退職金前払いとは?メリットとデメリットを解説!

老後の生活を考えるときに気になるのが、「年金」と「退職金」だと思います。

しかし、最近では“退職金の前払”や、“確定拠出年金”という言葉が飛び交い、「年金や退職金にまつわる言葉の意味がよく分からない…」という方も多いと思います。

そこで、今回は退職金前払の概要やメリット、そして退職金前払と確定拠出年金の違いなどについて、詳しくお伝えしていきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめ

今回ご紹介するのは以下の方へとても参考になる記事です。

  • 退職金の前払制度がどのようなものか気になる人
  • 退職金前払のメリット、デメリットが知りたい人
  • 確定拠出年金などの制度の違いを詳しく知りたい人

目次

退職金前払の概要

まず、退職金前払の仕組みから、お伝えしていきます。

従来の退職金は、「定年時に退職金を支払う」という方法がメインでしたが、「退職金の前払」とは、将来受け取る退職金を、在職中の毎月の給料に少しずつ上乗せして支給してもらうことを指します。

もちろん、退職金として受け取れる金額はなくなりますが、同等の金額を毎月の給料として受け取れるので、個人で資産運用をすることで本来もらえる退職金よりも、高額にすることも可能です。

平成10年にパナソニックが導入

退職金前払制度は、平成10年に松下電器産業(現在のパナソニック)が導入した退職金制度が先駆けと言われており、それ以降この仕組みを採用する企業が増えてきました。

日本では終身雇用制度が主流であったため、退職金を支払わずに前払させるこの制度に対して、「松下電器が終身雇用を辞めた」との批判もありましたが、松下電器の狙いは給料の前払をすることで、若手社員のモチベーションアップを図るものでした。

また、現在では退職金の前払制度は大手企業を中心に普及がすすみ、多くの企業で確定拠出型年金とともに利用できる制度となっています。

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退職金前払のメリット

退職金前払制度で、前払をしてもらうと、従業員にそれぞれ大きなメリットがありますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは退職金前払制度を利用したときのメリットを、3つに分けて紹介します。

給与の手取りが増える

前払制度を利用して、目に見えて分かる従業員としての最も大きなメリットは、「給与の手取りが増える」という点です。

将来的なことを考えないなら、毎月の給料に退職金がプラスして支払われるため、確実に手取りは増えます。

20代の頃は就職して間もないため、給料が少なくお金に困ることも多いので、退職金前払制度で受け取れる給料が、高額になることであたえる影響は大きいです。

また、自己投資にお金を積極的に使いたい人にとっては、カードローンなどでお金を借りるコストが掛からないため、コストカットができると言えるでしょう。

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退職金をもらえないリスクを回避

ふたつ目のメリットは、退職金がもらえないリスクを回避ができる点です。

あなたがもし途中でリストラされてしまったり、何らかの問題を起こしてしまったりすると、退職金が減額されてしまう危険性があります。

また、近年では大手企業であっても倒産をすることがあるため、企業が退職金を支払えない状況になり、あなたが幾ら努力をしても退職金を満額もらえないリスクも潜んでいるのです。

退職金前払制度を利用すれば、随時退職金にあたる金額を受け取れるのでこれらのリスクを回避できます。

転職したい若者に有利

現在ではキャリアアップを図るために、若いうちから積極的に転職をする人が増えていますが、このような転職願望が強い人は退職金前払制度の利用がおすすめです。

あなたは現在の会社を退職したときに、退職金が幾ら支給されるか知っていますか。

実は勤続年数が3年未満であれば、退職金が支給されない会社がほとんどで、中には10年働いても退職金が出ない会社があります。

基本的には30代までの退職では、退職金がもらえないもしくは大幅に、カットされることが多いため、若いうちに転職する人は退職金前払制度を利用した方が、受け取れる金額が増えるのです。

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退職金前払のデメリット

これまで退職金前払に関するメリットを紹介しましたが、制度を利用する人によってはデメリットなことも起こります。

メリットの次は3つの、デメリットについても確認していきましょう。

前払退職金は年収に含まれる

退職金前払制度を利用するデメリットとして、もらえる退職金が年収に含まれてしまうことが挙げられます。

退職時に満額退職金をもらう場合には、退職金は給料として計算されないため、年収にはカウントされません。

しかし、前払退職金を利用して受取ったお金は給料として扱われるため、前払退職金を合計した年収となるのです。

年収が高額になることは一見メリットに見えますが、所得税や住民税の税率が上昇するなど、デメリットとして働いてしまうこともあるため注意が必要です。

社会保険料や税金の支払いが発生する

退職金を前払にしてしまうと、受取るお金が社会保険料や税金の支払い対象となってしまうことも、退職金前払制度の大きなデメリットです。

会社から退職金としてまとめてお金を受け取った場合、社会保険料の対象にはならず、所得税の控除を受けられます。

しかし、退職金前払制度を利用してしまうと、退職金は給料として扱われるため、社会保険料の対象となってしまい、所得税の控除も受けられません。

短期的に見ると月に数百円から数千円の差ですが、長期的に見ると100万円単位で損をする可能性もあります。

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一括払いの退職金より給付額が少ない

退職金を前払で受取ってしまうと、一括払いで受取るよりも総受給額が少ないことが多いです。

これは、一括払いで受取るときの積立に対する利率が、全く掛からないことが原因です。

会社によって仕組みが異なりますが、退職金の多くは年数がかさむごとに一定の利率が上乗せされます。

簡単に言うと、定期預金のように、資産運用をされているというわけです。

しかし、前払制度を利用すると退職金を随時受取るため、積立てを一切しないことになります。

その結果として、前払制度で受取ることができる、金額が少額となってしまうのです。

前払退職金の平均額

それでは、簡単に前払退職金で受取ることができる、金額をシミュレーションしてみましょう。

前払退職金の金額は、企業によって大きく異なるため、ここでは毎月2万円を35年間欠かさず上乗せされたとします。

この場合の最終的な前払退職金の総額は以下のとおりです。

2万円×12か月×35年=840万円

対して、大手企業のモデル退職金は総合職で2,694万円、一般職でも1,519万円です。かなり平均額に差が出ていることが分かります。

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企業側から見た退職金前払のメリット・デメリット

従業員から見たときの退職金前払のメリット、デメリットは分かりましたが、企業側から見たときにも同じようにメリット、デメリットがあります。

今度は企業側から見たときにどのようなメリット、デメリットがあるか簡単に確認していきましょう。

企業側から見たメリット

まず企業には、「積立金不足等の問題が発生しない」というメリットがあります。

従来の退職金制度では、退職時に当初予定していた退職金を用意できないなど、退職金積立のリスクがありましたが、これを前払にすることでそういったリスクをなくすことができます。

特に資本が少ない中小企業であれば、複数人の退職が重なるだけで経営に大きな影響をあたえる可能性があります。

また、前払退職金は「損金」として計上できますので、税金面でのメリットが大きいのが特徴です。

企業側から見たデメリット

まず企業側のデメリットとしては、会社へのロイヤリティーが低い社員に対しても、退職金を支払わなければならないという点が挙げられます。

もともと退職金というのは、法律上の定めもなく、企業の判断で支給額を自由に決めることが可能です。

そのため、自己都合で退職した社員へは、支給率を下げて退職金を減額する場合が多いのですが、退職金前払制度の場合は、それらを考慮せずに在職中社員に一律で退職金を支払うことになってしまいます。

つまり、会社への貢献度が低い社員に対しても、退職金を多めに支払うケースが出てくるということになります。

前払退職金と確定拠出年金の選択


ここまでで、退職金前払の概要はご理解いただけたかと思いますが、退職金に代わるものとして最近話題になっている、「確定拠出年金」についても理解しておく必要があります。

多くの会社では前払退職金と確定拠出年金どちらの制度も採用しており、従業員が希望する方を選べるようになっています。

ふたつの違いやメリットを確認しておかなければ、税金や社会保険料で損をすることもあるので注意が必要です。

ここからは、確定拠出年金の概要と、退職金前払制度との違いについて、見ていくことにしましょう。

確定拠出年金とは

確定拠出年金は「従来の公的年金に上乗せする年金」と言う位置づけの制度で、企業や個人が掛金を支払い、それらのお金を株式や保険などの投資商品に投資し、個人別管理資産として運用していく制度のことを指します。

なお、確定拠出年金には「企業型年金」と「個人型年金」の2種類があり、60歳になるまで解約することができないため、実質的な「退職金」として運用することが可能です。

株式投資などの資産運用を行いたくない人でも、定期預金として積み立てることで老後に受け取ることが可能です。

また、確定拠出年金には税制上のメリットがたくさんあるため、最近では専業主婦の方も個人型確定拠出年金(※IDECO)に加入されるケースが多くなっています。

企業型DC制度

確定拠出年金には個人型と企業型に分かれますが、企業型の確定拠出年金を一般的に企業型DC制度と呼びます。

企業型DC制度の場合、積立のお金を企業が拠出する特徴があり、積立てをした金額は資産運用として活用可能です。

また、会社によってはライフプラン手当などの名称で、給料の一部を積立に回すことができる制度を導入しています。

このような、企業型DC制度を従業員が利用するか、選べる選択制DC制度を取り入れている会社も増えています。

マッチング拠出

企業型DC制度は2011年までは、会社が拠出する掛金のみが確定拠出年金の対象でしたが、2012年の法改正で従業員が上乗せして拠出ができる、「マッチング拠出」が可能となりました。

マッチング拠出制度を導入している企業であれば、誰でも上乗せ拠出をできるため、老後に備えてさらなる積立をしたい人や、税金の控除を受けたい人にはうれしい制度です。

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前払退職金と確定拠出年金の違い

確定拠出年金の概要については、先ほどお伝えしたとおりなのですが、ここで改めて退職金前払制度と、確定拠出年金との違いについて、まとめておきたいと思います。

お金の運用先は?

退職金前払の場合で特に運用をしない場合は、いわゆる「低利の銀行預金での運用」ということになり、将来的な投資の要素はほとんどありません。

もちろん、自分で資産運用を行えば将来的にリターンを期待することが可能ですが、自分から資産運用の知識や手続を行う必要があります。

一方、確定拠出年金に加入した場合には、自分の掛金を株式市場などで、運用してもらうことになるため、20~30年後には大きなリターンが望めます。

ただし、投資失敗のリスクもあるため、資産運用の相談は慎重に行いましょう。

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税制上の違いは?

退職金前払は、そのまま受け取ると給料の上乗せと見なされますので、所得税の課税対象となってしまいます。

また、同時に住民税の負担も増えます。

さらに、前払で受取ったお金をそのまま資産運用に用いると、利益に対して20%程度の税金が徴収されるのです。

一方、確定拠出年金の掛金は、全額所得控除の対象となり、さらに利息・配当・運用益も非課税となります。

また、定年を迎えて年金を受け取る際も、退職所得控除(一時金)、公的年金等控除(年金)の対象となりますので、税制上のメリットがとても大きいと言えます。

加入者が転職する際は?

退職金前払の場合は、勤続年数などによって受け取れる金額が決まりますし、転職した先が退職金前払制度を導入していない可能性もあります。

このような場合には、転職後は前払制度を引き続き利用することはできません。

その一方で確定拠出年金は、転職後も積み立てたままの年金を持っていくことが可能です。

ただし、企業型DC制度は転職先によっては導入していない可能性があるため、このようなときには個人型確定拠出年金に変更をする必要があります。

退職金前払は個人型確定拠出年金に


ここまでお伝えしたとおり、退職金前払には「給料の手取りが増える」というメリットはありますが、税金の控除を受けられないデメリットも存在することが理解いただけたかと思います。

退職金前払制度でもらった給料をどうにか、非課税にできないかと考えている人も多いでしょうが、そんなときに個人でも加入できる「個人型確定拠出年金」という制度がおすすめです。

先ほど、確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があるとお伝えしましたが、退職金前払で支給されたお金を、個人型確定拠出年金の掛金にすることで、大きなメリットを受けることができます。

個人型確定拠出年金とは

個人型確定拠出年金のサービスは、銀行・保険会社・証券会社などが提供していますが、それぞれにサポート体制や手数料などに違いがあります。

肝腎の掛金は、毎月5,000円以上1,000円単位で決めることが可能で、60歳になるまで途中解約はできません。

掛金の上限は、職種や企業年金の有無によって大きく異なり、以下の表のとおりとなります。

業種上限金額(月額)
公務員12,000円
会社員(企業年金有)12,000円~20,000円
会社員(企業年金無)23,000円
専業主婦(夫)23,000円
自営業68,000円

なお、運用した年金は、「老齢給付金」、「障害給付金」、「死亡一時金」の、3種類で受け取ることが可能です。

また、積立てをした金額は企業型DC制度と同じように、資産運用できるため銀行などにそのまま資産運用商品の相談を行えます。

実際の税制メリットは?

先ほど、「確定拠出年金は税制上のメリットが大きい」とお伝えしましたが、実際に年収500万円のサラリーマンが、個人型確定拠出年金に加入し、毎月2万円を30歳~60歳まで支払った場合、60歳までの節税メリットは、なんと「144万円」にもなります。

この点だけ考えても、退職金前払でそのまま給料として受け取るよりも、個人型確定拠出年金に加入した方が、メリットが大きいことがご理解いただけたかと思います。

企業型DC制度と同じで年収にも含まれず、社会保険料の対象にもならないため、実際には節約できる金額はさらに高額になるでしょう。

老後の生活を考えた運用・管理が重要

次に、実際に老後を迎えた場合の夫婦二人の生活費と、もらえる年金の額を比較し、退職金の運用がいかに重要か?ということについても、お伝えしておきたいと思います。

例えば夫婦二人世帯で、持家のローンが終了している場合でも、生活費は月に25万円は必要です。

一方、厚生年金に40年間加入していて、妻が専業主婦だった場合、もらえる年金は夫婦二人でおおよそ18万円~22万円程度と言われています。

したがって、その差分については、現役時代から確定拠出年金などで、備えておく必要があります。

特に退職金前払制度を利用した場合には、定年時にまとまった金額を受取ることができないため、確定拠出年金などの老後の積立が非常に重要です。

あなたの会社が導入している確定拠出年金に関連している制度に何があるかを、早めに把握しておいて老後の生活に困らないようにしましょう。

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退職金のことで相談したいときは?

退職金のことや確定拠出年金のことは、会社ごとに制度が異なるため、状況に応じて利用できる制度が変わってきます。

そこで、どの制度を利用したらよいか相談したいときの窓口などについても、ご紹介しておきたいと思います。

銀行・証券会社・保険会社

退職金前払で支給されたお金の運用方法や、個人型確定拠出年金の加入については、銀行・証券会社・保険会社などで相談することが可能です。

なお、個人型確定拠出年金の運用先は、「外国株式」「国債」「日本株式」など様々ですが、各々取り扱う金融機関によって、運用先も異なりますので、各社のホームページなどをよく確認されることをおすすめします。

問題は労働基準監督署へ

もし、退職金前払に関するトラブルや、退職後に退職金が支給されないなどの問題を抱えている場合には、地域の労働基準監督署へ相談されることをおすすめします。

特に法律上問題がある場合については、労働基準監督署は警察と同等の権力を行使できる場合もあります。

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前払退職金に関するQ&A

最後に前払退職金に関する気になる項目や、よくある質問に対してQ&A方式で回答をしていきます。

自分が気になっていることや余り分かっていない内容がないか、一緒に確認していきましょう。

①前払退職金の返還を求められることはある?

会社によっては、勤続が短いときに退職金の支給が行われない場合、前払退職金の返還を求められることがあります。

前払退職金の契約時に取決めがあるはずなので、そちらの内容に沿って基本は返還することになります。

ただし、契約の内容によっては返還の義務がないこともあるため、弁護士に相談することをおすすめします。

②退職金の前払と前借の違いとは?

退職金の前払は退職金としてもらえる、予定の金額を一部先に受給する仕組みです。

対して前借は給付予定の給料を、支給日よりも前倒しして受取る仕組みなので、対象となる給与が異なります。

給料の前借は緊急の状況でなければ認めていない会社もあるため、事前に確認することをおすすめします。

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③前払退職金に掛かる所得税は住宅ローン控除対象額に含められる?

前払退職金に掛かる所得税も、住宅ローン控除の対象額になります。

ただし、個人確定拠出年金に拠出した場合、拠出した金額は所得税の対象とはならないため、住宅ローン控除の対象にも含まれません。

④前払退職金を受け取る場合、確定申告は必要?

前払退職金に関しては、会社側が手続きを行うため確定申告は不要ですが、個人型確定拠出年金を利用している場合には、控除を受けるため年末調整で拠出した金額の申請が必要です。

このときに、個人型確定拠出年金を管轄する会社から、小規模企業共済等掛金払込み証明書という書類が届くため、併せて提出しましょう。

⑤求人票に退職金制度ありとあったのに、給料に含まれる前払退職金だった。これって普通?

退職金制度に関しては、法律的に決められている制度ではないため、会社によって自由に取決めをすることが可能です。

一般的には退職金制度ありで、前払退職金であることは少ないですが、一括払いの退職金制度に変更を求めることは難しいでしょう。

⑥確定給付企業年金と確定拠出年金の違いとは?

確定給付企業年金と確定拠出年金の違いは、拠出した金額を自由に資産運用できるかです。

確定拠出年金は従業員が自由に資産運用を決定できますが、確定給付企業年金の場合会社が資産運用を行います。

代わりに確定給付企業年金では、退職時の給付額を保証しているため資産運用に失敗したときのリスクをカバーしてもらえます。

⑦財形貯蓄と確定拠出年金のどちらが得?

税金の控除に関して的を絞った場合、確定拠出年金の方が圧倒的にお得です。

財形貯蓄では積立に対する利息が非課税枠になります、確定拠出年金では積み立てた掛金に対しても非課税になります。

ただし、財形貯蓄を行うことで利用できる制度もあるため、様々な点で比較することをおすすめします。

まとめ

今回は、退職金前払や確定拠出年金に関する記事をお届けしましたが、もう一度ポイントをおさらいしておきたいと思います。

  • 退職金前払とは、将来の退職金を在職期間中に「事前」に受け取る仕組みのことを指す。
    しかし、支給されたお金は所得と見なされるので、所得税や住民税の課税対象になる。
  • 税制上のメリットを考えるなら、確定拠出年金に加入する方が、メリットが大きい。
  • 確定拠出年金には、企業型と個人型がある。各々自分で運用先を決めることが可能である。

この記事でもお伝えしたとおり、豊かな老後をおくるためには、年金だけでは絶対にまかなうことはできません。

是非、今回ご紹介した確定拠出年金制度などを活用し、豊かな老後を過ごしたいものですね。

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