増資のメリット・デメリット~借入金振替についても解説~

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「増資」と「借入」どちらもお金を調達することに変わりはありませんが、根本的な意味が異なります。なお、「増資」と「借入」はそれぞれにメリットと、デメリットがあります。

今回は、「増資」と「借入」の違いや、メリットとデメリットを押さえて、どちらを利用するといいのか参考にしてください。

増資と借入の違いとは

増資と借入は、大きく分けて五つの違いがあります。その違いについて、これから説明をしますので見ていきましょう。

まずひとつ目は、貸借対照表上における分類の違いです。増資は投資家(株主)からお金を集めて資金を調達するため、株主資本(自己資本)に分類されます。貸借対照表上の左下に当たる部分です。

一方で、借入は金融機関からお金を借りて資金を調達するため、他人資本(負債)に分類されます。貸借対照表上の左上に当たる部分です。

ふたつ目は、資金提供者の違いです。増資は投資家(株主)から資金の提供を受け、借入は金融機関から融資を受けます。

三つ目は、資金提供者への返済の違いです。増資は資金提供者である投資家への返済は必要ありません。その理由は、投資家が会社の成長や事業の成功を期待して出資をするためです。

なお、投資家は株主ですので、増資を受けて利益がでると投資家に配当金として利益を還元する必要があります。借入は金融機関からお金を借りていますので、利息とともに返済する債務を負います。

四つ目は、議決権の違いです。増資は投資家がお金を出資していますので、保有株式数に応じて投資家に議決権が与えられます。借入は金融機関からの借金であり、出資ではありませんので議決権は発生しません。

五つ目は資金提供者の増資と借入における考え方です。増資は会社の成長性や期待から投資家は出資を考えます。借入は収益性や安全性を考え、金融機関の利益のため融資がされます。

増資のメリットについて

増資で資本金を増やすと、信用性が高まると考えられます。増資は財務基盤の強化につながり、自己資本比率を高めることができます。自己資本比率とは、会社の資金力をパーセンテージで表したものです。

「自己資本÷総資本(他人資本・自己資本)×100=自己資本比率(%)」という計算式で求められます。

自己資本比率が高いほど会社の経営が安定していると判断できるため、投資家の信用の獲得につながります。

また、増資は追加で株式を発行しますので、新たな株主の取得にもつながります。得意先や仕入先、一般の投資家が増えることによって、会社をさらに成長させることが可能になります。

会社が期待通りの成長や利益をあげられれば、得意先や仕入先との信頼性も深まると考えられ、また投資家も継続して株を保有してくれる可能性が高まります。

なお、増資は会社側(がわ)からするとメリットですが、投資家からするとデメリットとして捉えられることもあります。

その理由として会社側(がわ)は増資で自己資本比率をあげて経営を強化できますが、投資家は増資の募集条件や方法がどのようにするかで、既存株主の持分割合が減る可能性がでてきます。

そうなりますと、議決権の行使をするときの影響力が減ってしまうためデメリットとなることもあるでしょう。

増資のデメリットについて

増資をしたときのデメリットのひとつ目は、1株当たりの利益が減少することです。増資をすることによって発行株式数が増え、1株当たりの利益が小さくなってしまいます。

そのため、経済指標では悪材料と判断されやすく、株価の値下がりにつながる可能性があります。

ただし、上場していない未上場株式の場合は、株価の値下がりについては余り意識をする必要はないでしょう。

ふたつ目のデメリットが、筆頭株主や大株主の権限が弱まることです。筆頭株主とは持ち株比率の最も高い投資家のことを指し、大株主とは、持ち株比率の高い投資家のことを指します。

なお、どちらも厳密な定義はありませんが一般的に言われていることですので覚えておきましょう。増資を行うと新規の投資家も増え、持ち株比率が低下します。既存の投資家たちは持ち株比率が低下すると、議決権割合も比例して低下してしまいます。

すると、持ち株比率の高い筆頭株主や大株主の議決権が弱まってしまう可能性があるのです。そのため、筆頭株主や大株主から、反対を受ける可能性があります。

三つ目のデメリットは、税の負担が重くなることです。増資をすると資本金が増えるため、優遇税制を受けられなくなることがあります。

優遇税制が受けられなくなると、市県民税などの法人税の均等割合が高くなる場合もあり、税負担が大きくなると考えられます。

借入のメリットについて

借入のメリットひとつ目は、経営権を自分で持てることです。増資の場合は投資家から出資を募るため、株主総会において今後の経営方針などが投資家の可否によって決まります。

そのため、株主総会において可決されなければ施行することができません。一方で、借入の場合は企業が金融機関からお金を借ります。

そのため、今後の経営や戦略などを企業内で決めることができ、投資家の可否が影響されることはありません。

借入のメリットふたつ目は、金利が低いという点です。個人事業主や中小企業が銀行から融資を受ける場合、融資金額が大きいほど金利は低くなります。審査は厳しいですが、金利が1.0%~4.0%程度で借りられる金融機関がおおいため、支払利息を抑えることが可能です。

借入のメリット三つ目は、金融機関の信用が増すことです。融資を受けたお金を滞りなく返済したという記録は金融機関の信用を高めることにもつながります。

なお、返済した実績があると、次の融資を受けるときに比較的に審査が通りやすくなることがあると考えられます。

借入のデメリットについて

借入のデメリットひとつ目は、審査が厳しく資金調達が確実ではないことです。事業資金調達のために融資を受けるときには、りん議書をもとにして厳しい審査が行われます。

担当の銀行員はもちろん、融資課の管理者や次長、支店長まで審査にかかわることもあります。

また、金融機関がりん議書を作成するに当たって、決算書などの財務諸表や申告のときに税務署に提出をした、勘定科目内訳書が必要になります。

財務諸表をもとに営業利益や経常利益など各利益が確認され、純資産がどの程度あるのかなどおおくの観点から審査が行われます。

また、経営が安定的に運営されているか過去の利益も審査対象となりますので、決算書など書類を最低でも3年分準備しなければいけません。このように、借入の審査には手間や時間がかかってしまうのです。

借入のデメリットふたつ目は、赤字経営であっても支払期日に返済しなくてはならないことです。審査に通って融資を受けられたとしても、黒字経営が続けられるかと言うとそうではありません。

経営の悪化により、当期純利益が赤字になることもあるでしょう。

しかし、利益が赤字になっても借入の返済は続けなければなりません。返済を延滞すると督促状などの連絡が来ますが、それでも返済ができない場合、法的処置が執られる可能性がでてきます。

担保として提供したものが処分をされたり、保証人に返済を迫られたりしますので注意が必要です。

また、今後の融資において審査に悪影響が及んでしまいますので、返済が苦しくなったときには金融機関と相談をしながら解決に向けて動くことをおすすめします。

デット・エクイティ・スワップ(DES)

先ほど、会社が役員借入金を残しておくと様々なデメリットがあるという話しをしました。

そこで有効なのが、デット・エクイティ・スワップ(DES)という借入金を資本金に振り替える方法です。

この方法のメリットやデメリットについて、説明をしますので見ていきましょう。

債務者側のメリットとデメリット

債務者である会社にとっては、借入金を資本金に振り替えることで、財務体質が良くなるというメリットがあります。

それは、会社にとって負債である借入金がなくなりますし、資本金が増えることで債務超過が解消される可能性もあるからです。

ただし、会社は資本金の額が増えることで、これまで受けていた税金優遇制度が受けられなくなる可能性があります。

しかし、資本金の出資割合が変わるため、先ほど話しした経営権の問題が出てきたり、株式の金額によっては贈与税の問題が出てきたりしますので注意しましょう。

債権者側のメリットとデメリット

会社の借入金を資本金に振り替えることで、債権者にも影響がでます。

まず債権者が社長である場合、役員借入金がなくなることで相続財産が減るというメリットがあります。

また中小企業の場合、社長と会社の財布は同じことが多いので、社長が役員借入金を回収しなくてもさほど問題ではありません。

ただし、債権者が銀行である場合は注意が必要です。

それは、銀行にとって会社が借入金を資本金に振り替えることは、貸付した債権を放棄することになりますし、場合によっては課税売上と消費税が発生するからです。

したがって会社が銀行からDESの承認を受けるには、DESによって再生や成長がよほど見込める会社でなければ難しいという点に注意しましょう。

相続・事業承継対策としての効果

社長にとっての相続財産である役員借入金を減らす方法として、社長が債権放棄する方法と、役員借入金を資本金に振り替えるDESの方法があるという話しをしました。

このふたつの方法は、社長の相続財産が減るという意味では同じですが、会社側で税務の取り扱いが異なってきますのでその違いをおさえておきましょう。

DESと債権放棄の違い

会社にとってDESと債権放棄の違いは、税金の額が変わってくるということです。

例えばDESによって会社の役員借入金は資本金に振り替えられますので、会社が債務超過であれば税金は発生しません。

ただし、債権放棄したときに発生する債務免除益は債務超過と相殺することはできません。

その場合、債務免除益は繰越欠損金と相殺することになります。

したがって、繰越欠損金がない会社の社長が債権放棄をする場合は、会社に多額の法人税が発生する可能性がありますので注意しましょう。

借り入れで資本を増やす仕組み

どうして企業は借り入れをしてまで、資本を増やすのか気になるという人も多いのではないでしょうか。

企業が資本を増やす理由は様々ですが、理由の1つとして「事業の幅を増やしたいから」という理由が考えられます。

借り入れによって資金が増えれば、新しく事業を始めたり、広告を出したり、設備投資をしたりと利益を増やす取り組みができるからです。

また、本来であれば「借入金=借金(負債)」ですが、十分な資本性が認められる借入金は、金融機関が債務者区分を査定できるようになりました。

十分な資本性があると判断された場合、借入金は「資本性借入金」と認められることがあります。

その結果、資本性が認められた借入金は、銀行が企業の財務などを判断するときに資本とみなすことができるのです。

メリット

借り入れで資本を増やすメリットは、資金繰りが改善されることです。

資金が増えることによって、収入と支出のバランスを今一度見直し、過不足を調整することができます。

さらに、資金が増えることにより設備投資や、利益を生み出すために必要な事業計画に充てることもできます。

そして、借入金が資本性借入金と認められた場合、長期の「期限一括償還」が基本となるため、長期的な資金繰り計画を立てることができます。

資本性借入金は業績連動型の金利設定となっていますので、業績が悪化したときには金利も低く設定されているのです。

資本性借入金と判断されない場合でもメリットはあるのか

借入金が負債に区分されるとしても、借り入れをすることによって会社の利益率を高められる可能性があります。ここからは例題を用いて説明します。

まず、自己資本が100万円あり他人資本がゼロであったと仮定すると、総資産は100万円となります。

100万円の総資産で売上が100万円と利益が10万円見込めるすると、自己資本に対しての利益率は(100,000円÷1,000,000円)×100=10%となります。

次に、将来の企業の成長を見込んで50万円を借り入れ、資金を増やしたとします。資本性借入金でない場合、融資は他人資本に分類されるため、他人資本が50万円増えます。

すると、総資産は150万円となります。

なお、融資を受けたときの金利は5%と仮定します。

150万円の総資産では、売上が150万円と営業利益が15万円見込め、利息が25,000円となります。この場合の経常利益は125,000円となり、自己資本に対しての利益率は(125,000円÷1,000,000円)×100=12.5%となります。

このように自己資本は変わらなくとも他人資本によって利益率を高められることを「レバレッジ効果」と呼びます。利益率の高さは企業にとってプラスに捉えられます。

デメリット

借り入れで資本を増やすデメリットは、業績に関係なく返済を続けなければならないことです。

自己資本のみで経営をしている場合や、投資家が出資をして資金を集めている場合には返済しなければならない借金はありません。

しかし、銀行などの金融機関から融資を受けていると、完済するまで元本と利息を支払い続けなければなりません。

また、低金利で融資を受けられたとしても、融資金額が大きければ支払利息も多くなります。

仮に利息が5%だったとしても、10,000,000円の融資に対してかかる利息は年間で500,000円にも及びます。

(返済せず借り続けた場合の利息)さらに、レバレッジ効果を期待して融資を受け、予想通りの利益を上げることができなかったときには、融資が原因で倒産を招いてしまうこともあります。

資本を増やせるからと安易な気持ちで融資を受けると、後々大変なことになってしまいます。融資を受けるときには慎重に判断し、返済についてのリスクも加味することが大切です。

債務者区分が引きあがる可能性がある

借入が「資本性借入金」となったときのメリットとして、債務者区分が上位に遷移される可能性があります。

債務者区分が上位に遷移されれば、金利引き下げの交渉もできるほか、新規の借入も可能となることもあります。

なお、債務者区分とは、簡単に説明すると「金融機関が融資先の財政状態を判断し、区分すること」です。

債務者区分は、「正常区分」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5つに分類されます。

ここからは、各区分について簡単に説明します。「正常区分」とは、企業の財務内容に特段問題がなく、業績も良好である場合に分類される区分のことです。

「要注意先」とは、元本や利息の返済が滞っていたり、財務内容や貸出条件に問題があったりする債務者が分類される区分のことです。

なお、要注意先のうち、貸出条件緩和債権については「要管理債権」と区分されます。

「破綻懸念先」とは、経営困難な状態にあり、今後経営破たんに陥る可能性が大きい債務者が分類される区分のことです。

「実質破綻先」とは、形式的には破たんしていなくとも、極めて深刻な経営難に陥っており、再建の見通しが立たない債務者が分類される区分です。

「破綻先」とは、法律や形式的に経営破たんしている債務者が分類される区分です。この債務者区分によって、金融機関では金利が決められており、債務者区分が悪いと金利が高くなります。

債務者区分が悪いと言うことは、貸したお金が返ってこないリスクがあるということになりますので、そのリスクを軽減させるために金利が高くなるのです。

また、債務者区分によって、決算処理で貸倒引当金に計上しなければいけない率が異なり、悪くなればなるほど多くの引当金処理をしなければいけなくなるため、金融機関の経営を圧迫させる原因にもなっているのです。

そのため、少しでも利益を確保するために、債務者区分が悪い先は金利が高くなります。

まとめ

増資と借入はそれぞれに、メリットとデメリットがあります。また、増資と借入には大きく分けて五つの違いがあり、「資金調達」という目的は同じであっても、根本的な意味合いが異なってきます。

それぞれの特徴を学び、増資と借入をうまく利用することが大切で、メリットとデメリットを考えて、どちらで資金調達をするといいのか慎重に検討をしましょう。

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