自営業者は住宅ローン審査に通らない?~組めないときはどうする~

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決定

住宅ローンは個人が借りるローンの中では最も審査が厳しいローンです。

自営業者はカードローン審査でも最も審査に不利な職業であるといわれていますが、自営業者が住宅ローンを借りることは不可能なのでしょうか?

そのようなことはありません。

自営業でも審査のポイントをしっかり押さえれば審査には通過できますし、実際に多くの自営業者が住宅ローンを借りています。

この記事では、自営業者が住宅ローン審査に落ちてしまう理由と、審査に通過するポイントについて解説していきます。

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

自営業者が審査に落ちる理由

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自営業者が住宅ローン審査に通過することが難しい理由として以下の4つの理由を挙げることができます。

収入が不安定

自営業者は会社員や公務員と比較して収入がそもそも不安定な人が多いといえます。

大きな企業に勤務している人は、会社が収益構造を作っているため仕事をすることで安定した所得を得ることができます。

しかし、自営業者は、自分1人や、家族だけでお金を事業そのものの収益を上げていかなければならない業種ですので、社会の不景気の影響を一番先に受ける業種ですし、大手の下請け一本で仕事をしている自営業者は親会社が不景気になったとたんに売上が激減して収入がなくなるということは珍しいことではありません。

そのため、そもそも自営業という属性そのものが審査ではマイナスとなるのです。

申告所得が低い

自営業者は所得税節約のために所得を低くしている傾向にあります。

売上1,000万円の自営業者の事業にかかる経費が500万円であった場合、正直に確定申告を行えば、売上1,000万円-経費500万円=所得500万円となります。

この人の生活費に必要なお金が年間400万円であった場合には、可処分所得は100万円残るという計算になります。

しかし、所得500万円で申告した場合には、500万円に対して所得税が発生します。

このため、ほとんどの自営業者が生活費もすべて事業の所得として、申告しています。

このような人の確定申告は以下のようになります。

売上1,000万円-経費900万円=所得100万円として申告しています。

こうすれば、所得税は100万円に対してのみ発生することになるためです。

しかし、審査の際には、実態がどうであれ、申告所得に対して審査が行われますので、所得100万円では住宅ローンの審査には通過できません。

所得500万円の給与所得者と同じ生活水準を送っていても、自営業者は生活費まで経費計上しているため、申告所得が少なくなり、審査に通過できないのです。

これが、住宅ローンのみならず、すべての個人向けローンで自営業者が審査に通過できない最大の理由です。

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返済比率を満たせない

住宅ローンには返済比率という決まりがあります。

返済比率とは、住宅ローンの年間返済額を年収の一定範囲内に収めなさいという考えです。

ほとんどの住宅ローンでは返済比率は30~35%までとなっています。

仮に年収100万円の自営業者が返済比率30%の住宅ローンを借りた場合には、許容される年間返済額は100万円×30%=30万円までです。

毎月25,000円までの返済しか許容されないということですので、これでは住宅ローンを組むことは実質的に不可能です。

創業3年以内は融資不可

自営業者は営業規模が小規模ですので、ある程度安定して収益を出した状態が継続しないと安定収入があるとは見なされません。

例えば、今年、所得が1,500万円もあったとしても、来年はどうなるのかがわからないのが自営業者であるためです。

そのため、ほとんどの住宅ローンでは、自営業者は開業後3年以上経過していないと申し込むことすらできません。

また、3年以上連続して返済比率を満たしているような所得を稼いでいることも融資の条件となります。

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自営業者は個人名義で商売を営んでいる人を指しますので、自営業者は個人名義で銀行の事業性融資や、商工ローンを借りていることがあります。

このような借入があると住宅ローン審査で不利になるかどうかは、どのような事業性融資を借りているのかに左右されます。

銀行の事業性融資は審査上問題ない

銀行のプロパー融資、信用保証協会付きの融資はお金を借りても個人信用情報には記録されない融資です。

個人ではなく、あくまでも事業に対して行う融資という解釈であるためです。

このため、これらの借入があったとしても住宅ローン審査の際には、他債務があるとは見なされません。

しかし、銀行の事業性融資の中には民間の保証会社の保証をつける金利の高い事業性融資も存在します。

このようなローンの場合には、借入内容が個人信用情報に記載されていることもあり、その場合には審査には不利になります。

自分が借りている事業性融資が住宅ローン審査に影響するのかどうか知りたい人は、信用情報機関に照会を行い、信用情報の中に他債務がいくらあるのかを詳細に調べてみましょう。

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消費者金融が行う事業性融資である商工ローンには、個人信用情報に借入の内容が記載されてします商品が数多くあります。

特に自営業者向けの、事業資金にも個人向け用途にも使用できるローンの場合には、確実に個人信用情報に記載されてしまいますので、このような借入がある自営業者はさらに住宅ローン審査に通過することが難しくなってしまいます。

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住宅ローン審査通過4つのポイント

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自営業者は確かに住宅ローン審査に通過することが難しい側面があります。

しかし、ここまで述べてきた自営業者が住宅ローン審査に通過することができない理由をすべてクリアすることができれば、自営業者も住宅ローンを借りることができます。

実際に住宅ローンを借りることができた自営業者はこれらのポイントをすべてクリアしています。

申告所得を大きくする

ほとんどの自営業者が生活費の一部を経費に混ぜ込んで、所得を低くしています。

筆者が銀行員の時は、個人事業主の確定申告書が黒字の場合には、その黒字分の大半が可処分所得であると判断し、「この人はよほど貯蓄をもっている」などと考えたものでした。

それほど、多くの自営業者が生活費を経費計上しているのですが、住宅ローンを借りようとする前はこのような手段は禁物です。

経費計上するのは、正味の事業にかかる経費だけにしましょう。

ここで赤字の場合には事業そのものが儲かっていないということですので、住宅ローンを組んでいる場合ではありません。

また、確かに正直に申告すると、所得税は高くなってしまいますが、住宅ローン減税制度を利用すれば10年間で数百万円の減税を受けることもできます。

申込日からさかのぼって3年間

自営業者は所得が安定しないため、申込時からさかのぼって3年間は安定した所得を計上する必要があります。

このため、「そろそろ住宅ローンを組もう」と考えてから3年間は最低でも所得が400万円以上となるような確定申告を継続してから住宅ローンへ申込を行いましょう。

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経営計画も重要

住宅ローンは借入期間の長い融資です。

そのため、今の収入が今後も継続していけるかどうかも審査の対象になります。

会社員の場合には、今の会社に今後も勤務するかどうかがその判断基準となり、勤続年数や転職歴などからその判断を行います。

自営業者の場合には過去3年以上の業況はもちろん、ヒアリングなどによって、今後の事業計画や見通しなどの審査が行われることもありますので、しっかりと将来の展望についても回答できる準備をしておきましょう。

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銀行審査でどう評価する?

銀行の住宅ローン審査では、給与所得者と、自営業者で異なる部分があります。

給与所得の場合、前年度の源泉徴収票などで年収を確認されます。

一方、多くの銀行では、自営業者の審査は、直前3期分の確定申告書をもとに、確認が行われます。

給与所得者と違い、前年度だけではなく、3期分が必要というところに特徴があります。

これは、年収の大きさだけを見るのではなく、収入の変動の大きさも確認するためです。

そのため、例え、前年度の収入が高くても、それ以前の収入が低い、赤字といった状況では、審査に通らず、住宅ローンを組めないこともあります。

また、借入可能額を計算する際の「所得額の大きさ」としても、直前の所得額だけでなく、過去3期分の所得額を考慮して、平均所得額などで計算されます。

つまり、自営業者が住宅ローンを借入する場合、前年度だけでなく、過去3期間の確定申告書が重要になります。

フラット35なら借入しやすい

自営業者に対する民間銀行の住宅ローン審査の方法は、各銀行でそれほど大きな違いがありません。

しかし、公的な制度である「フラット35」に関しては、審査方法が少し異なります。

フラット35の場合、給与所得者や、自営業者などの職業の違いによる審査方法の違いというものがありません。

つまり、自営業者であっても、過去3期分ではなく、前年度の年収をもとに審査が行われます。

過去3期分の平均所得といった要素も不要です。

そのため、住宅ローンを借入したい自営業者の方でも、前年度分だけ「節税対策」を行わず、所得を大きくすることで、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

また、フラット35の場合、民間銀行のように、「自営業者の収入は不安定になりがちなので慎重に審査」するといった個別対応は行われません。

自営業者だからと審査方法は変わりませんので、前年度の所得が基準を超えていれば、収入の変動が大きい方であっても、審査に通る可能性は高くなります。

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借入するのに重要なこと

以上を踏まえ、自営業者が住宅ローンを組む方法を整理しておきましょう。

重要なポイントは、過度に節税対策を行わないことと、収入を安定させることです。

特に、住宅ローンを借入したいと考えるなら、借入前、3期分の節税対策は行わず、しっかりと所得を計上して、税金を払うことも重要です。

税金を減らしたいからと言って、所得額を少なくしていては、住宅ローンを組めないことになります。

次に、自己資金を準備しておくことも大切です。

住宅ローン審査では、住宅の購入価額に対する自己資金の割合も重要です。

もちろん、自己資金額が大きいほど、審査には通りやすくなります。

多少、収入の変動が大きく、安定していないと評価されても、自己資金が大きければ、審査に通るということもあります。

最後に、民間銀行での借入が難しい場合は、フラット35も活用してみることが大切です。

フラット35は、自営業者が借入しやすい住宅ローンとなっています。

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まとめ

自営業者は小規模であるため、事業そのものが不安定で所得が安定しないことに加えて、意図的に所得を低く申告するため住宅ローンの審査に通過しにくくなっています。

しかし、継続して一定以上の所得があり、返済比率を満たし、今後も現状の所得が維持できると判断されれば住宅ローンを借りることはそれほど難しくありません。

まずは、返済比率に収まるように所得を申告することが重要です。

また、その状態を3年以上継続してから住宅ローンの申し込みをおこなってみましょう。

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