年金担保でお金を借りる方法。即日融資は不可
年金のみで生活している人にとって、急な出費は困った問題です。
お金に困ったときにはカードローンから借りるという方法もありますが、収入が年金のみでは、審査に通りにくいものです。
審査に通っても度々カードローンでお金を借りていたのでは、返済すらままならない状態になります。
カードローンでお金を借りる前に、年金を担保にしてお金を借りることができるのを知っているでしょうか。
年金受給者の心強い味方となる、年金担保融資について説明したいと思います。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
この記事はこんなひとにおすすめ
この記事は以下に該当する人におすすめです。
- 年金を担保に借入を検討している人
- 年金を担保にした借り入れの方法を知りたい人
このような人には特に参考になります。
目次
今すぐお金が必要!年金を担保に即日融資は可能?
結論から先に言うと、年金を担保にしてお金を借りることは可能ですが、即日融資はできません。
これは年金を担保にして借入を行うという特質上、即日での融資は難しいのです。
「でも年金手帳さえあれば受給していることは明確だし、どうにかなるのではないか」と考えてしまいますが、そういう問題ではないのです。
詳しい理由を見てみましょう。
年金担保の即日融資は不可
年金担保での借入であっても、申込先金融機関によっては即日融資をしてくれるところがあるのではないかと思ってしまいますが、銀行でも消費者金融でも申込みをすること自体できないのが現状です。
理由は年齢制限です。
多くの金融機関では、申込み条件に年齢制限を設けています。
完済は○○歳まで、としている機関が多いので、どうしても年齢制限の箇所でひっかかってしまいます。
また以前は年金を担保に融資を行う金融機関も存在していました。
しかし平成16年12月に「違法年金担保融資対策法」が採決されたため、昨今では、年金を担保に貸付を行う金融機関はありません。
そのため、申込先が限定されているのです。
現在、国が認めて年金を担保に貸付を行っているのは、「福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」と、「日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資」の2機構のみだと思っておいていいでしょう。
なお年金担保融資はカードローンのように、即日審査というわけには行きません。
必要な書類を集めて申請書を提出し、書類審査を受けてから融資実行となりますので最短で申請から4週間かかると思ってください。
詳しくは市区町村役場の福祉課で相談することができます。
福祉医療機関と日本政策金融公庫の年金担保は何が違うのか
ふたつとも年金を担保に貸付を行っていることと同じですが、契約内容や金利、申込者の属性も異なるものです。
詳しくは下記の表を見てみましょう。
福祉医療機関 | 日本政策金融公庫 | |
---|---|---|
対象となる申込者 | 以下の年金証書を持っていてその年金を受給している人
| 恩給や災害補償年金を受けている人
|
金利 | 年2.8% | 年0.36%~年1.71% |
返済金額 | 1回の年金支給額の3分の1以下 ※下限は1万円 | 受給額全額を返済額に充てる |
大きな違いは、やはり返済金額ではないでしょうか。
福祉医療機関であれば下限は1万円からとしているところ、日本政策金融公庫は受給した年金全額が返済に充てられます。
そのため、申込む前に、今後の年金をすべて返済に充てても生活していけるのかを、しっかりと見極めなくてはなりません。
また福祉医療機関の年金担保貸付は、平成34年3月末までで申込受付の終了が決定しています。
今後は、自立相談支援機構、若しくは生活福祉資金貸付制度にサービスは移行される予定ですが、詳しくは居住する市区町村の社会福祉協議会に確認するといいでしょう。
年金担保融資で審査に落ちる条件
「福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」と、「日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資」で、年金担保融資を受ける場合は、信用情報機関による審査はありません。
そのため極論を言うと、過去に自己破産などの債務整理を行っていたとしても、特に問題はありません。
しかしその分、融資に対する条件は厳しく、融資条件に合わないと書類審査で落とされてしまい、借り入れすることができません。
審査に落ちやすい主な条件を紹介します。
生活保護を受給している |
資金使途が競馬やパチンコなどのギャンブル、及び審査委員会が適当と判断しない借入理由 |
年金受給を停止されている場合 |
既に年金融資担保で借入し残高がある場合 |
暴力団関係者など、反社会勢力とつながりがある人 |
繰上げ返済し融資決定時の完済予定日に到達していない場合 |
申込者の健康状態が良くない、痴ほう症にかかっていて本人確認ができない |
年金担保融資はカードローンのように、「借入枠に余裕ができたからさらにATMで簡単に借り入れができる」とはならないのです。
証書貸付と同じように、一度お金を借りてしまったら、借金を完済するまで追加借り入れができません。
特別な借入理由があれば書類の書換えによって、追加借り入れができる場合もありますが、基本的には認められません。
年金担保でお金を借りる場合はかなり慎重に計画的な借入、及び返済計画を練る必要があります。
借入限度額や借入金利について
年金担保でいくらまで借りることができるのか、気になると思いますので紹介します。
【福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業の場合】
- 融資限度額:10万円から200万円まで
ただし資金使途が生活物資購入のための場合は10万円から80万円まで - 1回当たりの定額返済額の15倍以内で、返済期間が2年6か月で終わること
- 借入限度額は年額に受け取る年金額の80%まで
【日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資の場合】
- 融資限度額:250万円まで(使用目的が生活費であれば上限100万円)
ただし受給している年金の種類によって上限は変わり、恩給・災害補償年金であれば年金年額の3年分以内、共済年金や厚生年金であれば年金年額の1.8倍まで
以上の要件を満たすことで年金担保で借り入れできる貸付金額の上限額が決まってきます。
なお、年金担保でお金を借りる場合の資金使途を証明するために、支払先の請求書や見積書、及び支払った後の領収書を提出しなければなりません。
借入金利について
【福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業の場合】
- 年金担保融資:金利年2.8%
- 労災年金担保融資:金利年2.1%
【日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資の場合】
- 恩給・災害補償年金:金利年0.36%
- 共済・厚生年金(共済組合が支給される厚生年金に限る):金利年1.71%
金利が低いと言われている銀行カードローンに比べても、かなり低金利であることがわかります。
たとえ銀行の目的ローンで借りることができたとしても、年金担保融資ほどの低金利になることはありません。
年金生活者は受給する年金によって生活している人が多いため、返済しやすいような配慮がされているのです。
年金担保融資とは
先に話したように、確かに以前は年金を担保にして借入は可能でした。
しかし高齢者の優位一の収入である年金を、担保にして貸付を行ってはいけないと法律で決まったため、民間の金融機関で借入はできないものの、国が認めた機関ならば借入可能と窓口を変えています。
そのため返済方法なども、通常の金融機関とは異なります。
それでは具体的にどう違うのかを見てみましょう。
年金受給者がお金を借りる制度
年金受給者がお金を借りる制度として認められているのが、国の独立行政法人である福祉医療機構(通称WAM)と、日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資です。
年金受給者がどうしてもお金に困ったとき、銀行や消費者金融から借りるのは年齢的にも大変困難です。
たとえどうにか借りることができたとしても金利が高く、返済金額だけで年金支給額の大半を占めてしまい、生活がままならなくなってしまいます。
そこで国は年金受給者が安心してお金を借りることができる行政法人を立ち上げ、毎年受け取る年金を担保にして、お金を貸し出す制度が作り上げました。
なお年金を担保にしてお金を借りることができるのは、福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業と、日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資以外に認められていません。
まれに闇金業者が年金を担保にして、融資を行っていますが違法です。
福祉医療機構と日本政策金融公庫以外が年金を担保にお金を貸すことは禁止されています。
手続きが面倒だから、すぐに借りることができるから、といった安易な理由で、年金を担保にして闇金からお金を借りたのでは年金で生活している人はたちまち破綻してしまうでしょう。
絶対に福祉医療機構や日本政策金融公庫以外から、借入をしないように注意してください。
貸付が認められるお金の使途
福祉医療機構の年金担保融資制度は国民年金や、厚生年金保険、及び労働者災害補償保険の年金を担保、また日本政策金融の恩給・共済年金担保融資は、恩給・災害補償年金、共済年金、厚生年金を担保にして、年金受給者が一時的にお金を借りることができる制度です。
国の法律によって認められている制度ですので、絶対的な安心感と安全性が高いと言えるでしょう。
ただし資金使途はある程度限定されます。
主な資金使途について紹介します。
【福祉医療機構】
- 医療費
- 介護費
- 福祉サービス費
- 住宅改修費用
- 冠婚葬祭
- 生活必需物品の購入
【日本政策金融】
- 住宅などの資金
- 事業資金
以上の資金使途であれば、年金を担保にお金を借りることが可能です。
ただし生活費としてお金を借りることは、基本的には認められていません。
年金受給額だけでは生活していけないのに、年金を担保にお金を借りたのでは近いうちに生活破綻することが予想できます。
冠婚葬祭費や医療費の支払いのために生活費が足りなくなってしまった、というのであれば資金使途として有効です。
しかし、借入申込書に記入する資金使途には、生活費と書いてしまうと書類審査で落とされる可能性が高いです。
そのため、借りる目的は結果的に生活費だとしても、生活費不足に行きつくまでどのような経緯があったのかを見直し、その事情を記載しておくといいでしょう。
日本政策金融公庫では、資金用途は決められておらず生活費に借入金を充てることも可能です。
しかし年金受給者本人が使用する範囲内でというルールはあります。
年金担保融資の対象者
年金を担保にして融資を受けるには注意点があります。
すべての年金が対象ではないということです。
例えば同じ「厚生年金」というくくりであっても、担保に該当するものとしないものが存在します。
福祉医療機構の場合は以下の通りです。
- 厚生年金保険年金
厚生年金基金や企業年金連合会の年金分は、担保にすることができません。
- 国民年金保険年金
特別障害年金や国民年金基金、及び無拠出制度の老齢福祉年金では借入はできません。
そのため障害年金担保融資も受付ていません。
- 船員保険年金
厚生年金保険部分のみ担保に入れることができます。
なお平成22年1月1日以降の船員障害保険や、遺族年金は担保に入れることができません。
- 労働者災害補償保険年金
ただし石綿(アスベスト)健康被害救済法に基づく、特別遺族年金では担保にすることができません。
以上のように受給している年金の種類によって、年金担保融資を利用できない場合がありますので、事前に福祉医療機構に問い合わせておくようにしましょう。
なおJA共済などの年金も担保にして借入することができません。
日本政策金融公庫が利用できる人は、恩給や災害補償年金を受けている人または、共済年金や厚生年金(共済組合が支給する厚生年金に限る)を受けていて以下に該当しない人です。
- 生活保護受給中
- 恩給・共済年金担保融資を利用中に生活保護を受給し、生活保護廃止後5年経過していない
連帯保証人が必要
年金担保融資で福祉医療機構からお金を借りるには連帯保証人が必要です。
年金担保でお金を借りるということは言ってみれば年金の前借りですから、途中で年金受給者が死亡した場合貸したお金が回収できなくなってしまいます。
そのため連帯保証人を立てなければ、年金担保でお金を借りることはできません。
どうしても連帯保証人を立てることができない場合は、別途保証料金を支払って保証会社と契約する方法もあります。
日本政策金融公庫では連帯保証人は必要ありません。
返済方法は年金から天引き
年金担保でお金を借りた場合は、年金受給日に、お金を借りる際に契約した返済金額を差し引かれた残金が、口座に入金になりますのでわざわざ銀行窓口で振り込む必要がありません。
ただし口座に入金される年金額が、返済額を引いたものになります、通帳を見て前回の年金よりも入金額が少ないと驚かないようにだけは心掛けておきましょう。
日本政策金融公庫の場合は受け取っている年金を全額、日本政策金融公庫が代わりに受け取った後に、指定した自分の口座に年金から返済額を引いた金額が入金されます。
返済は1万円からでOK
福祉医療機構で借入を行った場合の返済金額ですが、返済金額は自身で決めることができます。
最低金額は1万円からですので、1万円に設定し、余裕がある月は多めに返済をするといいでしょう。
多めの返済を行う上限額は、年金支給金額の3分の1までと決まっています。
例えば年金を月15万円受給しているのであれば、50,000円が返済の上限額になる計算です。
しかし日本政策公庫では、返済するに当たり毎月の年金を全額、返済に充てる形になります。
しかし2019年からは最低の返済額が、受給する年金の、3分の1からの返済も可能です。
返済期間の延長が可能
福祉医療機構では返済月は偶数月と決まっていますが、もし偶数月に年金が支給されなかった場合には返済期間が延びるケースがあります。
もし奇数月に年金が受給された場合には、年金の全額が契約者に振り込まれます。
契約者が死亡した場合
年金受給できる年齢ですから、いつ何があっても不思議ではありません。
万が一契約途中に契約者が他界した場合には、その請求は保証人に入ることとなります。
ただし保証会社と契約していたのであれば、保証会社が残債は一括での支払いを行いますので、念のために一度確認しておくといいでしょう。
日本政策金融公庫では基本的に連帯保証人は必要ありませんが、借り入れた本人がなくなった場合は相続人に債務が引き継がれます。
年金担保融資の申し込み方法
それぞれのメリット・デメリットを把握したうで申込みをしましょう。しかしどうやって申込みを行えばいいのでしょうか。
近くに年金担保貸付を行う機構がない場合には、どうしたらいいのかを見てみましょう。
申し込みの連絡先
福祉医療機構の場合は年金担保融資は直接、それぞれの機構に申込みを行うか、代理店窓口である銀行や信用金庫に申込みを行う方法の2種類に分けられます。
銀行で年金担保融資の申し込みを希望する場合は年金を受給している銀行窓口に出向きます。
事前に銀行の融資担当者と話をしておけばお金をいくらまで借りることができるのか、また返済はどのようにすればいいのかなど具体的な相談をすることができます。
年金担保でお金を借りても生活が破綻したのでは意味がありません。
申し込む際はお金を借りた後の生活費の見直しや節約方法などを気軽に相談してみましょう。
日本政策金融公庫では、電話で面談の予約を取った後に、年金を受給している年金担保融資の申込者本人が出向く必要があります。
そこで面接を行われ、資金の用途や借入金の相談の他に、申込者の健康状態なども確かめられます。
借入申込に必要な書類
年金担保でお金を借りる場合に必要な書類は年金の種類によって違いがあります。
ここでは基本となる書類について説明していきます。
【福祉医療機関の場合】
- 本人を確認することができる書類
運転免許証や運転経歴証明書、住基カードやマイナンバーカード、パスポートなどです。 - 実印と印鑑証明(発行後3か月以内)
- 借入申込書
- 年金証書
- 現在の年金支給額を証明する書類
- 資金使途を明らかにできる書類
【日本政策金融公庫の場合】
- 年金証書
- 最近の年金の受給が確認できる通帳
- お金の使いみちのわかる請求書など
- 顔写真付きの証明書(運転免許証など)
- 実印
どのような書類が必要になるのかについても、年金が振り込まれる口座のある銀行で確認しておくといいでしょう。
ゆうちょ銀行では申し込みできないので注意
基本的には年金受給を指定している銀行であれば、受け付けは可能です。
しかしゆうちょ銀行だけは、対象外なので注意しておきましょう。
現在、年金が振り込まれる銀行がゆうちょ銀行であれば、変更の手続きを行わなくてはなりません。
しかし、日本政策金融公庫ではゆうちょの通帳でも契約可能です。
年金担保融資のメリット
ここまで聞くと「何だか年金担保での借入は難しい」という印象を持ってしまいますが、悪いことばかりでもありません。
デメリットが大きい分メリットも大きいものですから、自分にとって何が大事なポイントなのかをじっくりと考え選択していくといいでしょう。
銀行や消費者金融よりも低金利
年金担保での借入で最大のメリットは、やはり金利の低さと言えるでしょう。
一般的に低金利と言われている銀行カードローンでも、年金担保貸付の金利を適用させるには相当の収入が必要になってきます。
金利が低いと、月の返済金額を抑えることもできますし、返済金額のうち元金に充当する金額も大きくなります。
年金のみで生活している家庭にとっては、返済金額が少なくて済むというのは魅力です。
返済計画が立てやすい
先に話したように原則として追加借入は行えません。
つまり借りた最初の金額を返済していくので、当初の完済日付から大きく変わるようなこともなく、返済計画が立てやすいのもメリットと言えるでしょう。
他の借金の乗り換え
年金受給する前から借入があり、現在の返済中というならば、年金担保貸付でも乗り換えは可能です。
現在よりも金利が低くなるのは明確ですから、月の支払金額を押さえることが可能です。
ただし、乗り換える前に一度過払い金請求に該当していないかを確認しおいたほうがいいでしょう。
もし長く返済をしているのであれば、過払い金の対象になっているかも知れません。
過払い金で戻ってきたお金で完済させることも不可能ではないので、調べておくことをおすすめします。
年金担保融資のデメリット
年金を担保に融資を決行するのですから、大なり小なりデメリットは生じるものです。
そのデメリットを事前に知っておくことで「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができます。
それでは、年金担保融資にはどのようなデメリットがあるのかを下記で見てみましょう。
融資までに時間がかかる
年金を担保に融資を申し込むとなれば、先述したように福祉医療機関もしくは日本政策金融公庫に申込むほかありません。
民間の金融機関とは異なり、融資実行までのスピード感は期待できませんので、急ぎ融資が必要な場合には注意が必要と言えるでしょう。
ちなみに、一般的な申込みから融資実行までの平均的な機関は、銀行カードローンであれば2日程度で、大手消費者金融であれば早ければ即日融資です。
それに対し、福祉医療機関、日本政策金融機構では申込から融資実行まで約4週間ほど時間を要します。
融資金額上限が低い
金利が低いというメリットがある一方、デメリットとして挙げられるのが融資金額上限の低さです。
そのため、ある程度まとまった金額が必要である、という人には不向きでしょう。
それぞれの融資金額上限は以下のとおりです。
福祉医療機関 | 200万円(生活必需品購入目的であれば80万円) |
---|---|
日本政策金融機構 |
|
上限金額が最高でも日本政策金融機構の250万円ですが、もちろん審査があるので希望しても250万円までかならず融資してもらえるという事ではありません。
連帯保証人に返済義務が残る
年金担保での融資の場合、多くは連帯保証人が求められます。
万が一、契約者が他界してしまった場合にはその後の返済は連帯保証人に請求が入るようになってしまうので注意しておきましょう。
連帯保証人は立てずに、保証会社と契約をしている場合には遺族に何の返済義務も生じませんから、できれば保証会社をたてて契約をすることが望ましいでしょう。
年金担保融資の廃止について
先に簡単に話しましたが、福祉医療機構の年金担保貸付は、平成34年3月末で受付を終了します。
そうなると今後は年金を担保にする借り入れができるのは、日本政策金融公庫のみになってしまうのですが、そもそも申込者が共済年金受給者などと決まっているので、対象外になる人は今後どうすればいいのでしょうか。
また平成34年3月末までに、完済をしなくてはいけないのでしょうか。
令和4年3月末で新規貸付終了
年金担保融資が廃止になると解説しましたが、あくまで終了になるのは、「新規申込受付」のだけです。
まだ残高がある人は、そのまま継続して分割で返済を行うことができます。
もちろん廃止後の代替案も既に出されていて、何か相談事があれば「自立相談支援機構」が担当しますし、そこで貸付が必要だと判断されれば、貸付先の紹介も行います。
条件が合えば生活福祉金貸付制度が利用できる
生活福祉金貸付制度とは、厚生労働省が行っている日常生活を送るうえで、必要だと判断されれば、一時的に貸付けを行う制度のことです。
年金担保などではなく、公的な貸付制度ですから誰しも申し込めるものではなく、下記の一定の条件に当てはまる必要があります。
- 低所得世帯(市町民税非課税)
- 障がい者世帯
- 高齢者世帯(65歳以上で要介護者など)
そのためこの条件に該当する世帯であれば、この生活福祉金貸付制度を利用するといいでしょう。
どうしても急にお金が必要な場合
「年金担保では即日融資は無理」「早急にお金が必要だが、通常の金融機関では貸してくれるところがない」となれば、金利は高く支払いが厳しくなることを承知で、年金受給者でも貸付できる金融機関を探さなくてはなりません。
どのようなところで貸付が可能なのかを見てみましょう。
年金受給者OKのカードローン
年金受給者が申込できるのかは、年齢によって変わってくると認識しておくといいでしょう。
探せば70歳まで申込可能な金融機関も存在しますが、次にネックになるのが収入の部分です。
継続安定した収入があることが前提になります。
年金が収入に該当するのかは、申込先の金融機関によって異なります。
そのため公式に「年金受給者でもOK」と掲げている金融機関は少ないのですが、みずほ銀行カードローンは年金収入のみでも申込みは可能です。
ただし上限年齢が66歳未満と決まっているので、66歳以下なら申込みをしてみる価値はあるかも知れません。
ただし即日融資の可能性は低いので、注意が必要です。
生活福祉資金の緊急小口資金
どうしても急な出費で待ってもらえないと言う場合は、全国社会福祉協議会が行っている生活福祉資金の活用も考えてみましょう。
生活福祉資金の中の緊急小口資金は、申し込みから融資実行まで1週間あれば10万円の範囲内で借り入れすることが可能です。
年金受給者でも申し込めるカードローン
年金担保での融資は金利の低さが魅力ですが、相応のデメリットも発生します。
そこで年金を担保とせずとも融資申込みができるカードローンを3つご紹介します。
「収入はまだ得ているのだけども年齢制限だけがネック」という人であれば、検討の余地ありです。
安定した収入があるならアイフルやプロミスでも
現在、年金の他に安定した収入を得ているのであれば大手消費者金融のアイフルやプロミスも借入先として検討できます。
ちなみにアイフルは20歳~69歳、プロミスは申込対象年齢は18歳~74歳※です。
※お申込時の年齢が18歳および19歳の場合は、収入証明書類のご提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)、収入が年金のみの方はお申込いただけません。
対象年齢内であり、なおかつ年金以外の安定した収入を得ている状態ならば年金を受給している状態でも申込みは可能です。
初めての申込であれば、30日間無利息キャンペーンも行っているので、そのようなサービスを上手に活用するといいでしょう。
78歳までOK!ベルーナノーティス
通信販売でお馴染み「ベルーナ」グループのカードローン「ベルーナノーティス」であれば、申込対象年齢が78歳までOKと広く間口を設けています。
仮に専業主婦であったとしても、配偶者に安定した収入があれば「配偶者貸付制度」を設けていますので、収入の3分の1までは借入れが可能です。
またベルーナノーティスも初めての利用者に限り、14日間無利息キャンペーンを行っています。
満70歳の年金受給者でも申し込みはできるレイク
レイクであれば申込み対象年齢が満70歳まで可能なうえに、年金受給者でも申込みは可能です。
ただ審査は当然にあるので申込みをしたからといって、必ず融資に結び付くという話ではありません。
ただ申込条件すら該当しない人にとっては、申込先があるという事だけでも希望が持てます。
返済のめどが立たないのなら生活保護
いくら安定した収入を得ていたとしても、問題は今後問題なく返済ができるかどうかです。
借りた以上は、返済しなくてはいけませんし、元金だけではなく今後は利息までつけて返済をしなくてはいけません。
年金のみの収入であれば、そこまでの余裕がないと感じるご家庭も少なくないものです。
もし、お金が必要、でも返済のめどがたたないという状況であれば、生活保護も選択肢に入れておきましょう。
それでは生活保護の条件や申込み方法、注意点などを細かく見てみましょう。
生活保護を受ける為の条件
まずは生活保護を受けるための条件を見てみましょう。
【生活保護受給の条件】
- 世帯の収入が最低生活費以下であること
- お金に変えられる財産を持っていないこと
この2点さえクリアしていれば申請はできます。
条件に掲げられている「最低生活費以下」という部分ですが、居住する地域そして同居している家族構成によって基準金額が設定されています。
つまり夫婦2人暮らしで共に年金生活をしていたとしても、その金額が最低生活費以下であるのならば、生活保護の手続きは可能です。
詳しい数字については、管轄の役所の生活保護課で確認をするといいでしょう。
申し込み方法
生活保護の申込は、居住する地域の役所で行います。生活保護課があるので、そこに出向き「生活保護を希望している」という旨を伝えれば職員からのヒアリングが始まります。
そこで「親族などに援助を頼めないか」「他に使える支援はなかったのか」などの質問がきますので、正直に答え、ヒアリングの結果生活保護が妥当だとなれば、その場で手続きが可能です。
生活保護の注意点
生活保護は全額支給されるわけではありません。例えば、居住する地域そして家族構成で、最低生活費が20万円、年金受給額が5万円だったとすれば、生活保護費は差額の15万円のみです。
またご存知のように生活保護費は税金から工面されています。そのため定期的に自宅にケースワーカーが訪問しますので、「あまり他人を家にあげたくない」という理由で拒否することはできません。
まとめ
年金受給者は年々増加傾向にあるのに、もらえる年金の金額は据置きです。
しかしお金が急に必要になっても、そもそも借入先がないという四面そ歌の状態ですので、事前にしっかりと今後のお金の流れを把握しておくことが重要になってきます。
どこの借入先でも年金担保で即日融資を行うところはありませんので、借入する予定があれば早めに行動に移すように心掛けておきましょう。
タグ:職業別