銀行のプロパー融資と保証付き融資(マル保融資)の違い

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銀行から事業資金を借りる場合には、信用保証協会付き融資とプロパー融資と言う融資があります。

ふたつの融資制度の違いはどのような点にあるのでしょうか?

また、プロパー融資のメリットとデメリットはどのような点なのでしょうか?

この記事はこんな人におすすめ

この記事は、次のような人におすすめの内容です。

  • プロパー融資について基礎から知りたい人
  • プロパー融資を受けたい人
  • プロパー融資のメリットやデメリットを理解したい人
執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

プロパー融資とは保証がない融資

プロパー融資とは保証がない融資

プロパー融資とは一口で言えば、保証会社の保証が付かない融資のことです。

個人向けカードローンに代表されるように、銀行融資では保証会社の保証を付けるのが一般的です。

事業資金においても銀行はプロパー融資ではなく、基本的に信用保証協会の保証をつけて融資をします。

このように、保証を付けた融資ではなく、保証を付けずに企業に対して融資を行うことをプロパー融資と言います。

保証協会付融資との違い

信用保証協会保証付の融資だと、貸したお金がもしも返済されなかったときには、信用保証協会が借入金の全部または大部分を債務者の代わりに銀行に支払ってくれます。

このため、銀行にとっては、信用保証協会の保証さえ付けば貸し付けに関するリスクがゼロとなります。

ただし、信用保証協会の保証を受けて融資をするためには信用保証協会へ保証料を支払う必要があります。

一方、プロパー融資の場合には貸したお金がもしも返済されなかった場合のリスクは、すべて銀行が被らなければならない資金調達方法です。

昔の話になりますがバブル崩壊時は、銀行の倒産が相次ぎ日本全体が金融不安に陥りました。

バブル崩壊で多くの銀行が倒産したことで金融庁が設立され、銀行は企業や個人に貸しているお金について金融庁から厳しいチェックを受けるようになりました。

こうした背景から銀行は、銀行にとって貸し付けに関するリスクが非常に少ない信用保証協会付き融資を取引先に勧めるようになりました。

ちなみに、地方自治体は地域の中小企業向けに融資制度を用意しています。

地方自治体の融資制度は地域の銀行と信用保証協会と地方自治体の三者で融資制度を策定します。

金利や保証料が優遇された制度資金は信用保証協会の保証が前提となった商品です。

日本政策金融公庫の融資はプロパー融資?

日本政策金融公庫の融資は他の金融機関のように、保証協会を挟んだ融資取り引きをしないのでプロパー融資と言えます。 むしろ、保証料を取る融資がないので、日本政策金融公庫でお金を借りるとすべてプロパー融資になります。 銀行などの金融機関では、会社の創業融資をプロパーで借りることは難しいですが、日本政策金融公庫は反対に積極的な姿勢を見せています。

プロパー融資は返済リスクが高い

銀行にとって何の保証もないプロパー融資は、貸し付けリスクが高いといえます。

なぜなら、信用保証協会付融資のように、お金を貸し出した相手が何らかの理由で返済不能となったときに融資金額が返ってくる保証されないためです。

繰り返しになりますが、プロパー融資は債務者の返済が不能となったときのリスクが高い融資と言えため、銀行は最初に取り引きを行う融資先には信用保証協会付の融資を勧めるのです。

したがって、会社が創業されてからすぐだと銀行からプロパー融資を受けられる可能性はほとんどありません。

会社設立からある程度の時間が経過していて、銀行との取り引き状況が良好である場合にプロパー融資を受けられるようになります。

銀行にとってプロパー融資は非常に返済リスクが高いので、「この企業なら返済不能にならないだろう」と信頼してもらえなければプロパー融資は受けられないのです。

プロパー融資は銀行のコストになる?

銀行は金融庁の指導によって、毎年取引先への融資金を査定しています。

この査定を自己査定と言いますが、自己査定によって取引先を次のように分類して管理しています。

  • 正常先
  • 要注意先
  • 要管理先
  • 破綻懸念先
  • 実質破綻先
  • 破綻先

銀行によって以上の分類名は異なりますが、この分類を債務者区分と言います。

債務者区分が下になるほど、銀行にとってリスクが高い貸付金となるため、銀行は融資した金額に対して一定の引当金を積まなければなりません。

例えば、要注意先であれば融資金額の50%を引当金として計上しなければならず、1,000万円の融資であれば半分の500万円程度を費用が発生することになります。

このときに信用保証協会の保証さえ付いていれば、経営が悪化している企業であっても銀行の返済リスクはゼロですので、引当金を計上しなくても問題ありません。

しかし、プロパー融資の場合には100%のリスクを銀行が被りますので、債務者区分に合わせた引当金の計上が必要です。

つまり、プロパー融資で貸し出している取引先の業況が悪化すると、融資金額の一部または全部を引当金として費用化しなければなりません。

プロパー融資は場合によっては銀行の引当金が増加して収益を圧迫する可能性がある融資です。

そのため銀行にとっても「信用のある先にしかプロパー融資を行いたくない」と言うのが本音です。

プロパー融資が実行される場合

プロパー融資が実行される場合

プロパー融資が行われる場合には、銀行にとってリスクが少ないケースなど一定の信用力が企業にある場合です。

古くから銀行と取り引きがあり、銀行から大事にされてきた会社の社長に信用保証協会の保証協会付融資を勧めると「なんだ、うちは信用されてないのか」と機嫌を損ねてしまうこともあります。

プロパー融資はそれほど銀行にとって信用がない会社には行われないものなのです。

では、業況がよい企業のほかにプロパー融資が行われるケースはないのでしょうか?

ここからは、プロパー融資が実行される2つのケースについて解説していきます。

ケースとしては以下のふたつのパターンが考えられます。

有力な担保がある場合

先に紹介した通り、プロパー融資は銀行にとって貸し倒れたときにリスクをすべて被らなければなりません。 そのため、プロパー融資では担保が要求される場合も少なくありません。

なぜなら、担保保証があることによって、もしも債務者から貸付金が返済されない場合には設定された担保を競売にかけて融資金の回収に充てられるためです。

また、融資先の会社の業況が悪くても、資産価値の高い不動産を保有している場合には当該不動産を担保にして、銀行からお金を借りられる場合があります。

例えば、評価額が1億円の不動産を所有している場合には、当該不動産を担保として1,000万円を貸し付ければ銀行はもしも返済履行されなくても1,000万円回収は余裕であると判断します。

このように、債務者から担保を取ったことによって銀行にとってメリットがあると判断される場合には、たとえ銀行が設定する基準よりも企業の信用力が低くてもプロパー融資が実行される可能性があります。

有力な保証人がいる場合

プロパー融資の返済リスクは銀行がすべて被ります。

設定を入れられる担保もなく、業況も特別良好でない事業者がプロパー融資を受けられるケースとしては、有力な保証人を取る人的保証が付く場合が考えられます。

保証人さえいれば債務者から貸しているお金がもしも返済されない場合に、保証人から返済してもらえるためです。

ちなみに、最近は会社と関係のない第三者の保証を行わないのが銀行の暗黙のルールとなっています。

そのため、社長個人がお金持ちである場合や、大口預金先の息子が会社を経営している場合に親が連帯保証人となってプロパー融資が実行されるというケースがあります。

先に創業融資でプロパー貸しを受けるのは難しいと説明しましたが、有力な人物による人的保証が付くと有利に融資の話を進められる可能性が高いです。

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銀行のプロパー融資を受ける為に抑えておくべきポイントは?

プロパー融資を受けるために、気を付けるポイントを具体的に紹介します。 審査基準や審査でチェックされる点をチェックしておきましょう。

審査基準

プロパー融資の審査基準の中でも特に重要になるのが、企業の信用力です。

先に説明している通りプロパー融資は信用がある企業しか利用ができない融資で、銀行としては貸し出した資金を確実に回収できるか否かが重要になります。

そのため、会社が融資を完済できることが分かる証明を証明する書類を提出したり、面談で信用力があることを伝えたりすることが大切です。

銀行の担当者と顔を合わせたり、決算書などの書類を渡したりするときは、手を抜かずにきちんとした対応を積み重ねるとプロパー融資の審査に通過する可能性を上げられます。

プロパー融資審査のポイント

プロパー融資を受けるための詳細な審査基準は、銀行によって異なりますが次のようなポイントが重要視されています。

  • 自己資金比率が安全な数値で、安定しているか
  • 資金使途に対して融資希望額が適切な範囲であるか
  • 返済原資の見通しが立っているか

プロパー融資において、財務状況はとても重要なチェック項目です。

当期純利益があってどれくらいの黒字があるのか、経常利益や営業利益などの金額はどの程度かなどかポイントになります。

仮に当期純利益が出ておらず純損失を計上している場合は、理由によってはプロパー融資を受けられる可能性があるので担当者にきちんと事情を説明することが大切です。

会社の今後の見通しを具体的に銀行に伝えると、プロパー融資審査に有利に働くことがあるのでできるだけコミュニケーションをしっかりとっておくことをおすすめします。

プロパー融資を利用するのはどんなとき

続いて、プロパー融資を利用できる状況はどのようなときか解説していきます。

まずは銀行との信頼関係構築が先

プロパー融資を利用するためには、まずは銀行と信頼関係を築くことが大切になります。

創業したてで銀行に融資を依頼してもプロパー融資を利用できる可能性はほとんどありません。

業歴がどれだけ短くても、銀行でプロパー融資を受けるために5年は必要とされています。

長年にわたって同じ銀行と取り引きをして業歴を積み、決算書や事業計画書を銀行に提供して付き合っていくことで信頼関係が構築されます。

最初からプロパー融資を狙うのではなく、保証協会付き融資を受けてきちんと返済できることをアピールすることが大切です。

少額の即日融資を受けたいとき

返済期間や利息などの条件に拘らないのであれば、少額で即日融資を受けたい場合は選択肢を銀行ではなく、ネット銀行に切り替えると効果的です。

どうしても運転資金が足りないケースなど、急いで資金繰りを改善しなければいけないときはプロパー融資以外の方法を考えることをおすすめします。

ただし、銀行との信頼関係がしっかりできている場合は、即日は難しいものの短期間で融資を受けられる可能性があります。

何度かプロパー融資を受けて完済実績があるなら、銀行の担当者に一度相談することをおすすめします。

有力な担保が用意できるとき

多額の設備資金が必要な場合は、不動産や人的担保などの有力な担保を用意するとプロパー融資を受けられる可能性があります。

できるだけ評価額が高い不動産を担保に入れると、プロパー融資の審査に通過しやすくなります。

また、社長の親族はもちろん、資金力がある人を保証人とするのも効果的です。

プロパー融資のメリット

プロパー融資のメリット

プロパー融資には以下の4つのメリットがあります。

金利が低い

プロパー融資は業況が良好な会社や、有力な担保がある会社、有力な保証人がある会社に実行される融資です。

実態として、銀行が頭を下げてお金を借りてもらう優良先企業にしか融資を行わないのがプロパー融資です。

優良先には高い金利を提案するわけにはいきませんので、プロパー融資の金利は非常に低い金利となっています。

「社長、この金利で融資をしますので借りてください」と言うのが一般的な銀行の営業スタイルですので、プロパー融資のメリットとしては金利が低いと言うのが特徴のひとつです。

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保証料がかからない

信用保証協会はただでは保証をしてくれません。

リスクに応じた保証料が必要になります。

信用保証協会の保証料は民間の保証会社と比較してかなり安価ですが、それでも融資金額が大きければ数十万円の保証料となります。

プロパー融資は保証協会を挟む必要がないので、保証料が発生しないと言うメリットもあります。

審査が単純

プロパー融資は保証会社を通さずに銀行だけが審査を行いますので、審査が速いと言う特徴があります。

特に大きな銀行になればなるほど、支店長が決裁できる権限が大きくなる傾向があります。

もちろん、銀行や融資内容などによりますが、支店内の審査だけでプロパー融資が実行されれば、申し込みから融資まで数日で融資が実行されるようなケースもあります。

信用保証協会の保証付き融資には、当然ながら、信用保証協会の保証審査が必要になります。

この審査には3日~1週間程度の時間がかかるものです。

信用保証協会付の融資は信用保証協会の審査も銀行の審査も必要ですので、より審査に時間がかかります。

また、契約書の記入も信用保証協会との保証契約書の記入など、記入が必要な書類も少なくありません。

プロパー融資は保証協会付融資と比較すると、審査だけでなく契約の手続きも単純化されているため、手間がかからずにスピーディに融資を受けられると言うメリットがあります。

社会的信用を得られる

プロパー融資は基本的に業況がよい企業にしか行いません。

このため、銀行からプロパー融資を受けられる企業と言うのは銀行が優良先と認めている企業であるとも言えます。

つまり、銀行からプロパー融資を受けることのメリットとして、健全な優良企業であると言う信用を社会的に得られると言う点も挙げられます。

プロパー融資のデメリット

プロパー融資のデメリット

プロパー融資のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。

銀行の管理がうるさい

プロパー融資は、銀行にとっては貸し倒れたときのリスクが大きい融資です。

そのため、会社の業況がどのような状況になっているか、利益がきちんと出ているか、資金繰りはうまくいってるかなど会社の経営について銀行はとても敏感です。

企業にプロパー融資が行われると担当の銀行員が頻繁に会社へ訪問し、業況はどうか、会社はうまく回っているかをチェックします。

もちろん、信用保証協会付の融資でも担当者が会社に訪問してきますが、プロパー融資の方が訪問の回数や時間が多くなる傾向があります。

信用保証協会付の融資と比較すると、プロパー融資の方が銀行の管理が面倒になると言う点はプロパー融資のデメリットです。

返済不能時のリスクが大きい

信用保証協会付の融資は仮に借りたお金を返せなくなってしまっても、信用保証協会が銀行に返済金を立て替えてくれます。

その後は、信用保証協会へ返済を行っていくことになります。

このとき、信用保証協会は無理な督促は行いません。

担当者から「いくらなら返済できますか?」と聞かれて、企業が返済できる程度の返済になるのが一般的です。

しかし、プロパー融資で返済不能になった場合には、信用保証協会のようにはいきません。

プロパー融資の貸し付けで返済不能となったら、元金返済の据え置きや期間の延長を行いますが、それでも返済ができない場合や会社が倒産してしまった場合には、担保がある場合には差し押さえとなります。

保証人がいた場合には保証人に返済請求が実施されます。

それでも融資金を返済できない場合には最悪の場合自己破産となる可能性もあります。

プロパー融資は金利などのメリットがありますが、返済ができない場合のリスクは保証協会付融資よりも大きいと言えます。

プロパー融資は、信用力を基に融資を受けられる仕組みなので、銀行からの信頼を裏切るような行為をすれば大きなデメリットを被る可能性があることは頭に入れておきましょう。

今後はプロパー融資が拡大する可能性

今後はプロパー融資が拡大する可能性

2016年に金融庁長官が森長官に変わりました。

そこから、銀行融資に対する金融庁のスタンスは大きく変わっています。

今まで金融庁は、銀行の不良債権が大きくならないようにリスク管理中心の監査や指導を銀行に対して行っていました。

しかし、このために銀行はリスクの少ない信用保証協会の融資ばかり顧客に行っていました。

リスクを負うのは信用保証協会であるため、実質的に審査を行っているのは信用保証協会で、銀行は融資案件を探してくるだけの営業担当者となってしまい審査能力が欠如してしまうのです。

また、銀行がリスクを取らないためにお金を借りたい意欲ある経営者に十分な資金が回っていないことが以前から指摘されていました。

そのため、金融庁は銀行を評価する基準としてどれだけリスクを負って経営者を支援しているかと言う基準へ大きく舵を切りました。

銀行にとって金融庁のお達しは命令に近いものですので、今後は銀行にとってリスクのあるプロパー融資も積極的に行っていく方向性にあると考えられます。

保証付き融資(マル保融資)とは

銀行が行う融資には、マル保融資と、プロパー融資のふたつのタイプがあります。

マル保融資は、主に中小企業が金融機関から融資を受けるときに利用できるもので、信用保証協会の保証がついた融資のことを言います。

基本的に担保無しで融資を受けられるため、資金調達がしやすくなっています。

返済に不安のある会社には信用保証協会の保証の付いた融資、つまりマル保融資が提案されることが多いです。

プロパー融資の審査

プロパー融資の審査は保証協会付の融資と同じように、安全性、返済能力、収益性、成長性、資金使途の妥当性などを審査し、銀行が問題ないと判断すれば融資を受けられます。

しかし、プロパー融資は保証協会付の融資に加えて以下の点が審査で重要になります。

格付けが最も重要

銀行は事業資金の融資先の格付けを行っています。

リスクが高い融資であるプロパー融資は銀行の格付けは一定以上でないと基本的に融資を行いません。

格付けは上からA、B、C1、C2、C3、E1、E2、E3、E4などと10〜13段階と決まっていますが、プロパー融資を受けられるのはC1もしくはB以上の格付けがないと一般的には難しいです。

新規でプロパー融資は難しい

初めてお金を借りる銀行からプロパー融資を受けることはよほど地元で名前が通った有力企業でないと難しいでしょう。

いくら決算書の内容が良くても、初めて取り引きをする企業の決算書が本当かどうかも、経営者や従業員がどんな人なのかも分かりません。

数字からは見えない会社の力を銀行が理解して初めて銀行からプロパー融資を受けられるのです。

このため、決算書の内容に関係なく、初めて融資取り引きを行う銀行からの融資は基本的に保証協会付の融資になると覚えておきましょう。

自己資本あり3期以上黒字は必須

プロパー融資は格付けが重要になると述べましたが、格付けがC1以上になるためには、債務超過がないこと、営業利益を継続的に出し続けていることが必須になります。

この条件を満たしていても、総資産の回転率が悪いとか、収益力が低いなどと言う場合には格付けがC2以下になることがありますので、最低限3期以上営業黒字を続け、内部留保も充実しているような企業だけがプロパー融資を受けられるのです。

資金使途

プロパー融資では融資金の使い途についてもチェックします。

「足りないみたいだから借りられるだけ借りたい」では、審査すらしてもらえません。

「何故資金が必要なのか」、「何に必要なのか」明確である必要があります。

また、明確なだけではなくその内容が前向きである必要もあります。

例えば、「前年赤字で資金が足りないので借りたい」では、後ろ向きの内容です。

この場合、「前期赤字であったが現在業務改善中であり、その過程において運転資金として一時的に○○万円不足するので、借り入れをしたい」と言う内容であると前向きの内容と判断され、審査してもらえるようになります。

資金使途では、借り入れをすることで、利益計上や業務改善、展開が見込めることが必要です。

返済面

プロパー融資の審査の中でも、最重要の項目になります。

借り入れ内容によって、返済方法も代わりますが、どの返済方法でもしっかりとした根拠が必要になります。

短期借り入れ

短期間の借り入れで、期日に一括返済が主流である手形貸し付けなどでは、売上代金が期日までに確実に入金になる根拠資料が必要になります。

具体的には、売買契約書や工事請負契約書などです。

また、毎月の資金繰り表で、借り入れをすることで返済後まで資金不足にならないことを証明する必要もあります。

長期借り入れ

設備投資や長期運転資金などの長期借り入れでは毎月分割返済が基本で、この場合、銀行は取引先の返済能力を決算書で判断します。

基本的には、税引き後当期純利益と減価償却費の合計額を返済能力として審査します。

赤字計上、減価償却未計上の場合や、返済能力以上の借り入れをする場合は、今後の事業計画書にて返済面に問題がないことを証明する必要があります。

事業計画も単なる数字の羅列ではなく、例えば人件費の削減を挙げているのであれば、前期と今期の給与振り込み明細で削減額を明示するなど、項目ごとに根拠を示す必要があります。

保全面

プロパー融資は、信用保証協会付き融資と違って、取引先が返済不能となった場合、銀行が100%責任を負うことになります。

従って、プロパー融資の審査を通すには、返済不能となっても資金回収ができると銀行に判断してもらう必要があります。

その代表的なものが、連帯保証人と不動産担保です。

信用保証協会付き融資は、現在法人代表者以外の連帯保証人を求めることはありませんが、プロパー融資にはそのような取り決めはありませんので、代表者以外の連帯保証人を求めてくることがあります。

特に相続放棄などによる回収不能を避けるためにもプロパー融資では、代表者の配偶者や子も連帯保証人となるよう要請してくることもあります。

一方、不動産担保はその不動産の担保としての価値が、大きなポイントになります。

例えば価値が高い不動産であっても、既に他の銀行に担保で入っている不動産は、担保としての価値は大きく下がります。

銀行が、不動産担保を見るポイントは「売却したら資金回収ができるか」ですから、借り入れに見合った不動産担保の必要があります。

プロパー融資の審査を通すコツ

担当者を味方に付けよう

プロパー融資の可否を決定するのは、銀行本部もしくは支店長であり、担当者には何の権限もないからと言って、軽んじることはやめましょう。

担当者は資料を作成して、銀行本部や支店長を説得してくれる、自分の会社を一番理解してくれている大事な人です。

普段から綿密なコミュニケーションを心がけて、信頼関係を構築していくことが、プロパー融資を通すには必要不可欠です。

最終的には、担当者の熱意が審査を通してくれることもよくあることです。

日頃の取り引き状況

プロパー融資の審査では、普段の取り引き状況も参考として見られます。

単純な預金、貸し金の取り引きだけでなく、他のサービス利用などがあると銀行も好意的に見てくれ、その分審査で有利になります。

また、不要と思えるサービスや金融商品も、加入してあげると担当者は恩義に感じます。

担当者を味方につける意味を含めて、取り引きを親密にしておくと良いでしょう。

財務内容は健全に

銀行はいわば、決算書の分析のプロですから、細かくチェックします。

それぞれの項目の内容や原因、その改善策などはしっかりと説明できるようにしておきましょう。

損益計算書では、売上高、売上原価、人件費を始めとした一般販売管理費、営業外損益、貸借対照表では、売掛金、短期貸付金、仮払金などを重点的にチェックしてきます。

あやふやな説明では、逆効果になります。

わからないのであれば、どういった点が問題点なのか素直に聴くと良いでしょう。

事業計画は根拠が大事

前述でも触れましたが、事業計画では根拠を示せるだけ示すよう心がけましょう。

根拠があるだけ、事業計画の確実性が増しますので、銀行も事業計画を信用してくれますし、信用してもらえるとプロパー融資も通りやすくなります。

銀行にとってのプロパー融資

それでは銀行はプロパー融資についてどのように考えているのでしょうか?

リスクが高い

まず、保証してくれる機関が何もないため、プロパー融資は銀行にとってリスクが高いと認識されています。

このため、先ほどから述べているように、銀行にとって信用力のある保証協会付の融資の審査に余裕で通過できるような企業でない限りはプロパー融資は行いません。

貸倒引当金計上の必要

銀行は融資先が突然倒産して大きな損失を被らないためにプロパー融資先に対して融資金額の一定の引当金を積み立てておかなければなりません。

通常の融資であれば融資金額の3〜5%程度を積み立てればよいのですが、返済に遅れが生じたり債務超過になったりした企業に対しては融資金額の50%以上もの引当金を計上する必要があります。

1,000万円の融資をしている企業が要注意先などに転落してしまった場合には500万円もの費用を引当金として費用化する必要があります。

これは利息収入と比較してもマイナスになります。

このため、たとえ貸したお金が不良債権にならなかったとしても企業の経営状態によっては銀行は引当金の計上によって損失を被る可能性があるため、やはりプロパー融資はリスクが高いのです。

融資先の管理が大変

融資先の業況がどのようになっているかの変化を銀行はプロパー融資の場合にはいち早くつかむ必要があります。

プロパーの融資先が突然経営悪化した場合には担当の銀行員は「管理はどうなっていたんだ」とひどく上司から叱られます。

このため、融資先の管理には保証協会付の融資よりも精緻に行う必要があり、銀行員は最低月1回以上はプロパー融資先に訪問し、会社に変化はないか、忙しく働いているか、経営者との話から変化の兆候をつかむ必要があります。

銀行はプロパー融資に消極的

このような理由から、プロパー融資は銀行にとって収益面でも時間面でも負担になります。

また、銀行員にとっても稟議作成や本部との折衝に時間がかかります。

このため銀行はできればプロパー融資はやりたくないと考えていることが一般的です。

プロパー融資を行うのは、プロパー融資商品のノルマがある時か、相手先企業との関係上「この会社の融資を断れない」とか、プロパー融資しか借りない優良企業向けという場合が多くなります。

マル保融資を利用するときに必要な条件

マル保融資を利用するには、「規模」「業種」「区域・業歴」の3つの基準を満たしていなければなりません。

【マル保融資を利用できる規模】

業種別に、資本金と従業員の条件が定められており、どちらかの条件を満たしていることが条件になります。

例えば、製造業(建設業・運送業・不動産業を含む)の場合は、資本金3億円以下もしくは従業員300人以下、小売業・飲食業であれば資本金5千万円以下もしくは従業員50人以下であることが条件となります。

【マル保融資を利用できる業種】

農林漁業や金融業など一部の業種は対象外となりますが、ほとんどの業種が対象となります。

また、許認可や届け出を必要とする事業を営んでいる(これから営む)場合は、許認可などをすでに受けているかこれから受けることが条件となります。

【区域・業歴】

各信用保証協会の管轄区域内で事業を行っている必要があり、業歴が定められている場合があります。

マル保融資を行うのは「信用保証協会」

マル保融資を行っているのは「信用保証協会」という認可法人で、銀行からの融資をうけにくい中小企業を対象に資金繰りを円滑にするために、中小企業向けの融資の保証をしてくれます。

信用保証協会は47都道府県すべてにあり、プラス横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市には市内のみの信用保証協会があるため、合計で51になります。

銀行が融資を行うときにこの保証協会の保証を付けておけば、融資が不良債権化してしまった場合に、銀行が保証協会に代位弁済を請求すると借り主に代わり融資残高を支払ってくれます。

マル保融資は不良債権化する恐れがないため、銀行が融資に応じやすくなり、中小企業も資金繰りがしやすくなります。

マル保融資を受けるには保証料を払う必要がある

マル保融資は、中小企業にとっても銀行にとってもメリットのあるものですが、もちろん無料で保証を受けられるわけではありません。

融資の金利以外にも信用保証協会払う保証料が必要です。

保証料の金額は企業の評価によって算出され、会社や事業主を審査したときに9つのランクに区分し、ランクに応じた保証料率が算定されることになります。

なお、自治体から信用保証料の補助が受けられる制度が整備されているところもありますので、ホームページなどで確認してみましょう。

マル保融資のメリットは?デメリットもあるの?

マル保融資には、どのようなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。

マル保融資のメリット

マル保融資には中小企業にとって下記の3つのメリットがあります。

1.融資の審査に通りやすくなる

信用保証協会の保証を付けられますので、銀行から見ると融資金額が回収不可能になるというリスクがほとんどゼロになります。

信用保証協会の審査に通れば、銀行の審査もかなり通りやすくなります。

2.返済不能になった場合の負担が軽減される

融資を受けられるようになったら、毎月返済をしていくことになりますが、会社の経営状況によっては返済不能となってしまう可能性は否定できません。

返済不能になると、信用保証協会が銀行に代位弁済を行うため、その後は信用保証協会に返済をすることになります。

信用保証協会への返済も困難になった場合は、相談をすれば毎月の返済額を減らしてもらえることもあります。

また、元金を減らしてもらえると言うことはほとんどありませんが、遅延損害金を免除してもらえる可能性はあります。

そのため、返済に困ったらまずは相談をしてみることをおすすめします。

3.プロパー融資よりも返済期間が長い

マル保融資はプロパー融資に比べて返済期間を長く設定できます。

というのも、信用保証協会の保証が付いていることから銀行側も安心して融資しているため、長期間にわたる返済でも回収不能になるリスクがほとんどないためです。

マル保融資のデメリット

マル保融資にはメリットばかりのように感じますが、デメリットもあります。

下記の3つのデメリットを確認していきましょう。

1.融資金利が高い

マル保融資はプロパー融資よりも、融資金利が高い傾向があります。

そもそも、プロパー融資ができずにマル保融資を提案される会社は、信用力が乏しいまたは信用力が分からない会社であるため、金利が高くなるのは仕方がないことではあります。

2.保証料が別途必要になる

すでに触れましたが、マル保融資を利用する場合は保証会社に保証料を別途支払わなければなりません。

しかし、銀行からの融資を直接受けにくい中小企業が銀行と取り引きできることを考えると一概にはデメリットと言えないかも知れません。

3.連帯保証人が必要な場合がある

プロパー融資もそうですが、マル保融資も連帯保証人を立てるよう求められる場合があります。

ほとんどの場合代表者が連帯保証人となり、これを代表者保証と言います。

会社名義で借りた資金を代表者が持ち逃げしないように、また返済不能になったときに個人の資産を差し押さえられるようにするためです。

ただし、個人事業主については連帯保証人を立てる必要はありません。

まとめ

信用保証協会の保証が付いている融資は、銀行側も安心して融資に応じてくれて融資を受ける会社も審査に通りやすくなったり、返済不能時の負担が軽減されたりと、双方にメリットのある融資と言えます。

この制度を上手く利用して資金繰りを円滑にしてうまく資金を回すことで、会社の業績アップに繋げたいものですね。

プロパー融資には金利が低い、審査に時間がかからないと言うメリットがあります。

しかし、何の保証も付けずに資金を貸し出すプロパー融資は銀行にとってリスクが大きいため、基本的には業況がすごくよい事業者や十分な担保や保証人が提供できる事業者にしか融資を行っていませんでした。

金融庁の大幅な方針転換によって、今後はプロパー融資も拡大していく可能性がありますが、現状はよほど景気がよい先や担保や保証人が充足していないとプロパー融資は行っていないようです。

銀行は、初めて取り引きする企業にいきなりプロパー融資を行うことはそれほどありません。

まずは信用保証協会付の融資で十分な信用を銀行に付けてからプロパー融資の相談をしてみれば金利の低いプロパー融資にも応じてもらえるかも知れません。

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決定

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  1. 小林修さん|2019-12-31 09:29:58

    こんにちは。
    借入のすべて、小林です。

    融資を受けられるか、最大の難所は銀行の融資担当者なんですよね。
    信用情報だけでなく日ごろどのような付き合いをしているかが重要だったりします。

  2. 士業企業経営者さん|2019-12-31 07:23:51

    士業で法人化して1期目(個人事業主期間5期)の決算後でプロパー融資を受けられた。
    当該銀行の関与先の経営指導をしている関係上、銀行トップとのつながりも強く、経営計画を自社の企業診断書に顧問税理士の税務報告書と共に提出した。全経営計画5期の内、2期目で土地の取得、4期目後に新規開業建設資金と成ったが、非常に低利の融資案件が成立した。
    記事のように、やはり普段からのお付き合いが信用力と評価されたのだろう。
    さらに、信用のおける税理士を入れて、財務諸表や管理会計がしっかり筋通しが出来ていることが重要だと思う。
    参考になった。

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