消費者金融で借りた後、何日延滞大丈夫?【プロが語る】
お金を借りると返済日というものが定められています。
この際に返済しないとどうなるのでしょうか?
また、さらに長期間延滞した場合にはどのようになってしまうのでしょうか?
お金を延滞した際のリスクをしっかりと理解したうえで、返済は期日通りに行うようにしましょう。
- 執筆者の情報
- 名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当
記事の目次
返済日に返済しなかったら
毎月決まった返済日までに返済ができなかった場合にはどのような対応が行われるのでしょうか?
消費者金融も銀行も対応は同じ
延滞の最初の対応は、消費者金融も銀行も対応は全く同じです。
消費者金融はオペレーターが、銀行は自社で督促を行っているところと、督促を外注に出しているところと、自社で独自に督促部門を設けているところがあります。
いずれも対応は同じです。
「お支払いの期日を過ぎておりますが、いつお支払いいただけますか?」という内容の電話です。
ここで、○月〇日と約束をしてしまえば「では〇日にお支払いをお待ちしております。よろしくお願いします。」という程度の電話で終了します。
約束した日まで督促の電話があることはありません。
約束した日にまた返済しない場合
では、最初の督促の電話の際に約束した日に返済ができない場合にはどのような対応になるのでしょうか?
この対応は銀行と消費者金融で異なるようです。
消費者金融の対応
消費者金融の対応は2回目の延滞までは最初の督促とほとんど変わらない対応です。
「前回お約束した〇日の期日にお支払いがないようですが、どのようになっていますか?いつお支払いいただけますか?」という電話です。
ここで○月〇日に払いますという期日を切ってしまえばその日までは督促の電話はありません。
消費者金融は2回目の督促電話までは対応は事務的かつ丁寧です。
銀行は各社様々
銀行も2回目の督促も電話で行うところも存在します。
この対応は消費者金融とほとんど変わりません。
しかし、銀行によっては初回の督促電話の際に約束した期日になっても返済が行われない場合には、督促状を自宅当てに発送することもあります。
督促状は主にハガキで普通郵便にて送付されるため、家族に秘密でローンを借りていたという人は、督促状から家族にばれてしまう可能性があるため注意しましょう。
もちろん銀行もこの精神的な圧迫を理解したうえで、返済を履行させたいがために督促状を送付しています。
月末に延滞した場合
では、延滞が月末まで長引いてしまった場合にはどのような対応になるのでしょうか?
消費者金融の対応
消費者金融では、延滞が月末かどうかということはあまり関係ありません。
ただし、2回目目の督促を行っても返済がない場合には、消費者金融はこのタイミングで督促状を発送します。
この場合にも家族にばれてしまうリスクは覚悟しておいた方がよいでしょう。
電話での督促時にやむを得ない事情があると消費者金融に相談を行い、それが認められた場合には「わかりました。ではその日まで待ちます」という対応になるため、このような場合には督促状は発送されません。
銀行はかなりうるさくなる
地方銀行などは毎月の延滞件数を○〇件とするようなノルマを抱えています。
そのため、月末になると目標達成のために延滞件数を1件でも減らそうとして、督促がかなりうるさくなります。
場合によっては自宅に訪問される可能性もあります。
住宅ローンでもカードローンでも返済日を月末に設定しようとすると、銀行の担当者は月初を勧めてくるということがあったという経験をお持ちの人も少なくないかと思います。
その理由は銀行には延滞件数の目標があるということに起因します。
小さな金融機関ほどこの傾向は顕著なようです。
返済に自信のない人はローンを借りるべきではないかもしれませんが、月末と月初では銀行の督促は全く異なりますので、月初に設定しておいた方が無難でしょう。
翌月の約定日まで延滞した場合
例えば毎月5日を返済日として指定した人が1月5日の返済を延滞し、この延滞が解消されないまま、2月5日になり、2月5日も返済ができない場合には銀行も消費者金融も対応が全く異なります。
延滞は絶対に2回分が被らないようにしてください。
消費者金融は管理部署が変わる
1回の延滞までは督促を行うのは主に消費者金融のオペレーターです。
しかし、2回分返済が滞ると対応は全く異なります。
督促を行うのは管理専門の部署に変わることが一般的です。
管理専門部署に変わるということは、貸しているお金が不良債権化したということですので、不良債権専門の部署が対応することになるのです。
後述しますが、こうなってしまうと取返しのつかないことになってしまうため、くれぐれも2回分の延滞が被らないようにしてください。
銀行は代位弁済
銀行のカードローンにはすべて保証会社がついています。
カードローンでなくても銀行の個人向けローンには住宅ローンや自動車ローン等ほとんどすべてのローンで保証会社がついています。
銀行は返済が滞った場合には、保証会社から貸しているお金を全額立て替えてもらえるためリスクはゼロになります。
これを代位弁済と言います。
このため、銀行のローンは保証会社の保証さえつけばほぼ確実に融資を行います。
銀行が代位弁済を行うタイミングが延滞が2回分被った時です。
代位弁済を行った時点で、銀行と借主の関係はそこで終了します。
債権は保証会社に移り、借主は保証会社に代位弁済を受けた金額の返済を行う義務が生じます。
信用情報への影響
管理部門に移る、代位弁済を受ける、この時点で信用情報には取返しのつかない情報が記録されます。
ブラック情報が登録される
消費者金融で管理が管理部門に移ると、一般的には信用情報に長期延滞という事故情報が記録されます。
また、銀行ローンで代位弁済を受けた場合には代位弁済という事故情報が記録されます。
いずれの情報も事故情報ですので、国内にある3つの指定信用情報期間に5年間記録されます。
事故情報が信用情報に記録されている人をブラックと言い、ブラックの人は銀行や大手消費者金融でお金を借りることができないばかりか、クレジットカードの作成もほとんどの場合で不可能になります。
このため、延滞絶対に2回被らないようにする必要があるのです。
管理部門や保証会社の対応
では、延滞の管理が管理部門や保証会社に移った後はどのような対応になるのでしょうか?
まず話し合い
まず、現在の収入状況や返済ができない理由などについての詳細なヒアリングが行われることが一般的です。
ここで毎月いくらなら返済可能なのかということが話し合われ、双方が納得した金額を返済していくことになるのが一般的です。
消費者金融や保証会社は融資を行った段階や、保証を行った段階でリスクが出ないような人に融資や保証を行っているため、正常に返済ができている人も合わせれば損失はないため、無理な返済の要求を行いません。
毎月返済が原則
管理部門や保証会社との話し合いで決めた金額は毎月支払っていくのが原則です。
場合によっては毎月1,000円程度の超少額の支払いというケースもありますが、いずれにせよ、取り決めた金額は約束通りに毎月支払っていかなければなりません。
その後の対応はケースバイケース
管理部門や保証会社との話し合いのもと決まった金額を、毎月支払っていくのが原則ですが、毎月支払いを継続した後の対応は債権者の方針と借入金残高などに応じてケースバイケースとなります。
完済まで払い続けるケース
管理部門や保証会社との話し合いのもとで決定した毎月の返済額を継続して支払っていくのが原則です。
毎月支払って、ある程度の年月をかけて完済できるような場合には、完済するまで支払っていくことになります。
この方法が基本的には原則です。
毎月返済では回収不能判断の場合
通常の返済が不可能になったからこそ、代位弁済や管理部門の管理となっているため、多くの場合、毎月返済額が非常に少ない金額となってしまうことが一般的です。
このため、毎月返済を行っても完済には至らないような場合が少なくありません。
例えば100万円の返済義務があるのにも関わらず、毎月1,000円の返済では、完済までに1,000か月かかることになり、完済はどう考えても不可能です。
保証会社も管理部門も。長い間完済できるかどうかも疑わしい債権をそのまま保有していることにはコストがかかるため、ある一定額まで返済を行った時点で「あと○○円返済してくれたら、残りの金額はチャラにする」などの提案をしてくることがあります。
先ほど述べたように、保証会社は保証を行った時点で、他の顧客が支払っている保証料と合算すると損失が出ないように保証を行っていますし、消費者金融もそのように金利を設定しています。
そのため、貸したお金が仮に全額回収できなくても、ある一定額まで返済を履行させた段階で、不良債権の管理コストのほうが大きくなるような場合には、まとまったお金を返済させたうえで、債権を放棄するのです。
法的な措置
通常、カードローンのような数十万円単位の借金回収のために法的措置を取るようなことはありません。
法的措置を取るためのコストのほうが高くなってしまうためです。
しかし、延滞となっているお金を1円も返済しない、連絡もつかないような誠意が全く見られないような場合には法的な措置を取る可能性も十分にあります。
支払督促で時効を停止
借金には時効があります。
5年間1度も返済を行わないような場合には時効が成立してしまいますので、時効が成立しないように債権者は支払督促という法的な手続きを行い、時効を停止させます。
支払督促とは、債権者がローンの契約書などを裁判所の提出し、裁判所が認めた場合に、裁判所が債務者へ「お金を支払いなさい」という命令を書面にて郵送します。
この書類の到着から2週間以内に債務者から異議申し立てがない場合には時効が停止します。
強制執行
現金での回収が不可能と判断した場合には、強制執行となります。
強制執行とは債権者が裁判所に申し立てを行い、裁判所が認めた場合に、裁判所の執行官が、債務者の資産を差し押さえて、競売にかける手続きを言います。
競売で資産が落札された代金を債権の回収に充てます。
自己破産もあり得る
強制執行を行っても回収ができない場合には、残りの借金の返済義務はまだ残ることになります。
これでも返済ができない場合には、最悪の場合、自己破産するしかないケースもあります。
強制執行まで行い、それでも債務者に返済を迫るかどうかはケースバイケースですが、通常はそこで債権を放棄するという債務者が多いようです。
カードローンのような少額の借金で法的手続きまで行うというようなことは通常はほとんどありません。
返済できない理由をしっかりと誠意をもって話す、連絡はまめにする、少しの金額でも返済するという誠意を持つことが重要です。
まとめ
借りたお金を延滞して、その延滞が1か月以内の間は、大きな問題にはなりません。
銀行も消費者金融も無理な督促を行いませんし、入院していたなどのやむを得ない事情があるのであれば、誠意をもって接してくれます。
また、どうしても返済が困難な時は、むしろ返済計画の相談にも応じてくれます。
しかし、特段の事情がないのにも関わらず、延滞が2回分溜まってしまうと、対応は全く変わってしまいます。
銀行は代位弁済、消費者金融は管理部門に移行します。この時点で信用情報はブラックになります。
この後も誠意を持った対応をすることが重要で、連絡がつかない、返済する意思が全く見られないような場合には、法的措置を取られてしまう可能性も十分にあります。
借りたお金は返済しなければならないのは当然です。いくら苦しくても逃げてしまうことだけはないようにしてください。
やむを得ない事情があるのであれば、債権者も鬼ではありませんので、ある程度事情は汲んでくれます。
しかし、闇金はこの限りではありません。
元金の完済が絶対に不可能な高金利を設定し、どこまででも現金を払わせようと脅迫してきますので、闇金とだけはくれぐれも取引を行わないようにしてください。
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