ジェイスコアは総量規制対象って本当?
カードローン業界を賑わしているJ.Score(ジェイスコア)は総量規制の対象だということをご存知でしょうか。
みずほ銀行とソフトバンクが共同出資して作ったJ.Score(ジェイスコア)は銀行カードローンではありません。
みずほ銀行と混同して総量規制対象外と考えている人も多いようです。
しかし、ジェイスコアは貸金業者として日本貸金業協会に加盟している、れっきとした登録貸金業者であり、平たく言えば消費者金融なのです。
審査基準やAIスコア・レンディングは画期的ですが、借りることのできる上限は年収の3分の1までなのです。
この記事はこんな人におすすめ
この記事は以下のような人におすすめです。
- 貸金業者から低金利でお金を借りたい人
- ジェイスコアでの借入可能額を知りたい人
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
目次
総量規制とは
総量規制とは、貸金業法という法律によって定められた、貸金業者の融資量に関する決まりです。
総量規制では、貸金業者からの借入額は総額で年収の3分の1以内と決められています。
冒頭述べたように、ジェイスコアは貸金業者ですので、総量規制の対象となり、他の貸金業者からの合計で年収の3分の1を超える借入をすることはできません。
ジェイスコアはみずほフィナンシャルグループの貸金業者
みずほ銀行が出資したことによって、J.Score(ジェイスコア)は銀行による貸付を行うとの誤解があるようですが、J.Score(ジェイスコア)の位置付けはご説明の通り貸金業者です。
・日本貸金業協会会員番号:第005986号
・貸金業者登録番号:関東財務局長(1)第01510号
日本貸金業協会に加盟し、指定信用情報機関はCICに加盟するなど、貸金業法に基づいて営業を行わなければならない貸金業者なのです。
AIスコアによって、貸付額は10万円から最大1,000万円まで融資可能としていますが、いくらAIスコアが高くて契約極度額が多くても、借りることのできる最大額は総量規制によって年収の1/3までに制限されます。
J.Score(ジェイスコア)にアカウントを作成し、自分のAIスコアがいくらあるのか確認したところで、それがたとえ契約極度額が400万円まで出たとしても、400万円をJ.Score(ジェイスコア)から借りるには、年収が最低でも1,200万円以上なければ借りることができないのです。
年収が多い人にとってはAIスコア・レンディングは画期的で大変魅力的な金融商品ではありますが、平均的なサラリーマンの年収の人にとっては「絵に描いた餅」同様になってしまうことが多いようです。
総量規制の年収とはどう計算するの?
「自分が貸金業者からいくら借りることができるのか」を考えるに当たっては、まずは審査で判断される自分の年収について知らなければなりません。
総量規制の計算を行うにあたって、年収に含まれるものには何があるのかについて以下で詳しく解説していきたいと思います。
給与所得者の場合は総支給額
サラリーマンのような給与所得者の場合には、総支給額です。
手取りの年収ではなく、税金や社会保険料が控除される前の金額です。
源泉徴収票で見れば、左側の金額が総支給額ですので、申込や申込額を決める際には、手元に源泉徴収票を用意して金額を確認しながら計算した方がよいでしょう。
個人事業主は事業所得
個人事業主の場合には、事業所得になります。
事業所得とは、売上から経費を差し引いた利益の部分です。
よく、個人事業主は売上を所得として申告する人がいますが、売上ではないため注意が必要になります。
また、個人事業主は、節税のために生活費を経費計上して、事業所得を意図的に少なくしているケースが非常に多くなっています。
これをしてしまうと、所得が少なくなり、総量規制によって借りることができる金額も非常に低くなるため、こちらにも注意が必要になります。
年収に含まれる注意しておくべき収入とは?
給与所得や事業所得の他にも、収入がある場合には、そちらも申込時に所得として計算しても問題ありません。
ただし、しっかりと税務申告をしている所得だけになります。
例えば株式投資などによって収益が出ており、特定口座を選択している人は、税務申告が特定口座の中で終わっているので所得にとして含めることができます。
不動産を持っており、家賃収入がある場合には、不動産書として確定申告をしていれば、所得に含まれます。
年収に含まれないものには何がある?
一方、自宅の田んぼで作った米を直売所などで販売していて所得があるというような場合には、農業所得として確定申告をしていなければ所得に含むことはできません。
いくら収入があっても税務申告をしていない所得は、ローンの審査で所得とは判断されません。
また、学生でも借りることができるローンの場合には、仕送りは所得ではないので、所得に含まないようにしましょう。
年収とするのは手取り?総支給額?
先ほど述べたように、年収として申告する金額は、税引き前の総支給額になります。
手取りで申込をする場合には、実際の年収よりも少なく申告していますので、虚偽申告で審査に落ちることはありません。
しかし、借りることができる金額が少なくなってしまうので注意してください。
年収による総量規制で定められる限度額は?
総量規制では、年収の3分の1までしか借りることができないので、借入限度額は単純計算で年収の3分の1です。
- 年収600万円の人であれば、借入可能額は200万円
- 年収450万円の人であれば、借入可能額は150万円
- 年収300万円の人であれば、借入可能額は100万円
というようになります。
他社借入がある場合には、年収の3分の1−他社借入額が借入可能額となります。
しかし、最初から年収の3分の1を借りることができるケースはあまりありません。
最初は総量規制限度額の半分、つまり、年収の6分の1程度が融資限度額と考えておきましょう。
J.Score(ジェイスコア)に申込みができる人は?
J.Score(ジェイスコア)に申込みできる人は、満20歳以上満70歳以下で継続安定した収入がある人、並びに国内に住んでいる人です。
雇用形態は関係ありません。パート収入やアルバイト収入でも申込資格がありますので、お金を借りたいなと思ったらまずはAIスコアが600点以上になるか確認してみましょう。
なおJ.Score(ジェイスコア)は貸金業者ですから、無職の人や無収入の専業主婦は借入申込みができません。
継続安定した収入があれば学生でも、または年金受給者でも申し込むことができます。
また外国籍でも特別永住権がなくても申し込むことは可能ですので、間口は消費者金融並みに広いと考えてよいでしょう。
ただし貸金業者である以上、借入希望金額が50万円を超える場合や、他社借入金額との合計金額が100万円を超える場合は収入証明書類を提出しなければなりません。
及び日本貸金業協会の自主規制規則を守らなければならない義務もあります。
繰り返すようですが総量規制対象貸付ですから、他社借入がある場合は年収の1/3を超えないように注意しましょう。
J.Score(ジェイスコア)のAIスコア・レンディング
みずほ銀行とソフトバンクの共同出資による合弁会社J.Score(ジェイスコア)は、従来の審査システムを改革した日本初のAIスコアによって、借入金利や利用極度額を極める全く新しい貸金業者として注目を浴びていますね。
初めての借入でも月曜から金曜の間、14時45分までに契約手続きが終わり、ネット上で借入申し込みをすれば15時までにはお金が振り込まれ、土日以外は即日融資も可能です。
注目すべきはJ.Score(ジェイスコア)のAIスコア・レンディングでしょう。
みずほ銀行とソフトバンクが持っているビッグデータや、関連会社が持っているデータを活用することによって、借入申込者の信用度をAIで分析した点数によって、たとえ少額の借入でも低金利で借りることができる新しい形を取り入れた貸金業者です。
AIスコア値はあくまでも参考に過ぎない
自分のAIスコアはどのくらいなのか、試しに確認したいと言う人も多いと思います。
もしAIスコアが高く表示され、借入金利が現在利用しているカードローンよりも低く表示され、なおかつ契約極度額が300万円と提示されれば、J.Score(ジェイスコア)でお金を借りて他社のカードローンを返済してしまおうと借り換えを検討したくもなりますね。
点数がそれほど上がらなくても、J.Score(ジェイスコア)の借入金利は上限でも年12.0%とカードローン業界でもかなり低金利の部類です。
消費者金融でお金を借りている人から見れば、年12.0%の金利でも十分に低金利と思うことでしょう。
しかし借入申込する前のAIスコア値は、匿名でのスコアであることに注意が必要です。
AIスコアを算出するには、カードローンのWEB申し込みにあるような項目を入力しますが、J.Score(ジェイスコア)加盟している信用情報機関CICの個人信用情報は全く反映されていません。
あくまでも本人申告によるデータをAIスコアに算出しているだけですので、実際に借入申込みをすると、個人信用情報もAIスコアを算出する重要なデータになりますので、最初に提示されたAIスコアよりも低くなってしまう場合があるのです。
J.Score(ジェイスコア)でお金を借りるにはAIスコアが600点以上でなければ審査に通りませんのでお金を借りることができません。
※現在はスコア診断をカットし、ダイレクトお申込みの場合はAIスコア診断とお申し込みが同時にできます。
J.Score(ジェイスコア)のAIスコアは上げることができる
J.Score(ジェイスコア)のメンバーになり初期のAIスコアが600点未満でも、他に用意された約150問の質問に答えることによってスコアを上げることが可能です。
冒頭でもを説明したように、AIスコア・レンディングは本人属性や個人信用情報を点数化したスコアリングによってのみ審査するのではなく、借入申込者の人となりを点数がするところに醍醐味があるわけです。
パソコンやスマホからの申し込みでは、借入希望者がどのような人なのか直感的に審査担当者は判断することができませんね。
本来お金を貸し出すということは、お互いの信頼関係があってこそ成り立つもので、信頼関係は対面によって受ける感性が重要です。
そこでJ.Score(ジェイスコア)のAIスコアは、従来のカードローンの審査方法に加えて、直接見ることのできない借入申込者のお金に対する考え方や姿勢、将来の人生設計など計画性があるのかということ。
並びにギャンブルにのめり込む性格なのかブランド品を買い漁る性格なのか、といった人間性を点数化することで信用度を計るのです。
借入申込みする前のAIスコアを上げても意味がない
J.Score(ジェイスコア)に借入を申し込むにはAIスコアが600点以上ないと借入ができないからと言って、質問に対して嘘をつき、それによってスコアが上がったとしても意味がありません。
なぜなら前項でご説明した通り、実際の借入審査ではもっとビッグデータを活用することで、質問に回答した内容が真実なのかそれとも嘘なのか見抜くことができること、並びにCICに登録されている個人信用情報をAIスコアに取り込むからです。
J.Score(ジェイスコア)の金利が安いな、借り換えたいなと思って無意味にAIスコアを上げても、無駄な徒労に終わってしまうことがあります。
AIスコアを確認することやスコアアップさせる場合は、虚偽申告することなく正しい回答を行うようにしたいですね。
年収の3分の1を超えても借り入れができる方法はある?
年収の3分の1を超えても借入をしたい場合にはどんな方法があるのでしょうか?
答えは「総量規制対象額の借入を選ぶしかない」ということしかありません。
総量規制の対象外には何がある?
総量規制対象外の借入としては以下のようなものがあります。
- 銀行や信用金庫などの貸金業者ではない金融機関のカードローンやフリーローン
- 住宅ローンなどの不動産担保のローン
- 自動車・リフォーム・教育など特定の目的にしか使用することができないローン
- おまとめローン
総量規制の対象となるのは、簡単に言えば、使い道自由で無担保の貸金業者からの借入のみです。
そのため、消費者金融カードローンやジェイスコアは総量規制対象となるのです。
自動車購入など、使い道が決まっているのであれば、銀行でも貸金業者でも総量規制対象外ですので、そちらへ申込をするようにしてください。
使い道自由なローンを年収の3分の1以上借りたいというような場合には、銀行や信用金庫のカードローンやフリーローンに申込をするしかありません。
制度上は年収の3分の1を超えて借り入れはできるが・・・
銀行カードローンなどは確かに総量規制対象外です。
貸金業者が年収の3分の1を超えて融資をした場合には、法律違反となり、処罰の対象となりますが、銀行が年収の3分の1を超える融資をしても処罰の対象にはなりません。
このため、制度上は銀行カードローンなどは年収の3分の1を超えるう融資は可能です。
しかし、総量規制対象外の銀行カードローンの過剰融資が社会問題になったことから、2017年から銀行はカードローン融資の自主規制を行っています。
自主規制の結果、ほとんどの銀行カードローンは年収の3分の1以内までしか融資をしなくなったので、実質的にはカードローンなどで、年収の3分の1を超える融資を受けることは難しいのが実情です。
不動産担保ローンなどであれば、年収の3分の1を超える融資も可能ですが、やはり、このような使い方には十分に注意をしてください。
総量規制は、年収の範囲内で無理なく返済可能と国が決めたボーダーラインです。
このボーダーラインを超えて融資を受けるということは、年収と比べて無理な借入をしているということですので、借りすぎには十分に注意が必要になります。
まとめ
ジェイスコアはメガバンクのみずほ銀行が出資していますが、みずほ銀行傘下の貸金業者です。
金利も低く、銀行傘下ですので、総量規制対象外と勘違いしている人が多いようですが、貸金業者である以上は、ジェイスコアは総量規制の対象になります。
いくらスコアがよくても、消費者金融や信販会社やクレジットカードのキャッシング枠から。
すでに年収の3分の1を超える借入をしてしまっている人は、それ以上のお金を借りることは不可能です。
審査で年収と判断される、自分の年収をしっかりと理解し、自分の借入可能額はいくらなのかを調べてから申込をするように心がけてください。
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