資本金と借入金の違いを徹底解説

会社にお金が足りないときというのは、どのような会社でも1度はあるものです。

そのような時には、自分の個人資産や知人のお金で工面するということも少なくないのではないでしょうか?

経営者自身や第3者から会社が金銭的な支援を受ける場合には「資本金」という方法と「借入金」という2つの方法で処理することができます。

どちらの方法にもメリットとデメリットがあり、その違いを理解して金銭的な支援を受けないと、突然銀行からお金が借りられなくなるということにもなりかねません。

この記事では、資本金と借入金の違いを徹底解説していきます。

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

そもそも資本金とは?

そもそも資本金とはどのようなお金を指すのでしょうか?

まずは資本金がどのようなものなのかについて詳しく解説していきます。

会社の体力となる設立時の為に集めたお金

資本金とは、会社の自分のお金と考えれば分かりやすいでしょう。

会社を始めるときにはお金が必要です。

この際に出資者から会社財産として集めたお金が資本金です。

資本金を出資した出資者には株式を発行します。

資本金は返済の義務がありませんが、株主となった出資者には会社の利益を分配しなければなりません。

原則的に資本金は返済不要

前述したように資本金は返済する必要があります。

利益に応じて分配を受けることを目的として出資者は会社に出資していますので、資本金は借入金とは異なり返済の義務がありません。

ただし、株主が「株を買い取って出資したお金を返して欲しい」と交渉してきた場合には、交渉に応じて株を買い取ることはありますし、誰かに株主としての権利は売却してしまうこともあります。

利益に応じて株主に配当金を

中小法人に配当はないと考える人が多いですが、中小法人であっても会社の利益のうちの一部を配当金として株主に分配するのが原則です。

中小法人の場合、株主は経営者とイコールであることがほとんですので、わざわざ配当金という形で利益分配を行なっていないだけです。

経営者や家族ではなく、他人から出資を受けた場合には中小企業であったとしても、株主には配当を払わなければなりません。

資本金における注意点

資本金は多ければ多い方が返済の必要がないお金が多いということですので、中小企業は安全です。

しかし多すぎる場合には制限がかかってしまいますし、少なすぎると債務超過になってしまうことがあります。

資本金について注意すべき点を理解しておきましょう。

増やすと制限が掛かる

例えば資本金1,000万円未満の会社は設立後2年間は消費者の免税事業者となったり、800万円以下の所得に対しては軽減税率が適用されます。

しかし、この会社が増資を行なって1,000万円以上の資本金となった場合には、設立1年目から納税義務が発生しますし、資本金1億円以上になると軽減税率は適用されないなど、資本金が大きくなればなるほど大企業扱いとなるので制限がかかってしまいます。

少ないと債務超過のリスクが

逆に資本金が少なすぎると、少しの赤字ですぐに債務超過となってしまう可能性があります。

例えば、資本金100万円の会社が100万円以上の赤字となった場合、すぐに資本金はマイナスになってしまうので、債務超過になってしまう可能性があります。

資本金は会社の体力ですので、資本金が少ないということは会社の体力がないということですので、少しの赤字ですぐに債務超過になってしまうリスクがあるのです。

債務超過の会社については銀行はかなりのマイナスの目線で評価を行いますので、融資を受けようとしてもお金を借りることができなくなってしまうこともあります。

資本金の決め方

株式会社の資本金は、法律上は1円で良いのに、なぜそれ以上に大きな額にしている方が多いのかを整理しておきましょう。

資本金が会社の信用になる

根拠の1つは、「信用力」にあると言って良いでしょう。

株式会社を設立して、事業を行うには、顧客や、仕入先と「取引」を行う必要があります。

物を買ったり、売ったりする訳ですが、どちらの取引であっても、「信用力」は重要です。

信用力とは、商品を売ってくれる販売先にとって、「代金回収に対する安心感」や、逆に、販売先となる顧客にとって、間違いなくサービスを提供してもらえるという信頼や、期待値を指します。

商品を渡したのに代金が回収できない場合や、お金を払ったのにサービスが受けられないと困りますよね。

そのため、信用力が低い相手だと、取引を断ることもあります。

資本金の大きさは、「会社の信用力」を測る尺度になります。

もちろん、資本金の額が大きいほど、信用力にはプラスの影響を持ちます。

「信用力」という観点から、資本金の大きさを考える場合、取引相手の規模や、商慣習などが重要になります。

取引相手の資本金の額や、同じ業界で商売をしている同業他社の資本金の額を参考にするのも良いでしょう。

取引先が求める資本金を相手の規模や、実際に商売をしている同業他社から推測するのです。

なお、仕入がほとんど必要なく、さらに販売先が個人の場合(BtoC)であれば、資本金を確認されるケースは少なく、金額的な重要性は低くなります。

初期費用から考える

開業当初は、初期投資として購入しなければいけないものも多いでしょう。

さらに、仕入なども、最初のうちは「掛」が認められず、現金取引となることもあります。

つまり、負債が利用できず、自己資金の割合が高くなってしまうということです。

開業当初に必要となる資金や、売上の回収が始まるまでに、支払う必要のある仕入、経費などの資金は自己資金として用意しておく必要があります。

こういった必要額を見積もったうえで、資本金の額を決めるのも重要です。

大きければ良いわけでは無い

資本金の額が大きければ、常に良い訳では無いので注意が必要です。

資本金の額が大きいことによる「マイナス」の影響もあります。

法人を作って、事業を始めると、消費税や、住民税といった、税金の支払いも発生するようになります。

そして、これらの税金は、会社の規模によって、課税方法が変わります。

資本金が1,000万円以上になると、開業時から消費税の納付が必要になったり、住民税率が高くなることもあります。

事業の内容次第では、不利になる可能性もありますので、資本金の額を1,000万円以上にする場合は、税理士などと相談してから決めるのが良いでしょう。

お金がないけど起業したい

知人からの借金を資本金にできる?

資本金があったほうが会社設立時の融資に有利なことは間違いありません。

また、会社の社会的な信用も資本金が多いほうが大きくなります。

そこで、知人から一時的に個人的にお金を借りて、それを会社設立時の初期費用として資本金扱いにし取扱金融機関に払込を行い、会社設立後に知人に返済するという行為を考える人が少なくありません。

結論的に言えばこの行為は犯罪です。

見せ金に該当

借入金を資本金のように見せかける行為を「見せ金」と言います。

見せ金は公正証書原本不実記載罪という犯罪行為となります。

「この会社は資本金があるから大丈夫」と判断して融資や取引を行った人を騙す行為になるためです。

借入金の資本算入は全てNG

知人からではなく、カードローンや銀行からの借入など、あらゆる借入金は全て資本金に参入することはできません。

資本金の定義とは返済不要な自己資金ですので、返済義務のある資金は全て資本金に算入することは不可能です。

見せ金の罰則

見せ金には刑事罰はありませんが、払込は無効となるため、会社設立は無効となってしまいます。

さらに会社法上の代表訴訟や、民法上の一般不法行為の罪に問われる可能性があります。

見せ金は百害あって一利なし

このように、見せ金はリスクの方が高くなり、百害あって一利なしですので絶対にやめましょう。

わざわざ不法行為を犯して会社を設立しなくても、個人事業主として創業融資を受けることはできますし、どうしても法人を設立したいのであれば、形だけは1円で株式会社を設立できます。

筆者の経験上は資本金1円の法人よりも個人事業主の方が創業資金の融資は受けやすいと言えます。

見せ金をしてでも会社を作るのであれば1円で法人設立を行うか、個人事業主のまま商売を行なった方が安全性は高いので、絶対に見せ金をしてはいけません。

あとから増資は可能

最初から大きな資本金という形にこだわらなくても、資本金は後から増資を行うことも可能です。

不法行為を犯すくらいであれば、最初は少ない資本金からスタートして、会社の規模拡大とともに徐々に資本金を増資していけばよいのです。

借入ではなく出資を

そもそも親や知人などにお金を借りるのであれば、借入ではなく出資という形をとった方が無難でしょう。

出資であれば合法的に会社の資本金は大きくなりますし、銀行からの融資も受けやすくなります。

また、株主が多い会社は「多くの人に支えられ、事業の内容に対して賛同を得られている」と銀行は判断するため融資を受けやすくなります。

開業時に借入を依頼できる人がいるのであれば、出資という形をまずは依頼してみましょう。

資本金は返済不要

資本金とは、会社の自己資金を示すもので、返済の義務を負っていません。

借入金は返済義務を負う

借入金は返済の義務を負っています。

金利〇〇%という契約を交わして、利息をつけて返済することが一般的です。

銀行は出資を行なっていないため、銀行から資金調達をする際には借入金となります。

資本金は返済の代わりに配当を得る

資本金として会社に資金提供を行うことを出資と言います。

出資は会社から返済を受ける権利がなく、返済の代わりに会社の株式を得ることになり、出資者は会社の株主となります。

株主は会社の利益から配当を得る権利を持ちます。

また、将来的に会社が大きくなれば、株式の価値は倍増し、他人に出資した額よりも何倍も大きな金額で株式を売却することも可能です。

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株主は会社のオーナー

出資を行うと、株主になることができます。

会社の持ち主は株主ですので、借入金という形ではなく資本金という形で会社に資金提供を行うことで、会社のオーナーとなることができます。

会社側からすると、借入金ではなく資本金という形で資金提供を受けるということは、確かに返済義務がありませんが、会社を誰かに売り渡す、もしくは持分の1部を譲渡するという考え方となります。

株主として経営に影響を与える

資本金として出資を行なった人は、株主となりますので会社の経営に影響を及ぼすことができます。

会社の最高意思決定機関は株主総会です。

株主総会は株式の持分に応じて議決権を持っていますので、資本金としてだれかに資金提供を受けてしまったら、その人に会社の決定権の1部または全部を与えてしまうということになります。

経営者をクビにすることも可能

株主総会の議決権を多く持っていれば経営者をクビにすることも可能です。

中小企業の経営者のほとんどが、オーナー経営者です。

会社の意思決定が自分で行なっており、雇われ社長という人はほとんどいないかと思います。

しかし、そのような会社であっても誰かに資本金として資金提供を受けてしまったら、自分が経営者としてクビにされてしまう可能性があるのです。

債権者に法的な影響力はない

一方、借入金として資金提供を受ける場合には、資金提供者が会社の株主となるわけではありません。

借りたお金には利息をつけて返済する義務があるため、資金提供者へは借りたお金を返済すればよいのです。

銀行は会社経営に対して「大丈夫ですか?」「ここをもっと節約できないですか?」などというサポートを行ってはくれますが、強制的に「会社経営をこうしろ」というようなことを言いません。

それは株主ではなく債権者だからです。

ほとんどの中小企業が資本金としてではなく、借入金として資金提供を受ける理由は、借入金はお金さえ返済していれば誰からも会社経営の影響を受けずに済むためです。

資本金と借入金のメリットとデメリットは完全に表裏一体となっています。

資本金は返済義務がないというメリットがある反面、会社経営に影響を及ぼすというデメリットがあります。

一方、借入金は会社経営には誰も関与できないというメリットがある反面、返済義務を負うというデメリットがあります。

自分の会社経営に対するスタンスを考えて、資本金として資金提供を受けるのか、借入金として資金提供を受けるのかをよく検討しましょう。

会計上の違い

また、返済義務のない資本金と、返済義務のある借入金では会計上の処理や外部の会社への評価も全く異なります。

資本金と借入金の勘定科目

会計上では、借入を受けた場合は「借入金」(負債)として処理します。

負債は返済義務のある他人資本です。

一方、出資を受けた場合は「資本金」として処理します。

資本金は返済義務のない自己資本です。

資本金と借入金では外部評価が真逆

銀行や外部の第三者が会社を評価する際には、資本金として資金を受けいれるか、借入金として資金を受け入れるかによって評価が完全に逆になります。

負債が700万円、資本金が300万円で、合計の総資産が1000万円ある会社の貸借対照表は以下のようになります。

資産1,000万円負債700万円
資本金300万円
合計1,000万円 合計1,000万円

この会社が500万円の資金提供を第3者から受ける場合、資本金として処理する場合、借入金として処理する場合を考えて見ましょう。

資金提供を受けた500万円を資本金として処理した場合

資産1,500万円負債700万円
資本金800万円
合計1,500万円 合計1,500万円

資本金として受け入れた場合には、この会社の資本金は300万円+500万円=800万円になります。

総資産は1,500万円ですので、自己資本比率は800万円÷1,500万円×100=53%となります。

一般的に自己資本比率が40%以上あると会社は安全と言われている中で、この会社の自己資本比率は53%もあるため、この会社は超優良企業となります。

一方、借入金として500万円を受け入れた場合はどうでしょうか?

 資産1,500万円負債1,200万円
資本金300万円
合計1,500万円合計1,500万円

この会社の自己資本比率は300万円÷1,500万円×100=20%となってしまい、資本金として処理した場合の半分以下の自己資本比率となってしまいます。

このように、借入金として処理するか資本金として処理するかによって会社の貸借対照表が激変しますし、外部からの評価を大きく変わることになります。

銀行をはじめとした外部の人間は、会社の株主が誰かということよりも、その会社が安全かどうかの方が重大ですので、借入金として資金を受け入れるよりも返済義務のない資本金として資金を受け入れた方が、企業の格付けをはじめとした外部の評価は高くなります。

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以前は、資本金は1,000万円以上ないと会社が設立できなかったことに比べれば、会社設立のハードルは随分と下がっており、法律上は誰でも会社設立はできます。

また、設立のハードルや設立登記の費用が株式会社よりも低い合同会社を設立することもできます。

しかし、実際に資本金1円で起業することなどできるのでしょうか?

実際に1円で起業できる?

会社を設立するためには様々な設備が必要になります。

脱サラしての起業が最も多い飲食店などでは店舗、厨房設備等で500万円〜1,000万円の初期投資が必要になりますし、ITなどでも最低限パソコンなどは必要になります。

定款に記載されている事業内容によっては、もしかしたら初期投資なしで起業できる仕事もあるかもしれませんが、世の中のほとんどの仕事が、1円では起業することは不可能です。

では、お金を貯めていない人が絶対に起業できないかと言えばそんなことはありません。

お金がないけど起業したい

フルローンであれば可能

1円も自己資金がない人でも、起業に必要な全てのお金を融資によって借りることができれば起業することは可能です。

では、起業する人が100%をローンに頼るフルローンを利用することは可能なのでしょうか?

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開業時の借入方法

会社設立前に借入によって資金を調達する方法としては以下の3つの方法があります。

銀行からの借入

銀行から「創業資金」という資金を借りる方法です。

創業資金は、自己資金が0円でも融資対象になります。

創業時は決算書がないので事業計画書に基づいて長期借入を行うことが一般的です。

これまでの事業実績が何もない状態だったとしても事業計画書がしっかりとしていればお金を借りることができる可能性は高くなります。

日本政策金融公庫からの借入

日本政策金融公庫は創業融資に強いことで有名です。

しかし、自己資金が全くない状態で融資を受けることは非常に困難です。

開業時に必要な資金の10分の1以上の自己資金がないと審査に通過することは難しくなります。

こちらも審査の重要ポイントは事業計画書作成にあります。

長期の資金を借りて設備投資を行う場合などは、なぜその設備が必要なのか、資金計画はどうなっているのか、今後の分割返済に問題はないかなどをしっかりと日本政策金融公庫に説明することができれば融資を受けやすくなります。

なお、商工会議所などで開催している創業セミナーなどに参加した方が融資を受けることができる可能性は高くなります。

知人からの借入

知人や親や親戚から借入を行って、開業する方法です。

自己資金がない人が開業するパターンとして最も多い方法がこの方法なのではないでしょうか?

通常、親や知人からの借金はすぐに返済する必要がないことから、この借入金を資本金として会社を設立しようとする人が少なからず存在します。

しかし、前述したように、この方法は「見せ金」という犯罪行為ですので絶対にやめましょう。

知人から借りたのであれば「借入金」として計上し、出資してもらうのであれば「資本金」として真実の内容で会社を設立するようにしてください。

フルローンは審査が厳しい

上記のように、銀行からであれば資本金が1円しかないような自己資金が乏しい開業に対しても融資を行う場合があります。

しかし、実際にフルローンで事業融資を受けようと思った場合には審査が厳しくなってしまうのが実情です。

自己資金1割以上が審査に有利

自己資金は返済の必要がないお金ですので、このお金が多ければ多いほど当然ながら審査には有利になります。

よく銀行で言われていることとして「自己資金は1割以上は欲しい」ということです。

開業時に必要な資金の総額が1,000万円の場合には、100万円以上、できれば300万円以上はあったほうが審査には有利です。

というか、それくらいはないと、その後の資金繰りが一般的には大変になり、事業の継続性が見込めないということです。

事業計画書次第でフルローン可能

自己資金はあったほうが審査には有利になりますが、自己資金が全くないからといって必ず審査に通過できないかと言えばそんなことはありません。

開業時には事業計画書というものを作成します。

この計画書の中では、予測の売上や仕入れや経費の支払いなどを詳細かつ根拠をつけて記述します。

この予測が実現可能なものと思われ、フルローンでも返済には問題ないだろうと思われるようなものであればフルローンでも銀行からであれば融資を受けることは不可能ではありません。

特に今は銀行は創業融資に積極的ですので、「フルローンでも問題なく返済できる」という計画がある人は積極的に銀行へ相談してみましょう。

また、創業前の仕事と、創業後の仕事に関連性があった方が審査には通りやすくなります。

例えば、「これまで自動車販売店に勤務していたが、個人の顧客がだいぶついたので独立したい」というような理由で創業するのであれば、創業後の事業の見通しが立ちやすくなります。

このように、創業に至った理由や経緯も審査で判断される重要項目です。

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役員からの借入金は後から資本金に振り替えることができる唯一の借入金です。

会社の代表者と会社の会計は会社が小さい間は実質的には同じ財布ですので、役員からの借入金は実質的に資本金と同じであるためです。

ただし、一般的に役員借入金は会社経営の途中で会社の資金繰りが苦しくなったときに役員の個人資産を会社に提供する際に利用されるものです。

会社の設立の際に会社へ自己資金を提供するのであれば、やはり最初から出資という形にして、株式を発行し、資本金として計上した方が自然です。

なお、銀行は定期的に企業の決算書の内容を審査していますが、長期間借りっぱなしになっている役員借入金は実質的には資本金と同じであり、役員借入金を資本金に振り替える作業をして企業を審査しています。

役員借入金を資本金に振り替えたとしても、銀行の評価がそれほど大きくなることは期待しない方がよいでしょう。

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資本金は簡単には取り戻せない

外部からの評価と考える場合には、資本金として処理した方が借入金よりはメリットがあることになります。

このため、経営者が自分の個人資産を会社に提供するのであれば、借入金よりも出資という形に方がよいことになります。

経営者個人のお金であれば第3者に経営権を奪われる心配もありません。

しかし、資本金として一度会社へ出資すると、その後会社から資本金を取り戻すことが難しくなります。

資本金の変更には株主総会の決議や定款の変更などで費用と手間がかかります。

また、減資を行うと自己資本比率が下がるため銀行は良い顔をしません。

さらに役員借入金という形で会社へお金を貸し付けると、役員報酬という費用を計上せず、「借入金返済」という形で役員に給料を払うことができるため、会社にとっては経費の圧縮になり、経営者個人にとって所得税が発生しないというメリットがあります。

このように、経営者が会社に個人資産を提供する際にも、資本金と借入金はメリットとデメリットが相反することになります。

まとめ

資本金として処理するメリットとデメリットは以下の通りです。

  • メリット:返済義務がない、自己資本比率が上昇し外部評価上昇
  • デメリット:会社の意思決定の権利を出資者に渡すことになる

借入金として処理するメリットとデメリットは以下の通りです。

  • メリット:会社の意思決定には債権者は関与できない
  • デメリット:返済義務がある、自己資本比率が下落し外部評価下落

このように、会社へ資金提供を受ける際のメリットとデメリットは資本金と借入金では真逆になります。

借入金が良いのか資本金が良いのかは、最後は経営者が経営方針をもとに判断を行う必要があります。

借入金と資本金のメリットとデメリットをよく理解して、最良の判断を行うようにしましょう。

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