住宅ローンを借入しやすい年齢と年齢制限
住宅ローンを借入するのに良い、適正年齢というのを聞いたことがありますか。
住宅ローンは大きな金額を、長期間に渡って借入することが多く、借入する年齢が非常に重要でとなります。
年齢と住宅ローン借入の関係について解説します。
- 執筆者の情報
- 名前: 芦田春馬(39歳)
職歴: 銀行と消費者金融,計15年勤務
目次
住宅ローン申込の年齢制限
最初に、住宅ローンが申込可能な年齢制限を確認しておきましょう。
住宅ローンを借入するのに適している年齢を考えるうえで、そもそも住宅ローンの対象外となる年齢は除外しておく必要があります。
20歳未満は借入できない
住宅ローンを借入できる方の条件として、大抵の銀行では、20歳以上を設定しています。
一般的な住宅ローンでは、20歳未満は対象外なのです。
20歳未満の方でも、「就職していて、勤続年数も数年あるのに・・」と思われる方もいるでしょうが、そもそも、20歳未満の方は、単独でお金を借入する契約ができません。
日本の法律(民法)上、未成年者は単独で重要な契約をする能力が無いとされていて、仮に契約しても、自由に契約を解除できるとされています。
そのため、通常の銀行では、借入申込できる方の対象から、未成年者を除外しています。
完済時年齢にも制限がある
住宅ローンを借入申込できる年齢の下限を見てきましたが、次は上限を見てみましょう。
一般的な住宅ローンでは、住宅ローンの完済年齢を、75~80歳あたりに設定しています。
つまり、住宅ローンでの借入期間を35年とするなら、40~45歳が借入できる上限の年齢となります。
これ以降でも住宅ローンを借入することは出来ますが、借入期間は35年以内で、短くなっていきます。
この年齢の範囲内において、住宅ローンを借入するのに、適した年齢を整理していきましょう。
定年退職から逆算した年齢
住宅ローンを借入する年齢を考えるにあたっては、それぞれの「ライフプラン」が重要なポイントとなります。
ライフプランというのは、各個人ごとの人生設計のことです。
つまり、今後、何歳で結婚して、子供を育てるのか、いつまで働いて、定年退職後どう暮らしていくのかといった計画をさします。
住宅ローンを借入する年齢を考えるうえで、ポイントとなる1つ目のライフプランは、「定年退職」でしょう。
多くの企業では、定年退職の年齢を60歳~65歳あたりに設定しています。
住宅ローンの借入を考えるにあたり、定年退職は重要です。
就業中の給料収入があることを前提として住宅ローンを借入している場合、定年退職を境目として、住宅ローンの返済が厳しくなってしまうということがあります。
逆に、定年退職時に、退職金がある場合には、退職金で完済するという返済計画を立てることもできます。
退職金が無く、定年退職後は、手取り収入が減少するという方であれば、極力、定年退職前に住宅ローンを完済しておきたいところです。
その場合、借入後の一部繰上返済を前提とせず、35年間の住宅ローン借入で考えるのであれば、25歳~30歳で住宅ローンを借入しておくのが適当ということになります。
この年齢以降で借入する場合でも、住宅ローンを借入後、一部繰上返済を活用して、返済期間を短縮していくことも考えられます。
審査に通過しやすいのは30~40代
次は、住宅ローンを借入するうえで重要な、審査に通過しやすい年齢、もしくは、より大きな金額が借入出来る年齢を考えてみましょう。
収入は年齢とともに上昇
日本の企業の場合、まだまだ「年功序列型」、もしくは定期昇給がある給与体系となっていることが多く、年齢ととともに給与が高くなっていく傾向があります。
住宅ローン審査では、年収が高いことは、非常に有利に働きます。
そのため、住宅ローンの申込に支障が無い範囲であれば、年齢が高い方が、有利ということになります。
20歳台は早すぎる?
住宅ローンを借入するにあたっては、定年前に完済できるというのは大きなメリットになります。
そのためには、若いうちに借入する方が、定年前に完済できる可能性も高くなりますので、20歳台で借入した方が良いという考え方もあります。
しかし、20歳台で住宅ローンを借入するには以下のようなデメリットがあります。
①収入が低く、借入できる金額が少ない
②自己資金が不十分
③ライフプランが固まっておらず買い替えが必要になることも
①と②がデメリットとして捉えられることが多いでしょう。
若い方の傾向として、収入と貯蓄が少ないという特徴があり、審査に不利に働きます。
③は、20歳台では、結婚や、子供などの家族構成、共働きを続けるかなど、将来的なライフプランが固まっておらず、20歳台で購入しても、数年後に買い替えが必要となることもあります。
その場合、住宅購入にかかる諸費用、手間暇が2重にかかるというデメリットがあります。
50歳台では借入期間が短い
前述の通り、住宅ローンで35年間借入するためには、40歳~45歳が借入する上限の年齢となります。
定年前に完済を目指すなら、期中の一部繰り上げ返済を前提としても、25~35歳という年齢で考えておいた方が良いでしょう。
年齢が上がって、収入が増加しても、40歳台後半では、借入期間が短くなり、結果として、借入可能額が減少したり、審査に通過できないということもあり得ます。
また、民間銀行の住宅ローンでは、「団体信用生命保険」に加入できることが必須条件です。
これは、一種の生命保険で、死亡時に住宅ローンを完済してくれる制度です。
年齢が上昇するとともに、団体信用生命保険の加入可否に関わる、病気などが発生してしまうリスクもあります。
結果として、審査に通過しやすい年齢は、30歳~45歳までと考えられます。
いつ借入するのが良いか
先程は、住宅ローンの審査の観点から、借入に適した年齢を考えてみました。
しかし、借入できる年齢と、実際に借り入れした方が良い年齢が異なることもあります。
次は、実際に借り入れするのに適した年齢を考えてみましょう。
実際面で考えれば、定年前に完済できる可能性が高くなりますので、若い方が有利となります。
しかしながら、20歳台で住宅ローンを借りた方が良いかどうかは、それぞれのライフプランと、購入したい住宅によって変わってきます。
例えば、まだ結婚していないが、将来的には結婚したい、もしくは、将来的に子供が欲しいが、今は夫婦2人なので、広い家は不要という方には、住宅ローンの借入は向いていません。
急いで購入しても、ライフプランが変わってしまう可能性もあります。
また、良い家が見つかっても、年収や、自己資金で不利になることもあります。
結果的には、ある程度ライフプランが固まってくる30歳台が、住宅ローンを借入するのに適した年齢と考えられます。
若い世代が住宅ローンを借りるコツ
若い世代(20歳台など)で、ご自身のライフプランが固まっており、欲しい家も決まっているという方もいるでしょう。
そういった方であれば、若いうちに自宅を購入して、早期に住宅ローンを完済することは悪いことではありません。
そのために、20歳台で住宅ローンを借りる際のポイントを解説しておきます。
20歳台で住宅ローンを借入する際のポイントは、自己資金と、「夫婦共働き」です。
住宅ローン審査では、自己資金は多い方が有利となり、購入する家を選びやすくなります。
また貯蓄額が少ない方は、親からの援助が受けられないか、相談してみるのも良いでしょう。
現在は、子供がいないが、今後、子供が欲しいという方は、共働きを継続するかどうかを考えておく必要があります。
共働きを前提とした返済計画で購入して、その後、奥さんが専業主婦になると、返済が苦しくなってしまうこともあります。
住宅ローン審査をする銀行としても、こういった見込みについては確認します。
一軒家のローン審査に通らない原因とは
一軒家の住宅ローンは、銀行や信用金庫などの金融機関から申し込みをしますが、必ず審査を受ける必要があります。
当然、審査で融資が難しいとなれば審査落ちとなり、住宅ローンを組むことはできません。
実は住宅ローンに審査に通らない人には幾つかの共通点があります。
一軒家の審査落ちをしてしまう人の特徴をまとめたので、自分が当てはまらないか事前に確認してみましょう。
個人信用情報に問題がある場合
クレジットカードやカードローンなどを過去に利用している場合、その利用情報は個人信用情報として保管され、審査時に必ず確認されます。
そのため、個人信用情報に問題がある場合には、住宅ローンの審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
問題がある情報として、よくあげられるものが返済の滞納情報です。
過去に何度か返済を滞納している場合、特に滞納期間が2か月以上の長期間になるときは審査落ちの原因になるので注意しましょう。
さらに、過去に債務整理を行っていると、ほぼ全ての金融機関で住宅ローンを組めなくなってしまいます。
債務整理などの情報の登録期限は個人使用情報登録機関によって若干違いがありますが、大体が5年から10年となっています。
債務整理や返済を滞納したことがある場合は、消滅するまで待って、申込みの時期をずらすことをおすすめします。
信用情報に「異動」という情報が記録されている人は、ブラックと判断され、審査には通過できませんが、異動情報には具体的に以下のものが該当します。
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自己破産や個人再生は10年、その他の情報は完済から5年間は異動情報として記録されますので、この間は絶対に住宅ローン審査には通過できません。
他社からの借入れがあるとき
現在進行形で他社からの借入れがあると、住宅ローンの審査に不利となってしまう場合があります。
特に消費者金融からの借入れは審査に不利となることが多く、金融機関によっては消費者金融のカードを持っているだけで審査に落とされてしまう危険がありますので注意をしてください。
またクレジットカードのキャッシング枠も、審査で同じように判断される場合があります。
もし、過去に消費者金融のカードローンを利用していたが、現在は完済しているのであれば、ローンカードを解約しましょう。
審査への影響を軽減するのにおすすめです。
また、マイカーローンや学資ローンなどの借入れは、直接的に審査に影響することはありませんが、返済残高分だけ住宅ローンの借入上限金額が減ってしまうことがあるため気を付けてください。
なお、奨学金やクレジットカードのショッピング枠は、滞納を行わない限り基本的に住宅ローンの審査に影響はありません。
住宅ローンの基準には返済負担比率という考えがあります。
返済負担比率とは、住宅ローンの年間返済額が年収の何%なのかということを定めた基準で多くの住宅ローンが30〜35%以下と決められています。
年収500万円の人であれば、住宅ローン年間返済が150万円〜175万円まで許容されますが、他社借入があると、その分住宅ローンの返済に充てることができる金額が少なくなりますので、他社借入の返済額によっては、住宅ローンを借りることができる金額が少なくなります。
収入や職業の条件を満たしていない
住宅ローンの審査には有利となる職業が幾つかあります。
例えば、公務員や医師、弁護士などは安定した収入があると見られやすいため非常に審査に有利です。
逆に、自営業や個人事業主、小企業の経営者の場合は、収入が不安定であると思われやすく同じ条件でも審査落ちをしてしまう確率が高くなります。
なお、ローン申込者の収入ですが、年収300万円以下と余りに収入が少ないケースを除き、審査落ちする直接の原因にはなりません。
しかし、年収300万円で6,000万円の住宅ローンを希望するなどのように、年収に見合わない融資額を希望する場合は審査に落ちてしまうことはありますので注意をしましょう。
審査に通過するためには、ローンの希望額を自分の年収などの条件に合わせて高額とならないよう調整することが、返済に困らないようにするためにも大変重要です。
家族関係が影響する可能性もあり
年収や職業ほどの影響はありませんが、家族関係も一軒家のローンに影響をあたえる可能性があります。
まず、扶養家族が多い場合には、社会的にも金融的にも信用能力が高くなります。
万が一、返済が厳しくなっても、家族がいる人の方が返済ができないからと言って逃げてしまうことがないためです。
さらに、大切な家族の家を守るため、安易に仕事を辞めるというようなリスクもないためです。
したがって、独身の人よりも配偶者がいる人、子供がいない人よりも子供がいる人の方が、信用能力が高くなり審査では有利です。
逆に、過去に離婚歴がある人は審査に不利になることがあります。
離婚を行うと信用能力が下がるだけでなく、慰謝料や養育費などの支払いによって、ローン返済に問題がでてしまう可能性が高くなると判断されるからです。
一軒家のローンに頭金は必要なのか
一軒家の住宅ローンを組むうえで、欠かせない項目に「頭金」があります。
ローンを組む前に現金で一定の金額を支払うわけですが、貯蓄状況や日々の生活の都合上、まとまったお金を用意できないから、頭金は支払いたくないという人もいるでしょう。
最近では頭金なしで住宅ローンを組む人も増えていますが、頭金は本当に必要なのでしょうか。
ここでは、頭金の必要性と頭金の適正金額について解説していきます。
リスクを減らすために頭金が重要
頭金を支払うメリットは幾つかありますが、大きい要点を占めるものに返済に困ったときのリスクを減らすことがあげられます。
例えば、3,000万円の一軒家をローンで購入したが、途中で職を失い返済に困って2,000万円で家を売却することになった仮定します。
このときに、頭金なしで購入していた場合、家の売却金額で賄いきれない1,000万円はそのまま借金として残ってしまいます。
貯蓄がなければ1,000万円ほどの大金を用意することができずに、自己破産をする必要があるかもしれません。
しかし、頭金として最初に1,000万円を支払っておけばローンは2,000万円となり、売却を行っても借金が残ることはありません。
当然売却金額や借金の返済状況があるので、頭金を支払っていても借金が残る可能性はありますが、頭金を支払っているだけで返済のリスクは格段に減らすことが可能です。
頭金の平均はいくらか
一軒家のローンを組むときには、リスク管理の面も含めて頭金を支払うことがおすすめですが、世間的には平均幾らの頭金を用意することが多いのでしょうか。
住宅ローンをサポートする公的機関の住宅金融支援機構が調査したものによると、2017年度の頭金の平均金額は450万円となっています。(全国平均、土地付き注文住宅のみ)
450万円と聞くと、人によっては非常に高額で簡単に用意できない金額かもしれません。
しかし、この平均値は所得によって区別されていないため、計算する際には超高額の住宅を購入した人も含まれています。
したがって、平均金額は余り気にすることなく、自分の年収と購入予定の住宅費用と考えて適正かを判断しましょう。
また、一般的には頭金は住宅購入金額の3割程度が適正であると言われています。
3割というと、1,000万円前後になってしまいますが、頭金3割で住宅ローンに申込をすれば、審査通過の可能性も高くなり、返済もかなり楽になります。
頭金3割を目指して貯蓄を頑張ってみましょう。
生活費を確保して頭金を考える
頭金を支払うことはリスクを減らすことができ、ローンの総額の減額に併せて支払利息も減らすことができるため、できる限り多く頭金を入れた方がよいと思われます。
しかし、貯蓄がなくなってしまうくらいに高額な頭金を支払うことは、その語の生活費を確保できなくなる可能性があり非常に危険です。
冠婚葬祭や不慮の事故でまとまったお金が必要になることが考えられますし、子供の教育費など将来に向けて貯蓄は重要でしょう。
したがって、頭金の額はいざというときの生活費を除いた金額で支払うことがおすすめです。
一般的には、月収の3か月分程度の預貯金とされています。
この金額を参考にして頭金の計算をするとよいでしょう。
一軒家のローンが払えないときはどうなってしまうのか
一軒家のローンの返済に困り払えなくなってしまった場合には、どのようになってしまうのか気になっている人もいるでしょう。
もし返済が1か月でも遅れてしまったら、住宅から追い出されてしまうようなことはあるのでしょうか。
そこで、ローンが払えなくなったときどうなるか、支払いに困ったときの対策について紹介していきます。
滞納してすぐに追い出されることはない
一軒家の住宅ローンの支払いに困ったとしても、1か月ですぐに持家が売りに出されて追い出されるということはありません。
もちろん、ローンの返済ができなくなると、一軒家を手放して返済に充てる必要がでてきますが、幾つかの手順を踏まないと金融機関も取立てができないです。
住宅ローンの返済を滞納したとして、大体3か月~1年間は強制徴収を待ってもらうことができます。
ただし、返済が遅れた日数に応じて、遅延損害金を支払う必要があります。
長期間の滞納は競売に掛けられることも
3か月以内の滞納であれば、ローンの返済金を強制的に徴収されることは少ないですが、3か月を超えると話は変わってきます。
金融機関は3か月以上の滞納を行っているローン利用者には、返済金額の一括請求を行うことが多いのです。
ローン利用者は返済を滞納して金融機関との契約違反を行っているため、一括請求を拒否することはできません。
さらに、ローンを一括で返済できる資金がない場合には、所有している財産を処分しなければならず、その結果購入した一軒家を売却する必要がでてくるでしょう。
このとき一軒家の売却を拒否し続ければ、金融機関側には一軒家を競売に掛ける権利がでてくるため、最悪の場合、強制で売却されてしまう可能性が高くなります。
3か月以上の長期間返済を滞納すると、金融機関のブラックリスト入りとなってしまうこともあり、今後の信用取引に影響がでてくるため、長期滞納になる前に対策をすることが大切です。
滞納しそうと思ったらすぐに相談
ローンの返済が困ってしまったときには、早めに金融機関に相談することがおすすめです。
ただ返済について金融機関に相談することは、お金がないということを打ち明けることでもあるため、なかなか言えずギリギリまで連絡しないという人も多いでしょう。
しかし、金融機関に相談を行わないと印象が悪くなる一方で、滞納後のやり取りに悪影響をあたえてしまうことも考えられます。
もしも金融機関に相談しづらいのであれば、消費生活センターや法テラスなどの公的機関に相談してみてもよいでしょう。
返済が少しでも苦しいなと思ったら、早め早めに相談をしてみましょう。
今は、金融機関は積極的にリスケジュールの相談にも応じています。
返済が苦しくなったら、具体的に以下のいずれかの方法で返済計画の見直しを行うことができます。
- 返済期間の延長
- 元金の返済の据え置き
所得が少なくなり、これまでの返済金額を返済していくことが難しい場合には、返済期間を延長すれば毎月返済額は少なくなります。
元金返済の据え置きをすれば、据え置き期間中は利息だけの支払いになるので、その間に職を探すことが可能になります。
このように、収入の状況に応じて、返済ができるようにリスケジュールの相談に銀行は乗ってくれます。
リスケジュールは、基本的に1回は必ず対応してくれますので、返済に困ったらなるべく早めに銀行へ相談しましょう。
リスケジュールをしてしまえばブラックにはならないので、将来的には他の借入をすることも可能です。
一軒家のローンで金利は大変重要
一軒家のローンは金利が1~2%以内となることが多く、差が0.1%単位では違いが分かりにくいかもしれません。
しかし、一軒家のローンは非常に高額で返済期間も長期間にわたるため、わずかな金利の差で大きな差がでてしまいます。
例えば、3,000万円のローンを35年払いで返済するとした場合、金利が1.0%のときには総支払利息は約550万円ですが、1.1%のときには支払利息は約615万円となり、65万円もの差がでます。
たった0.1%の差で50万円以上の差がでてしまうため、金融機関を選べるのであれば、幾つかの住宅ローン商品を比較検討し、少しでも安いところ選びましょう。
また、金利には変動金利と固定金利があります。
変動金利は、金利情勢に合わせて金利を見直すローンですので、マイナス金利導入によって史上最低水準の現在は変動金利が非常に低くなっています。
一方固定金利は固定期間の間は金利は変わりませんので、今後は金利が上がるかもしれないと不安な方は金利が低い今のうちに、固定金利で金利を固定させてしまうのも1つの方法です。
固定がよいのか、変動が良いのかは、自分で今後の金利情勢を予測し、最もリスクが少ないと思われる金利を選択するようにして下さい。
返済に余裕があれば借入期間を短くする
返済金額を減らすときには金利を下げることも大切ですが、同じぐらいに借入期間の長さも関連してきます。
住宅ローンの借入期間は35年間であることが多く、期間は固定であると思われやすいですが、実際は契約プランに縛りがない限り自由に選択することが可能です。
返済期間が長くなると、利息が掛かる期間も当然長くなります。
つまりローン金額が同じでも、返済期間が長ければ総支払金額は高くなるのです。
逆に借入期間が短くなれば、毎月の返済額は増えるものの利息を支払う期間も短くなるため、支払金額を減らしたいのであれば、あえね返済期間を短くして、返済額を大きくすることもおすすめです。
繰り上げ返済やボーナス払いのメリットとデメリット
繰り上げ返済やボーナス払いをすることで、サクサクと住宅ローン残高を減少させることができます。
早期完済の秘訣は繰り上げ返済と呼ばれるほど、住宅ローンの繰り上げ返済は重要です。
しかし、繰り上げ返済にはデメリットもあります。
住宅ローン控除期間中であれば、住宅ローン残高が減少するため、控除される金額が少なくなります。
また、繰り上げ返済をせずに、運用した方がプラスになる場合もあります。
現在、住宅ローンの金利は1%以下であることが一般的です。
ということは、1%超で運用かできれば繰り上げ返済をするよりも得になりますし、いざお金が必要な場面になっても、貯蓄で対応することができます。
住宅ローンの繰り上げ返済は確かに早期完済の近道ですが、場合によっては早期完済を目指すよりも資産運用を行った方がメリットが出る場合もありますので、返済と貯蓄のバランスを考えながら繰り上げ返済をすることが大切です。
住宅ローン控除のメリットとデメリット
先ほど触れたように、住宅ローンを借りると、住宅ローン控除という税制優遇を受けることができます。
住宅ローンローン控除とは、住宅ローンを借りてから10年間、住宅ローンの年末残高の1%が所得税から税額控除されるというものです。
単純に住宅ローンの年末残高の1%分の所得税が、10年に渡って還付(源泉徴収される給与所得者の場合)されることになりますので、かなりおトクな税制です。
なお、所得税から控除しきれない場合には、住民税から控除されます。
また、消費増税の景気対策として、現在借入後10年間控除されている住宅ローン減税期間が15年に延長させることになりそうですので、今後はさらに長期間、所得税の税額控除を受けることができる見込みです。
思ってたより住宅ローン控除の恩恵デカくて感激してる
— 華紅彌(かぐや) (@kaguya_hw) 2019年1月22日
団体信用生命保険とは?
住宅ローンを借入することによって、生命保険を見直すことができます。
場合によっては月に数万円の保険料を節約することができますのできます。
住宅ローンの借入には団体信用生命保険の加入が義務付けられています。
団体信用生命保険は、住宅ローンの借主が死亡した場合に保険料から住宅ローンの残高を返済することができるので、団体信用生命保険に加入することで、もしものことがあっても、家族に借金を残すことなく、自宅を家族に残すことができます。
このため、これまでの保険を見直すことができるのです。
さらに最近の住宅ローンは八大疾病などの病気やケガへの特約もついていますので、医療保険などを見直すことも可能です。
固定資産税もきちんと考えよう
住宅を購入すると、固定資産税も発生します。
固定資産税は固定資産税評価額×1.4%で計算しますが、住宅の場合には以下の特例があります。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準の6分の1
一般住宅用地(200㎡超の部分)は課税標準の3分の1
新築の一般住宅は3年間固定資産税が2分の1
3階建以上の耐火構造、準耐火構造の住宅は5年間固定資産税が2分の1
地方自治体に問い合わせれば固定資産税評価額を知ることができます。
住宅購入に伴う費用負担はローン返済だけではありませんので、毎年支払わなければならない固定資産税もしっかりと考慮した上で生活設計を立てるようにしましょう。
一軒家のローンで年収に対してどの程度組めるのか
一軒家のローンは年収に対して、どれくらいまで組むことができるのか気になるところだと思います。
住宅ローンを組む金融機関や団体によって上限金額はかなり違ってきますが、中には年収の10倍までローンを組むことができる金融機関もあります。
しかし、年収の10倍もの金額のローンを組むと、月々の返済に無理がでてしまう可能性があり余りおすすめはできません。
一般的には年収の5倍程度で組むことが多いので、このラインをひとつの目安としてローン金額を組み立ててみるといいでしょう。
もちろん頭金を出せば、ローン金額を減らすことができます。
自分の年収、頭金の金額、毎月の理想の返済金額などを総合して、ローンの金額を決めてみてください。
Q&A
一軒家購入や住宅ローンに関して、よくある質問をまとめてみました。
Q.離婚してすぐ再婚したけれどローンは申し込める?
審査には離婚したとか、再婚したなどのことは関係ありません。
このため、銀行が返済に問題ないと考えれば住宅ローンを借りることができる場合もあります。
ただし、養育費や慰謝料の支払いがある場合には、毎月返済に回すことができる金額が少なくなってしまうので、返済負担率の基準を満たすことができずに審査落ちになる可能性があります。
Q.独身の場合は住宅ローンの審査に通りにくい?
銀行が返済に問題ないと判断すれば住宅ローンを借りることは可能です。
確かに結婚して家族状況が安定している人の方が審査にプラスにはなりますが、独身でも返済に問題ないだけの信用と安定した所得があれば十分に審査に通過できる可能性はあります。
Q.市民税や所得税を払っていないのだけれど・・・
住宅ローンを組めない可能性があります。
住宅ローンによっては納税証明書の提出が必要になる商品があり、税金を滞納していた場合には納税証明書が取れないので審査には通過できません。
また、納税証明書が不要の住宅ローンでも、税金の滞納によって、新築住宅が差し押さえられてしまう可能性があります。
このため、税金の滞納を解消してから申込をした方がよいでしょう。
税金滞納は差し押さえまで行かなければ、信用情報には記載されません。
このため、滞納を解消さえすれば、全く問題なく審査を受けることができますよ。
Q.夫婦だけど奥さんのみで申し込みをすると審査に通らない?
奥さんに十分な年収があれば申し込むことは可能です。
ただし、奥さんだけの年収では返済負担率を満たすことができない場合や、奥さんがパート勤務などの非正規雇用の場合には奥さん名義では審査に通過することはできません。
Q.勤務先が親の会社だと審査通過は難しい?
親の会社の財務状況が審査されます。
親の会社が5年以上の営業年数があり、債務超過でなく、毎年利益を安定的に出していれば審査に通過することができる可能性は十分にあります。
しかし、親の会社の業況が悪い場合には、収入が不安定だと判断されて審査通過は難しくなります。
なお、このような家族経営の会社に勤務している人や、経営者の方は会社のメインバンクに相談した方が、業況もメインバンクはよく理解しているので、かなり借りやすくなりますよ。
Q.住宅ローン借り換えはどんな影響がある?
借り換えによって金利が下がれば返済額が軽減します。
また、より保証内容が充実した団体信用生命保険に入り直すことも可能です。
ただし、借り換えられた側の銀行の気分はよくありませんので、元々住宅ローンを借りていた銀行との関係性は悪くなってしまうでしょう。
なお、住宅ローン控除期間中に借り換えをしても、税務署に住宅ローン控除の手続きを特別に行う必要はありません。
まとめ
住宅ローンを借りるうえで、年齢におけるポイントは以下です。
- 定年前に完済するには、25歳~35歳が借入時期の目安
- 45歳を超えると、35年間借入できなくなる
- 20歳台で購入するにはライフプランが大切
- 20歳台は住宅ローン審査で不利
結果として、住宅ローンを購入するうえでは、30歳~35歳あたりが最適と考えられます。
しかし、ライフプランや、自己資金の貯蓄度合い、親からの援助が受けられるかといった要素で変化することもあります。
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