3社以上での多重債務でも借りれるおまとめローン
- 執筆者の情報
- 名前:馬沢結愛(30歳)
職歴:平成18年4月より信用金庫勤務
目次
3社以上でも借りられる
おまとめローンは複数のローンから借入しているものを1つにまとめて返済していくローンのことをいいます。
カードローンなどの場合、大抵の人は1社か2社から借り入れしているという人がほとんどですが、中には借金をしたそのお金で別の借金を返済するといういわゆる自転車操業をした結果3社以上から借りている人もいます。
これが属にいう多重債務者といわれる人の典型的な陥り方であり、こうなってしまうと常に返済に追われて普通の生活を送ることが難しくなってしまいます。
多重債務となったときに考えるのがおまとめローンだと思いますが、3社以上から借入していると借入金の総額は多額になっていることがほとんどですので借りられないのではと思うかもしれません。
ですが、多重債務者の減少を目的としているおまとめローンは3社以上からの借入している場合でも借りることはできます。
しかし、借りることはできますが注意しなければならないこともありますので紹介していきます。
最大でも5社が限度
3社以上借入している人の中には5社や6社から借り入れしている人もいますが、おまとめローンによってまとめることができるローンは最大で5社が限度であるといわれています。
最大5社ですので、よほど信用や年収がなければほとんどの場合には5社すべてをまとめられる金額を借りることはできませんので、多くても4社が限度であると考えておく方が無難です。
また、5社といってもそれぞれから借りている金額は違いますので、年収に対して借入金の総額がどれくらいあるのかが重要となりますし、借入先が多くなれば返済日も違って返済しにくくなってしまいますので返済の履歴も重要となります。
信用が低ければそれだけ借りられる金額は少なくなりますので、信用の度合いによって何社分をまとめられるかが大きく変わります。
借入2社の人は意外と多い
カードローンを2社から借入していると聞くと借り過ぎなのではと思う人も多いと思いますが、実は意外と多くの人が2社から借入しています。
銀行で2社や消費者金融で2社、銀行と消費者金融で1社ずつなどさまざまな組み合わせで2社から借入しています。
カードローンはその性質上、利用限度額の範囲内であればいつでも好きなときに借入することができるローンですので返済していたとしても限度額までの枠があればつい借りてしまうということが起きてしまいます。
こうしていくうちに1社のカードローンだけでは足りなくなってしまい、2社目のカードローンを借りてしまうという状況となる人が多くなってしまいます。
パートやアルバイトも2社から借りられる
パートやアルバイトで収入を得ている人も2社から借りいれしている人は多いです。
消費者金融のカードローンであれば総量規制の関係からいくと年収が90万円であれば30万円までのカードローンを借りることができます。
しかし、総量規制ぎりぎりの金額を借りられることはほとんどありませんので、生活費のために1社から10万円を借り、次に2社目も10万円を借りるというように2社から借入してしまうということになります。
2社からの借入といってもその人の職業や年収によって借入の総額は大きく異なります。
借入2社でまとめておく方がいい
おまとめローンを借りるタイミングとしては2社から借入しているときが1番いいといえます。
2社からの借入をしている人は意外と多いですが、言ってしまえば多重債務者の一歩手前である状態と言えます。
つまり多重債務者予備軍のような人たちであり、2社からの借入を続けていくと段々に自転車操業となり3社、4社と増えていく場合もあります。
本当の多重債務者とならないためにもおまとめローンを借りるのは2社から借入していて、かつ2つのカードローンの利用限度額を目一杯利用している場合が1番いいタイミングであるといえます。
借入2社のときにおまとめローンを借りるメリット
借入が2社のときにおまとめローンを借りるメリットは、
- 審査が通りやすい
- 借入額が比較的少ない
- 返済期間が短く済む
ということが挙げられます。
借入が2社である場合の一般的な借入総額は50万円~100万円であり、きちんと返済をしてきている人であれば審査は比較的通りやすいといえます。
また、このくらいの金額であれば銀行のカードローンをおまとめローンとして利用する場合であっても最初から希望する利用限度額の借入ができる可能性もあります。
消費者金融のおまとめローンで返済していくにしても、借入金額が少ないのであれば金利が高い場合であっても返済期間を短くすることによって金利の負担は少なくすることができます。
5社からの借入がおまとめローンの限度
おまとめローンでまとめることができるローンは5社が限度であるといわれています。
なぜ5社がおまとめローンの限度であるのかといいますと、カードローンは契約している利用限度額では借入が足りないという場合には増加といって利用限度額を増やすことができます。
増額は手続きも簡単にすることができ、それまでの利用実績を考慮して増額の審査をしますので、新たにカードローンを契約するよりも審査に通りやすいのが普通です。
借入先が多いということは、今現在借入しているところでは増額の審査が通らないために借入先が増えているのではという疑問を持たれてしまい、それによって審査が厳しくなってしまうことに繋がります。
5社までがまとめられる限度とはいっても、普通は5社をまとめることはできないことが多いですので、4社が限界で3社すべてを目一杯借りている状況がおまとめローンお申し込む最後のタイミングであると思っておく方が無難であるといえます。
審査のポイント
3社以上のローンをまとめる場合に審査が通りやすくなるためには先ほども少し触れましたが、「年収」と「信用」が重要となります。
年収は当然高ければ高いほど審査に有利となります。
信用では主に「勤続年数」と「返済実績」が重要となります。
勤続年数が長ければ辞めて無職となるリスクが低いと判断されますので、勤続年数は最低でも1年以上あるほうが望ましいといわれています。
返済実績は過去どのように返済してきたのかということであり、返済の遅れ(延滞)がなければ信用は高くなります。
おまとめローンを申し込む場合にはこれらを特に注意しながら申し込みすることで審査に通りやすくなります。
完済実績を作ることでさらに信用が高くなる
返済実績が優良であれば審査に有利となりますが、さらに完済実績があることによって信用が高くなります。
完済実績とは過去に借入したものをきちんと返済してしまったという実績であり、まだ完済したものが無いという場合にも少額のローンを完済させることによって実績を作ることができます。
また、完済できるものをしてしまうことができればまとめるために必要な借入金も少なくなりますので、二重の効果によって審査に通りやすくなります。
これは1度のおまとめローンですべてをまとめることができない場合であっても同じことがいえますので、希望する金額を借りることができなかったとしてもまとめたものの完済実績とそれからの返済実績によって信用を高くさせることができます。
審査が通らない理由を考える
おまとめローンの審査に通らない(否決)場合、まずは通らなかった理由を考えなければなりません。
おまとめローンの審査をする側はどうして通らなかったかということは教えてくれません。
しかし、通らなかった理由をきちんと把握していなければいくら申し込みをしたとしてもその後も審査に通ることは難しくなってしまいます。
また、申し込みと否決を数回繰り返していると「申込ブラック」と呼ばれる状況となり、さらに審査に通ることは難しくなってしまいます。
1度申し込みをして否決となった場合には最低でも6ヶ月は申し込みはせず、その間にきちんと理由を考える必要があります。
多重債務者が審査に通らない理由は延滞が原因
多重債務者が審査に通らないほとんどの理由は延滞している、または最近延滞したという理由で審査に通りません。
何社ものところから借入していると返済期日などの管理が大変で入金が遅れるということも起こりやすくなります。
延滞は「忙しくて入金できなかった」などというのは一切通用せず、延滞は延滞として記録されてしまいます。
延滞をすることは「返済の意識が低い」や「延滞となるだけ返済が厳しい」という印象を与えてしまいますので延滞があると大きな借入額になりやすいおまとめローンでは不利になってしまいます。
信用情報は自分でも照会できる
審査に利用される信用情報を管理する信用情報機関では本人に対して登録されている情報を開示しています。
ですので、審査に使われる情報を自分でも見ることができますので、その情報から審査に通らなかった理由を把握することも可能です。
自分の信用情報を照会するためには、信用情報機関所定の手続きを行うことによって見ることができます。
返済実績に限らず、1度信用情報を照会して自分の状況を把握することも大事なことですので、申し込み前に照会してみるのも1つの方法です。
信用が低ければ審査に落ちる
借入が2社である以外の場合でも信用が低ければ審査に通らないということは普通のことです。
ですが、2社で借入している場合の信用は「返済実績」が大きく影響しているといえます。
借入総額があまり大きくない2社からの借入では毎月きちんと返済できているのかという点を特に重視します。
少ない毎月返済額で遅れ(延滞)があるようであれば、お金に対してルーズな印象を受けてしまいますし、そのような人に貸したいと思うところは少ないです。
借入が少ないからこそ、きちんと返済をしていくことによって信用は高くなりますので延滞などせずに返済していくようにすることで初めて審査に通りやすいといえます。
完済実績があればなおいい
おまとめローンの審査によって返済実績は重要な項目でありますが、「完済実績」があるとさらに審査に通りやすくなります。
完済実績とは過去に借りていたローンをきちんと完済したという実績でありますので、信用を高める大きな要因となります。
ですので、以前は3社からカードローンを借りていたが1社のカードローンをすべて返済して解約したという実績があるといいということです。
しかし、カードローンの場合には解約をしなければ完済と見做さないということもあり、たとえ残高が0円であったとしてもいつでも借りられる状態であれば完済ではないと判断されることもあります。
おまとめローンを申し込む場合には使用していないカードローンやクレジットカードのキャッシング枠を解約してから申し込むと審査に通りやすくなります。
おまとめローンの紹介
3社以上のローンすべてをまとめるためには融資額が多いおまとめローンが望ましいといえます。
ですので、ここでは大手消費者金融や中堅消費者金融で提供している融資額が大きいおまとめローンを紹介していきます。
消費者金融 | 貸付金額 | 貸付利率 |
---|---|---|
プロミス | 300万円まで | 6.3%~17.8% |
ライフティ | 300万円まで | 8.0%~18.0% |
フクホー | 200万円まで | 7.3%~20.0% |
アロー | 200万円まで | 15.00%~19.94% |
銀行ローンでもまとめられる
3社以上のローンをまとめる場合でも銀行のローンで借りることはできます。
銀行ではおまとめローンというまとめることだけを目的としている商品を提供しているところはほとんどありませんが、普通のカードローンやフリーローンをおまとめローンとして利用することができます。
消費者金融のおまとめローンと比べると審査は厳しくはなってしまいますが、借りることができれば低い金利で借りることができる可能性もあります。
ですが、申し込みをする際にはその申し込みがまとめるためのもの(借り換え)としての申し込みであるということをきちんと申告しなければなりません。
申告しなかった場合には新たな借入であると判断されてしまい、すでに多くの借入がある多重債務者であれば審査に通ることはまずありません。
必ずおまとめローンとして利用することを伝えたうえで申し込みをしましょう。
多重債務状態で借金を増やさない
多重債務で借金の返済すらままならないのにこれ以上借金を増やすのは間違っています。
中小消費者金融なら借入件数が多少多くても借りれるかもしれませんが、さすがに総量規制以上貸してはくれませんよ。
たとえ総量規制以内だとしても、借入件数が4件以上になったらよほど返済能力がない限り借金を減らすことは難しいですね。
借金返済のために闇金からお金を借りるなんてとんでもないです。
借りたときは他社へ返済することができてほっとするかもしれませんが、闇金の返済が始まります。
闇金の返済はお金を借りてから10日ごとにしなければならないことが一般的で、消費者金融のようにお金を借りた翌月から返済が始まることはありません。
しかも金利が10日で30%や50%ですから、もし闇金から10万円も借りてしまったら10日ごとに3万円や5万円の利息を支払わなければならないのです。
これでは他の借金返済をしている場合ではありませんね。
たとえ中小消費者金融で貸してくれるところがあったとしても、多重債務なのにこれ以上借金を増やしてはいけません。
借入件数が増えれば他社への返済を他社から借りて返済する、つまり借金を借金で返すことになってしまい、借金残高は一向に減ることはありません。
でも多重債務だとどこも貸してくれないじゃん?
そんなことはありませんよ。
多重債務で借金返済に困っている人でも新たに現金を手に入れることはできませんが、借金完済を目指すことができる「おまとめローン」なら借りることができるのです。
多重債務はブラックではない
多重債務でどこからも借りることができないとしても、それはブラックとは違いますよ。
ブラックとは長期滞納や債務整理をしてどこの金融機関からも借りることができなくなった人のことを言います。
多重債務だからといってブラックなわけではありません。
ただ借入件数が多い、または借金額が年収の1/3近くまであるという理由で審査に落とされるわけです。
ただし多重債務者は何ブラック化してしまう可能性が高く、そのまま放置してしまうと借金返済が出来なくなって金融事故として登録されてしまう可能性も大きいのです。
ブラックになってしまうとおまとめローンを契約することはできなくなってしまいます。
そろそろ返済能力が限界かな、と思ったらブラックになる前におまとめローンで健全な借入に戻しましょう。
返済能力がないなら債務整理
おまとめローンは金額によっては返済期間が5年以上10年近くになる場合もあります。
長期間支払って行くには、収入から生活費全般を差し引いて十分返済できるだけの能力がなければなりません。
もし返済能力がないと思うのなら法律の専門家と相談しながら債務整理を検討するなど、違った方向で多重債務から抜け出す方法もアリですね。
まとめ
3社以上から借入している人にとっておまとめローンは最後に頼るローンであるといえます。
ここで失敗してしまうと後は自己破産しなければならない状況まで行く可能性が極めて高いです。
ですので、おまとめローンの申し込みには細心の注意が必要であり、できることなら1回の申し込みですべてをまとめることが重要となります。
そのためにも申し込み前に自分の返済実績などの信用がどの程度なのかをきちんと把握する必要があります。
把握したうえで信用に自信がないという場合には1度考え直し、まずは信用を高めることに集中しましょう。
そうすることによっておまとめローンを借りやすくなりますので、事前の準備が重要であるといえます。
タグ:借金・お金の悩み