銀行のプロパー融資と保証付き融資の違い

銀行から事業資金を借りようとした場合には、信用保証協会付き融資とプロパー融資という融資があります。

2つの融資制度の違いはどのような点にあるのでしょうか?また、プロパー融資のメリットとデメリットはどのような点でしょうか?

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(仮名)
年齢:33歳
性別:男性
職歴:2007年~2014年地方銀行の貸付業務に従事

プロパー融資とは保証がない融資

プロパー融資とは一口に言えば、保証が付かない融資のことです。個人向けカードローンに代表されるように、銀行融資では保証会社の保証を付けるのが一般的です。

事業資金においても銀行は基本的に信用保証協会をつけて融資をします。このように、保証をつけた融資ではなく、保証をつけずに融資を行うことをプロパー融資といいます。

保証協会付融資との違い

信用保証協会の保証を付けると、貸したお金がもしも返済されなかったときには、信用保証協会が借入金の全部または大部分を銀行に支払ってくれます。

このため、銀行にとっては、信用保証協会の保証さえつけばリスクはゼロとなります。信用保証協会の保証を受けるには信用保証協会へ保証料を支払う必要があります。

一方、プロパー融資の場合には貸したお金がもしも返済されなかった場合のリスクはすべて銀行が被らなければなりません。バブル崩壊時、銀行の倒産が相次ぎ金融不安に日本全体が陥りました。

このため金融庁が設立され、銀行は貸しているお金について金融庁から厳しいチェックを受けるようになりました。このため、銀行にとってリスクが非常に少ない信用保証協会付き融資を銀行は取引先に勧めるようになりました。

また、地方自治体は地域の中小企業向けに融資制度を用意しています。地方自治体の融資制度は地域の銀行と信用保証協会と地方自治体の3者で融資制度を策定します。

金利や保証料が優遇された制度資金は信用保証協会の保証が前提となった商品です。

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プロパー融資は返済リスクが高い

銀行にとっては何の保証もないプロパー融資はリスクが高いといえます。信用保証協会付融資のように、返済不能となったときに融資金額が保証されないためです。

プロパー融資は返済が不能となったときのリスクが高い融資といえます。このため、銀行は最初に取引を行う融資先には信用保証協会付の融資を勧めるのです。

プロパー融資は銀行のコストになる?

銀行は金融庁の指導によって毎年、取引先への融資金を査定しています。この査定を自己査定といいます。自己査定によって取引先を正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先などと分類します。

この分類を債務者区分といいます。債務者区分が下になるほど、銀行にとってリスクが高い貸付金となるため、銀行は融資した金額に対して一定の引当金を積まなければなりません。

要注意先であれば融資金額の50%を引当金として計上しなければならず、1,000万円の融資であれば半分の500万円程度を費用が発生することになります。

この際、信用保証協会の保証さえついていれば、経営が悪化している企業であっても返済リスクはゼロですので、引当金を計上しなくても問題ありません。

しかし、プロパー融資の場合には100%のリスクを銀行が被りますので、債務者区分に合わせた引当金の計上が必要です。

つまり、プロパー融資で貸し出している取引先の業況が悪化すると、融資金額の1部または全部を引当金として費用化しなければなりません。

プロパー融資は場合によっては銀行の引当金が増加して収益を圧迫する可能性がある融資です。そのため銀行にとっても信用のある先にしかプロパー融資を行いたくないというのが本音です。

プロパー融資が実行される場合

プロパー融資が行われる場合には、銀行にとってリスクが少ないとか一定の信用力がある場合です。

古くから銀行と取引があり、銀行から大事にされてきた会社の社長に信用保証協会の保証協会付融資を勧めると「なんだ、うちは信用されてないのか」と機嫌を損ねてしまうこともあります。

プロパー融資はそれほど銀行にとって信用がない会社には行われないものなのです。では、業況がよい企業のほかにプロパー融資が行われるケースはないのでしょうか?

ケースとしては以下の2つのパターンが考えられます。

有力な担保がある場合

プロパー融資は銀行にとって貸し倒れた際にリスクをすべて被らなければなりません。そのため、プロパー融資では担保が要求される場合も少なくありません。

担保を取ることによって、もしも貸付金が返済されない場合には担保を競売にかけて融資金の回収に充てることができるためです。

また、会社の業況が悪くても、資産価値の高い不動産を保有している場合には当該不動産を担保にして、銀行からお金を借りることができる場合があります。

例えば1億円の不動産を所有している場合には、当該不動産を担保として1,000万円を貸し付ければ銀行はもしも返済履行されなくても1,000万円回収は余裕であると判断されます。

このように、担保をとったことによって銀行にとってメリットがあると判断される場合にはプロパー融資が実行される可能性があります。

有力な保証人がいる場合

プロパー融資の返済リスクは銀行がすべて被ります。担保もなく、業況も特別良好でない事業者がプロパー融資を受けられるケースとしては有力な保証人が付く場合を考えることができます。

保証人さえいれば貸しているお金がもしも返済されない場合には保証人から返済してもらえるためです。最近は会社と関係のない第三者の保証を行わないのが銀行の暗黙のルールとなっています。

そのため、社長個人がお金持ちである場合や、大口預金先の息子が会社を経営している場合に親が連帯保証人となってプロパー融資が実行されるというケースがあります。

プロパー融資のメリット

プロパー融資には以下のメリットがあります。

金利が低い

プロパー融資は業況が良好な会社や、有力な担保がある会社、有力な保証人がある会社に実行される融資です。実態として、銀行が頭を下げてお金を借りてもらう優良先企業にしか融資を行わないのがプロパー融資です。

優良先には高い金利を提案するわけにはいきませんので、プロパー融資の金利は非常に低い金利となっています。

「社長、この金利で融資をしますので借りてください」というのが一般的な銀行の営業スタイルですのでプロパー融資のメリットとしては金利が低いというのが特徴の1つです。

保証料がかからない

信用保証協会はただでは保証をしてくれません。リスクに応じた保証料が必要になります。信用保証協会の保証料は民間の保証会社と比較して保証料はかなり安価ですが、それでも融資金額が大きければ数十万円の保証料となります。

プロパー融資には保証料が発生しないというメリットもあります。

審査が単純

プロパー融資は銀行だけが審査を行いますので、審査が速いという特徴があります。特に大きな銀行になればなるほど、支店長が決済できる権限が大きくなっていますので、支店内の審査だけでプロパー融資が実行されれば申込から融資まで数日で融資が実行されるようなケースもあります。

信用保証協会の保証付き融資には、当然ながら、信用保証協会の保証審査が必要になります。この審査には3日~1週間程度かかるものです。

信用保証協会付の融資は信用保証協会の審査も銀行の審査も必要ですので、審査に時間がかかります。また、契約書の記入も信用保証協会との保証契約書の記入など、記入が必要な書類も少なくありません。

プロパー融資は保証協会付融資と比較して、審査も契約も単純化されているというメリットがあります。

社会的信用を得られる

プロパー融資は基本的に業況がよい企業にしか行いません。このため、銀行からプロパー融資を受けることができる企業というのは銀行が優良先と認めている企業であるともいえます。

銀行からプロパー融資を受けることのメリットとして、健全な優良企業であるという信用を社会的に得ることができるという点も挙げることができます。

プロパー融資のデメリット

プロパー融資のデメリットとして、以下の2点を挙げることができます。

銀行の管理がうるさい

プロパー融資は銀行にとっては貸し倒れた際のリスクが大きい融資です。

そのため、会社の業況がどうかについて銀行はとても敏感です。プロパー融資が行われると銀行員が頻繁に会社へ訪問し、業況はどうか、会社はうまく回っているかをチェックしに来ます。

信用保証協会付の融資と比較して、銀行の管理が面倒になるという点はプロパー融資のデメリットです。

返済不能時のリスクが大きい

信用保証協会付の融資は仮に借りたお金を返せなくなってしまっても、信用保証協会が銀行に返済金を立て替えてくれます。その後は、信用保証協会へ返済を行っていくことになります。

この際、信用保証協会は無理な督促は行いません。「いくらなら返済できますか?」程度の返済になるのが一般的です。しかし、プロパー融資の場合には、そのようなわけにはいきません。

返済不能となったら、元金返済の据え置きや期間の延長を行いますが、それでも返済ができない場合や倒産してしまった場合には、担保がある場合には差し押さえとなります。保証人がいた場合には保証人に請求があります。

それでも返済できない場合には最悪の場合自己破産となる可能性もあります。プロパー融資は金利等にはメリットがありますが、返済ができない場合のリスクは保証協会付融資よりも大きいといえます。

今後はプロパー融資が拡大する可能性

2016年に金融庁長官が森長官に変わりました。そこから、銀行融資に対する金融庁のスタンスは大きく変わっています。

今までは、銀行の不良債権が大きくならないようにリスク管理中心の監査や指導を金融庁は銀行に対して行っていました。

しかし、このために銀行はリスクの少ない信用保証協会の融資ばかり顧客に行っていました。

リスクを負うのは信用保証協会であるため、実質的に審査を行っているのは信用保証協会で、銀行は融資案件を探してくるだけの営業担当者となってしまい審査能力が欠如してしまうこと。

また、銀行がリスクを取らないためにお金を借りたい意欲ある経営者に十分な資金が回っていないことは以前から指摘されていました。

そのため、金融庁は銀行を評価する基準としてどれだけリスクを負って経営者を支援しているかという基準へ大きく舵を切りました。

銀行にとって金融庁のお達しは命令に近いものですので、今後は銀行にとってリスクのあるプロパー融資も積極的に行っていく方向性にあると考えられます。

まとめ

プロパー融資は金利が低い、審査に時間がかからないというメリットがあります。

しかし何の保証もないプロパー融資は銀行にとってリスクが大きいため、基本的には業況がすごくよい事業者や十分な担保や保証人が提供できる事業者にしか融資を行っていませんでした。

金融庁の大幅な方針転換によって、今後はプロパー融資も拡大していく可能性があります。しかし、現状はよほど景気がよい先や担保や保証人が充足していないとプロパー融資は行っていないようです。

初めて取引する企業にいきなりプロパー融資を行うことはそれほどありません。まずは信用保証協会付の融資で十分な信用を銀行につけてからプロパー融資の相談をしてみれば金利の低いプロパー融資にも応じてもらえるかもしれません。

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