【相続税】親族からの借入金には要注意!贈与税との違いを押さえよう

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親族から借入金をしている場合に注意しておかないと、単なる借入金から贈与扱いになってしまいます。

「贈与扱いになるなら」と踏み倒した場合には、借金を返済しなかった代償で税金が発生する可能性が大きくなってしまいます。

借入金と贈与税、そして相続税との違いを簡潔に説明しますので、ポイントを押さえてください。

執筆者の情報
名前:馬野 伸斗(50歳)
職歴:信用組合に20年以上勤務

相続税と贈与税の違い

相続税と贈与税の違い

そもそも相続税と贈与税は一体何が違うのかという所からですが、相続税とは親族が他界したときに、残された家族が故人の財産を相続した場合に発生する税金です。

相続したからといってすべての財産に相続税が発生する訳ではありません。

贈与税とは1年間のうちにもらった財産に対して、発生する税金のことです。

相続税と贈与税の両方に共通するのは、基礎控除額より財産が下回っていれば税金は発生しませんし、上回っていれば発生するという仕組みです。

借入金を相続するとは?

借入金といった負債は、資産と同じように相続財産となります。

ただし、銀行からの借入金は一般的な相続財産と異なる点がありますのでこれから話すことを覚えておきましょう。

遺産分割協議ってなに?

相続は、法定割合といって相続人に引き継がれる資産や負債の割合が決まっています。

ただし、法定割合よる分割に納得しない相続人もよく見かけます。

そこで遺産分割協議といって、法定割合によらず、遺言や相続人同士での話合いで分割割合を決める方法が認められています。

この方法によって特定の資産や負債を相続人に引継ぎすることが可能となります。

しかし、ここで注意したいのが銀行借入は遺産分割協議の対象とならないという点です。

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債権者と相続人の関係

先ほど話ししたとおり、銀行からの借入金は遺産分割協議の対象とはなりません。

それは、債権者である銀行が保護しているためです。

例えば相続人が2人いて、遺産分割協議によって片方に資産を全て相続し、もう片方に借金を全て相続したとしましょう。

その場合、銀行としては亡くなった被相続人の資産も、勘案した上で融資をしたにもかかわらず、資産のない相続人に融資を引き継ぐ形になります。

すると返済が滞る可能性も出てきますし、資産がないからといって相続人に自己破産をされかねません。

このようなことを防ぐためにも、銀行は遺産分割協議にしたがう必要がなく、相続人全てに法定割合分の返済を主張することができるのです。

言い換えると、借入をしている人は相続人みんなに返済の負担を負わすことにもなりかねませんので、これから話しする対策方法を覚えておきましょう。

相続より多額の返済!そのときの対応策

先ほど話ししたとおり、銀行借入は財産と同じように相続される上に、引受人を指名して相続することができません。

また、場合によっては相続人が財産以上の借金を引き継ぎ、多額の返済に苦しむことになりかねません。

そこで借入の相続対策についてまとめましたので紹介します。

借入れは生前に整理するのが理想

銀行借入金の相続対策として、生前に完済して整理しておくことが好ましいでしょう。

しかし、借入が多額になると一括返済するのが難しいかもしれません。

そこで、生命保険の利用を検討しましょう。

これは死亡保険金で借入残高を返済するという方法であり、掛け捨てタイプでしたら保険料も少なくなる可能性があります。

また、そもそも住宅ローンには団体信用生命といった生命保険が付いているケースが多いので、一度は確認しておくことをおすすめします。

借金を肩代わりする必要があるの?借金も相続するって本当?

銀行と交渉してみる

銀行借入は、遺産分割協議は適用されずに法定相続されるという話をしました。

ただし、相続人が銀行と交渉する余地はあります。

それは、銀行にとっても借入を案分して法定相続するより、返済が見込める人に全て相続してほしいからです。

このように、相続人のひとりが他の相続人の借入金を全て背負うことを、免責的債務引受け(めんせきてきさいむひきうけ)といいます。

ただし、借入を引き受ける相続人は銀行審査を受けるほか、場合によっては追加担保を差し入れするケースもありますので注意しましょう。

相続放棄という選択もあり?

借入金の相続対策として、資産も負債も含めて相続自体を放棄する方法も考えられます。

それは、相続する資産がなかったり、あったとしても換金性の低い同族会社の株式であったり、価値の低い不動産であれば、そもそも相続をするメリットが少ないからです。

ただし、相続放棄は被相続人が亡くなった3か月以内に手続きをする必要があり、それを超えると単純承認といって相続を認めることとなりますので注意が必要です。

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生前贈与とは?

限られたケースになりますが、相続対策として借入金を生前贈与する方法も考えられます。

これは、アパートローンなど不動産の借入であれば、その不動産と一緒に借入も生前贈与できるといった負担付贈与を利用するものです。

この方法により、生前に特定の相続人に借入を引き継ぐことが可能となります。

ただし、債権者である銀行の同意が必要であるほか、贈与税や譲渡による所得税や住民税といった税金が発生する可能性がありますので注意しましょう。

借入金は相続財産から差し引くことができる

借入金は相続財産から差し引くことができる

個人が残した財産がすべて、自身の財産にプラスとなるようなものばかりだとは限りません。

仮に借金をしていたとするならば、その借金も相続することになってしまいます。

銀行などの金融機関での借入金があった場合は、その分を差引きした金額を相続することができます。

金融機関としてもお金を貸していた契約者が他界したことが分かったときには、まず誰が相続したのかを確認し、その相続者に今後請求をかけてきます。

そのため、単純にその借金の金額分を引いた預金額が実質手元に残る財産となる訳です。

分かりやすく家族が知っている借金であればいいのですが、誰も知らなかったり後々になって借金が判明したりする場合は金銭トラブルのきっかけとなる場合もあります。

したがって、他界後は故人の持ち物を確認し、「借金などなかったのか」をまず確認しておくと安心でしょう。

分からないようであれば「信用情報機関」に問い合わせをして、「本人死亡の開示手続き」を行ってください。

そうすることで「この人は既に他界された」という番号が記載されますので、該当する金融機関から連絡が入り現状いくら借金をしているかも分かります。

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貸手が親族でも遺産相続から控除することが可能

貸手が親族であったとしても、銀行などと同じ条件で相続されます。

例えば親から借金を500万円していたとしましょう。

親が他界し相続した金額が2,000万円だった場合には、本来相続すべき金額2,000万円―借入金500万円=1,500万円を相続することになります。

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債務と確実に認められることがポイント

借金の分を差し引けるということは、その分相続する財産が少なくなり、税金の控除に該当する可能性が高くなってきます。

しかしここでのポイントは、「これは間違いなく債務であります」と税務署に認められることです。

これが不明確になってしまうと、税務署から「いやこれは単なる贈与でしょう」と突っ込まれてしまう可能性が出てきます。

贈与とみなされれば差引きもできませんし、その金額が多きければ基礎控除額を超える可能性が出てきて贈与税が発生してしまいます。

税務署から贈与と疑われないように

税務署から贈与と疑われないように

では実際にどういった手順や方法を踏めば、贈与とみなされずに済むのでしょうか。

具体的な例をみていきましょう。

借用書を作成しましょう

まず基本となるのが借用書の有無です。

特に親族間となると口頭のみの約束であったり、督促なしのあるとき払いだったりと、第三者からみて本当に借入金があったのかが疑わしいと勘繰られてしまいます。

そのために必ず借用書は作成しておかないと、お互いの身を守れません。

単に「〇月〇日 〇〇〇円貸しました(借りました)」のみではなく、貸付した日付や貸した金額、何日に振込をするのか手渡しをするのか、初回返済日はいつで、完済年月日はいつのなるのか、利息の有無などを細かく明記する必要があります。

そして、貸した金額に応じた収入印紙を貼ることを忘れないようにしましょう。

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資金移動を明らかにする

得に金額が大きい場合は、返済年月日も長くなります。

長ければ長くなるほど人間の記憶もあやふやになってきますので、必ずお金は銀行振込で行うようにしておきましょう。

返済もしかりです。

これで通帳を記帳すれば返済振込をした日付と金額も確認できますし、万が一昔の通帳を紛失してしまっても、銀行に依頼すればすべて記帳した書類を取り寄せることもできます。(別途有料)

銀行という第三者を間に置くことで、「間違いなく資金はこうやって移動した」という証明になりますので有効でしょう。

借り手が返済できない場合

事情によっては、「借用書は記載するけれども実は返すアテがない」といった場合もあることでしょう。

また、「もうこれはあげたお金だから」とむしろ返済を望んでいない場合もありますが、その場合は大きな贈与税が発生してしまいます。

このようなときには、せっかくよかれと思った親切心が返ってアダとなってしまいますので、そういった場合は必ず借用書に「贈与税の非課税枠である」ということを記載しておく必要があります。

具体的にどのような場合に、非課税になるかというと次のようになります。

  • 住宅取得資金:(平成29年10月~平成30年9月まで)長期優良住宅1,000万円まで、それ以外500万円まで(平成30年10月~平成31年9月まで)長期優良住宅800万円まで、それ以外300万円まで。
  • 車の購入や開業資金:年間の返済額が110万円まで

必ずこのふたつは記載しておかないと、税金が発生してしまうので要注意です。

借り手が不動産を持っている場合

借り手が不動産を所有していた場合は、特に税務署に怪しまれてしまいます。

不動産という財産がありながらなぜ売却せずに借金をするのか、と思われてしまうためです。

現金が必要ならばまずは自身の資産を売却する方が優先と、一般的には考えるので、売却せずにお金を借りるという行為自体不自然だとみられてしまいます。

また売却せずとも所有している不動産を、担保に銀行から借り入れできるのではないかともみられてしまいます。

そのため所有している不動産を持っていても、借入れが金融機関からできないという明確な理由をそろえておくといいでしょう。

例えば、申込みをしたが融資を断られた(申込書を残しておく)、売却しても希望金額に達しない(不動産の評価額の書類)、借用書に必ず抵当権を入れる、対物弁済予約を設定しておくなどを理由を準備しておくと安心です。

医療費などの請求書を保管

親にお金を貸す場合の理由として、多いのが医療費です。

そのため、必ず医療費の請求書や病院までタクシーを使用した場合は、タクシーの領収書や薬の領収書すべて保管しておきましょう。

「これはあくまで一時的に立て替えただけです」という証拠になります。

相続税の基礎控除をしっかりとおさえよう

相続税は個人の資産を相続したら必ず発生する税ですが、控除されるべきものもありますのでまずはそこをしっかりとおさえていきましょう。

相続税基礎控除の計算方法は、3,000万円+(法定相続人×600万円)です。

仮に法定相続人が2人だとしたら、「3,000万円+2人×600万円=4,200万円」となります。

そして、相続した金額が4,200万円以上であれば相続税が発生するという内容になります。

基礎控除内であれば申告手続きは不要

計算で基礎控除内になったならば申告の義務がありませんので、特に申告手続きも必要ありません。

ただし「優遇措置」を使って基礎控除内になった場合には、申告をする必要がでてきますので注意が必要です。

相続税で認められている優遇措置とは

優遇措置も細かく規定がありますが、一番身近になるのは配偶者の税減処置でしょう。

これは夫婦どちらかが他界し、配偶者が財産を相続しても税金が発生しないように認められた優遇措置です。

この優遇措置は申告しないと、税金がそのまま発生してしまいますので、注意が必要になります。

借入金は控除可能?

他界した人に借入金があった場合には差引き控除が可能です。

ただし「これは確実に借入金である」と認められることが大前提になります。

身内間で口約束などの方法で行う借入金は、証明するのが少し難しくなりますので、注意が必要になります。

また借入金とは少し意味合いが異なりますが、未納の税金があった場合も控除は可能です。

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住宅ローンは同じ「借入金」という仲間に感じますが、実は控除対象ではありません。

しかし、「控除もできないならば、そのまま負の遺産として相続するしか方法はないのか?」と思う人もいるでしょうが、安心をしてください。

ポイントは住宅ローンを組むときに、団体信用生命保険に加入していたかどうかです。

もし、加入をしていなければ、そのまま控除されず相続人に住宅ローンは引き継がれます。

金額によっては財産放棄の手続きを取る必要がでてくるかもしれません。

しかし団体信用生命保険に加入していたならば、契約者が他界したときの残高に応じて生命保険会社が受取人に保険金を支払い、そのお金を持って住宅ローンを完済させることができます。

保証債務は債務と認められない

では、故人に直接的な借入金はない場合で、保証人になっていたときはどうなるのでしょうか。

基本的に保証債務は控除としては認められません。

あくまで「保証していた」だけですので、個人が主として借入をしていた訳ではないという判断になります。

しかしどうしても保証していた人が支払い困難になり、代わりに支払うしかない場合や、保証をしていた人にその分を返還するように求めても応じられない場合には、相続税の控除対象となります。

◆国税庁公式サイト:「相続税基本通達 14-3(保証債務及び連帯債務)」

相続開始前3年以内に贈与を受けたときのポイント

何かしらの財産を贈与してもらって3年以内に相続すべき人が他界した場合には、以前に贈与した分も相続税に加算されてしまいます。

いつ他界するかなんて誰にも分かりませんので、万が一3年以内に贈与してもらった人は注意が必要です。

贈与を受けた財産は相続財産になる?

3年以内に贈与を受けた財産は、相続財産とみなされます。

「既に故人の財産ではないのに」となりますが、相続税節税対策として生前贈与とされないように、3年以内という年数で縛っています。

また、贈与税控除額のラインである110万円以下の財産でも加算されるますし、相続税にプラスされる金額は贈与された当時の評価額となります。

また形あるものばかりが贈与される訳ではありません。

大金が動くことが多い住宅取得時に資金の贈与を行っていた場合には、金額が非課税であれば加算されませんが課税対象ならばプラスされます(非課税金額は年度によって変動するので確認しておいた方がいいでしょう)。

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過去3年以内の贈与税は相続税で控除?

単純に過去3年以内に贈与された場合でも、贈与されたときに支払った「贈与税」と言う税金もありますし、そのうえ相続税に加算されるとなると税金の二重払いになってしまいます。

そのため相続税控除の優遇措置として、「贈与税控除」という控除ができるようになっています。

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気をつけておきたい「借金の時効」

いくら形式上色々な書類がそろっていたとしても、そもそも全く返済をしていなければ借金があったと認められる可能性が低くなってきます。

個人間の借金の時効は10年です。

もちろん途中で支払い督促を簡易裁判所に提出し、書面が債務者に届いた時点で時効は中断しますが、何もしなかった場合は時効が成立してしまいますので注意をしてください。

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まとめ

先に話したことすべて書類としてまとめたとしても、疑われてしまうケースは「常識の範囲であるかどうか」という点です。

いくら書類だけ完璧にそろえていても、「これは常識的に考えてありえないお金の流れだろう」と判断されると意味がなくなってしまいます。

そのための大前提として、「話のつじつまはあっているのか」「整合性は取れているのか」を細かく確認しながらすすめていくことをおすすめします。

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