消費者金融の就職について考えたことある?
消費者金融へ就職することについて考えたことはありますか?
消費者金融だって立派な金融機関です。金貸しとしては銀行と何も変わりはありません。
でも消費者金融の就職はちょっとね、と思う人も少なくないようです。
残念ですねえ。消費者金融は超安定企業で、まず会社が倒産することはありませんし、給料もサラリーマンの平均年収に比べれば高いのですがねえ。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
この記事はこんな人におすすめ
この記事は、以下のような人にとても参考になります。
- 金融業に就職を考えている人
- 消費者金融の仕事の内容や給料が気になる人
- 消費者金融に勤めるために、必要なことを知りたい人
そもそも消費者金融とは
消費者金融はお金を借りる所ということは皆さんご存知ですよね。
アコムやプロミスなど大手消費者金融は、広告などで目や耳にする機会も多いと思います。
お金を借りる所というと、消費者金融以外にも銀行を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、消費者金融は銀行とは違い、個人への小口融資サービスを主に行っています。
ですが、お金を借りる所でも銀行よりも消費者金融は、暗いイメージを持たれがちです。
しかし、消費者金融は、貸金業法という法律に則った経営をしていますので、お金を借りるという意味では、銀行と変わりはありませんよ。
また、かつての「サラ金」のイメージとは違い、現在は上場企業やメガバンクなどの大手銀行グループの傘下に入っている消費者金融も多いため、暗いイメージは少し違ってくるのではないでしょうか。
消費者金融への就職はイメージが悪い?
消費者金融に就職すると言うと周りがうるさいとか、イメージが悪いとか言われますがそれは昔の話であって、今では消費者金融に勤めていても普通のサラリーマンと何も変わることはありません。
ビジネススーツを着て革靴を履いて出社するのは一緒ですし、働く時間だって多少シフトはあるかもしれませんが8時30分から17時30分までが普通の仕事時間帯です。
シフト制によっては12時から21時まで、15時から24時までの勤務体制をとっているところもありますね。
IT企業だって夜遅くなることや夜勤することがあるように、消費者金融も繁忙期など時期によっては若干長時間になることもあります。
ただし、世間での消費者金融の印象は、怖いところというマイナスイメージが未だに根強いと言えますね。
ブラック企業のイメージも過去の物、今はクリーンと評判
消費者金融と聞くと、どうしてもサラ金などと呼ばれていた時代の名残から、怖い人たちが勤めている所というイメージがあるかもしれません。
しかし、先ほども言いました通り、勤めているのは普通の会社勤めの人となんら変わりがありませんよ。
また、昔はノルマや残業が多く、ブラック企業のイメージが強い時代もありましたが、今ではコンプライアンスも厳しくなっているため、無理なノルマや残業はなくなりつつあります。
ブラック企業のイメージが強いと、利用者へのイメージも悪くなりますので、消費者金融業界は全体的にクリーンな会社が多くなっています。
消費者金融の仕事内容
消費者金融の仕事内容はどこに配属されるのかによって変わってきますね。会社としては普通の会社と変わりはありません。
どちらかと言うと製造業や小売業というよりは商社に近いイメージでしょうね。
経理部や総務部、審査部、法務部、営業部の営業社員でも内勤が外勤に分かれています。大手消費者金融ならコールセンターの仕事もありますね。
①営業部(内勤)の仕事内容
営業部の内勤者の仕事は電話による督促担当です。それと会員が行方不明になった場合の調査資料作りですね。
②営業部(外勤)の仕事内容
営業部の外勤者は保証委託契約を結んでいる銀行との連携や、新たな保証先の開拓です。督促はほとんどしません。
なお中堅消費者金融だと外回りの仕事は督促業務がメインになります。中堅消費者金融に就職して借金回収の鬼となったらかなり出世できますよ。
その代わり体力勝負ですけどね。
③コールセンターの仕事内容
コールセンターでも銀行カードローンのコールセンター、自社のコールセンターなど分担して仕事をしています。
コールセンターは男性よりも女性の方が多いですね。ただし必ずクレーマーがいますので、ちょっとドスの効いた声をしているとコールセンターの仕事が回ってくる可能性が高いです。
男性女性の比率は半分ずつくらいじゃないですかね。所属する部によっては比率が変わることはあったとしても全体的には50:50くらいです。
④審査部の仕事内容
審査部では、新規ローン申込者、や増額希望者が、いくらまでなら貸付できるのか、利用可能なのかを、信用情報機関の情報や、利用条件に当てはまっているかなどの確認をする仕事をしています。
また、審査の途中で申込者への在籍確認や、申込者の審査の合否を電話やメールなどで、連絡を行います。
⑤その他の部署の仕事内容
消費者金融も一企業ですから、総務部や経理部など働いている人達を管理する部署があります。 給与や経費の計算、人事など行っていますので、普通の会社と変わりませんね。
消費者金融の1日のお勤め
消費者金融も会社ですから、決められた時間までに出社して、退社時間まで働く事になります。 消費者金融に勤めた場合の一日のスケジュールを見てみましょう。
営業時間前
一日の業務に支障をきたさないように、営業時間前に開店の準備をしますので、営業時間ギリギリの出社では間に合いません。
大体30分前くらいまでに出社をしなければならないでしょう。
9:00から営業開始という消費者金融が多いので、8:30頃に出社をします。
そして出社をしたら、店舗内や自動契約機、ATMなどお客様から見える所はもちろん、自分のデスクや電話なども掃除をします。
その際、パンフレットなどが切れている場合は、補充をしておきます。
また、現金やATM、オンライン残高と通帳残高のチェックも営業開始前に行っておき、営業を開始してから、トラブルになるのを防ぎます。
その間、朝礼も行います。 短い時間でやることが多いので、慣れないうちは全て作業するのは大変かもしれませんね。
営業中
営業開始直後は電話がたくさんかかってきますので、電話の対応に追われます。
落ち着いたら、各々自分の担当する仕事に就きます。 書類などがたくさん来ますので、必ずチェックするようにします。
営業終了後
営業時間が終了すると、現金やオンライン残高、通帳残高の最終確認を行います。
最終確認が終わると経理処理をして終了となりますが、1円でも合わないと合うまで帰ることができません。
無事経理処理が終わると、退社することができます。
ただし、回収担当の人は督促の電話時間などの関係で、残業する場合もあります。
消費者金融社員の平均年収
筆者が長年消費者金融を経営していたから言うのではありませんが、消費者金融に勤める社員の年収は600万円前後です。
学歴により給与に多少の差は出るものの、サラリーマンの平均年収が400万円から450万円と言われているのに比べれば、150万円から200万円も多いですよね。
年収600万円は地方の信用金庫に勤めている人と比べても遜色ありません。
貸金業法が改正になってから年収はガクンと下がりましたが、それでも600万円前後の年収を平均年齢40歳でもらうことができたら、普通に暮らしていく分には何の不足もありませんよね。
ちなみに消費者金融の600万円前後という数字は、yahooファイナンスの企業情報から見ることができますよ。
前回のコラムでも書きましたが、筆者が経営していた2000年当時が最高だったですね。社員の平均年収は700万円くらいですよ。
それも平均年齢30歳前半です。筆者の消費者金融に勤めてもらって10年くらい経験積んだら700万円の年収です。
夫婦共稼ぎする必要もなく、奥さんは専業主婦として家でマッタリできるくらいです。
それに比べれば現在の平均年収600万円はさすがに100万円くらい少なくなりましたが、それでも派手な生活さえしなければ奥さんを専業主婦でやっていけるんじゃないですか?
子供を産むことだって育てることだって十分できる年収ですよね。
今は景気が良い、と言っても今後も良い景気が続くとは限りません。
景気が悪くなったら消費者金融も収益が減るんじゃないの?と考える向きもありますが、消費者金融は景気に左右されない超安定企業です。
景気が良ければお金を使う人が増えて借金をする人も増えます。景気が悪くなれば生活費のためにお金を借りる人が増えます。
どっちに転んでも消費者金融は儲かるシステムになっているのです。
消費者金融の年収ランキング
大手の消費者金融で営業収益の高い企業の平均年収をランキング形式で表にしてみました。
順位 | 企業名 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | SMBCグループ(プロミス) | 1,187万円 |
2 | アコム | 595万円 |
3 | アイフル | 550万円 |
(参考:プレジデントオンライン「金融業界175社平均年収ランキング 2018」)
1位はSMBCグループとなっていますが、グループ全体の年収になるので、プロミス単体ではもう少し低いと考えられます。
消費者金融の就職に必要な資格
仕事の中には、資格を有しなければ付くことのできない職種もありますが、消費者金融に就職するのには、特別な資格はいらないとされています。
しかし、働いていく上で場合によっては必要になってくる資格もあります。 消費者金融に勤めるのに、必要な資格を詳しくみていきましょう。
就職するには資格は必要なし
ただの消費者金融の社員になるなら資格は必要ありません。
運転免許証があればバイクにも乗れるし、車も運転できますから督促業務や、裁判所への行き帰りには便利ですよね。
まあそれも大都市に住んでいる人なら電車やバスなどの交通機関が発達しているでしょうから、運転免許証がなくても不便じゃないでしょうけど、ないよりはあったほうがマシですね。
出世したいなら「貸金業務取扱主任者」は必須
消費者金融で出世を考えているなら、どうしても取得しておきたい資格があります。
それは貸金業務取扱主任者です。貸金業務取扱主任者は国家資格で、国家試験に合格しなければなりません。
試験は年に1回です。ワンチャンスを逃せば次に受験できるのは来年です。
国家試験といってもそれほど難しくありません。でも消費者金融関係法令に全く触れたことがない、関心もないとなると相当勉強しなければ合格しませんけどね。
普通は消費者金融の社員になって2年か3年してから受験する人が多いようです。
それでも過去問題集や参考書など複数購入して、どうですかね6カ月くらい勉強すれば合格ラインまで届くくらいです。
参考までに合格率をご紹介すると、その年によって若干の変動はありますがおよそ30%です。
消費者金融の経営者としては貸金業務取扱主任者はなくてはならない存在です。
法律によって1営業所に1人以上設置しなければならないと定められており、1営業所の人数が50人を超えると50人ごとに1人の貸金業務取扱主任者を設置しなければならないのです。
貸金業務取扱主任者は関係法令の他に会社法や刑法、民事訴訟法、民法、商法などの知識が必要で、営業所内にいる社員を教育並びに監督する重責を負っているのです。
貸金業務取扱主任者がいながら、社員が貸金業法違反などをしてしまうと責任を問われるのですからかなり重要な資格であることがわかるでしょう?
また、消費者金融以外の金融会社に転職する際も、この資格を持っていると有利ですよ。
金融屋になるのに必要な資格は?
自分で消費者金融を経営するのであれば、貸金業務取扱主任者の資格は必須です。 貸金業務取扱主任者の資格がないと金融屋を開業していけないと、法律で決まっているのです。 もし、資格を取らないまま開業してしまうと、100万円の罰金が課せられます。
消費者金融の就職難易度
ここまで解説してきたように、今は昔ほどイメージやお給料も悪くないですし、特別な資格もいらない消費者金融業界ですので、就職を考える人もいるかもしれませんね。
そこで気になるのは、消費者金融の就職難易度ではないでしょうか。
偏差値はどのくらい必要なのか、学歴は大卒でなければ入れないのかなど、詳しく解説します。
必要な偏差値や学歴
消費者金融会社に就職するには偏差値は関係ありません。高卒でも大卒でも就職することはできます。
Aランク大学でもFランク大学でもどっちでも大丈夫です。
ただし大手消費者金融となるとメガバンクグループになりますから、大卒の派閥があるわけです。
大手消費者金融で活躍すれば、もしかしたら他のグループ企業に引き抜かれることもあるわけですよ。
そのときにFランクの大学出身だと肩身の狭い思いをするかもしれませんね。
もちろん出世することや他のグループ企業に栄転するなど希望を持たなければ体力さえあれば問題ありません。
前回のコラムでも書きましたが、大手消費者金融だとなかなか部長以上のクラスになることは難しいです。
大抵銀行からの天下り先として受け入れなければならない消費者金融ですから、最高に出世したとしても部課長クラスで終わりです。
それくらいなら中堅消費者金融に入社して、支店長や営業所長あたりを目指すのが良いかもしれませんね。
Q&A:消費者金融の就職に関する5つの質問
ここでは、消費者金融へ就職を考えている人が抱える疑問にQ&A方式で解説していきます。 参考にしてみてください。
①消費者金融で働いた経験は転職に不利になる?
今は昔ほど前職が消費者金融だと言っても、転職が不利になるようなことはなくなりました。
ただし、まだまだ悪いイメージが持たれやすいので、他の業種の人よりは厳しいと言えます。
転職活動をするなら色々な資格を少しでも多く取っておくと、ハンデを埋められる可能性がありますよ。
②消費者金融の仕事は楽?きつい?
消費者金融だからと言って、仕事が楽だとかきついということはありませんが、決して甘いものではありません。
金融業ですので、1円のミスも許されませんし、督促業務は外回りや残業がある上に督促するという業務自体が人によって向き不向きがでてくるでしょう。
督促業務は通常の事務作業に比べるとかなりストレスがたまる可能性はあります。
③新卒で消費者金融と銀行の両方から内定をもらったら、どちらを選ぶ?
同じ金融業に採用されたと言っても、消費者金融は悪いイメージが先行してしまうので、親や友人は銀行の方がいいという意見が多いでしょうね。
今後の経歴を考えても、消費者金融と書くよりも銀行名を履歴書に書ける方が有利かもしれませんね。
それでも、自分自身がやりたい仕事であれば、どちらを選んでも間違いはないでしょう。
④大手消費者金融は高卒でも就職できる?
高卒でも大手消費者金融へ就職が可能です。
しかし、大手消費者金融の中にはメガバンクの傘下にあるところは、大卒の人が多くいますので、高卒だと肩身が狭いかもしれませんね。
ただし、大手消費者金融でもアイフルのように、メガバンクの傘下にないところもありますので、高卒で消費者金融への就職を考えている人は検討してみましょう。
⑤自分の旦那が消費者金融勤務だとイヤなもの?
金融業と一重にくくってしまえば同じですが、同じ金融業でも銀行よりも消費者金融は社会的地位があまり高いとは言えません。
今はクリーンなイメージも定着しつつある消費者金融業界ですが、まだ世間では悪いイメージを持っている人もたくさんいるのは事実です。
親戚付き合いや近所付き合いの中で、夫が消費者金融勤めですとは言いづらいという理由で嫌がる人もいるかもしれませんね。
まとめ
どうしても悪いイメージが先行してしまう消費者金融業界ですが、実際は普通の会社となんら変わりありません。
お給料だって悪くないですし、大手企業やメガバンク傘下という会社もありますので、安心して働く事も可能です。
また、今ではブラック企業というイメージも払拭されつつありますので、これから就職活動をするという人で、金融業に興味があるという人は、消費者金融も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
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