けられないということは、年収が0円の人は融資を1円も受けられないということでもあります。
そのため、自分自身の収入が0円の専業主婦は、総量規制の適用を受ける消費者金融ではお金を借りられません。
ショッピング枠の現金化が増えている
クレジットカードにキャッシング枠がついていれば、カードローンと同じく融資限度額までなら何度でもお金を借りることができます。
しかし、キャッシング枠がついていない人やすでに枠上限まで使い切った人は、ショッピング枠で換金性のある商品を買って売却する行為、いわゆるショッピング枠の現金化をすることもあります。
ショッピング枠の現金化はクレジットカードの規約で禁じられている行為ですが、消費者金融でもお金を借りられない人は、このような違反行為に手を染めることもあるのです。
闇金被害者が増えている
総量規制適用外の銀行では審査が厳しいためお金を借りられず、消費者金融では総量規制にかかってお金を借りられないとなると、もはや合法に合法業者からお金を借りることができなくなってしまいます。
本来ならばこのような状態にある人は債務整理をして借金を清算すべきなのですが、債務整理をしようという考えに至らず、あろうことか違法業者である闇金に融資を申し込むことがあるのです。
闇金は法律を無視した貸付を行いますので、法定金利以上の金利でお金を貸し、不法な取り立て行為をし、利用者をとことんまで追い詰めます。
もちろん、債務整理をせずに闇金を選んだ利用者が一番悪いのですが、消費者金融が総量規制を盾にお金を貸さなかったことが悪いと逆恨みすることもあるでしょう。
問題点はイメージが悪いこと?
消費者金融は昭和時代にサラ金とか高利貸しと蔑まれていました。まるで存在自体が嫌われているような言われようですよね。
でも消費者金融が発達したのは、まさしく1980年後半から1990年にかけてのバブル景気の頃です。
企業は人材不足になるほど受注が増え、社員が残業しなければならないほど忙しい時代でもありました。
企業の増収増益は毎年のように繰り返され、給料は上がるし残業は増えるし、その結果ボーナスも上がる年収は増える、今ではちょっと考えられない時代でしたね。
利用者は多いのにイメージが悪いサラ金
景気が良ければ旅行や遊びに出かける人が多くなる、旅行や遊びに出かけるにはお金が必要、給料前やボーナス前はお金がないからサラ金からお金を借りる循環ができていました。
当時銀行は個人向けカードローンは見向きもせず、住宅ローンや事業性貸付に一生懸命で、はっきり言えば、個人の資金需要は消費者金融がすべて担当していたくらいです。
サラ金と呼ばれ、「サラ金からお金を借りるようなやつはダメ人間だ」とさえ言われることもありましたが、実は、消費者金融は日本経済の下支えの一部を担った20兆円産業でもあったのです。
消費者金融のイメージが悪いのは、貸金業法が変わった現在でも同じです。
貸金業法改正により金利水準は利息制限法通りで、返済に遅れたからといって怖いお兄さんが取り立てに行くわけでもなし、どうしても返済しない借主に対しては法的に粛々と手続きを進めていくだけなのに、イメージが回復しないのはなぜでしょうか。
抜け出しづらいのが問題点?
カードローン形式の契約は、利用限度額内なら返済途中でも何度でも借入ができるようになっています。
いつでも追加借り入れができるというのはメリットですが、返済期間や借入額が増えてしまうというデメリットも併せ持ちます。
そのため、一度でも消費者金融から借りてしまうとなかなか完済までは行きつかない状態になりがちです。
そのようにズルズルと借金地獄にはまる借主を見て、借主が悪いという正常な判断をせずに、「このような状態にさせた消費者金融が悪い」と判断する人もいるのです。
これも間違いなく勘違いですよね。
消費者金融のイメージを悪くしているのは、消費者金融自体ではなく消費者金融からお金を借りている借主なのです。
お金の利用価値が高まったことも抜け出しにくい一因
現在は昔と違いお金を出せば何でも買える時代です。お金がないばかりに犯罪に走る人や、一発当ててやろうとギャンブルに手を染めてしまう人も少なくありません。
何もギャンブルでなくてもFXや仮想通貨も同じですね。
一時、誰かが消費者金融で30万円を借りて、1年間で1億円にしたとSNSでは結構話題になりました。
そういう話を聞くと「オレも」となるのが人間というものです。
宝くじと違いFXや仮想通貨の取引は運が良ければ儲かる可能性も高く、それほど欲をかかなければ失敗したとしても損失は最小限で済みます。
しかし、お金を借りてでも投資やギャンブルをするような人間は基本的に欲張りですので、大きな損失を出し、消費者金融からの借金も増えてしまいます。
利用者に共通する問題点
人間はお金に対する執着が本来とても強いため、一度失敗しても次は絶対成功するのというように何の根拠もなく消費者金融から再びお金を借りてしまうのです。
総量規制の範囲内で、借入先が1社から2社、3社と限界に達するまで増えるのは時間の問題です。
でもこれって消費者金融の問題でしょうか?消費者金融が持つデメリットに由来しているのでしょうか?
わたしは、消費者金融の問題というよりは借り方の問題のような気がしてなりません。
借りること自体が問題点?
消費者金融の存在意義はどこにあるのかといえば、まさに資本主義を地で行くようなものです。つまり需要と供給のバランスですよね。
需要に応じて供給すれば、消費者金融のビジネスモデルとしては成功です。
もちろん供給するだけでなく回収することも条件にはなるものの、お金を借りたいと言う人がいれば、お金を貸してやろうという人がいるのは当然ですよね。
気軽なイメージだから意思の弱い人が集まる!
そこでお金を貸す交渉をするわけですが、お金を借りたい人はお金がないからお金を借りたいわけで、当然、お金に不自由な人たちです。
お金がない人は、給料が安かったり正社員として働いていなかったりする場合が多いですね。
友達から飲み会に誘われたり、あるいはお葬式などの急な出費が起きたりすると、お金を借りる先としてまず消費者金融を候補にすることが多いのです。
銀行カードローンは審査が厳しい、との先入観や即日借入できない不便さも手伝って、消費者金融しか借りる場所がないと思い込んでいるケースも少なくありません。
今度のボーナスが入ったら一括で消費者金融に返済しようと借入当初は思っていても、実際ボーナスを手にしてみると消費者金融の借金を支払うのがもったいなくなってしまい、結局はだらだらと消費者金融の返済を続けてしまうのです。
もちろん、消費者金融からお金を借りても、信念を曲げることなく返済計画をきちんと立てればお金を借りることは悪いことではないのですが・・・。
借りると住宅ローンが組めないのが問題点?
消費者金融でお金を借りると住宅ローンや自動車ローンが組めない、とよく言われます。
消費者金融側から言わせればそれはちょっと違うのでは?と思うのですが、現実には、消費者金融の借入はローン契約において邪魔になっているようです。
何も消費者金融からお金を借りていても、計画的にきちんと返済していればローン審査に問題はないのではないかと思うのですが、銀行関係者は借入希望者が消費者金融を利用していることが判明すると、途端に厳しい態度に変わります。
おそらく、銀行関係者や信販関係者は、消費者金融は金貸し業として銀行やクレジットカード会社よりも身分が下だとの考えが根底にあるのでしょう。
そのため、消費者金融からお金を借りるのは信用がないからだと判断し、消費者金融を利用しているだけで、たとえ毎月しっかりと返済していたとしてもローン審査に落としてしまうようです。
返済能力があれば借金は関係ないはず
消費者金融は、パート収入やアルバイト収入でもなるべくお金を貸し出す方向で審査しますので、銀行やクレジットカード会社から比べればかなり属性は低くなってしまいますよね。
消費者金融からの借入があると、お金が分散されてしまい返済能力が劣る、ということも住宅ローン審査に大きく影響するようです。
しかし、お金を借りるのは何も消費者金融だけではありませんね。
銀行カードローンもあればクレジットカードのキャッシングだって同じお金を借りることではありませんか。
同じお金を借りているのに消費者金融の借入があるからといって、審査が不利になるようなデメリットがあってはなりませんよね。
肝心なのは消費者金融からお金を借りているからではなく、住宅ローンや自動車ローンを組む人の返済能力が最も重要なはずです。
十分に返済能力があるなら、たとえ消費者金融の借入があったとしても問題なくローンは組めるはずなのです。
問題点を解決する方法
消費者金融の問題点とデメリットは、貸付金利を自由化することによって解決できます。
信用情報に全く問題がなく返済能力が十分にあると審査によって判断された人には低い金利で貸し付けを行い、信用情報に若干問題があり安定継続した収入が難しいと判断された人には高い金利で貸し付けを行うようにすれば、銀行カードローンの存在意義はなくなります。
実際に、みずほ銀行とソフトバンクが共同で設立したJ.Score(ジェイスコア)は、貸付金利と貸し出し金額の上限をAIによって判定できるようにしましたよね。
つまりあらゆる情報の共有化です。情報を共有化することによって「あなたの借り入れ金利はいくらですよ」と客観的にスコアリングできるわけです。
借主の生活態度や考え方、お金に対する姿勢や性格などにビッグデータを活用すれば、滞納しやすい貸主には融資制限を実施することも可能になりますので、業者側にとっては貸し倒れになることも減るでしょう。
AIのスコアリングに個人は対抗できるのか?
もちろん消費者金融の借主は、スコアを良くするために様々な工夫を凝らしてくるでしょう。
工夫によって借入金利が下がるなら、返済途中で債務整理するようなモラルハザードが起きることもありませんし、消費者金融の金利は高いなと感じることもありません。
本来、消費者金融の借入金利はリスクに応じて決めるべきなのです。
欧米にはプライムローンとサブプライムローンの2種類があるように、日本の消費者金融もプライム金利とサブプライム金利があっても良いのではないでしょうか。
消費者金融のメリットを見直そう
これまで説明してきました通り、消費者金融のシステムには何ら問題はありません。
総量規制が適用されますので決して利用者の返済能力以上の貸し付けは行いませんし、金利も取り立てもすべて合法的に実施します。
良くないのは消費者金融を利用する人の態度。つまり、ズルズルと何度も追加融資を受けたり、自分の意志の弱さを消費者金融のせいにしたりすることと言えるのです。
それどころか、消費者金融にはメリットがたくさんあります。
特筆すべき4つのメリットを紹介します。
申し込みが簡単
大抵の消費者金融は、電話やメールで簡単に申し込めます。
わざわざ窓口に出かけなくても手続きができますので、日中忙しい人でも無理なく利用することができます。
即日融資ができ、土日でも借りられる
ほとんどの消費者金融では、即日融資に対応しています。
また、カード発行機能がついた自動契約機を備えている業者も多く、金融機関が休みの土日でもローンカードを発行して、ATMから借入することが可能になっています。
銀行カードローンに比べて審査に通りやすい
そもそも消費者金融では、属性やスペック、信用情報に少々難がある人が審査を受けることが多いです。
そのため、審査も銀行カードローンと比べると少し通りやすく設定されています。
30日間無利息サービスがある
大手消費者金融では、初回のみに利用できる30日間無利息サービスを実施していることが多いです。
短期間で完済すれば、銀行カードローンよりもお得に利用することができます。
消費者金融のデメリットが問題なのか?
メリットの多い消費者金融ですが、デメリットも少なからず存在します。
もしかしたら、消費者金融のデメリットが問題視されているのかもしれませんね。
消費者金融のデメリットを2つ紹介します。
便利だから借りすぎてしまう
申込が簡単。しかも即日融資が可能。
これは便利ですよね。
便利すぎて、つい借り過ぎてしまうことが消費者金融のデメリットと言えます。
しかし、これは本当にデメリットと呼べるでしょうか?
やはり、利用者に問題があると言わざるを得ませんよね。
多重債務になりやすい
初めて申し込むときは即日融資が可能な消費者金融ですが、融資限度額を増額するときには慎重審査が実施されるため、審査結果が分かるまでに数日かかってしまいます。
「すぐに融資が欲しい」と考えてる人は、現在利用している消費者金融で増額審査を受けるのではなく、まだ利用したことがない消費者金融に新規に申し込むことになるでしょう。
増額審査よりも新規審査を選択してばかりいると、いつの間にか多重債務になってしまいます。
しかし、これも本当に消費者金融のデメリットと言えるでしょうか?
利用者が増額審査の結果を数日待てば良いだけの話なのではないでしょうか?
消費者金融からお金を借りる流れ
消費者金融によって、申込方法や契約方法、融資の仕方は異なりますが、大まかな流れはそれほど違いありません。
- 申込
- 一次審査
- 二次審査
- 契約手続き
- 融資
以上が、消費者金融から融資を受けるまでの流れであり、申込はインターネットや電話、郵送などで行うことができます。
一般的には、一次審査で信用情報に問題がないか、返済能力があるかを審査され、通過後に必要書類の提出を行い、申込内容と相違点がないかを二次審査でチェックする流れとなります。
二次審査で問題がなければ融資が正式に決定となり、借入条件を確認したうえで契約手続きを行い、融資を受けることになります。
借入までの時間
消費者金融は「サラ金」の時代から、個人融資に特化した融資を行ってきました。
その経験値から、早くて正確な審査を実現させており、大手などでは最短30分で審査が完了するほどです。
そのため、多くの場合で即日融資が可能となっており、銀行系カードローンによくあるローンカードも自動契約機から即日発行することも可能です。
また、最近では公式アプリからカードレスで借入できるようにしている大手消費者金融もあり、わざわざ自動契約機に行ってカードを受け取るという手間もなく利用できるようにもなっています。
自動契約機を保有していない多くの中小消費者金融でも、振込キャッシングによって即日融資を可能としており、借りられるまでの時間は短くなっています。
ただし、中小消費者金融の振込キャッシングは、平日の9:00~15:00の間でしか行えないことがほとんどですので、大手よりも即日融資が受けられる条件は厳しいのも現実です。
増額審査の場合
増額審査の場合も、基本的には即日としている消費者金融もあります。
しかし、増額審査の場合は、新規審査よりも厳しくなり、それまでの利用状況も細かくチェックしなくてはなりません。
そのため、どうしても審査時間は長くなる傾向にあり、即日では審査が完了しないことも多いです。
審査完了までに数日かかることもありますので、増額の場合は余裕を持って申込むことが望ましいです。
借金をするときの注意点
消費者金融に限った事ではなく、銀行やクレジットカードなどで借金をする場合には、注意しなくてはならないことがあります。
ここでは、その注意点を6つ紹介していきます。
支払いが遅れそうなときはすぐに連絡する
返済日が近づいて来たのにも関わらず、どうしても返済できる見込みがない場合は、すぐに連絡するようにしましょう。
何の連絡もなく延滞をすると、必ず督促されることになり、無視し続けると勤務先にまで電話が来てしまう可能性もあります。
あらかじめ遅れることを連絡し、いつなら返済できるのかを伝えておくことで、その日までは督促されることはありません。
返済ができなければ自分から連絡することをためらってしまうのですが、後手に回って状況を悪くするよりも、先手を打ってできるだけ不利にならないようにしましょう。
きちんとした返済計画を立てる
借金をする場合、ほとんどは「何に」「いくら使う」かが決まっています。
そこまで決まっていれば、今度は「いつまでに完済するか」「毎月どのくらい返済していくか」を考えることは簡単です。
それでも、借りることばかりを考えて返済のことを気にしていない人が多く、借りたはいいが返済に困窮してしまうことも少なくありません。
また、カードローンのような限度額まで自由に借りられる借金の場合、無計画に使っていれば借金地獄へ一直線に突き進んでしまう危険性があります。
多くの消費者金融で「ご利用は計画的に」と記載しているように、借入計画だけでなく、きちんとした返済計画も立てたうえで利用しなければなりません。
返済シミュレーションを利用すれば思っているよりも簡単に計画を立てられますので、必ず借りる前にシミュレーションするようにしましょう。
ギャンブルに使わない
借金をする理由で意外と多いのが、ギャンブルに使うためです。
ギャンブルのために借金をする人は、「勝ったお金で返済すればいい」という心理になっていることが多く、何も根拠のない返済財源で返済しようとします。
実際に、ギャンブルで勝てる確率はそれほど高くはなく、返済できるほど勝てるとなると、確率はもっと低くなります。
ギャンブルはあくまでも自分の収入の範囲内で行うものであり、借金をしてまでするものではありません。
自分のお金だと思わない
自分の預金口座からお金を引き出す場合、コンビニのATMからでも行うことができます。
カードローンで借金をする場合も同じようにATMから引き出すことができますので、あたかも自分の預金から引き出しているような感覚になります。
カードローンを使い始めた頃は借金だと認識していても、使い慣れてくるとそれが「自分のお金だ」と錯覚してしまいます。
カードローンで借りることは紛れもなく借金であり、使えば返済しなくてはなりませんので、間違っても自分のお金だとは認識しないよう心がけなくてはなりません。
借金を身内に話しておく
住宅ローンや自動車ローンはともかく、カードローンやキャッシングによる借金は、たとえ家族でも隠しておきたいものです。
しかし、カードローンやキャッシングによる借金が、最もトラブルを抱えやすく、最後の最後で家族に泣きつくということも珍しいことではありません。
最終的に相談された家族としても、ほとんど打つ手がない状態になっていれば対処できませんので、早い段階で話しておくことが望ましいです。
誰かに借金のことを伝えておくことで、迷惑はかけられないと返済に対する意識も高くなりますので、自分自身のためにも効果的です。
必要ならおまとめや借り換えをする
無計画な利用などで多重債務となってしまった場合、何も対処しなければ状況はどんどん悪化していきます。
借金問題はできるだけ早く対処しなければなりませんので、状況に応じておまとめローンやフリーローンなどで借り換えすることをおすすめします。
また、借り換え後は追加の借入はせず、完済を第一に考えて生活していきましょう。
悲報!消費者金融のイメージの悪さは解決できない
金利や情報を共有化することによって、消費者金融の問題点はほとんどすべて解決できます。
しかし、“消費者金融のイメージの悪さ”だけは、どんなに金利を銀行の金利に近づけても、好感度の高いタレントをコマーシャルに使っても解決できません。
それどころか、イメージの良いタレントも、消費者金融のCMに出るだけで好感度が激下がりしてしまうこともあるのです。
“消費者金融のイメージの悪さ”については、筆者としても「どうしようもない」としか言いようがありませんね。
消費者金融に頼らないようにするには
消費者金融に頼らなければならないということは、お金が必要な何らかのことがらに対して、自身の手持ちのお金だけでは対応できなということを意味することになります。
消費者金融に頼らずにそういった事態を乗り越えていくためには、どのようなことが大事なのでしょうか。
普段の生活を見直す必要あり
いざというときにお金が足りないような事態に陥ってしまっているということは、普段の生活の収支のバランスに改善の余地がある可能性があります。
家計簿を付けて自身の収支を客観的に把握してみることで、お金を使いすぎている部分が浮かび上がってくるかもしれません。
また、収入を増やす機会があるのであれば積極的に活用していくようにしましょう。
転職するなり副業を行うなり、方法は何でもかまいません。
収入と支出の両方が改善できれば、いざというときにお金がなくて消費者金融に頼るというようなことにならなくてすむと思いますよ。
諦め・見切りも肝心
消費者金融でお金を借り入れる理由は人によってさまざまですが、お金を必要としている理由が緊急を要するものではないのであれば、諦めたり見切りを付けたりすることも重要です。
テレビが急に壊れてしまって新しいものを買わなければならなくなったというのであれば、消費者金融で急きょお金を借り入れる理由としてはまだ分かります。
しかし、テレビで紹介していた観光地に無性に行きたくなったから旅行費用に充てるお金を借り入れるといったようなケースは、少し考え直してみてもいいでしょう。
したいこと・欲しいもの・行きたい場所のためにその都度お金を借りているようでは、どれだけお金があっても足りません。
自分の中の欲求に折り合いを付けて、「今回は諦めよう・見送ろう」と判断することも重要ですよ。
おまけ!実は消費者金融は取り立てが優しい
消費者金融の取り立ては厳しいというのは過去の話です。
現在では、消費者金融の借金を滞納しても、取り立て担当者が自宅に押しかけることはありません。電話するにしても時間が制限され、言葉遣いも丁寧です。
それに比べたら銀行の取り立ては半端なく厳しいですよ。
返済が滞納しそうな方は、最初から消費者金融に借りる方が良いかもしれませんね。
銀行の借金回収システム!担保も連帯保証人も総動員
なぜ銀行カードローンの取り立ては厳しいのかと言うと、銀行カードローンは保証会社が実質的な保証人になっているからです。
銀行カードローンの借金を滞納すれば、保証会社が全額銀行に借金を返済しなければならないのです。
保証会社が借金を肩代わりするのは、借金が焦げ付いた場合と相場が決まっていますので、保証会社としても一刻も早く取り立てしようと裁判を起こすのです。
銀行の取り立ては容赦がない
銀行カードローンの借主が債務整理をする前に、裁判によって強制執行し財産や給料を差し押さえるのが常套手段です。
また、カードローンでなくても、銀行では住宅ローンや事業性資金は必ず担保や連帯保証人をとっていますよね。
借主が返済しなければ担保を処分したり、連帯保証人に借金を請求したりします。
そうなんです。銀行は元々容赦のない性質を持っています。
バブル崩壊時やリーマンショックで多くの中小企業が資金繰りに喘いでいる最中に、貸し剥がしをしたのはなにを隠そう銀行なのです。
銀行は消費者金融よりも冷たい
例えばアナタが企業を立ち上げたとしましょう。立ち上げたばかりの企業は事業資金が足りません。設備投資資金も足りません。
そこでお金を貸すことには長けている銀行に行って、「融資をお願いします」とお願いしても果たしてお金を貸してもらうことはできるでしょうか。
おそらく銀行の融資担当者は「お金を借りるだけの十分な担保や連帯保証人は用意できますか?」と、いくらお金が必要なのか聞く前に質問することでしょう。
てっきり銀行は事業性資金なら貸してくれるかと思って相談しに行ったのに、いきなり担保や連帯保証人のことを言われてしまっては「いや、担保と呼べるものは何もありません」と答えるのが精一杯ですよね。
銀行はそもそも不動産の担保を取って融資することや、連帯保証人を数人立てて融資する担保融資を得意としており、無担保無保証で貸し付ける個人向け融資など毛頭考えを持っていないのです。
銀行が顧客に貸付し返済できないとなったら、すぐに不動産を処分することや連帯保証人から借金を回収することしか考えません。
リーマンショックによって仕事を失ってしまった町工場が、貸し剥がしで倒産に追い込まれたことも記憶に新しいところですよね。
銀行は銀行法によって営業規制されているため、預金者の保護を第一に掲げなければならないとしても、景気の良いときはお金を貸してくださいと頭を下げながらも、景気が悪くなるとすぐに借金回収に走るのは、企業体制としていかがなものかと考えてしまうのは筆者だけでしょうか。
銀行がお金を貸さないから消費者金融がある
銀行が無担保無保証で個人にお金を融資していたら、消費者金融は存在しなかったでしょう。
つまり消費者金融の存在は銀行が後押ししたからに他なりません。消費者金融の存在意義は銀行があったからです。
お金を貸すのに人を信用してお金を貸すことを長年行なっていた消費者金融は、まさに性善説を信じる日本の美徳です。
日本の国民はモノを借りたら返すのは当たり前、返すときもお礼をつけて返す習慣が古くから根付いていたのですね。
江戸時代の熊さん、八さんではありませんが、長屋暮らしが地域コミュニティを発展させ、苦労しているときはお互い様の考えが、お金を借りてもきちんと利息をつけて返済することにつながっているに違いありません。
消費者金融がお金を貸す場合に必ず個人信用情報を見るように、お金を貸す相手の人となりを調べ、返済能力があるのか、今までにきちんとお金を借りても返済してきたのか審査することで返済意思を確認できるのです。
そこには担保も保証人も必要はありません。
消費者金融は信用力のない人にはお金を貸しません。つまり真面目じゃないとお金を貸してもらうことができないのです。
ただし真面目であればお金を借りることができるのですから、銀行から比べたら天と地との差ほどありますね。
銀行は相手がマジメであろうが不真面目であろうが、不動産という担保があれば極端な話誰にでもお金を貸すのです。
利息が高いと言われながらも消費者金融は存在する
貸金業法改正前の消費者金融の金利は直前で年29.2%、その6年前は年40.004%、またその3年前は年54.75%という今では考えることもできないような高金利でした。
しかしそれでも消費者金融は栄えたのです。もし金利が高いなと思ったら誰もお金を借りに来ませんよね。
消費者金融の金利は物価統制品ではありません。
消費者金融側が自由に設定できる仕組みです。
あまりにも金利が高いと感じれば、お客が来ない。お客が来なければ消費者金融は金利を下げざるを得ないのは需要と供給のバランスであり、資本主義社会の原理原則です。
たとえ金利が高くても、借りたお金で自分の欲求を満たすことができれば、それはまさに等価交換と同じではないでしょうか。
そして借りたお金にはお礼をつけて返す昔ながらの伝統によって、利息を支払うことをためらわなかったのも消費者金融が廃れずに生き続けた理由です。
消費者金融は顧客の欲求を等価交換したもの
つまりお客の欲求を消費者金融が「お金」によって等価交換したものであり、お金を借りた以上はきちんと返済するのが当然です。
マスコミは経済弱者などと差別して、経済的に弱い立場の人にお金を貸す消費者金融は悪と決めつけていますが、自分で返すことのできないお金を借りるお客の自制心のなさを全く無視していますね。
経済的に自立できないからお金を借りるのか、パチンコや競馬など遊ぶ金欲しさでお金を借りるのか、きちんと消費者金融を利用する理由を解明することなく一方的に消費者金融を叩くのは無慈悲ですね。
裏では消費者金融は感謝されている
筆者が経営していた中小消費者金融は、地元密着経営だったためお客さんの家族構成まで知っていました。
兄弟がどこに住んでいて何の仕事をしているのか、子供は小学生なのか中学生なのか、娘はどこに嫁に行ったのかまで把握していたものです。
もちろん情報提供を強要したわけではありません。長年付き合っている間にお客さんとの話し合いで自然と情報が集まってきただけです。
もしお客さんが筆者の中小消費者金融を信用していなければ、親戚や家族構成まで話すことはなかったでしょう。
お金を貸してくれて助かったよ、という言葉を長年にわたって聞くことができました。
お世辞半分とはいえ、感謝の気持ちを伝えられると、これからも地元経済発展のために潤滑油として仕事しようと決意も新たにできるのです。
真っ当なところを利用すれば問題なし
では、なぜ消費者金融に関してこのような噂がまことしやかに流れているのでしょうか。
その原因は、消費者金融がまだ「消費者金融」とは呼ばれずに「街金」や「サラ金」と呼ばれていた時代にあると考えられます。
その時代の消費者金融の中には、いわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利をうまく利用して、法律の穴を突いたような融資を行っているところも少なくありませんでした。
そしてそのようなところから融資を受けた人の多くが、後に債務整理を行わざるをえないような状態に追い込まれていったのです。
そんな時代に融資を受けた人本人や融資を受けた人を家族に持つ人たちからすれば、消費者金融というのは非常にあくどい存在に映るでしょう。
そういった感情が、消費者金融にまつわる悪い噂を生み出している一因になっていると考えられます。
しかし現在ではグレーゾーン金利も撤廃され、消費者金融も真っ当な事業を行うようになってきているため、噂を生み出す原因となったような融資を行っている業者は絶滅したと考えておいていただいて問題ありません。
ヤミ金には真っ当な理屈は通用しない
ただし1つ注意しておいていただきたいのは、真っ当な融資を行っているのはあくまでも真っ当な業者だけだということです。
融資を行う業者の中には、金融庁に届け出を行わずに事業を行っているいわゆる「ヤミ金」と呼ばれる業者が一定数存在します。
そういった業者はそもそもが法律の範囲外の存在なので、事業も法律の範囲内で行う必要性はさらさらありません。
そのため、高利での融資や厳しい取り立て・個人情報の横流しといったような行為も平然と行われています。
安全に融資を受けたければ、金融庁に届け出を行っている正規の業者を利用するようにしましょう。
過度な取り立てを受けたら専門家へ
正規の消費者金融にしろ、ヤミ金からにしろ、過度な取り立てを受けた場合はすぐに弁護士などの専門家へ相談しましょう。
過度な取り立てを放置してしまうと、自分の生活や仕事環境が崩壊してしまうことはもちろん、他の人にまで迷惑をかけてしまう可能性があります。
また、他の利用者が同じように過度な取り立てに遭っている可能性もありますので、自分だけでなく他の人も救済する意味でも、早期に解決できるように行動していくことが大事です。
どうしても返済出来ない場合は?
借金を踏み倒すことを前提に借りることはなく、誰でも返済できるから借金をします。
しかし、勤務先の倒産や病気による収入の減少など、返済ができなくなってしまう状況に陥ってしまうこともあります。
では、何らかの事情でどうしても返済が出来なくなってしまった場合には、どのようにすれば良いのでしょうか。
時効成立の望みは薄い
借金には「時効」というものがあり、条件を満たして援用すれば返済しなくても良くなります。
しかし、消費者金融はその道のプロでもありますので、時効とならないように対応してきます。
そのため、そもそも時効となる条件を満たすことすら難しいのが現状であり、時効を成立させるという望みは薄いです。
もちろん、全くできないわけではありませんが、返済できない場合の対処法としてはあまり良いとは言えません。
債務整理も検討する
借金の返済が難しくなった場合は、債務整理についても検討するようにしましょう。
債務整理には任意整理や個人再生、自己破産などの手続きがあり、状況に応じて適切な手続きを行えば、借金問題を解決できます。
債務整理には専門的な知識や膨大な書類が必要となるため、必ず弁護士などの専門家へ相談するようにし、アドバイスを受けながら解決に向けて進んでいきましょう。
また、債務整理という方法ではなく、消費者金融と話し合って和解するという方法もあります。
消費者金融としては、任意整理などで利息のカットや借金の減額をされるよりも、債務者が返済していきやすいようにしてあげた方がメリットが多いですので、誠実に対応してくれるはずです。
もちろん、和解できない可能性もありますので、その際は専門家に依頼して債務整理で早期解決させるようにしましょう。
Q&A「消費者金融の問題点、でよくある質問」
ここでは、消費者金融の問題点について、よくある質問にお答えしていきたいと思います。
Q「消費者金融って任意整理されても儲かるんですか?」
A「儲かりはしませんが、そこまで損にはなりません」
任意整理は、金利に引き直しによる借金の減額と、将来利息のカットなどを業者と直接交渉していくものです。
金利に引き直しによる減額は、貸金業法が改正される前から利用している人であれば、これで大幅な減額も期待できます。
また、将来利息のカットによって、今後支払わなければならない利息もなくなりますので、利用者としてはメリットがあります。
これを業者側から見てみると、借金の減額や将来もらえるはずの利息がなくなりますので、儲かることはありません。
しかし、任意整理をする人の多くは、返済できないでいる人です。
こうした人が任意整理をしない場合、取立てのために多くの人件費や通信費を負担することになります。
これがなくなるだけでも、消費者金融として無駄に支払う費用が抑えられ、さらに返ってこないと思っていたお金を少しでも回収できます。
消費者金融では、任意整理をされると儲かることはありませんが、意外と損もしないということです。
Q「消費者金融に登録した電話の番号を勝手に変えてもバレますか?」
A「簡単にはバレませんが、いずれバレます」
基本的に、消費者金融では利用者からの申告された情報で管理していきますので、電話番号が変わったことを通知しない限りはバレません。
しかし、延滞をした際の取立ては、まず携帯電話にすることになります。
番号を変えていると、この時点で電話番号が変わっていることが消費者金融にバレてしまいます。
携帯への電話がつながらない場合、消費者金融は督促状を登録されている自宅へ送付します。
もし、送付した書類が宛先不明などで戻ってこない場合、まだその住所に住んでいる可能性が高いことがわかります。
書類が戻ってこないのに、利用者から連絡が来ない場合、最終的には担当者が訪問することになります。
訪問によって面談となれば、返済の意志や返済予定日を聞かれることはもちろん、番号が変わっていることについても聞かれ、新しい番号を伝えなければなりません。
なお、消費者金融の規約には、属性情報が変わった場合、速やかに報告するようにと定められています。
電話番号であれば、変更したことの報告を1度忘れていただけでは規約違反とならない可能性が高いのですが、何度も変更しているような悪質な場合は、一括返済を求められてしまうことになります。
自分の立場が不利になってしまうことになりますので、電話番号を変えた場合は、すぐに消費者金融へ連絡するようにしましょう。
Q「タチの悪い消費者金融からお金を借りてしまいました。弁護士に頼むお金もありません」
A「法テラスなどの無料相談を利用しましょう」
借金の問題などを解決するために、弁護士に依頼するにしても、相談や着手時にお金がかかることはもちろん、解決できれば成功報酬も発生します。
つまり、お金がない場合には、相談も着手もできないことになります。
しかし、法テラスという公的な機関を利用すると、相談や弁護士の紹介を無料で行ってくれます。
また、借金の問題を専門とする弁護士もおり、こうした弁護士は相談や着手金を無料にしているところもあります。
借金はお金がない人がするものであり、こうした人でも気軽に利用できる環境は整備されています。
そのため、お金がないからといって、何もせずに問題を先延ばしにするのではなく、無料で相談できるところを積極的に利用しましょう。
解決後の報酬に関しては、戻ってくるお金があればそこから支払うこともできますし、状況に応じて相談に乗ってくれるはずです。
Q「そもそも人はなぜ金利が高いのに借金するんですか?」
A「後払いという支払い方法に魅力を感じるからです」
人が借金をする理由には、生活や趣味、冠婚葬祭、家電製品の購入など、さまざまあります。
同じように、高い金利なのに、なぜ借金をするのかという問にも、さまざまな意見があります。
例えば、生活のためであれば、生きていくためには仕方がないと思っている人もいるでしょうし、趣味のためであれば欲求を満たすために必要な費用と考えている人もいると思います。
ですが、根本的に、なぜ借金をするのかということについて考えてみると、後払いというローンの仕組みに魅力があるからなのではないでしょうか。
ローンというのは、必要なお金を借り、それを後から分割して返していきます。
つまり、先に自分が欲しいものを手に入れた後に、返済していくので、非常に魅力的に感じてしまいます。
同じお金にまつわるものとして、保険を例に挙げてみると、保険は先にお金(保険料)を支払い、後になってから必要なお金を手にできます。
生命保険を毎月1万円も2万円も払っている人は多くいますが、それで万が一のことがあれば、1,000万円といったお金を得ることもできますし、家族に残すこともできます。
もし、1,000万円のお金を借りた場合、毎月の利息が1万円以上になることも普通にあるのに、イメージは保険の方が悪いです。
これは、保険が先払いとなっているからと考えることができ、何もなければ無駄と考えてしまうからです。
どちらが優れているということは、性質が全く逆であるため一概に言うことはできませんが、金利が高くてもお金を借りるのは、後払いという支払いのシステムが深く関係していると考えることができます。
Q「日本で一番儲かっている消費者金融を教えて下さい」
A「アコムです」
大手消費者金融3社の営業収益と純利益は、以下のようになっております。
営業収益 | 純利益 | |
---|---|---|
アコム | 2,634億5,300万円 | 742億3,300万円 |
SMBCコンシューマーファイナンス | 2,737億9,900万円 | 245億6,400万円 |
アイフル | 1,153億8,900万円 | 39億5800万円 |
いずれも2018年3月の決算情報ですが、営業収益(売上)を見ると、SMBCコンシューマーファイナンスが最も多いです。
しかし、純利益ではアコムがダントツで多いです。
儲かっているかどうかは純利益を見る必要がありますので、日本で一番儲かっている消費者金融はアコムだということが言えます。
ですが、アコムは2017年3月期では純損失を計上していますし、2016年3月の純利益は179億3,500万円となっています。
一方、SMBCコンシューマーファイナンスは2017年3月期で1,113億8,200万円を計上しており、2016年3月期には純損失を計上しています。
2018年3月期だけで見ると、アコムの独壇場に見えますが、この2社にそれほど差はありません。
アイフルは、2017年3月期に72億7,600万円を計上しており、上記2社と比べれば少ないのですが、安定感があります。
大手消費者金融ともなれば、その年の情勢も大きく影響しますので、その年によって一番儲かっている消費者金融は変わり、不動の一番というものはありません。
まとめ
消費者金融の仕組みや特徴について見てまいりましたが、いずれも悪いというよりは消費者の立場に寄り添っていることが仇となっていると言わざるを得ません。
過剰貸し付けを回避しようと総量規制を適用すると、利用者から「融資が受けられない」「借りられないから闇金を利用してしまった」といった逆恨みを受けます。
また、利用者の利便性を高めるために申し込みや融資までの手続きを簡単にすると、何社もの消費者金融から借り入れてしまう人が増え、「手続きが簡単だからつい複数業者から借りてしまった」と逆切れされてしまう始末です。
生来のイメージの悪さも手伝って、なぜか消費者金融が悪者にでっち上げられているのが本当のところなのではないでしょうか。
メリットの多い消費者金融を使いこなすためにも、消費者自身が自分の借入能力を把握し、本当に困ったときだけ利用するように自制することが大切です。
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