個人でお金を借りる方法のメリット・デメリット
「融資」と聞くと、企業が新しい事業を行う時に銀行から融資を受けるように、個人ではなく組織が行うようなイメージがあります。
しかし金額の多寡こそあれ、何かをしたいときにお金が必要になるのは組織だけではなく個人も同じです。
そこで今回は、一個人としてお金を借りるための方法とそのメリット・デメリットについて紹介していきます。
今回の内容を参考にして、自分に合った方法を選んでみてくださいね。
なお、前半では各サービス・方法の概要の紹介を行い、後半でそれぞれのメリット・デメリットについて触れていきます。
記事の目次
- 1 銀行カードローン
- 2 消費者金融
- 3 クレジットカードのキャッシング枠
- 4 ソーシャルレンディング
- 5 個人間融資掲示板
- 6 国からの公的融資
- 7 両親・友人等からの借金
- 8 それぞれのメリット・デメリット
- 9 銀行カードローンはスピーディさがウリ
- 10 消費者金融では無利息期間が利用可能
- 11 キャッシング枠はすぐに利用できる
- 12 ソーシャルレンディングは幅広い人が利用可能
- 13 個人間融資掲示板は最後の頼みの綱?
- 14 国からの公的融資こそ最後の頼みの綱
- 15 両親・友人等から借金する場合は制限なし!
- 16 個人間での金利はいくらまで?
- 17 個人間融資でも借用書は必要
- 18 個人間融資掲示板はリスクが大きい
- 19 借り逃げすることはできる ?
- 20 犯罪に巻き込まれる可能性
- 21 まとめ
銀行カードローン
個人がお金を借りるための最も代表的なサービスの1つとして挙げられるのは、銀行カードローンでしょう。
大手銀行でも取り扱いがありCMも多数放映されているため、利用したことはなくても「三井住友銀行カードローン」や「三菱UFJ銀行カードローンバンクイック」といった名前は知っているという人も多いと思います。
銀行の商品であるという安心感もあり、非常に多くの人が利用している融資サービスです。
また、銀行で取り扱っている商品でカードローンと同様に資金使途自由の融資が受けられるものとしては、フリーローンというローンもあります。
融資までのスピードや借り入れ・返済の自由度といった点ではカードローンに敵いませんが、適用金利が総じてカードローンよりも低めであるというメリットがあります。
カードローンとフリーローンのどちらも取り扱っている銀行なのであれば、どちらを選ぶかをよく考えて決めたほうがいいかもしれませんね。
消費者金融
銀行カードローンと並んで代表的なサービスとしては、消費者金融が挙げられます。
こちらもプロミス・アコム・アイフルなどの大手消費者金融に関しては、銀行カードローンに負けず劣らずの知名度・認知度となっています。
銀行カードローンと消費者金融に関しては、取り扱っているサービス内容はほぼ同じです。
もちろん細部には違いがあるため、それらを比較・検討した上で銀行カードローンか消費者金融のどちらか、さらにその中でもどの業者・銀行を利用するかを判断することになります。
詳しくは後述しますが、消費者金融は銀行カードローンと比べると総じて適用金利は高めになっていますが、無利息サービスなどの便利なサービスが利用できるため、条件を満たす人であれば消費者金融を利用するほうがお得に融資を受けることが可能になっています。
クレジットカードのキャッシング枠
我々が普段ショッピングで利用しているクレジットカードにも、融資を受けることのできる機能が付いています。
それが「キャッシング枠」と言われるもので、ショッピングで利用する際に使われる「ショッピング枠」とは別の機能となっています。
キャッシング枠で借り入れられる金額はあらかじめ決められていますが、消費者金融や銀行カードローンで借り入れられる金額よりも少ない設定となっていることが多く、まとまった金額の借り入れにはあまり向いていません。
ただ、コンビニATMや金融機関のATM等を利用して24時間いつでも借り入れを行うことができるので、思い立ったときにすぐ利用できるというのは、今回紹介する他のどの方法にもないメリットだと言えます。
銀行カードローン・消費者金融・クレジットカードのキャッシング枠、この3つが個人がお金を借りる時に頭に浮かびやすいメジャーな選択肢ではないかと思います。
ここからは、上記の3つと比較すると利用者数が少なくマイナー寄りな方法になりますが、その分知っているといざという時の選択肢が増えることにもなります。
利用できる人・できない人がハッキリ分かれるものもありますが、後半の選択肢を見ていきましょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、簡単に言えば「個人から出資金を集めた組織・企業が、そのお金を融資を希望する個人や企業に貸し付けるためのシステム」です。
今まで紹介した方法では全て企業・銀行から融資を受けていましたが、ソーシャルレンディングでは融資を行ってくれる窓口こそ特定の企業や組織ですが、その向こう側にはお金を出資してくれた個人がいることになります。
つまりソーシャルレンディングとは、極論すれば「個人が個人に融資を行うための方法・手段」ということであり、インターネットの普及や決済手段の多様化によって生まれてきた新しいシステムです。
普及が進んでいるのは日本よりも海外のため、まだ国内でソーシャルレンディングを利用できるサービスはそこまで多くありません。
そのため、実際に利用する際には信用できる業者・システムをしっかりと選別することが重要になります。
個人間融資掲示板
ソーシャルレンディングは比較的最近生まれてきた個人間融資のシステムですが、それよりも前から個人間での融資が行われている場所があります。
それが個人間融資掲示板と呼ばれる場所で、オンライン上の掲示板・BBSだと思っていただけると分かりやすいと思います。
利用法は至ってシンプルで、お金を借りたい個人とお金を貸したい個人の双方がBBS上に条件を提示した上で、条件が見合ったもの同士が交渉を行い、交渉が無事成立すれば融資が行われるという流れです。
ただ、今回お金を借りる方法として挙げさせてはいただきましたが、できる限り別の方法でお金を調達することをオススメします(詳しい理由は後述します)。
国からの公的融資
消費者金融や銀行カードローンを利用する場合は審査が必要になるため、収入状況等によっては申し込んでも審査落ちになってしまう可能性があります。
収入が少なく生活状況が困窮している場合に利用できる制度には、国からの公的融資があります。
代表的な制度には生活福祉資金貸付制度というものがあり、資金使途に応じて総合支援資金・緊急小口資金などいくつかの種類に分けられた資金の融資を受けることが可能です。
母子家庭や父子家庭の人であれば、母子父子寡婦福祉資金貸付金という制度が利用可能であり、母子家庭や父子家庭の父母・子供の経済的自立を支援するための資金融資をうけることができます。
どちらも国のセーフティーネット的な制度であるため、誰もが利用できるというわけではありませんが、生活が苦しい時にはこういった国の制度に頼ることを検討してみるのも1つの方法です。
両親・友人等からの借金
困ったら自分の周囲の人間に頼るというのも1つの方法としては考えられます。
ただし、誰彼見境なくお金の無心をしていては自分の周囲の人間は離れていってしまうので、頼るべき相手は慎重に選ばなければなりません。
最も親身に話を聞いてくれそうなのは、自分の肉親である両親ではないでしょうか。
子供がお金のことで悩んでいる・困っているとなれば少しでも力になってあげたい、そう考える親の人は少なくないはずです。
また、仲のいい友人にお願いするという方法も考えられますが、これは相手を選ばないとそのまま友情関係の崩壊につながってしまいます。
いずれにせよ周囲の人からお金を借りようと思う場合は、非常に限られた選択肢になると言えます。
それぞれのメリット・デメリット
他にも細かい方法は色々あると思いますが、ここまで挙げた7つの方法が個人でお金を借りる場合の主な方法だと言えます。
ではここからは、それぞれの方法のメリット・デメリットについて説明していきましょう。
銀行カードローンはスピーディさがウリ
銀行カードローンを利用するメリットとしては、融資を受けるまでのスピーディーさが挙げられます。
申し込み→審査→契約といった一連の流れが早ければ1時間以内に終わってしまうため、どうしても当日中に融資を受けたいという場合にはオススメです。
ローンカードは全国の自行ATMやコンビニ等の提携ATMで利用できるため、場所を問わずに融資が受けられるのも嬉しいポイントです。
また、消費者金融等と比べると適用金利が比較的低くなっている点も見逃せません。
誰しも融資を受ける際にはできるだけ低い金利で受けたいと思うものです。
そういった意味では、銀行カードローンは融資検討先として真っ先に候補に上がると言えます。
一方デメリットとしては、審査が比較的厳しめであるということが挙げられます。
貸金業そのものを商売としている消費者金融とは異なり、銀行の融資サービスはあくまで数ある事業のうちの1つなので、危ない橋を渡るような融資は決して行いません。
しっかりと審査を行った上で確実な返済を見込める相手にしか融資を行わないため、属性等で不安のある方が銀行カードローンを利用するのは少々ハードルが高い場合があります。
なお、メリットとして挙げた「即日融資が可能」という点は条件付きである場合が多いので注意が必要です。
消費者金融とは異なりローンカードの即日発行は難しいので、原則として銀行窓口の営業時間内に手続きを終えておかないと、即日融資を受けることはできません。
銀行によっては、自行口座を保有していることが即日融資の条件に含まれる場合もあるので、銀行カードローンでの即日融資を希望する場合には、条件面をよく確認した上で申し込む必要があります。
消費者金融では無利息期間が利用可能
消費者金融を利用するメリットとしても、融資までにかかる時間のスピーディーさが挙げられます。
上述したように最近でこそ銀行カードローンでも即日融資を受けられるようになっていますが、以前はスピード審査・即日融資と言えば消費者金融の十八番でした。
銀行カードローンでは口座振込による即日融資が一般的なのに対して、消費者金融の場合は口座振込に加えて自動契約機を利用してローンカードを即日で受け取ることでも即日融資を受けることが可能であり、利便性で言えば消費者金融に軍配が上がります。
また、大手の消費者金融を中心に取り扱われている「初回30日間無利息サービス」の存在も、メリットの1つです(一部銀行カードローンでも取り扱いがあります)。
初回限定とは言え借り入れてから30日、つまり1ヵ月中に返済を行えば本来上乗せするべき利子無しで返済を行えるということですから、利用者にとってこれほど助かるサービスはありません。
また、初回30日に限らず「1週間限定で何度でも」「業者独自のポイントを利用することで任意のタイミングで」利用できる無利息サービスもあり、利用者各々の事情に応じて適したサービスを選択することができます。
その一方で、適用金利が総じて高めであるということはデメリットとして挙げざるを得ません。
融資を受ける際の金利にはある程度の幅が設けられていますが、初回利用や少額利用ではほぼ確実に上限金利に近い金利が適用されます。
無利息期間は条件を満たせる人からすればありがたいサービスですが、適用対象外の人からすれば消費者金融とは「金利の高い融資サービス」であるという印象はぬぐえません。
キャッシング枠はすぐに利用できる
クレジットカードのキャッシング枠を利用するメリットとしては、利用しようと思ったらすぐに利用できるということが挙げられます。
銀行カードローンや消費者金融でもスピード融資のことについて触れましたが、それらはあくまで「審査が早く終わる」ということなのに対して、クレジットカードのキャッシング枠を利用する場合には「審査が必要ない」のです。
クレジットカードは発行の際に審査が既に終わっているため、実際に利用しようと思う時にはクレジットカードをATMで利用するだけでOKです。
このスピーディーさは銀行カードローンにも消費者金融にも真似できないものであり、これらの営業時間が終わってしまった後でも利用できるという意味では唯一無二の存在であると言えます。
デメリットとして挙げられることは、消費者金融同様金利の高さです。
審査が必要なく確実に借り入れを行うことができる利便性を取るか、多少時間はかかる(とは言え決して遅いわけではない)ものの相対的に低い金利での融資を取るか…悩ましいところではあります。
また、クレジットカードのキャッシング枠の限度額は、クレジットカード本来の用途であるショッピング枠と同じ金額内での計算となります。
つまり、仮に限度額50万円、ショッピング枠50万円、キャッシング枠20万円というクレジットカードを持っていたとしても、今月既にショッピング枠で40万円を利用していたとすると、キャッシング枠で利用できる金額は20万円ではなく、50-40=10万円となってしまいます。
この仕組みを知っておかないと、いざキャッシング枠を利用しようと思った時に限度額が足りないということになりかねないため、注意が必要です。
ソーシャルレンディングは幅広い人が利用可能
ソーシャルレンディングのメリットは、比較的低金利で借り入れを行うことができる点です。
銀行や消費者金融とは異なり店舗を持たず全てオンライン上での手続きとなるため、コストを低く抑えることが可能であり利用者はその分の恩恵を低金利という形で受けることが可能になっています。
また、ソーシャルレンディングでも融資を受ける際の審査はありますが、銀行カードローンや消費者金融とは異なった審査基準を設けているため、消費者金融等で借り入れができなかった人でもソーシャルレンディングであれば借り入れを行える可能性があります。
低金利で他で融資を断られた人でも利用できるとなるとメリットしかないように感じられますが、実際これといったデメリットはありません。
強いてあげるとすれば、ソーシャルレンディングへの出資者は慈善事業ではなく投資のために出資を行っています。
そのため、しっかりとしたリターンが見込める案件に出資金が集中しがちであるため、個人よりも企業が募集している融資案件にお金が流れていきやすいという傾向があります。
しかしこの点も、個人向け融資を中心に取り扱っているソーシャルレンディングサービスを利用することで、ある程度解決することが可能です。
まだ生まれて間もないサービスであるためデメリットが見出されていないだけという可能性もありますが、総じて好条件で融資を受けることが可能だと言えそうです。
個人間融資掲示板は最後の頼みの綱?
個人間融資掲示板のメリットは、いわゆる「審査」という過程が全く入り込むことなく借り入れを行える可能性があることです。
個人間融資掲示板は、建前上「利用者(お金を貸す側)の善意」で運営されています。
ですから「銀行でも消費者金融でも審査落ちしてしまいましたがどうしてもお金が必要なんです!」という日利用者からの書き込みに対して、「それは大変でしょう。しっかり返済していただけるんでしたら私が融資してあげますよ」という人が現れさえすればそれだけで取引は成立することになります。
あくまで個人間でのお金のやり取りなわけですから、そこに法律や規制が絡んでくる余地はありませんからね。
つまり、どんなブラックの人でも融資を受けられる可能性が一応はあると言えます。
さて、個人間融資掲示板に関してはここまで少々意味ありげな言い回しをしながら紹介してきましたが、その理由はまさに今から説明するデメリットに大きく関わってきます。
それは、個人間融資掲示板に「お金を貸します」といって書き込んでいるのは善意の個人に限らないということです。
限らない、というより善意の個人「も稀にいる」と表現したほうが実態を正しく表しているでしょう。
では個人間融資掲示板に書き込んでいるのはどのような人かというと、ズバリ闇金業者です。
個人間融資掲示板を頼っているということは、銀行や消費者金融では融資を断られている人である可能性が高く、そういった人は闇金業者の格好のターゲットになります。
表面上は優しい言葉をかけながら近寄ってきますが、内心ではカモを逃がさないようにうまく誘導することに必死なのです。
もちろん善意の個人と巡り合える可能性もゼロではないだけに、一応「個人でお金を借りられる方法」として紹介はしましたが、よっぽどの事情が無い限り個人間融資掲示板を利用するのは控えるのが得策だと言えるでしょう。
国からの公的融資こそ最後の頼みの綱
生活福祉資金貸付制度などの国からの融資を利用することのメリットは、非常に低い金利もしくは無利子で借り入れを行うことができることです。
これらの融資を行っている主体は国であり融資によって儲けようという意図はなく、生活に困窮している人を救うためのセーフティーネットとして設けられているからです。
無条件で無利子・連帯保証人を立てられれば無利子など利用する制度によって金利の条件は異なりますが、ほぼ元本のみの返済と変わらないような条件で融資を受けることができます。
デメリットは、誰でも利用できるような制度ではないということです。
利用に際しては条件を満たしているかどうかについて厳密な審査が行われますし、融資を行うことで生活を立て直すことが現実的に可能かどうかということがしっかりとチェックされます。
とは言え、生活困窮者の方にとっての最後の望みであることに変わりはありません。
消費者金融や銀行で融資を断られたとしても、個人間融資掲示板等など利用せずに公的な融資制度を利用することで乗り切るようにしましょう。
両親・友人等から借金する場合は制限なし!
両親や友人からお金を借りる場合のメリットは、企業や国からお金を借りるわけではないため、一切の制限がないということです。
極論を言えば「ちょっと今月お金厳しいから1,000万円貸して!」という無茶なお願いでも相手がOKさえしてしまえば借りられてしまいます。
企業や国から融資を受ける場合は最大融資限度額が○○万円で金利が××%で…、といったように決められていますが、これらの条件も双方の話し合い次第で決めることができます。
返済はお金ではなく何か別の形(労働など)で返すことも可能なのも、両親や友人からお金を借りるという方法独自の利点だと言えます。
デメリットとしては、周囲との人間関係が壊れてしまう可能性があるということです。
返済を行えなかった場合はもちろんですが、返済をきちんと行ったとしても「お金を貸した側」と「お金を借りた側」という意識が双方に根付いてしまい、何となく関係がギクシャクしてしまう可能性は否めません。
借りた金額が1万円なのか100万円なのかということや、貸し手と借り手のそもそもの関係性などで変わってくる部分ではありますが、そういった危険性があるということには十分注意しておく必要があります。
個人間での金利はいくらまで?
なんとか個人間融資でお金を借りれたとして、いくらまでなら利息の支払、つまり金利を取っても良いのでしょうか。
銀行カードローンや消費者金融の借り入れは法律によって上限金利が定まっています。
出資法によると貸付上限金利は年20.0%まで許されていますが、原則利息制限法によって契約をしなければならないため、借入する金額によって借入金利が定められています。
利息制限法ではお金の貸し借りに関する借入上限額は次のように定められています。
・10万円未満:年20.0%
・10万円超100万円未満:年18.0%
・100万円超:年15.0%
しかし個人間融資の場合は出資法によって年109.5%まで金利を定めても良いとなっています。
10万円を個人から借りれば30日あたりの利息は9,000円です。
銀行カードローンや消費者金融で10万円を借りた場合の利息が、1,300円から1,400円程度であることを考えるとかなり利息が高いですね。
しかしながら、たとえ個人間融資でもお金の貸し借りについては利息制限法の上限金利が適用されます。
たとえ出資法によって年109.5%までの金利を取って良いとなっていても、利息制限法の上限金利を上回って利息を取った場合は元本に充当しなければならないことが定められています。
お互いの合意によって年109.5%まで金利を支払うことを約束したとしても、万が一お金を貸した側が法的手段に訴えると、利息制限法の金利を超えた利息の支払いは過払い金として返還しなければなりません。
したがって個人間融資でお金を貸す場合に定める金利は、安全策を取って利息制限法に基づいた金利にしておくと良いでしょう。
個人間融資でも借用書は必要
個人間融資の金銭貸借は民間の金融機関ほど事細かく書く必要はありません。
名刺の裏でもチラシの裏でも、白紙の部分にお金を借りたことやいつ返済するかなどの期日を書いておけば第三者に対しても実際に個人間融資の事実があったことを証明することができます。
親や親戚、兄弟及び同僚や友人からお金を借りる場合には、たとえ相手が求めなくてもお金を借りるあなた自身が借用書を差し入れることが相手を安心させます。
借用書を書く、ただそれだけであなたの誠意が伝わりますので、きちんと返済を行えば信頼関係を失うことまでは行かないでしょう。
個人からお金を借りる場合必要な借用書の項目は次のものがあれば十分です。
・お金を借りた日
・借りた金額
・返済期日
・金利の定め
・返済方法
・借用書の作成日
・借主の住所氏名
最低限以上の項目があれば借用書の体を成します。
無用な金銭トラブルを避けるためにも、お金を貸してくれた個人に心配をかけないためにもあなたは自ら借用書を差し入れるようにしたいですね。
個人間融資掲示板はリスクが大きい
何らかの事情で銀行カードローンでお金を借りることができない人や、消費者金融でお金を借りることができない人が利用するのが個人間融資掲示板です。
個人間融資掲示板はその名の通り、個人間融資をマッチングさせるための掲示板です。
お金を借りたい人が、月末までに5万円貸してください、などと書き込むことで、それを見た相手が返信し、条件が合えばお金を貸してもらうことができるというサイトです。
インターネットで「個人間融資掲示板」と検索すればいくつか見つけることができるでしょう。
しかし個人間融資掲示板は決して安全なサイトではありません。
管理者がはっきりしないばかりか、あくまでも個人間融資をマッチングさせるためのサイトですから、お金を借りる条件についてまで立ち入ることはありません。
ほとんどの場合、個人間融資掲示板でお金を貸しますと連絡を取ってくるのは闇金業者が詐欺と思って間違いありません。
見ず知らずの人にお金を貸すのに、ボランティア精神でお金を貸そうという人はなかなかいるものではありませんね。
お金を貸して欲しいと書き込んだら、すぐに返事が来た。喜んで条件を交渉してみると10日で3割の利息や、10日で5割の利息の条件を突きつけられることも珍しくありません。
もちろんお金を借りる場合には個人情報を提供しなければならず、お金を借りるあなた本人の情報以外にも要求されることでしょう。
親や兄弟、親戚の名前や住所、連絡先電話番号、勤務先なども根掘り葉掘り聞かれることになります。
個人情報が流出するばかりではなく、あなたがきちんと返済しないと親や親戚などにも取り立ての連絡が入り重大なトラブルを起こすこともありますよ。
借り逃げすることはできる ?
個人間融資掲示板でお金を借りて借り逃げすることはできるのでしょうか。
直接会って契約したわけではないので、もしかしたら返済しなくても握ることができるのではないかと考える人も多いかもしれません。
しかしすでにご説明のようにあなたの個人情報や親や親戚、兄弟などの個人情報も提供していますので借り逃げすることはまずできません。
闇金業者にはネットワークがあり、お互いの協力によって北は北海道から南は九州沖縄まで津々浦々にわたって闇金業者の協力関係ができています。
借りたお金を返済しなければ24時間365日の取り立てを覚悟しなければなりません。
もちろん勤務先への連絡もあるでしょう。
甘い考えで個人間融資掲示板を利用するのはかなり危険です。
犯罪に巻き込まれる可能性
個人間融資掲示板を通じてお金を借りる条件に、銀行口座の開設やFX口座の開設を求められることもありますよ。
場合によっては携帯電話の契約を条件に出される場合もありますね。
相手の言われるがままに口座の開設や携帯電話の契約をしてしまうと、それらはオレオレ詐欺などに利用されます。
お金を貸してくれた相手が警察に逮捕されることになってしまうと、当然ながらあなたにも捜査の手が入ります。
知らない間に犯罪に巻き込まれてしまう可能性が高いのも個人間融資掲示板の特徴です。
まとめ
以上、個人で借り入れを行うための方法とそれらのメリット・デメリットについての説明でした。
主な選択肢としては銀行カードローン・消費者金融・クレジットカードのキャッシング枠の3つになると思いますが、それら以外にも利用できる方法はいくつかあります。
選択肢として知っているかどうかでいざという時に取れる対応の幅が広がるため、(個人間融資掲示板を除き)今回紹介した方法は頭に覚えておいていただくといいと思います。