カードローンはなぜ金利が高いのか?理由と解決法を銀行員が解説
カードローンの金利って高いと思いませんか?
ローンには「住宅ローン」「マイカーローン」「教育ローン」もありますが、カードローンやキャッシングの金利は最も高い水準になっています。では、なぜカードローンの金利は高いのでしょうか?
結論は、「出し入れ自由だから」「担保も保証人もないから」「保証料が上乗せされるから」です。
この記事では素朴な疑問に銀行員が答えます。私は銀行に長く務める銀行員ですが、読者の役に立つ情報を発信したいとライティングをしています。
この記事を読めば、以下が分かります。
- カードローンはなぜ金利が高いのか?
- なぜ利用する人によってカードローン金利が違うのか?
カードローンの金利について知りたい人、カードローン利用を考えている人など、ぜひ参考にしてください。
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目次
カードローンはなぜ金利が高いのか?
はじめに、なぜカードローンの金利は高いのか?について解説します。
カードローンや住宅ローンなど、その他のローン金利は以下の水準です。
ローン | 金利 |
---|---|
カードローン (銀行) | 年1.4%〜年14.80% (実質年率・借入限度100万円以上) |
カードローン (消費者金融) | 年3.0%〜年18.0% (実質年率・借入限度10万円以上100万円未満) |
住宅ローン (フラット35) | 年1.830% (固定金利) |
住宅ローン (銀行) | 年0.219%〜 (変動金利) |
マイカーローン (銀行) | 年0.85%〜 (変動金利) |
教育ローン | 年1.95% (国の教育ローン・固定金利) |
※金利水準は筆者調べ
※ローンには保証会社の保証料が必要なものや利用者により金利・条件は異なります
※実際に利用を検討するときは必ずご自身で確認してください
このように、カードローンの金利は他と比べても高水準なことが分かります。
ではなぜそうなるのか?銀行員として考えられる3つの理由を紹介します。
【カードローン金利が高い3つの理由】
- 出し入れ自由だから高い
- 担保も保証人もないから高い
- 保証料が上乗せされるから高い
理由1.出し入れ自由だから高い
カードローンは、いつでも借り入れができていつでも返済できる(契約によっては毎月決まった日の定例返済もある)自由度が最大の特徴です。
こういったカードローンのような借入形態を「当座貸越(とうざかしこし)」と呼び、カードローンも当座貸越のひとつなのです。
ちなみに銀行の事業性融資にも当座貸越はあります。こちらは極度額(限度額、枠のこと)が数千万円や、ときには億単位と大型にもなる融資ですが、その基本的な仕組みはカードローンと一緒で「出し入れ自由」になっています。
この「出し入れ自由」という点が、住宅ローンやマイカーローンなど「最初にまとまったお金を借り、あとは分割返済していくだけで追加融資は利用できない」融資に比べ、利便性が高いので金利も高いといえます。
ちなみに、あなたが現在50万円のカードローン枠を持っているなら、いつでも50万円を借り入れできる状態です。
融資する側の銀行や消費者金融から見れば、限度額が50万円あるなら仮に全くローンを利用していなくても、あなたにフルで50万円貸している(なぜなら瞬間にでも50万円借りることが可能だから)と考えます。
例えば実際に50万円フルに借りた人が、定例返済や随時返済で残高が減っても、必要ならまたすぐ借り入れできるので、残高はもとのフル利用に戻るかも知れません。
このようにカードローンは常に限度いっぱいになる可能性があるし、それがそもそもの商品性なので、50万円を常にフル利用していると考えるのが銀行などお金を貸す側の考え方なのです。
したがって住宅ローンの審査でカードローンがあると、その人の借入がいくらあるか?を審査で計算するときは、以下のように銀行は考えます。
- カードローンを実際に限度いっぱい借りている⇒限度額全額
- 一部の利用(50万円のうち30万円など)⇒限度全額(空き枠を利用できるから)
- カードローンを全く利用していない⇒枠の10分の1(50万円なら5万円)
これはあくまで一例で、住宅ローンの審査などでカードローンをどうとらえるか?は金融機関によって違います。
このようにカードローンを持っていると言うだけで、住宅ローンに影響する可能性もあるので注意が必要です。
理由2.担保も保証人もないから高い
カードローンは原則として担保も保証人も不要です。したがってお金を貸す側から見れば、担保や保証人がある融資に比べてリスクが高いので、金利も高くなります。
だからといって、「カードローンに担保や保証人をつけるから金利を低くしてほしい」と頼んでも、カードローンの商品規定でそういったものは求めないので不可能です。
小さいお金ではありませんが、カードローンは最大でも数百万円単位。住宅ローンなど数千万円になる借り入れに比べれば、担保や保証人を付けてまで借りる借金ではないとも言えます。
理由3.保証料が上乗せされるから高い
前項で「無担保で無保証人」と説明しましたが、その代わりとしてカードローンでは保証会社の保証付きというのが一般的です。そのため金利は保証料込みなので高くなります。
保証会社保証のないカードローンもありますが、その場合は保証会社の保証がない分、そのリスクに見合う金利を上乗せするので、金利は高くなるのです。
【参考】「実質金利」
金利の比較で「実質金利」という言葉が出てきましたが、これは保証料や手数料などを含め、現実に利用者が支払うお金を、借入額(元本・がんぽん)に対して計算したものが実質金利です。
金融機関や貸金業者(消費者金融など)は、金利を表示する場合にはこの実質金利とすることになっています。カードローンを検討する際に実質金利を見て、手数料などを加味しない借入金利(表面金利など)に対し、どのような費用(金利)が加算されているのか?を確認するようにしてください。
なぜ利用する人によってカードローン金利が違うのか?
ここまでカードローン金利の基本的な部分を説明しましたが、続いてはカードローン金利が利用する人により違う理由を解説します。
【なぜ利用する人によってカードローン金利が違うのか?】
- 「採点」で決められているから
- 「履歴」で決められているから
- 「行動パターン」で決められているから
「採点」で決められているから
カードローンなどは「小口融資」(何億単位の融資をする金融機関では、カードローンの限度額10万円〜100万円単位などは、小口と表現します)として、金融機関では融資審査をコンピュータ化、機械化しています。
こうした審査方法を「コンピュータ審査、AI審査」などと呼び、カードローンでは主流になっています。そして、このAIによる審査では審査対象者を属性などから点数化して融資を判断します。
言ってみれば機械が人間を採点するわけであり、学校の通信簿のように人により点数が違います。そしてカードローン金利はAI審査の「採点結果」により決定されるので、金利も人により違うというわけです。
「履歴」で決められているから
カードローンでは申し込まれた金融機関だけでなく、他社のカードローン利用歴、現在の借入額、返済履歴なども金利に影響します。
新しくカードローンを申し込むと個人信用情報を調べますが、審査対象者のカードローンやキャッシング、クレジットカードなど「借金や分割払い」の履歴はほとんど把握できます。
返済や支払いが遅れたり、自己破産していたりなど個人信用情報にネガティブな記録(異動など)が残っていると、カードローンは審査落ちになってしまい、これが俗に「ブラックリストに載っている」「信用ブラック」と言われる状態です。
新規カードローンを、同時期に複数金融機関や消費者金融に申し込んだ場合も調べれば分かるので、やはり審査落ちになる可能性があります(申し込みブラック)。
この履歴はカードローン審査だけでなく、金利決定にも影響するので、人により金利が異なる要因の一つになっています。
「行動パターン」で決められているから
カードローン金利に影響するのはここまで説明した2つが主ですが、最近になって増えている数千円から10万円未満といった少額ローンで「ソーシャルレンディング」「スマホローン」などと呼ばれる融資(※)です。
その人と同性・同年代の購買履歴や交通系マネーなど膨大な情報(ビッグデータ)から、融資の限度額を決め、金利も決定されるカードローンもあるので、今後は行動パターンで金利が左右される時代が来るかもしれません。
(※)一部のサイトやネット記事ではこうした新形態の小口ローンを「審査のないローン」などと表現しているものがあります。しかしながら、たとえ少額でも融資である以上は必ず審査があり、審査落ちする人もいます。上記したように金利など条件は人によって変わりますので、検討するときは内容をご自身で確認するようにしてください
まとめ
カードローンの金利について銀行員が解説しました。私は銀行員として、日々様々な融資の仕事に携わっています。
お金を借りる必要性も、そしてお金を借りる怖さも知っています。皆さんも正しい知識、信頼できる情報を選ぶ目を養いながら、有意義なマネーライフを送っていただければと思います。そしてこの記事が、その参考になれば幸いです。
最後に、カードローンを含む借金全般について、良い面、悪い面を端的にまとめた文を紹介し、この記事のまとめとします。
カードローンと上手につきあう6つのポイント
- カードローンは「借金」です。将来の収入から返済しなくてはならない、ということを認識しましょう。
- 何のために借りるのか、なぜお金が必要なのか。目的、理由を明確にしてから借りましょう。
- 「いくらまで借りられる」ではなく「いくらまでなる返せる」か考え、そのうえで、借入額を決めましょう。
- あらかじめ返済計画を立ててから借りましょう。
- お金を借りる前に、必ず金利や契約内容を確認しましょう。
- 他の借金返済のために、カードローンを利用しないようにしましょう。
- 【執筆者】加藤隆二
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勤続30年、現在も銀行員として金融機関に勤務中。住宅ローン、カードローン、事業融資など借入全般の業務に従事。深い知識を生かし多数メディアで情報を発信中。【保有資格】FP2級個人資産相談業務、証券外務員資格、生保・損保代理店資格、その他に銀行業務検定資格を複数保有
【メッセージ】現場一筋の銀行員で、お客様からの相談に乗り、一緒に悩み、考え、アドバイスをした経験では誰にも負けない自信があります。特に「お金を借りる」「お金を返す(返せない)」悩み事には真剣に話を聞き、真摯に答えてきました。今はライターとして、お金を借りる悩みに答え、参考になる情報を発信しています。
タグ:お金の知識