今後の貸金業法はこう改正される!?【2017貸金業法講習会のレポート】

今後の貸金業法はこう改正される!?【2017貸金業法講習会のレポート】

貸金業を営むには営業所ごと、50人に1人の割合で貸金業務取扱主任者を設置しなければならないことが法律で定められています。

貸金業務取扱主任者は国家資格でありながら3年に1度更新しなければならず、更新には講習会を受講しなければなりません。筆者が受講した内容から読者が興味を持つであろう事項についてご紹介してきたいと思います。

執筆者の情報
名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営

貸金業法講習会に参加してきた

貸金業法講習会に参加してきた

今回の講習会は筆者にとって最も交通の便が良い名古屋国際会議場を選択しました。

2017年8月25日の名古屋は快晴で、海も近いせいもあって蒸し暑く、朝から汗がべっとり肌に張り付くような日でした。

名古屋国際会議場と言うとアーティストのイベント会場としても使われ、センチュリーホールがあることでも知られていますね。

講習会の会場は4階レセプションホールです。

国際会議場と言うこともあって玄関ホールは広く、名古屋城の金の鯱を修復するということで基金を募っていたのも名古屋らしいと感じました。

エレベーターも設置されておりましたが、筆者は見物も兼ねてエスカレーターで行くことにしました。

午前9時から受付開始、講習会は午前9時30分から行われました。講習のためのテキストは結構分厚い本4冊と薄い冊子の講義補助資料を含めた合計5冊です。

・実務の手引き
・講習テキスト
・関係法令集
・関係法令集別冊
・講義補助資料

会場の定員数は270名と言うことでしたが当日参加したのは131名です。

貸金業法講習会に参加してきた

せっかく広い会場取ったのに半分程度しか参加しなかったのは、全国の貸金業者数そのものが減ったことが大きかったようです。

1時限は講習内容によって70分から80分で講習会の構成は全6時限です。居眠りは許されず常に日本貸金業協会の担当者が受講者の机の間を行き来しています。

居眠りをしていた場合は退場させられることもあって、受講している他の皆さんからも緊張を感じることができました。

講義の内容は貸金業従事者として知っておかなければならない従来の内容と、今後変わるであろう内容を織り交ぜての講義です。

そこでカードローンを利用している人やクレジットカードを利用している人、または住宅ローンを契約している人にとって知っておいた方が良い情報を次項から簡潔にご説明して行きたいと思います。

貸金業務取扱主任者とは

貸金業務取扱主任者の制度は2003年から始まった最初の貸金業法の改正で盛り込まれたものです。

順次改正された貸金業法の第3次施行、2010年6月より国家資格と認定され、それに伴って貸金業務取扱主任者資格試験が行われるようになりました。

貸金業務取扱主任者とは貸金業を営む営業所及び事務所ごと並び従業員50人に1人の割合で配置し、貸金業に携わる従業員に対して貸金業関係法令の徹底した遵守と、貸金業務を適正に行うために必要な助言や指導を行う人のことを言います。

貸金業務取扱主任者の責務は大きく、貸金業務に携わる従業員全てが助言や指導を尊重しなければなりません。

万が一助言や指導の誤りによって法律違反を行政監督庁から指摘された場合は、主任者に罰則規定が設けられる厳しいものです。

なお貸金業務取扱主任者の資格の有効期限は3年であり、自動車運転免許証と同じように有効期限内に更新手続きを行わなければ資格は失われます。

更新手続きは事務的なものではなく、全国13箇所ほどに分割して講習会が開かれ、主任者が希望する地域で受講しなければなりません。

受講時間も9時から17時50分までの長丁場で、日本貸金業協会が依頼した弁護士がテキストにしたがって講義をするものです。

今回筆者は第2回目の更新講習会に出席し、その中でもカードローンでお金を借りている人にとって興味深い話も聞くことができました。

まだ確定になったわけではありませんが、法改正を含めた話をレポートして行きたいと思います。

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個人間融資の上限金利

個人間融資の貸付上限金利は年109.5%(うるう年は年109.8%)までが有効です。

友人や知人にお金を貸した場合、利息制限法の金利を超えても出資法の金利を超えなければOKです。

もちろん出資法の金利を超えて契約した場合は刑事罰として5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金、並びにその併科となります。

友人に10万円を貸した場合受け取ることのできる利息は30日計算で9,000円までですよ。

一般的に個人からお金を借りた場合のお礼は、借りた金額の1割と言われているのは、出資法の上限金利だったと言うことですね。

消費者金融で10万円を借りた場合の利息が30日あたりで1,479円であることを考えると、ソフト闇金が利用しそうな金利です。

闇金の契約は無効にならない

本格的な闇金になるともっと高い金利の契約となりますが、もちろん出資法超えた貸付金利は刑事罰対象です。

万が一闇金からお金を借りた場合は警察に通報すると刑事事件として扱ってもらうことができます。

しかし警察は民事不介入です。

いくら出資法を超えた貸付契約を行っても契約自体を消滅させることはできません。

契約自体を消滅させるためには民事上の問題として民事訴訟を起こさなければなりません。民事訴訟を起こして、払いすぎた利息を取り戻す過払い金請求をしなければならないのです。

したがって闇金と契約した場合、たとえ出資法の金利を超えた高金利であっても、契約自体はそのまま残るため返済義務は果たさなければならないことに注意が必要です。

返済義務を無効とするためには弁護士や認定司法書士に依頼して訴訟を起こさなければ、その後の支払いも闇金に対して行わなければなりません。

ただし借金の返済利息は利息制限法によって決められるため2、3回の支払いを行なっていれば、元金が消滅する可能性が高いと言えるでしょう。

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銀行貸付など借入の保証料

銀行カードローンを契約する場合は保証会社がついており、銀行カードローンの会員が返済できなくなってしまった場合、保証会社は元金と利息を含めた全額を返済しなければなりません。

保証委託契約は銀行と保証会社との契約によって行われ、銀行カードローンの会員が支払う金利から数%の金利を銀行から保証会社に支払っています。

銀行カードローン以外でもノンバンクによる借入の際に別途保証料を支払う場合は、次の点に注意して契約を結ぶようにしましょう。

・金融機関が保証料を借主から取る場合は、利息と保証料との合計額が利息制限法以内でなければ違法となる

例えば金融機関からの借入金利年18.0%、別途保証料年5.0%は合計で年23.0%となり出資法の上限を超えているため違法です。

銀行の借り入れで違法となることはまずないことですが、ノンバンクなど民間の金融機関だと法律を知らない人も多く、貸付契約と保証契約を別々に結ぶ場合は両方合わせた金利が年20.0%以上にならないか、注意しながら契約するようにしたいですね。

もちろん年20.0%を超えている場合は出資法違反として警察に通報するようにしましょう。

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延滞金の金利について

従来は返済の遅れによる遅延損害金の金利は、約定金利の1.46倍まで有効とされていましたが、民間の金融機関が行う営業的貸付の場合の賠償額は年20.0%以下でなければなりません。

出資法が改正になったことに気がついていない貸金業者も中にはいるようです。

延滞金を支払う場合は金利に換算して何パーセントになるのか知っておかないと、借主も損をすることになりますね。

当然ながら金融機関は出資法違反として刑事罰の対象となるわけです。

ただし個人間融資の場合は延滞金を含めた金利が年109.5%(うるう年は109.8%)を超えない限り刑事罰対象になることはありません。

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銀行が利用する信用情報機関

今回の貸金業法改正でも、銀行が利用する信用情報機関であるKSCと他2機関の情報交流は債務の残高を共有することはなく、今後も共有する予定はありません。

KSCから共有される情報データは金融事故情報のみです。

ということは銀行による貸付の詳細は消費者金融やクレジットカード会社にはJICCやCICには分からないということです。

返済能力を調査する上で著しく消費者金融やクレジットカード会社は不利ですね。

長期延滞とならない限り、多少の返済期日の遅れ程度では金融事故になりませんから、契約するかどうか消費者金融やクレジットカード会社は苦労することになるかもしれません。

借主にとってメリットになる可能性もないとは言えませんが、今後の法改正によっては返済期日の遅れも情報共有化されるかもしれませんよ。

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収入証明書の提出について

契約しようとする借入金額が50万円を超える場合は、今まで通り収入証明書の提出は必要です。

また他社借入金額との合計が100万円を超える場合も、収入証明書を提出しなければならないことも今までと同じです。

なお他社借入金額との合計が100万円を超えるとは、他社の利用限度額ではなくカードローン契約を締結しようとする時点での他社借入残高と今回契約する貸付分の金額の合計となることに注意しなければなりません。

従来の考えでは他社借入金額とは利用限度額とみなされていましたが、あくまでも借入残高になります。

したがってクレジットカードのキャッシング枠があったとしても、利用していなければ他社借入残高には含まれません。

しかし貸金業法を施行規則によって、定期的に資金需要者の借入動向を調査しなければならない途上与信があるため、途上与信によって総量規制該当額を超えている場合は収入証明書を提出しなければなりません。

もちろん総量規制該当額を超えてしまえば、カードローンやクレジットカードのキャッシングが利用停止になることもありますのでこれも注意が必要ですね。

なお収入証明書の有効期間は原則3年で、勤務先に変更がないことが確認できれば5年です。

他社借入金額との合計が100万円を超えそうな人は、消費者金融などからお金を借りる場合年収を水増しして申告することはしない方が良いわけです。

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保証契約のある借入にご注意

消費者金融が貸付する場合、信用情報機関にデータを照会することで、銀行カードローンなど銀行の貸付によって保証会社が保証契約を結んでいることが分かった場合も、総量規制には関係はありません。

銀行貸付は銀行貸付、消費者金融の貸付は消費者金融の貸付として別々に審査していました。

しかし今後、返済能力を調査する上で保証契約金額や内容も審査に影響するようになります。

例としてあげれば、銀行カードローンの保証会社が消費者金融やクレジットカード会社だった場合、JICCやCICに保証債務契約残高が表示されます。

消費者金融やクレジットカード会社が契約するかどうか判断する上において、総量規制該当額だけではなく、保証契約残高も審査の合否に関係してくるようになります。

近い将来、銀行貸付とノンバンクの貸付の合計金額が年収の3分の1に制限される可能性があります。

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住宅ローンとカードローンの関係

住宅ローンを締結する場合、従来通りに返済能力があるのか判断する他社借入については今まで通りの考え方ですが、今後はより一層返済能力について厳格化されることになりそうです。

銀行カードローンに限らず、他社借入がある人が住宅ローンを締結する場合や、住宅ローンを契約しながらカードローンに申し込むことは返済能力を考えた上で、審査が今まで以上に厳格化すると言うことです。

住宅ローン返済は金額も大きく家計に大きく経済的な影響を及ぼしていますので、返済能力を調査する上で住宅ローンを無視することはできないわけですね。

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保証人にも総量規制適用

他人の借入の保証人になろうとする人の信用情報を取得することが完全に義務化されます。

個人の借入だけでなく会社の運転資金を借りる場合、経営者が連帯保証人になることが多いですよね。

その場合は、保証人になろうとする人の既存借入額が総量規制枠に収まっていなければ保証人になることができなくなります。

そもそも返済能力がない人に保証人を頼むことは無理な話です。

保証人を頼む場合は他に借金していないかどうか借主が事前に聞き取り調査しておくことが求められるでしょう。

受取書面発行について

振込キャッシングなどで借入し、インターネットバンキングなど振込によって返済した場合、貸金業者は受取書面(領収書)を直ちに交付しなければならないと定められているのは今まで通りです。

また契約者の同意を得ることで、受取書面の交付をマンスリーステートメントとして受け取ることも可能です。

いずれの場合でも契約者に対して書面を交付しなければならないため、家族に内緒でお金を借りている人は借入の事実が分かってしまう可能性が高いです。

しかしながら契約者との合意によって電磁的方法によって受取書面を受けることに同意した場合はこの限りではないとのことです。

内緒でお金を借りている人は受取書面の交付方法を再度 金融機関に確認しておきましょう。

◆用語解説
電磁的方式とはインターネットやスマホの画面で確認することを言います。

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債権譲渡は同意を必要としない

何らかの理由によって金融機関が他社へ借主の債権を譲渡する場合、譲渡したことの旨を借主に通知するだけで他社への債権譲渡が完了します。

もちろん闇金の持っている借主の借金も債権譲渡の対象となります。

闇金が捜査の手が入るのではないかと事前に察知した場合は、借主の情報を含めた借金を貸金業者に譲渡される可能性があります。

貸金業法では債権譲渡の譲渡人(お金の貸主)を限定していないため、知らない間に貸主がアコムやプロミスに変わっている場合も可能性としてはあります。

もちろん総量規制との関係もあるため、場合によっては債権譲渡によって貸出停止や利用額限度額の引き下げなど行われることも考えておく必要があるでしょう。

◆用語解説
債権とは金融機関が借主に貸しているお金のことを言います。

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銀行カードローンの過剰広告

銀行カードローンは保証会社によって債権が保全されているため、お金を貸せば貸すほど儲かる仕組みとなっていますね。

しかも収入証明書が不要という広告、及び総量規制の対象貸付であるこの広告は過剰な宣伝となるため今後してはなりません。

過剰な宣伝とみなされた場合は課徴金制度によって、向こう3年間にわたり売り上げの3%を罰金として支払わなければならなくなります。

自主規制だけでは徹底した銀行カードローンによる過剰貸付を防ぐことができないため、改正法を制定することになるでしょう。

早ければ9月中にも市場動向を踏まえて準備が始まり、遅くても2018年末までには改正法が制定されるようです。

また即日融資も過剰広告と判断される可能性が高いため、銀行カードローンの契約は申し込みから1週間程度かかるようになります。

仮差押は時効の中断にはならない

民事保全法によって仮差押がありますが、従来は仮差押をすることで借金の時効を中断することができました。

しかし民法が改正されることによって仮差押は督促と同じとなり、一時的な時効の中断しかできません。

中断される期間は6カ月です。

貸金業者は対応していますが、個人間融資でなかなか返済できない場合は仮差押ではなく、貸したお金が60万円未満であれば少額訴訟を起こした方が時効を防ぐことができます。

◆用語解説
仮差押とは貸したお金を回収するために訴訟によって債務名義を取得し、強制執行によって財産の差し押さえや給料の差し押さえをしたとしても、財産的価値のあるものが既に売却されていることも、借主の給料が散財されてしまう可能性もあるわけです。

そうしたことを未然に防ぐために借主の意向で財産を処分することや、給料を使うことを仮に差し押さえすることを言います。

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グループ企業内での個人情報提供

事前に個人情報を第三者に対して提供することを宣言している場合は、借主の意思に関係なく個人情報が提供されますので注意が必要です。

一般的に考えられるのはグループ企業内での個人情報の提供です。

従来はコーポレートガバナンスによって、たとえ同じグループ企業内でも個人情報は保護されていました。

今後は事前に第三者提供を宣言している場合は、例えばアコムが持っている個人情報をバンクイックが取得することが簡単に出来るようになります。

例えばグループ企業内にアパート賃貸保証会社がある場合、金融事故を起こした人の情報が提供されてしまい、アパートを借りることができない事態にも発展しそうです。

個人情報データの削除について

社内で個人情報データが必要なくなった場合は、遅滞なく消去しなければならないとされているものの実効性に欠け、努力義務に格下げとなります。

したがって過去の取引情報を社内データベースとしていつまでも保存することができるようになるのです。

過去に金融事故を起こしていた場合は、仮に10年過ぎていようとも審査に落ちる確率が高まるでしょう。

◆用語解説
努力義務とは義務ではなくあくまでも要請しているのに過ぎません。したがって努力はしたものの忙しくて個人データを削除することができませんでした、の言い訳が通ってしまいます。

民法改正について

債権の消滅時効は民法によって10年と定められていますが、今後の民法改正によって債権者が権利を行使することができることが知ってから5年間が追加されました。

お金を貸す側もお金を借りる側も、 早い場合は5年で消滅を迎えることができます。

個人間融資に影響するばかりでなく、過払い金請求にも大きな影響を与えることになるでしょう。

◆用語解説
債権の消滅時効とは、貸したお金を回収する権利がなくなってしまうことを言います。

保証人に請求する前にすること

保証人に対して支払いを請求する場合は、保証人に対して主たる債務者が期限の利益を喪失したことを伝えることが必要となります。

保証人から借主の返済履行状況の請求があった場合は、金融機関は情報提供をしなければなりません。

上記のことをしていないと保証人から貸したお金を回収できなくなってしまうばかりか、遅延損害金の請求も出来なくなってしまいます。

何も知らされずに突然保証人に対して金融機関から借金の返済を求められた場合は、違法であり返済する義務はありません。

◆用語解説
期限の利益とはお金を借りた借主が返済期日までに自由にお金を使うことができることを言います。金融機関は返済期日前に返済を強要することができません。

信用情報の目的外使用の禁止

消費者金融などが途上与信調査の際に取得した個人信用情報をもとに、一定の条件を満たす顧客を選定し、ダイレクトメールなどによって極度額の増額を勧誘することは違法行為です。

限度額を増額する場合には、金融機関は信用情報機関のデータを利用することができません。

たとえ金融機関から利用限度額の増額勧誘があったとしても、信用情報機関から改めて個人情報を照会しなければなりません。

今までは増額勧誘があった場合はほとんど利用限度額の増額が可能でした。これからはカードローン会員自らが増額申請をすることになりそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。講習会の内容は他にもたくさんあります。

しかしそのほとんどは貸金業者にとって必要な知識であって、カードローンなどの一般利用者が知っておかなければならない情報はあまりありません。

その中でも今回はお金を借りる場合に借主も知っておきたい必要な知識を抜粋してご紹介しました。

借主にとって今後大きく変わる点は、無担保無保証で借り入れできる上限が銀行カードローンと消費者金融などのノンバンクの借り入れの合計が、年収の3分の1になるかもしれないことです。

カードローン契約する場合でも住宅ローンの有無や自動車ローンの有無も返済能力を調査する上で必要な項目となるでしょう。

銀行貸付は総量規制の対象外としていましたが、数年ぶりに自己破産件数が増えていることを鑑みて、個人が借り入れできる上限額がなお一層規制されることは間違いがないでしょう。

またグループ内での信用情報の共有化も十分注意しなければなりませんね。

消費者金融で金銭トラブルを起こしたらアパートを借りることができなくなってしまうことにもなりそうです。

銀行カードローンの審査期間が1週間から2週間に伸びるのも2018年1月からのようです。

今カードローンを利用している人がやらなければならないのか、少しでも借金を減らすことです。

生活の見直しや無駄遣いを徹底的に洗い出し、浮いたお金は随時返済などによって元金を減らす努力が必要になってきます。

貸金業法が改正になる可能性も否定できませんが、ますますお金を借りにくくなるのは確実です。

その期日は来年に迫っていることにとくに留意しておかなければなりません。

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