売上と借入比率から適正な融資額を計算する方法
銀行融資は会社の資金繰りを、安定させる便利なものです。
したがって、経営者は自分の会社がいくらまで借入できるか、知っておかなければいけないでしょう。
ただし銀行は、会社の売上げや借入規模といった様々な指標によって、融資額を決めています。
今回は売上や借入比率に関連する計算方法について、まとめましたので順番に確認していきましょう。
この記事はこんな人におすすめ
今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。
- 銀行から後どれくらい借入ができるか目安を知りたい人
- 銀行がチェックしている指標について知りたい人
- 借入金を増やすための方法が気になる人
記事の目次
健全な借入金の目安とは?
銀行融資にはここまでであれば、お金を貸しても返済をしてもらえるだろうと思われる、健全な融資額の目安があります。
この目安は会社の決算書に記載されている、数字によって計算します。
銀行は会社の決算書から、融資をしても大丈夫か常に計算をしているので、申込前に自社が目安に対して、どの程度の位置にいるのか確認することは大切です。
そこで、これから話しする計算方式によって、会社がどのくらい借入できるか確認してみましょう。
借入金対月商比
借入金対月商比は、会社が売り上げ何か月分の借入金を有しているかを示す指標です。
この指標は少ないほど好ましく、銀行からまだ融資をしても大丈夫と思われやすいです。
計算は次のようにできます。
「借入金対月商比=銀行借入金の合計/年間売上げ÷12」
計算上の注意点として、会社が社長から借入した役員借入金は除くようにしましょう。
会社の借入金の合計は、月商の3か月分までが安全なラインとされており、月商の8か月以上になると借入過多とされています。
したがって、借入金対月商比が8以上となる会社は、追加の銀行融資が厳しくなりますので注意しましょう。
債務償還年数
債務償還年数は、会社が借入金を完済するのに何年かかるかを示す指標です。
この指標は少ないほど返済にかかる期間が短いため、借入金に対する依存度が少なく良好な経営をしている目安になります。
計算は次のようになります。
「債務償還年数=銀行借入金の合計-正常運転資金/キャッシュフロー」
この計算で借入金から正常運転資金を引く理由は、会社の運転資金はキャッシュフローがなく売掛債権の回収によって支払いされるものとされているからです。
また、正常運転資金と、キャッシュフローの計算は次のようにします。
「正常運転資金=売掛債権+棚卸資産(在庫)-買掛金」
「キャッシュ・フロー=営業利益+減価償却費-法人税」
これらで計算された債務償還年数が10年以上となると、銀行融資の審査が厳しくなりますので注意しましょう。
流動比率
流動比率は、1年以内に返済や現金化できる流動資産や流動負債から、企業の安定性を求める指標ですが、流動負債が流動資産でどの程度カバーされているか計算します。
この指標は大きいほど流動資産の割合が多いため好ましく、計算は次のようにできます。
「流動比率=流動資産/流動負債×100%」
この指標が重視される理由に付いてみていきましょう。
その理由は、会社がすぐに支払う必要がある買掛金や短期借入金などの流動負債は、現預金などの流動負債でまかなう必要があるからになります。
流動比率の割合が大きい会社であるほど、短期間のキャッシュフローが正常に行えているため短期的な安定性は高いです。
逆に、流動比率が100%を切る会社は、短期的な資金繰りが潤滑に行えていないため、支払い能力がないと判断されやすいので注意が必要です。
《流動比率》企業の短期的な支払い能力を見る指標です。流動比率が高いほど支払い能力が高いことになります。
— 大人ですって言い切る為の経済用語集!! (@raizingman) 2019年2月18日
いくらまでの融資を受けることができるか
これまでに3点の代表的な経営指標を確認してきましたが、銀行はこの3点を含めた様々な指標からいくらまで融資を行うかを判断します。
そこで、銀行がいくらまで融資を行うかの目安に基づいて、会社が実際にいくらまで融資を受けることができるか確認しましょう。
銀行は売上げと比較して借入金規模を見る
会社が借入できる金額の一番分かりやすい目安は、月商の何か月分であるかです。
それは、先ほど話ししたとおり、銀行は会社の売上げと比較して借入金規模を見るからです。
会社の売上が大きければ大きいほど、返済を行ってもらえる確率があがるため、銀行としても積極的に融資が行いやすいです。
したがって、先ほど紹介した目安のとおり、健全とされる月商の、3か月分程度までの金額なら、比較的借入しやすいと考えられます。
ただし、借入金額を大きくするために、売上げを大きく見せるのは止めましょう。
そのような粉飾決算は、これから話しするように銀行にすぐばれるからです。
粉飾決算と疑われるのはなぜ?
銀行は会社の粉飾決算をすぐに見抜きます。
それは、粉飾決算をすると、決算書の数字に矛盾ができるからです。
例えば売上げが増えているのに、それに連動するはずの原価や人件費といった経費が増えていないなど、決算書を見ることで粉飾していることが見えてくるからです。
逆に、損益計算書の黒字が増えているのに、売上げは増えていない場合は、計上すべき経費を隠している可能性があります。
また、売上げと黒字の整合性が合っていても、過度に借入金が膨らんでいる場合は粉飾の可能性があると疑われます。
このように粉飾は銀行にすぐばれますし、銀行は粉飾決算をした会社に一切融資をしません。
したがって、粉飾決算は絶対しないようにしましょう。
なお、粉飾については銀行だけではなく、税務署などに見つかった場合でも大変なことになりますので気を付けてください。
融資が受けにくくなる状態とは?
銀行は、会社が粉飾決算をしていなければ、先ほど話ししたような指標を用いて融資額を決めます。
会社が容易に借入できるのは月商の3か月と言いましたが、全ての会社がそうとは限りません。
それは、会社にとって適正な借入金額は、業種や事業形態によって異なるからです。
例えば仕入れが必要な卸売業と、原価がないコンサルタント業では必要な借入金額が異なります。
また、同じ業種でも設備を購入するか、賃貸するかで借入の金額が異なってきます。
このような理由により、会社は業種や業態によっては、月商の3か月分以上の融資を受けられる可能性があります。
ただし、どの業種であろうが借入金総額が、月商の8か月以上となると事業規模に対して借入過多とみなされます。
そうなると会社は追加の銀行融資を、受けにくくなりますので注意しましょう。
借入金対月商比の目安
先ほども紹介してきましたが、借入金対月商比の目安は業種によって大きく異なります。
借入金月商比率が同じ3か月であっても、業種によっては安全と捉えられることもあれば、危険であると捉えられることもあります。
そこで、小売業をひとつ例にして、安全域か危険域であるかの目安を紹介します。
借入金月商比率 | 目安 |
---|---|
1.5か月 | 安全域 |
3か月 | 注意域 |
6か月 | 危険域 |
小売業の場合、設備投資や不動産の購入など借入金の金額が他の業界から、比較すると借入金の金額がやや少額なことが多いです。
したがって、先ほど紹介した目安よりも、銀行から融資が行われる目安も、やや小さい数字となっています。
ただし、この目安も業界の中での平均的な数字であるため、会社の状態によっては目安の数字とは異なる反応をされることもあるので気を付けましょう。
ただし借入金対月商比は飽くまでも目安!
銀行側は融資を行うときに、指標の数字を大切にするため先ほど紹介した、借入金対月商比は重要ですが、目安に関しては飽くまで平均的な数値を示しているため、過度に信用をしてはいけません。
例えば、借入金対月商比の数字が小さく目安だと安全な領域にいたとしても、会社の規模が小さく売上が少額の場合には、高額な融資を銀行から受けるのは難しいでしょう。
また、会社の業績が悪くなっていき、会社の売上が落ち込み続けている企業に関しても、借入金月商比率の数字が良いからと、言って融資を受けられないかも知れません。
短期間での取引の安定性を測る流動比率など、その他の指標の数字も重要となるため、多角的に見て自社に安定性があるかが、融資を受けられるかのポイントと言えます。
銀行からの借入金を増やすためにできること
ここまで話ししたとおり、会社が借入できる金額を増やすには、決算の指標をよくするのが重要です。
ただし、決算の指標を変えるためには売上をあげることや、借入金を減らす必要があるためすぐに変えるのは難しいと考えられます。
そこで、これから話しする幾つかの方法を意識することで、会社はより多くの金額を借入できる可能性がありますので、ひとつずつ確認していきましょう。
融資を受ける銀行を増やす
会社がより多くの金額を借入するには、取引先の銀行を増やすようにしましょう。
それは、銀行融資の判断材料は、決算の指標だけではないからです。
例えば、銀行は営利企業ですので、将来性が見込める、業績の良い会社に対しては、適正な金額を少々超えてでも新規融資をしたいと考えます。
また、逆に業績が悪くなった会社に対しては、自分の銀行がメイン銀行であれば多少無理しても助けてあげようとするものです。
このように会社は取引銀行を増やすことで、数字に基づく金額以上の借入をできる可能性があります。
したがって、経営者は少なくともふたつの、またできれば3つ以上の銀行とふだんから取引しておくことをおすすめします。
銀行に試算表を毎月提出する
銀行に融資を受けるときには試算表を提出したと思いますが、この試算表を毎月こまめに銀行へと提出することで融資を受けやすくなるかも知れません。
銀行側としてはあなたの会社の業績がどのように推移しているか、常に最新の情報を確認したいと思っています。
したがって、毎月こまめに試算表を提出するだけで、「この会社はまめだな」と思われ会社への信頼や信用があがります。
その結果、追加の融資を依頼したときに、成功する確率が高くなる可能性があるのです。
中には、「赤字の業績の月があるから提出しにくい」と考える人もいるでしょうが、銀行としても、常に業績が好調な会社がたくさん存在するとは思っていません。
業績が悪い月に関しては、業績悪化の原因や回復に向けての対策と展望を書面や口頭で説明すれば、納得してもらえることの方が多いのでこまめに試算表を提出しましょう。
流動性の高い口座を開設する
流動性の高い口座を取引している銀行で作ることも、融資を受けやすくするコツのひとつです。
流動性の高い口座を取引先の銀行で作れば、銀行側はあなたの会社の入金や支払など、短期間でのキャッシュフローの流れを把握できます。
先ほどの試算表を提出することと同じく、会社の最新の情報を銀行が把握できるため、自然に信用があがっていくでしょう。
借入の比率は3種類
借入比率と一口に言いますが、借入の比率には3種類あります。
それぞれ、何に対する借入額の比率なのかを詳しく解説していきます。
年収に対する借入額の比率
最もポピュラーな借入比率が、「年収に対して借入額が何%か」を判定する借入比率です。
年収400万円の人が200万円の借入をした場合、その人の借入比率は50%になります。
カードローンで利用される借入比率になります。
年収に対する年間返済額の比率
年収に対して年間の返済額がいくらになるのかという借入比率もあります。
借入額に対する比率ではなく、返済額に対する比率であるため、正確には返済比率と言います。
毎月の返済額が10万円のローンは年間返済額120万円です。
年収600万円の人の返済比率は、120万円÷600万円×100=20%となります。
返済が長期にわたる住宅ローンでは必ず利用される借入額を判定する際の比率になります。
担保評価額に対する借入額の比率
担保評価額のうち、借入額がどのくらいを占めるかということを示す比率もあります。
担保評価額が3,000万円の土地を担保に1,500万円の借入をした場合の借入比率は、1,500万円÷3,000万円×100=50%となります。
こちらも、必ず土地と建物を担保に入れる住宅ローンで利用される比率になります。
では、それぞれの比率がどのような場面で利用され、許容されるのは何%までとなっているのか、具体的に解説していきます。
カードローンで利用される借入比率
カードローンで利用される借入比率について説明します。
カードローンの借入比率は銀行と消費者金融で異なるという点が特徴です。
年収に対する借入額の比率
カードローンで利用される借入比率は年収に対して借入額が何%かという比率です。
フリーローンでは借入額になりますし、カードローンでは利用限度額が年収の何%なのかが判定されます。
つまり、年収が多ければ多いほど多くの金額を借りることができます。
銀行で許容される借入比率
銀行カードローンやフリーローンなど、使い道が自由で無担保のローンで許容される借入比率は他社からの借入額との合計で年収の半分以内、つまり借入比率50%以内となっています。
年収400万円の人であればその50%である200万円以内のカードローンしか作成することはできません。
さらに最近では、銀行カードローンの過剰融資が社会問題化していて、銀行の中には年収の3分の1以内、借入比率33%以内というカードローンも増えてきています。
消費者金融で許容される借入比率
消費者金融の借入額は貸金業法という法律によって他社との合計で年収の3分の1以内と決められている総量規制があります。
このため、他社からの借入額との合計で借入比率33%以内までしか借りることはできません。
年収300万円の人は100万円までしか借りることができませんが、この人がすでに他社から30万円の借入がある場合には100万円−30万円=70万円までしか借入できません。
借入比率を下げるには?
借入比率を下げればさらに多くの金額を借りることも可能になります。
では、銀行カードローンで借入比率を下げるためにはどうすればよいのでしょうか?
答えは年収を増加させるということしかありません。
すでに、銀行や消費者金融が許容できる限界まで借入をしている人は、昇給などによって年収が増加すれば現在の借入比率が下がり、追加融資を受けることができる可能性があります。
住宅ローンで利用される借入比率
個人が借りることができるローンの中では、最高難度の審査を行う住宅ローンでは、前述した3つの借入比率全てを利用します。
3つの借入比率には基準からはみ出ても許容されるものと許容されないものがあります。
それでは、詳しく解説していきます。
年収に対する借入額の比率
ベテランの銀行員が住宅ローンの借入額が多いか少ないかを判断する基準としてよく使う指標がこちらです。
「住宅ローンは年収の5倍以内」と言われています。
年収500万円の人であれば2,500万円、年収600万円の人は3,000万円となります。
しかし、この指標は以前は銀行で利用されていましたが、現在はそれほど重視されておらず、後述する2つの借入比率の方が重要になります。
年収の5倍を超えても以下の2つの指標を満たしていれば審査には通過できますのでそれほど気にする必要はないでしょう。
ただ、年収の5倍以内に借入額が収まっていた方が、その後の返済に無理が生じにくいということは言えるでしょう。
年収に対する年間返済額の比率
年収に対する年間返済額の比率である返済比率は住宅ローン審査において非常に重視されています。
多くの住宅ローンで基準となる返済比率は30〜35%以内となっています。
この比率に収まるように借入額や返済期間を設定しなければなりません。
また、返済比率が低ければ低いほど審査には有利になり、保証料も安くなる傾向にあります。
また、家計を圧迫しない返済比率は25%以下と言われているため、住宅ローンの利用を検討している人は参考にしてください。
担保評価額に対する借入額の比率
住宅ローンは購入する土地や建物、また建物を建築する土地は必ず担保に入れなければなりません。
また、担保評価額の100%以内までしか融資を行いません。
もしも返済が焦げ付いた時に、融資額以上の担保をとっておかなければ銀行や保証会社にとっては損失が生じる可能性があるためです。
このため、担保評価額3000万円であれば融資限度額は3000万円です。
なお、住宅ローンの借り換えの場合には、建物の価値は年数の経過とともに下落するため、担保評価額の200%まで融資を行います。
このように、住宅ローンは返済比率を満たし、かつ担保評価額の範囲内までしか融資を行いません。
住宅ローン借入比率を下げるには
住宅ローンの借入比率を下げ、より審査に通過しやすく、より希望通りの金額を借りやすくするためには以下の3つの施策が考えられます。
自己資金を多くする
自己資金を多く用意すれば、担保評価額に対する借入比率は下がります。
担保評価額が3000万円の不動産を購入するために、1000万円の自己資金を用意して2000万円のローンを組んだ場合には、2,000万円÷3,000万円×100=66.6%になります。
銀行とすれば2,000万円の融資で3,000万円の担保が手に入るわけですので、メリットがあり審査に通過しやすくなります。
返済期間を延ばす
返済期間を伸ばせば毎月返済額は少なくなります。
3000万円、金利1%の住宅ローンを返済期間25年で借りた場合の毎月返済額は113,062円、年間返済額は1,356,744円、年収400万円の人の返済比率は33.9%と返済比率が許容範囲内ギリギリです。
このローンの返済期間を30年に延ばした場合の毎月返済額は96,492円、年間返済額は1,157,904円、年収400万円の人の返済比率は28.9%となり、この場合はおそらく全ての住宅ローンの基準に当てはまります。
返済期間が伸びれば返済額が少なくなり、結果的に返済比率が下がることになります。
しかし、期間を延ばした分だけ利息負担額が大きくなってしまうというデメリットはあります。
別の担保を用意する
借入額が担保評価額を上回っている場合には別の担保を用意することができれば借入比率は下がります。
例えば評価額3000万円の担保に、3,500万円の融資を受けたい場合には、500万円だけ担保評価額をオーバーする担保割れという状態になります。
借入比率は3500万円÷3000万円×100=117%となってしまいます。
このような場合には、親などの不動産を担保にできれば借入比率は下がります。
3000万円の担保と評価額1000万円の親の土地を追加担保にした場合には、担保評価額の合計は4000万円になり、借入比率は3500万円÷4000万円×100=87.5%となり、100%以内に収まるため、融資を受けることができる可能性が高くなるのです。
まとめ
借入比率には以下の3つがあります。
①年収に対する借入額の比率
②年収に対する年間返済額の比率
③担保評価額に対する借入額の比率
カードローンで利用される借入比率は①年収に対する借入額に比率になり、銀行では50%以下(場合によっては33%以下)、消費者金融では33%以下となります。
なお、これらの比率は他債務との合計になります。
住宅ローンで利用される借入比率は上記3つの全ての比率です。
①は年収の5倍(借入比率500%以内)が理想とされています。
②は30%〜35%以内が許容され、家計に負担がないのは25%以下と言われています。
③は担保評価額の100%以内です。
特に住宅ローンにおいては、②と③の両方を満たしていなければ審査には通過できません。
借入比率を下げるには自己資金の用意や、借入期間の延長、追加担保の用意などの方法があるため、基準に収まるように住宅ローンの申し込みを行いましょう。
借入比率の計算、売上、借入金比率に関してよくある質問
借入比率や売上に関する情報や指標の見方、目安について解説しましたが、奥が深いないようであるため、気になる点や分からない部分があるでしょう。
そこで、借入比率に関するよくある質問に、Q&A形式で回答しているので、気になる項目がないか確認してください。
Q.自営業者の住宅ローン借入可能額を決定する重要項目は何ですか?
自営業者の場合、経営している会社や、事業が安定しているかが審査では重要視されます。
例えば、売上や業績が良くても事業歴が1~2年と短期間であれば、安定しているとは判断されにくいです。
逆に、売上が高額ではなくても安定して5年、10年経営をしていれば、審査では有利と言えます。
Q.企業の借り入れ依存度はどのようにして判断されますか?
企業の借入金依存度は、借入債務を総資本で割ることによって求められます。
具体的な計算式は以下のとおりです。
「借入金依存度=借入債務÷総資本×100」
依存度に関しても業種によって目安が大きく異なるので、参考にする場合には気を付けましょう。
Q.個人事業主が住宅ローン事前審査にパスした後注意することはありますか?
事前審査時に提出していない書類がある場合には、本審査に入る前に提出をしなければなりません。
特に収入に関する書類は提出するものが多かったり、しっかりと印が押されている正式な書類を準備しなければならなかったりするため気を付けましょう。
Q.妻名義の土地や建物を会社の資産にする方法はありますか?
妻の資産である土地や建物を、会社に譲渡もしくは売買をすれば、会社の資産にすることは可能です。
ただし、手続に際して税金が発生したり、登記の手続きが起こったりするため注意が必要です。
また、住宅ローンの返済や担保でローンを組んでいる場合には、譲渡ができない可能性もあります。
Q.長期利用している銀行の利用可能額を引き上げる方法はありますか?
銀行に利用可能額の増額を求める申請を行えば、可能額が引き上がる可能性があります。
長期利用していて信用が高い企業であれば、増額の審査にも通りやすいでしょう。
しかし、リスケや滞納を繰り返して信用が下がっている場合には、審査にも通りにくくなるため注意が必要です。
Q.審査通過するために自己資金と負債額の調整を行っても良いですか?
自己資金と負債額の調整を書類上で行うことは、粉飾決済にあたるので絶対に行ってはいけません。
ただし、自己資金を調達する術や、ファクタリングなどで負債額を減らす方法など、実際に行える方法があれば実行した方が良いでしょう。
Q.住宅ローン審査落ちした場合の審査金利を教えてもらうことはできますか?
住宅ローン審査時に用いられる審査金利を、金融機関から教えてもらうことはできません。
ただし、一般的に審査金利は3~4%程度であると言われているので、その金利でシミュレーションをしてみると良いでしょう。
Q.流動負債とは何ですか?
流動負債とは1年以内に返済が必要となる負債を指し、一般的には買掛金や支払手形、短期借入金などが含まれます。
流動負債が多い場合には、流動資産がないと短期間のキャッシュフローが悪くなり、経営を圧迫することが多いです。
Q.有利子負債は財務諸表のどこを見れば分かりますか?
財務諸表に有利子負債のみを記載する欄はありませんが、企業によっては補足資料などに有利子負債の合計を記入していることがあります。
また、有利子負債は「短期借入金」、「長期借入金」、「コマーシャルペーパー」、「社債」があたるため、これらの合計金額で割り出すことも可能です。
まとめ
経営者は、銀行から借入できる金額の目安を知っておくことで、より確実な経営計画ができます。
そのために必要なのが、適正な融資額の目安となる決算の指標です。
この指標は融資額の計算根拠となるほか、会社の安全性を示す重要な指標となりますので、今回紹介した借入金対月商比や流動比率を経営者は覚えておくことをおすすめします。