財務キャッシュフローとは?

企業の現金の流れがプラスなのかマイナスなのかを示すのがキャッシュフロー計算書です。

会社の決算が赤字となっても、現金が足りずに倒産となってしまう黒字倒産がバブル崩壊時に相次ぎました。

また、現在も倒産件数のうち約半分が黒字倒産であると言われています。

そのような状況を踏まえ、最近では収支と同じくらい現金の流れがプラスなのかマイナスなのかを示すキャッシュフローが企業を評価するときに重視されています。

お金を借りる行為である借入金も当然ながらキャッシュフローへ影響します。

借入金を中心とした外部からの資金調達状況を示すのが、財務キャッシュフローです。

この記事では、財務キャッシュフローの見方や企業を評価するとき財務キャッシュフローについてどのように判断されるのかなどについて解説していきます。

この記事はこんな人におすすめ

この記事は、次のような人におすすめの内容になっています。

  • 財務キャッシュフローを基礎から理解したい人
  • 財務キャッシュフローの読み方が知りたい人
  • 他のキャッシュフローについても理解したい人
執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

目次

財務キャッシュフローとは

キャッシュフローには、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つのキャッシュフローがあります。

営業キャッシュフローとは営業活動による現金の流れ、投資キャッシュフローは投資活動つまり企業の不動産などの資産を売買したことによる現金の流れを示します。

当然ながら財務キャッシュフローは、財務活動による現金の流れを意味します。

財務活動とは社債の発行や金融機関からの借り入れ、増資などの活動のことです。 営業活動によるキャッシュフローとよく対比される財務キャッシュフローですが、具体的にどのようなお金の流れを示すものなのでしょうか?

資金調達を必要としているかの指標

財務キャッシュフローとは、当該企業が外部からの資金調達を必要としているか否かを示す指標です。

つまり、自前の資金だけで会社の運転ができ、設備投資を行えるのであれば、その会社の財務キャッシュフローは一切動きがないことになります。

このため、外部からの資金調達を必要としている企業についてのみ、財務キャッシュフローには動きがあるのです。

財務諸表で言えば、短期・長期借入金や社債、株式などの勘定科目が財務キャッシュフローの計算で用いられます。

資金調達手段支出項目収入項目
借入金返済のための支出新規借り入れによる収入
社債償還のための支出新規発行による収入0.150%
株式
  • 自己株式の取得のための支出
  • 株主への配当金の支払額
新株式発行による収入

プラスの意味

キャッシュフローはお金の流れを示すものです。

現金が期初より増えていればプラス、期初よりも減っていればマイナスとなります。

借入金は銀行から現金を借りる行為ですので、お金を借りたときにはキャッシュフローはプラスになります。

お金を借りることはなんとなくマイナスイメージがありますが、財務キャッシュフロー的に見ればプラスとなるのです。

マイナスの意味

借りたお金を返済したときには、キャッシュフローはマイナスになります。

例えば、10万円を返済したときには、10万円の現金が会社から流出していくことになりますので、財務キャッシュフローは△10万円となります。

このため、財務キャッシュフローがマイナスである場合は「借金が減っている」と考えられます。

財務キャッシュフローの具体例

一口に「外部からのお金の流れ」と言っても、いったいどのようなものがあるのでしょうか?

ここからは財務キャッシュフローの具体例を挙げて、理解を深めていきましょう。

具体的な財務キャッシュフローの事例としては以下の4つが考えられます。

  • 株式の発行
  • 配当金の支払い
  • 社債の発行と償還
  • 借入金と返済

それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

株式の発行

新株を発行してその株式を誰かに引き受けてもらって投資を受けた場合には、株式発行分の現金が会社に入ってくることになります。

この場合、財務キャッシュフローはプラスになります。

配当金の支払い

配当金を株主に支払った場合には、外部に配当金の分だけ現金が流出していくことになります。

配当金は外部から資金調達をするために株式発行した結果、支払わなければならない現金ですので、この場合は財務キャッシュフローがマイナスとなります。

社債の発行と償還

会社が社債を発行して誰かからお金を借りる場合には、社債の額面金額の現金が会社に入金となりますので、財務キャッシュフローはプラスになります。

反対に、社債が満期を迎えて現金で償還した場合には、社債の額面金額プラスと利払い分の現金が会社から流出することになります。

この場合には財務キャッシュフローがマイナスになります。

借入金と返済

銀行などからお金を借りたときには、借りた現金は会社へ入ってくるため、借入金の金額は財務キャッシュフローでプラスになります。

反対に、返済を行った場合には、返済金の現金は会社から流出していくため、財務キャッシュフローはマイナスになります。

なお、財務キャッシュフローを著しく悪化させないための応急処置として、役員借入金を使って会社の資金繰りを補助する方法があります。 役員借入金とは、役員から会社に対して貸し付けているお金のことを言います。 たしかに、役員借入金勘定を使えば会社の資金繰りをサポートできますが、あまりにも多額で長期的に役員借入金がある場合は金融機関などから融資を受けるときにマイナスな印象を与えかねません。 返済期限がないため解消するタイミングが難しいですが、できるだけ早期に会社の状況を見ながら役員借入金の残高を減らすことが大切です。

財務キャッシュフローでみる会社の評価

財務キャッシュフローは、単純に数字のプラスマイナスで評価できない指標です。 なぜなら、企業を成長させるために借り入れなどを行って財務キャッシュフローがプラスになるタイミングもありますし、投資した資金を回収するために借り入れの返済などをしてマイナスになることもあります。 この後詳しく解説していきますが、財務キャッシュフローはマイナスだから悪い、プラスだから良いと単純に評価できない指標であることは前提として心得ておきましょう。 では、財務キャッシュフローがプラス、マイナスの状態はどういう場合が、どのように評価するべきか順番に見ていきましょう。

財務キャッシュフローがプラス

財務キャッシュフローがプラスと言うことは、借入金やその他の資金調達によって現金の流れがプラスになったと言うことです。

これをどのように評価するのかは、他のキャッシュフローと併せて評価する必要があります。

本業の不調による借入金増加

借入金の増加によって財務キャッシュフローが増加していると言うことは本業が不調であるため、運転資金の借り入れを銀行などから行い、財務キャッシュフローがプラスに転じている状況と考えられます。

要するに、会社が本業でお金が足りなくなったから銀行から融資を受けているのです。

この場合には、営業キャッシュフローはマイナスとなっている状況が想定されますので、企業に対して銀行などは良い評価を行いません。

積極的投資

一方、営業キャッシュフローがプラスであるにもかかわらず、財務キャッシュフローがプラスとなっている状況も存在します。

本業ではお金を余らせているにもかかわらず、外部から資金調達をしていると指摘できます。

これは、どのような状況が想定できるかと言えば、本業でもうけたお金以上の投資を銀行からお金を借りている状況です。

このような企業は、本業でもうけた分以上の投資を行って、積極的に事業を拡大しようと活動していることが想定されます。

投資の内容にもよりますが、少なくとも本業によって現金を貯めて積極的に投資を行っているため、営業キャッシュフローマイナス、財務キャッシュフロープラスという状況よりも、かなり銀行の評価は高いものになります。

財務キャッシュフローがマイナス

財務キャッシュフローがマイナスと言うことは、基本的には会社が良い状態であると考えられるでしょう。

ただし、こちらの評価も他のキャッシュフローと並行して評価しなければなりません。

借入金や社債の償還

財務キャッシュフローがマイナスとなっていると言うことは、新たな借り入れを行わずに借金をどんどん返済している状況ですので、基本的にはプラスに評価される部分です。

しかし、営業キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローもマイナスとなっている場合もあります。

この場合には、投資キャッシュフローがプラスになっていることがあります。

投資キャッシュフローとは、企業の資産を売買したことによるお金の流れです。

設備投資を行って現金が流出したらマイナスになりますし、設備を売却して現金を入手したら投資キャッシュフローはプラスになります。

つまり、営業キャッシュフローがマイナス=本業赤字、投資キャッシュフローがプラス=会社の資産を売却、財務キャッシュフローがマイナス=借金返済
という状況です。

本業の赤字によって融資ができなかった(もしくは意図して借金をしなかった)代わりに、会社の資産を売却して借金返済に充てたと考えられます。

この場合に限っては積極的に財務キャッシュフローがマイナスである状態を評価できません。

財務キャッシュフローのマイナスが評価されるのは、営業キャッシュフローがプラスで本業のもうけによって借金をどんどん返済している状況だけであると言えるでしょう。

売上高に対して当期純利益が十分であるか否かもチェックするといいでしょう。

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財務キャッシュフローの計算方法

財務キャッシュフローは、外部からの借入金などの支払額によって現金がプラスになったのかマイナスになったのかを示すものです。

期中に財務キャッシュフローが増えたのか減ったのかをどのように計算すべきでしょうか?

具体的な事例を用いながら紹介していきます。

外部からの資金調達を加減する

財務キャッシュフローを計算するときには、決算期の間に外部から資金調達した場合や外部への返済や償還を加減すればいいだけです。

具体的な計算式は特にありません。

財務キャッシュフローがプラスの事例

財務キャッシュフローがプラスになると言うことは、外部からの資金調達によって会社に現金が増えたと言うことです。

財務キャッシュフローがプラスになる事例としては以下のようなものがあります。

  • 株式の発行
  • 社債の発行
  • 銀行などからの借入金

このように、財務キャッシュフローがプラスになると言うことは、株式の発行以外は借金が増えて現金がプラスになっている状態ですので、必ずしも会社にとって良い状態ではありません。

財務キャッシュフローがマイナスの事例

財務キャッシュフローがマイナスになると言うことは、簡単に言えば借金を返済して現金が減少したと言うことです。

具体的には以下のような事例が該当します。

  • 借入金の約定返済
  • 借入金の一括返済
  • 社債の償還

長期借入金を借りている場合には、毎月返済が到来するため、毎月返済額×12か月分の現金は確実に会社から流出することになります。

この間、社債の発行や新規の借入金を行わなければ、その会社の財務キャッシュフローは確実にマイナスになると言うことです。

財務キャッシュフローがマイナスになると言うことは、借金が減ると言う状態ですのでむしろ企業にとっては健全な状態であると言えるかも知れません。

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財務キャッシュフローとフリーキャッシュフローの関係

キャッシュフローは、何でもプラスになれば良いわけではありません。

先ほども説明したように、財務キャッシュフローは株式発行による増資以外は借入金によってプラスになるわけですので、財務キャッシュフローがプラスの状況と言うのは借入金が増えている可能性があります。

キャッシュフローで会社経営に寄与するのは、フリーキャッシュフローです。

ここからは、フリーキャッシュフローと財務キャッシュフローの関係がどのようになっているのか説明していきます。

フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせたキャッシュフローです。

営業キャッシュフローは簡単に言えば、企業が営業活動によって現金がプラスになったのか、マイナスになったのかを示すキャッシュフローです。

売掛金や買掛金を考慮しなければ、収益が上がるほど営業キャッシュフローは増えていくことになります。

また、投資キャッシュフローは企業の投資活動から生まれるキャッシュフローです。

会社の土地、株式、債券などの資産を売却して会社に現金が増えれば投資キャッシュフローはプラスになりますし、反対に不動産や株式などを購入するために現金がマイナスになると言う状態です。

つまり、フリーキャッシュフローとは自力で稼いだ現金ですので、フリーキャッシュフローが多い企業は、使えるお金が多いため健全な企業と言えます。

一方、プラスになることが必ずしもいいことと言えない財務キャッシュフローとフリーキャッシュフローは対局の関係にあります。

企業にとっては、財務キャッシュフローをマイナスにしてフリーキャッシュフローをプラスにしていくことが理想的な状態と言えます。

フリーキャッシュフローが増えると財務キャッシュフローはマイナス

フリーキャッシュフローが増えると借金をする必要がなくなるため、会社のお金で借金をサクサク返済できます。

つまり、財務キャッシュフローがマイナスになっていくのです。

会社にとっては内部留保が溜まる状況になりますので、健全な企業のあるべき姿はフリーキャッシュフローがプラスになり財務キャッシュフローがマイナスになっていくという姿でしょう。

フリーキャッシュフローがないと財務キャッシュフローが増える

一方、フリーキャッシュフローがない会社は、手元に現金がないと言うことです。

会社を回して行くためには現金がなければなりませんので、銀行からの借り入れなどの外部からの資金調達によって現金を調達しなければなりません。

つまり、フリーキャッシュフローがないと、財務キャッシュフローがプラスになっていくのです。

財務的に言えば、赤字が膨らんで借金で会社を回していく状態と言えるため、会社経営は不健全でどうにかして収益を出すか、資産の売却などによって現金を増やすなどの何かの改善を図る必要があります。

財務キャッシュフローと投資キャッシュフローの関係

設備投資は高額な資金が必要になることが多いので、自己資金ではなく借入金によって行うことが一般的です。

このため、財務キャッシュフローと投資キャッシュフローは綿密な関係にあります。

ここからは、財務キャッシュフローと投資キャッシュフローの関係性について、解説していきます。

投資キャッシュフローとは

投資キャッシュフロー(投資CF)とは、投資活動によって現金が増えたのかマイナスになったのかを図るキャッシュフローです。

資産を売却して現金を増やすと投資キャッシュフローがプラスになりますし、資産を購入して現金が流出すれば投資キャッシュフローがマイナスになります。

特に固定資産や株式投資に関する売買は金額が大きい傾向があるので、投資キャッシュフローに大きく影響します。

投資キャッシュフローがプラスになる=資産の売却

投資キャッシュフローがマイナスになる=資産の購入

と言うことです。

これと財務キャッシュフローの関連性とはどのようなことなのでしょうか?

投資キャッシュフローが増えて財務キャッシュフローがマイナス

投資キャッシュフローが増えると言うことは、資産を売却して現金化すると言うことです。

企業に借入金がある場合には、このようなまとまったお金を借入金の返済に回すことがあります。

また、収益が出ておらず、借金の返済に企業が苦しんでいる場合にも資産を売却して、借金を返済して経営再建を図ることがあります。

このようなときには、投資キャッシュフローが増えて財務キャッシュフローがマイナスの状況になります。

どのような理由にせよ、企業の貸借対照表の金額はできるだけ小さいことが望ましいとされています。

不要な資産を売却して借金を返済するのですから、貸借対照表上では資産も負債も少なくなり、このような状態を「貸借対照表のオフバランス化」と言います。

貸借対照表のオフバランス化は、銀行や投資家などの外部からの評価が向上し、受け取れる投資額も増額する可能性があるので、企業経営にはプラスになることが多いでしょう。

もちろん、企業活動に必要不可欠な資産を売却した場合にはこの限りではありません。

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投資キャッシュフローがマイナスになっていると言うことは、資産を購入したために現金が流出したことを意味します。

会社の内部留保で投資を行う場合には、単に投資キャッシュフローがマイナスになるだけです。

企業にとって必要な資産を購入したり、業務拡大を図ったりするための投資であれば、投資キャッシュフローがマイナスになることは全く問題ではありません。

しかし、投資キャッシュフローがマイナスになっていることに加えて、財務キャッシュフローがプラスになっている状態があります。

これは、借入金によって設備投資や資産を購入したと言う状態です。

企業にとって、必要不可欠な資産を借金によって購入することは全く問題ありません。

一方、企業にとって必ずしも必要ない資産を借金で購入することはあまり望ましい状態ではありません。

キャッシュフローがこのような状態になっている場合には、会社が保有している資産の中身が重要になります。

企業にとって必要な設備を購入したのか、それとも単に投資目的の資産を購入したのかなど、購入した資産の中身に注目するようにしましょう。

キャッシュフローに関するQ&A

最後に、キャッシュフローに関するQ&Aを紹介します。

①リース取り引きのキャッシュフロー計算書の扱いは?

資産の所有者が契約期間に限って借り手に資産を貸し出すことをリース取り引きと言いますが、取り引き形態によってキャッシュフロー計算書の扱いが異なります。 オペレーティングリース取り引き、ファイナンスリース取り引き共に営業キャッシュフローで処理しますが、売買取り引きされたリース契約の場合、ファイナンスリース取り引きは財務キャッシュフローで扱います。

②支払利息のキャッシュフロー計算書の扱いは?

支払利息は営業活動のキャッシュフローとして取り扱われます。 払わなければいけない利息が発生しているので、営業キャッシュフローのプラス項目になります。 借入金の利息など会社の本業を維持するために発生する費用なので、営業キャッシュフローに該当するわけです。

③売上債権のキャッシュフロー計算書の扱いは?

売上債権が増加した場合は営業キャッシュフローのプラス項目になり、減少した場合はマイナス項目になります。 売上債権とは、売掛金や受取手形が該当し、営業債権と呼ばれることも多いです。 売掛金と受取手形の合計金額が売上債権になるので、キャッシュフロー計算書を作成する場合は忘れずに合算しましょう。

④損益計算書とキャッシュフロー計算書の違いは?

損益計算書とキャッシュフロー計算書は一見同じように思えますが、実はふたつの計算書はほとんどの場合で利益の金額が異なります。 なぜなら、損益計算書は収益が実現主義、費用は発生主義で作成されるのに対して、キャッシュフロー計算書はあくまでも現金の収支に基づいて作成されるからです。

⑤キャッシュフローから返済財源はわかる?

一般的に、返済財源は税引き後の利益+減価償却費で求められます。 税引き後の利益は1年間の会社の売り上げから経費や税金などを引いた正味の利益です。 一方、減価償却費は先に説明した通り、現金流出がない費用なので翌期に回せる正味のお金です。 したがって、税引き後の利益と減価償却費を足すと返済財源が求められます。

⑥キャッシュ・フロー計算書の現金同等物とは?

キャッシュフロー計算書の現金同等物は、具体的に以下のものが該当します。

  • 要払い預金(普通預金や当座預金など)
  • 定期預金(預入期間3か月以内)
  • リスクが小さい短期投資など
  • 譲渡性預金
  • コマーシャルペーパー(満期3か月以内)

まとめ

借金自体に対するイメージは悪いかも知れませんが、借入金は会社へ現金をもたらし、会社の資金繰りを安定させる効果を持っています。

金融機関などから借金をした場合、会社の財務キャッシュフローはプラスになります。

とは言え、借金が増えていくよりも減っていく方がよいに越したことはなく、基本的には財務キャッシュフローがマイナスである状況が会社の評価は高くなります。

会社経営はあくまでも本業によって現金を稼ぐものです。

財務キャッシュフローのプラスやマイナスをどう評価するのかは、営業キャッシュフローと併せて見る必要があります。

営業キャッシュフローがプラスの状態で財務キャッシュフローがマイナスの場合には、本業のもうけによって借金を減額させている状態ですが、営業キャッシュフローがプラスの状態で財務キャッシュフローがプラスの場合には、積極的に投資を行っていると判断されます。

 

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