銀行融資に見せ金は有効?自己資金はいくら必要?

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自己資本金は会社にとって返す必要のないお金のことで、多いほど借入の審査が有利になります。

なお借入を有利にするためにお金をかき集めて、いわゆる「見せ金」として資本金を多く見せようとする経営者もいるようです。

この「見せ金」が果たして銀行の、審査に通用するかについてまとめましたので参考にしてください。

執筆者の情報
名前:馬野 伸斗(50歳)
職歴:信用組合に20年以上勤務
この記事はこんな人におすすめです

今回紹介する記事は、下記の人にとても参考になる記事です。

  • 新規事業・創業を検討中
  • 資金不足に悩んでいる事業者

会社創業の銀行融資には自己資金が重要

結論から言うと、銀行借入れの対策として、自己資本金を見せ金にするのは好ましくありません。

その詳しい理由について順番に確認しましょう。

自己資本金は返す必要がないお金のこと

自己資本金は、会社の軍資金であり返済する必要がありません。

そのため銀行の審査において自己資本金は会社の体力を示す、重要な指標となることを覚えておきましょう。

融資の審査で自己資金はいくら必要?

会社の資本金は多ければ多いほど、銀行の融資審査に通りやすくなります。

もちろん自己資金があると返済能力があるからという理由もありますが、資本金が少ないと会社が債務超過(さいむちょうか)となりやすいからです。

債務超過とは赤字の累積が資本金を上回っている状態であり、会社がいつ破綻してもおかしくない状態を言います。

経営者としては将来の赤字を見越して、それを補てんできる最低限の資本金を準備しておく必要があります。

このように、自己資金が足りなくて起業や、開業ができないという人も多いようです。

それではどれくらいの自己資金があれば、融資が受けられるのでしょうか。

一般的に会社創業時に必要な自己資金は、創業資金の3割程度とされています。

日本政策金融公庫の2017年度統計調査を見てみも、創業資金が平均1,323万縁で、内金融機関からの融資が891万円、自己資金は287万円となっています。

年度によって差はありますが、自己資金は創業資金の3割程度となっているのがわかります。

参考:『日本政策金融公庫-2017年度新規開業実態調査』

創業融資で資本が重視される理由

会社が創業時に借り入れする創業融資は、特に資本金が重視されます。

それは創業間もない会社は実績がないため、信用力を示す他の指標がないからです。

貸手となる銀行としては、いくら立派な事業計画書を見せられたとしても、資本金という担保が全くなければ融資が難しいというのが本音でしょう。

なお銀行との取引実績が増えてくれば、資本金以上に売上げや資金繰りといった指標が重視されてきます。

銀行融資と日本政策金融公庫で違いはある?

銀行融資と日本政策金融公庫は、融資のときに準備する自己資金の額に大きく違いがあります。

日本政策金融公庫には新創業融資制度という制度があり、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が準備できれば融資可能としています。

例えば、創業資金に1,000万円必要だった場合、日本政策金融公庫では創業資金の10分の1である100万円を自己資金として準備すれば、900万円の融資を受けることが可能というわけです。

前にも紹介した通り、銀行では創業資金の3割の自己資金が必要となることから、創業資金が1,000万円必要だとしたら300万円準備しなければならないので、日本政策金融公庫との差は顕著です。

ただし、飽くまでも制度上の自己資金の目安なので、実際は自己資金の割合が低いと、希望通りの融資が受けられない可能性がありますので注意が必要です。

自己資金の不足を補う5つの方法

自己資本金は多いほど銀行借入が有利になりますが、見せ金として数字を積み上げるのは好ましくありません。

そこで、見せ金以外の自己資本金を多くする方法を紹介します。

1:塩漬けの預金や株式は一旦解約しよう

同じようにお金をかき集めたとしても、社長自身(出資者)や配偶者からのお金ならば問題ありません。

ただし、資本金は通帳に全て入金しなければなりませんので、定期預金や株といった資産を持っている場合は一旦解約する必要があることを覚えておきましょう。

2:親や兄弟と贈与契約を結ぶ

親や兄弟から資本金の援助を受ける場合は、間違いなく会社のお金であると主張できるように贈与契約書を作成しておいた方が無難です。

しかし、年間110万円以上の贈与を受けると、贈与税を払う必要がありますので注意しましょう。

3:他人からの借り入れは出資にする

他人から資本金の見せ金として借りるくらいなら、出資として援助をしてもらい配当金を還元するのもひとつの手段です。

ただし、会社に利益を生むことが前提となる上、多額の出資は経営権の問題も出てきますのでバランスを考えるようにしましょう。

4:現物出資

実は、資本金を作るのは、現金だけではありません。

それは現物出資といって、社長(出資者)が持っている自動車や機械などの資産を、事業用として提供すれば資本金と見なされるからです。

現物出資は贈与税が発生する可能性がありますので、必ず税理士に相談してから行うようにしましょう。

5:みなし自己資本

現在手元に現金がなくても、過去に事業用として支払ったものがあれば資本金と見なすことができます。

これをみなし自己資本と言います。

みなし自己資本は大きな設備である必要はなく、消耗品や交通費などでも資本金を開業費として使ったとされます。

自己資金を見せ金で準備してもバレる

見せ金を自己資金として準備したとしても、必ずと言っていいほどバレてしまいます。

見せ金について、詳しく見ていきましょう。

そもそも見せ金とは

そもそも見せ金とは、相手を信用させるために実際にない、お金をあるように見せるためのお金のことを言います。

融資における見せ金は、融資を受ける際に信用を得るために自己資金があるように見せるために準備したもの、またいつか返す必要があるお金なので、実際の自己資金とは異なるものです。

見せ金とバレた時点で、融資を受けることができないことや、今後の信用問題に関わってきますので注意しましょう。

銀行の見せ金チェックは厳しい

いわゆる資本金の見せ金は、以前と比べて銀行のチェックが厳しくなっています。

具体的に銀行は、資本金の通帳に多額の入金履歴があれば、入金元や振込元の通帳も確認しようとします。

そこで、親族やノンバンクの名前があれば、自己資本ではないのではないかと疑うのです。

見せ金は厳密に言うと粉飾決算であり、融資金の一括返済を求めたり刑事訴訟を起こしたりしますので注意しましょう。

タンス貯金は見せ金と疑われやすい

タンス貯金を自己資金として準備すると、見せ金と疑われる可能性があります。

前にも言いましたが銀行は融資のとき、入金履歴を入念にチェックします。

タンス貯金を自己資金にするために、急に多額の入金を行うと出所のわからない多額の入金がされたということから、どこからか借りてきたつまり『見せ金』では?と疑いをかけられるというわけです。

上記のツイートの通りですので、融資を考えている人はタンス預金よりも通帳に預金することをおすすめします。

自己資金が見せ金とされる判例

実際に見せ金を使った自己資本金を無効とした最高裁の判例が過去にありましたので、紹介します。

裁判年月日昭和38年12月6日
事件番号昭和35(オ)1154
判示事項いわゆる見せ金による株式払込の効力
【以下全文から一部引用】
当初から真実の株式の払込として会社資金を確保する意図なく、一時的の借入金を以て単に払込の外形を整え、株式会社成立の手続後直ちに右払込金を払い戻してこれを借入先に返済する場合の如きは、右会社の営業資金はなんら確保されたことにはならないのであって、かかる払込は、単に外見上株式払込の形式こそ備えているが、実質的には到底払込があったものとは解し得ず、払込としての効力を有しないものといわなければならない。

参考:裁判所│裁判例情報

自己資金を見せ金で賄うデメリット

自己資金を多く見せるために、親族や友人からお金をかき集めて資本金を多く見せたらいいのではないかと、思う経営者もいるかもしれません。

確かに、会社を設立するときに法務局へ登記するときは、資本金の確認として通帳の明細しか必要がありませんので、取りあえず見せ金として資本金を作ることは可能です。

しかし、見せ金にはこれから話しする、デメリットがありますので気をつけてください。

資本金の見せ金は違法!

見せ金の判例でも紹介しましたが、資本金の見せ金は違法行為ですのでやめましょう。

自己資本がない事業主に融資するということは、回収リスクを伴うなど金融機関からするとデメリットしかありません。

回収リスクを隠して融資を受けるということですから、そのつもりがなくとも詐欺と捉えられます。

会計処理もおかしくなる

資本金を見せ金にすると、会計上でも不都合が起こります。

例えば親族から一時的に借入れした資本金は、返済時に役員貸付金という勘定で処理しなければなりません。

銀行にとって役員貸付金は、事業資金として融資すると、社長個人の財布に流れるかもしれないという好ましくない勘定科目です。

また税務署にとっても役員貸付金は、実質的に社長への役員報酬であると、判断して所得税を指摘する材料となります。

このように資本金を見せ金にすると、本来会社にあるはずのお金がどこかへ消えてしまうことで、会計処理そのものがおかしくなりますので気をつけてください。

見せ金レンタルがばれない方法はない

自己資金を家族や友人、別の金融業者からのローンなどから借りる、見せ金レンタルの方法がありますが、見せ金レンタルはつじつまがあわないことや、融資担当者の入念なチェックで、すぐにばれてしまいます。

見せ金レンタルはすぐにばれてしまうということを、頭にいれておきましょう。

「見せ金の作り方」は実践してはダメ

見せ金の作り方を紹介しているサイトやSNSがたまにありますが、絶対に実践してはいけません。

見せ金の作り方を実践してもすぐにバレてしまいますし、ばれた時点で信用を失い融資を断られるだけでなく、今後も融資を受けられなくなる可能性があります。

自己資金を親に頼るときの注意点

自己資金は自分で準備するに越したことはありませんが、どうしても足りない分を親に頼ることができれば、融資が受けやすくなる可能性があります。

自己資金を親に頼るときの、注意点を紹介します。

親から借りたお金は自己資金にできない

自己資金を他人から借りることは見せ金として捉えられると紹介してきましたが、親の場合も例外ではありません。

親からでも借りたお金を、自己資金とすることは見せ金になります。

親からもらったお金は自己資金にできる

借りたお金は自己資金にはできませんが、もらったお金であれば返す必要がないお金なので、見せ金にはなりません。

親からももらったお金だと証明できれば、自己資金として扱うことができるのです。

ただし、もらったお金だと証明するためには、幾つか注意点があります。

まず、親からもらったお金を自己資金にしたい場合は、贈与側と受け取り側、双方の同意が得られているという証明になる贈与契約書を作成しましょう。

贈与契約書は贈与した日時や金額、きちんと贈与であるとわかるようにして作成し、きちんと当事者が作成したとわかるように、署名など大事なところは手書きにする、実印を使うなどすることで、より証明書として効果が発揮できます。

また、贈与を受ける際は通帳に振り込みをしてもらう方が、贈与を受けた日時や金額が証明しやすくなりますので、現金で受け取るよりもおすすめです。

ただし、贈与された金額が多すぎると、融資側の不安材料となる可能性がありますので、できるだけ自分で用意したお金を自己資金とすることをおすすめします。

また、贈与は110万円をこえると、贈与税が発生しますので贈与税分も考慮して利用しましょう。

自己資金が足りないときの資金調達方法

資本金を集めるために色々と方法を試したけど、どうしても足りないという経営者もいるでしょう。

ただし、資本金がなければ全く融資を受けられないというわけではありませんので、これから紹介する方法を試してみてください。

事業計画書や面談でリカバリーしよう

資本金が少ない場合は、他の審査ポイントでカバーするようにしましょう。

具体的には、現実味のある事業計画書の作成や、審査担当との丁寧な面談などです。

特に、日本政策金融公庫の創業融資は、そもそも資本金の少ない中小企業を対象としていますので、これらのポイントを意識するだけでも審査に通過する可能性が、ぐっと高くなることには注意が必要です。

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ビジネスローンで借りる

ビジネスローンとは、銀行や消費者金融などが取扱いしている、事業用カードローンのことです。

ビジネスローンは、そもそも資本金の概念がない、個人事業主も融資の対象としていますので、資本金が少なくてもさほど審査に影響しません。

ただし、金利に関しては10.0%以上と、高くなるケースが多いので気をつけでください。

ファクタリングで資金調達

ファクタリングとは、自社の売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらうことで、現金を作る方法です。

手数料が10.0%~20.0%と高く、資金繰りが安定しない創業間もない会社が、常用するのは好ましくありません。

しかし、ファクタリングは融資より審査の敷居が低いので、資金調達の最終手段として覚えおいてください。

おまけ:住宅ローンに必要な自己資金とは

住宅ローンの中には自己資金がなくても利用できる場合があります。

しかし、住宅の購入や不動産投資には、頭金の他にも登記登録など諸費用がかかります。

全く自己資金がなく、頭金や諸費用を住宅ローンで賄うことは、返済の長期化や月々の返済額が大きくなりかねません。

頭金と諸費用分は自己資金として、確保しておくことをおすすめします。

また、自己資金が多ければ融資額も大きくなりますので、両親からお金を借りて自己資金に充てるというケースも少なくありません。

すぐに見せ金とばれそうですが、なぜ住宅ローンの審査に通るのでしょうか。

住宅ローンの場合返済期間が長期にわたることから、自己資金の額よりも返済し続けていけるかを重視しますので、見せ金とわかっていても、審査対象者の職業や年収がきちんとしていれば、住宅ローンの審査には通る可能性があるというわけです。

ただし、見せ金で自己資金を偽っても、実際に頭金や諸費用が払えないようであれば、融資が受けられなくなります。

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まとめ

銀行融資のために会社の自己資本金を、見せ金で作るのは止めましょう。

それは、そもそも粉飾決算になりますし、税金面でもデメリットがあるからです。

資本金の金額は、1年や2年赤字となっても、債務超過にならない金額であれば問題ありません。

それよりも、銀行審査では他のポイントを、アピールすることをおすすめします。

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