クレジット会社はリボ払いが1番儲かる
- 執筆者の情報
- 名前:馬沢結愛(30歳)
職歴:平成18年4月より信用金庫勤務
目次
クレジット会社の収入源は4つ
最近のクレジット会社はリボ払いを積極的に勧めて来ています。
リボ払いはショッピング枠を利用した際の支払方法の1つであり、それ以外にも「一括払い」「ボーナス払い」「分割払い」があります。
クレジット会社が特定の支払方法を勧めるということは、それだけクレジット会社にとって有利になるからです。
有利になる、つまり儲けられるからこそ特定の支払方法を勧めていますので、まずはクレジット会社の収入源について紹介していきます。
クレジット会社の収入源には大きく分けて「年会費」「加盟店からの手数料」「キャッシングの利息」「分割払い及びリボ払いの手数料」の4つがあります。
年会費による収入
現在では年会費が無料のカードも多くありますが、毎年年会費がかかるカードもあり、通常の年会費として1,000円程度となる場合やロードサービスを付帯するとさらに1,000円がプラスされることもあります。
さらに、家族カードを発行することによっても年会費が発生することもあり、年会費があるカードであれば利用者が増えるほど毎年安定した固定収入となります。
加盟店からの手数料による収入
店でクレジットカードを使って代金を支払うと、その店がその利用代金の一定割合をクレジット会社に手数料として支払っています。
クレジット会社としては利用者に代わってその代金を立て替えますので、店からすると代金回収がスムーズになることから手数料を支払うという仕組みです。
この収入は加盟店が多くなるほど安定した収入が見込めるものとなります。
キャッシング利息による収入
キャッシングはクレジット会社が利用者に貸付をすることであり、貸付をするとそれに対して利息がかかるのは当然のことであり、銀行や消費者金融でいうところのカードローンです。
キャッシングの金利は18%程度であることが一般的でありますので、キャッシング残高が多くなるほど収入が多くなります。
分割払い及びリボ払いによる手数料収入
分割払いやリボ払いは高額なものを購入したとしてもクレジット会社には毎月少しずつ支払っていくことができますので買い物がしやすくなります。
通常は分割払いやリボ払いをすると金利がかかり、それが手数料としてクレジット会社の収入となります。
分割払いやリボ払いの残高がある間は毎月手数料が入ってきますので、比較的安定した収入が見込めます。
リボ払いが1番儲かる
紹介しました4つの収入源の内、どれが1番クレジット会社にとって儲けられるのかといいますと、それはリボ払いです。
それぞれの収入源によって時代の変化などによる影響などで収入が減少しているものもあります。
そういった中でリボ払いがその特徴を生かして最も儲けられる支払方法であり、クレジット会社では収益確保のために積極的に勧めています。
年会費無料カードへ移行している
一昔前までは年会費がかかるのが一般的でありましたが、現在では無料としているカードも多くあります。
この年会費無料が世間に浸透してきたことによって、年会費がかかるというだけで申し込まないという人も多くなっています。
さらに、年会費がかからないカードへ移ってしまう人もいますので、年会費がかかるカードではなかなか利用者が増やせないだけでなく減少しています。
また、条件を満たすことによって年会費を無料とするカードもありますので、結局は年会費での収入を得ることができていないものもあります。
年会費はカードを利用している人へのサービス(無料ロードサービスなど)へ充てられているということもありますので、収入としてはあるものの儲けにはなっていないというのが現状です。
複数のクレジット会社に加盟している店が増加
今ではさまざまなところでクレジットカードを利用することができ、1つの店で利用することができるカードの種類も多くなっています。
店側とすれば利用客の利便性を考えてのことですが、クレジット会社からすると利用カードの分散によって1加盟店からの手数料が少なくなってしまいます。
また、カードの利用率も高くなっていますので、昔ほどの高い手数料率では加盟してもらえなくなっていますので、加盟店からの手数料は減少傾向にあります。
貸金業法改正で金利が下がった
2010年に改正された貸金業法によってクレーゾーン金利が撤廃されたことにより、それまで29%まで適用することができた金利が20%以下まで下げなければならなくなりました。
これによって利息収入が大幅に減少し、さらに総量規制によって個人に貸すことができる金額に制限が定められ、収入はさらに減少しました。
また、低金利のカードローンが普及していることからキャッシングを利用する人も減少しています。
長期的な手数料収入となる
分割払いは支払回数を決めて支払いますし、1購入代金が単位となりますのでそこまで長期間の利用とはなりません。
リボ払いはカードローンと似た性質がありますので、利用限度額の範囲内であれば使うことができ、残高がある限り手数料が入ります。
少額なものでもリボ払いすることができますので、それが積み重なることによっていつまでも残高が残っているという状態となります。
金利自体も高いですので、利用者によっては10年以上も支払い続けるということもありますので、現在ではリボ払いが最も儲かるということです。
リボ払いの一般的な金利は15%
クレジット会社が1番儲けられるリボ払いの金利は15%程度と高金利です。
これはどこのクレジット会社であってもほとんど変わることはなく、たとえゴールドカードであっても10%よりも低い金利となるカードはごくわずかです。
ですので、利用しているほぼすべての人から10%以上の金利で計算された手数料を貰うことができるというわけです。
これが分割払いのように支払回数に制限がなく、利用限度額の範囲内であればいつでも利用することができるとなればその利便性によってより長く手数料を貰うことができます。
リボ払い手数料の計算
実際にリボ払いを利用した際にかかる手数料の計算をしていきたいと思います。
計算にあたってはリボ払いの一般的な金利である15%で計算していき、リボ払いの手数料の計算式は以下のようになります。
リボ残高(円) × 金利(%) × 利用日数/365(日) = 手数料(円)
まず、10万円の買い物をリボ払いとした場合に30日間でかかる手数料は1,232円となります。
リボ払いの毎月支払額を5,000円とすると、利用代金の元金に充てられる金額は3,768円となり、残高は96,232円となります。
10万円のリボ残高で1ヶ月1,232円の収入となれば基本1,000円程度である年会費と比べると、それがどれだけ儲けに繋がっているのかということがわかります。
支払い方式によって儲け方が違う
リボ払いはそのクレジット会社によって支払いの仕方が違い、このことを「支払い方式」といいます。
支払い方式には代表的なものとして「残高スライド方式」と「定額方式」という2つがあり、それぞれの支払い方式で異なる支払いによってクレジット会社では違う儲け方となります。
では、これらの支払い方式がどのような支払い方となり、どのようにして儲けているのかを紹介していきます。
利用を促進して儲ける
残高スライド方式は、残高に応じて毎月の支払額が変動する方式であり、残高に比例して多くなる手数料と共に支払額も多くなっていきます。
これにより、毎月安定的に残高が減っていきますので、残高が早く減ることで利用促進に繋がります。
より多く利用する人の心理としては、それまで支払っていた金額が少なくなるとその支払額までは支払っていくことができたからといって、毎月の支払額が少なくなればまた利用してしまうことがあります。
また、残高も少なくなってくるとここまでの金額であれば大丈夫だと思うことによって利用してしまうこともあります。
利用している人の中にはこのような心理で利用を続けてしまう人が意外と多くおり、リボ払いの反復利用によって儲けることができます。
少ない支払金額で長く利用してもらう
定額方式は、残高に関係なく常に一定の金額を支払っていく方式であり、利用者が決めた支払額で支払っていくことになります。
例えば、毎月5,000円を支払額と利用者が決めると、残高が10万円でも30万円でも支払額は5,000円となります。
手数料にすると、30日で10万円では1,232円、30万円では3,698円となり、支払金額が一定でも手数料は多くなりますので残高の減りが遅くなります。
ですので、どうしても長期間の支払いが必要となり、その期間中は手数料が発生しますので支払期間が長くなるほどクレジット会社が儲けることになります。
クレジット会社に儲けさせない方法
「儲けている」はあまりいいイメージではなく、利用者からしてみると自分たちが損をしてその会社を儲けさせていると思ってしまいます。
では、クレジット会社が儲けることができなくなってしまうようにしてしまうにはどのように利用するのかといいますと、それは「年会費無料」「一括払いをする」「リボ払いしない」です。
年会費が無料であれば毎年の定期収入が無くなりますし、一括払いをすると手数料が発生しません。
そのうえでリボ払いをしなければクレジット会社は儲けることができず、只々利用者が有利となります。
さすがに儲けさせないというのはあまりいいものではありませんが、自分の支払いを少しでも節約したいという場合にはこのような条件でクレジットカードを利用することも1つの方法です。
儲けなければ生き残れない
クレジット会社もボランティアではありませんので、儲けなければ生き残ることができません。
ですので、時代が変化しても生き残るための戦略としてリボ払いを勧めています。
もし万が一クレジット会社が生き残ることができなければ、すでに浸透しているクレジットカードそのものが利用することができなくなり、経済全体に大打撃を与えてしまいます。
そのためにも1番儲けることができるリボ払いを勧めることによってクレジット会社が生き残れるようにし、結果的にそれが経済の発展に繋がっています。
また、リボ払いはすでに欧米では一般的なクレジットの支払方法となっていますので、欧米に足並みを揃えたい今の日本では勧めやすいというのもあります。
まとめ
リボ払いはクレジット会社が最も儲けることができる支払方法であり、業界の存続のためにも浸透させているといえます。
ですが、広めようとするあまり利用者がリボ払いの知識がないまま利用しているという問題もあり、それがトラブルとなっていることも事実です。
今ではトラブルにならないようにリボ払いとはどういうものなのかも合わせて広めています。
リボ払い自体は非常に利便性が高いものでありますので、クレジット会社が儲けるから利用しないというようなことはせず、リボ払いについてしっかりとした知識を身に付けることで便利に使うことができます。
要するに使い方に問題があるだけでありますので、まずはしっかりとした知識を持つことをおすすめします。
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