他社借入があっても借りられる銀行は?総量規制オーバーでも借り入れできる?
「他社からの借り入れがあっても銀行カードローンを利用できるのだろうか」
「総量規制は銀行カードローンにも適用されるのか気になる」
他社からの借り入れがあっても、審査に通過すれば銀行カードローンを利用できます。また、銀行カードローンは銀行法が適用されるため、総量規制に抵触せずに借り入れが可能です。
当記事では、他社借入がある際の銀行カードローンの利用について解説します。その他に銀行カードローンの申し込みから融資開始までの流れや審査通過の可能性を下げる理由、審査通過のための対策もまとめました。
他社借入があるけれど銀行カードローンを利用したい、申し込みを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
他社借入があっても銀行の借入審査に通過している人はいる
他社借入があると審査通過が難しいと考える人もいるかもしれませんが、実際には多くの人が複数件の借り入れがある状況です。
「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」の公式ホームページでも、以下の図表のように「残高がある者の借入件数ごとの登録状況」について記載しています。
ー | 登録人数 | 登録件数 | 残高金額 | 1人当たりの残高 | 1契約当たりの残高 |
---|---|---|---|---|---|
1件 | 669.3万人 | 669.3万件 | 5兆398億円 | 75.3万円 | 75.3万円 |
2件 | 224.9万人 | 449.8万件 | 2兆1,825億円 | 97.0万円 | 48.5万円 |
3件 | 82.4万人 | 247.2万件 | 1兆261億円 | 124.5万円 | 41.5万円 |
4件 | 27.2万人 | 108.8万件 | 4,254億円 | 156.4万円 | 39.1万円 |
5件以上 | 10.2万人 | 54.8万件 | 2,685億円 | 262.4万円 | 49.0万円 |
合計 | 1,014.0万人 | 1,529.9万件 | 8兆9,423億円 | 88.2万円 | 58.4万円 |
引用元:統計情報 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
ー | 登録人数 | 登録件数 | 登録金額 |
---|---|---|---|
1件 | 707万件 | 707万件 | 5兆5,775億円 |
2件 | 439万件 | 220万人 | 2兆4,730億円 |
3件 | 244万件 | 81万人 | 1兆1,354億円 |
4件 | 111万件 | 28万人 | 4,792億円 |
5件以上 | 65万件 | 12万人 | 3,312億円 |
合計 | 566万件 | 1,048万人 | 9兆9,963億円 |
引用元:貸金統計データ|CICとは|指定信用情報機関のCIC
他社からの借入は審査でバレる
「他社借入があるにもかかわらず、申込時に借り入れがないと申請した」「実際の借入件数や借入金額と異なる内容を申請した」としても、審査を行った際にバレます。
銀行カードローンに限らず、信用取引の審査のほとんどで信用情報機関に申込者の信用情報を照会するからです。
信用情報を必ず照会する
カードローンに申し込んだら、信用情報機関に申込者の信用情報を照会します。信用情報機関とは、クレジットカードやローンの利用履歴を管理する機関です。
現在「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3つの機関があります。
カードローンの申込時に他社借入金額や件数を偽ったとしても、3つの信用情報機関は信用情報を共有。借入先が異なっていても、正確な借入金額や件数は必ずバレてしまいます。
また信用情報には、ローンやクレジットカードの返済遅れや債務整理を行った情報なども登録されます。申込時の申請内容と信用情報の登録内容が大きく異なる場合、申込者の信頼を損なうでしょう。
銀行カードローンは「総量規制オーバー」でも借りられる
消費者金融カードローンは、貸金業法で定められた総量規制によって借り入れできる上限額を年収の3分の1までに制限されています。年収300万円の人なら、貸金業者から借り入れできる上限は100万円までです。
銀行カードローンは銀行法が適用されるため、総量規制の影響を受けません。年収の3分の1を超える借入希望額で申し込みが可能です。
しかし、現在は銀行の多くが返済不能に陥る人が出るのを防ぐために、自主規制によって過度な貸し出しを避けています。年収と同額、年収以上の貸し出しを行わず、総量規制適用の消費者金融カードローンと変わらない審査基準を設けているのが現状です。
銀行カードローンの申し込みから融資開始までの流れ
銀行カードローンの申し込み方法はパソコン・スマートフォン、電話、郵送(メールオーダー)、店舗といった方法があります。申し込み方法別の申し込みから融資開始までの流れは以下を参考にしてください。
流れ | パソコン・スマートフォン | 電話 | 郵送(メールオーダー) | 店舗 |
---|---|---|---|---|
1. 申し込み | 申込フォームに必要項目を入力して送信 | 専用ダイヤルに電話をかけて申し込む | 申込書と本人確認書類のコピー、本人の年収を確認できる書類のコピーを銀行宛てに郵送する | 印鑑と本人確認書類のコピー、本人の年収を確認できる書類のコピーを持参して銀行窓口へ来店する |
2. 審査 | 銀行や保証会社による審査 ※申し込み内容について銀行や保証会社から確認の電話がかかってくる可能性があります | |||
3. 在籍確認 | 申込者の勤務先に電話をかけて勤務実態があるかどうかを確認 ※審査担当者の個人名で電話をかけるのが一般的 | |||
4. 審査結果の連絡 | 入力したメールアドレス宛てに連絡 | 届け出のあった電話番号に連絡 | メールアドレスや電話にて連絡 | メールアドレスや電話にて連絡 |
5. 融資契約手続き:必要書類の提出、銀行口座の開設など | ||||
6. ローンカードの送付 | ||||
7. 融資開始 |
銀行カードローンの審査通過の可能性を下げる理由
銀行カードローンは申し込めば誰でも審査に通過できるわけではありません。以下に該当する場合、審査通過の可能性を下げてしまうので注意してください。
- 過去の借金でトラブルを起こしている
- 多重申し込みをしている
- 信用情報に履歴が全くない
- 勤務先への在籍確認が完了しない
- 収入が安定していない
- 他社借入が多い
- 申し込み情報に誤りがある
審査に落ちるのを避けるためにも、しっかりとチェックしておきましょう。
過去の借金でトラブルを起こしている
カードローンでお金を借りたり、クレジットカードを利用したりすると信用情報機関が管理する信用情報に登録されます。
信用情報には、申し込みや返済状況、返済トラブルまで登録されているため、以下のような借金トラブルを起こしていると、審査通過が難しくなるので注意してください。
- 債務整理
- 延滞
- 強制解約
- 代位弁済
多重申し込みをしている
短期間に複数の銀行や消費者金融のカードローン、クレジットカードに申し込むと、審査落ちの可能性が高くなります。
多重申し込みの状態となり、審査担当者に「お金に困っているのではないか」「借り入れができない理由があるのか」「お金を借りられるだけ借りて自己破産を計画しているのではないか」といった不信感を与えるからです。
カードローンやクレジットカードなどに申し込む際は、可能な限り1社ずつにしてください。
信用情報に履歴が全くない
信用情報に履歴が全くない場合も、審査落ちの原因につながる可能性があります。延滞や債務整理などを行った場合、一定期間が過ぎれば信用情報から履歴が削除されるからです。
「信用情報に履歴がない=返済トラブルを起こして時間が過ぎた人」だと思われて、これまでに借金をしていなくても審査に落ちるケースがあります。
社会人になって間もない若年層なら特に問題ありませんが、30代を過ぎても信用情報に履歴がない人は審査が不利になるでしょう。
勤務先への在籍確認が完了しない
カードローンの審査が最終段階に入ると、申込者の勤務先に電話をかけて在籍確認を実施します。「申込者が申請した勤務先が実在するのか」「申込者が働いているのか」を確認するのが目的です。
申込者が申込時に申請した会社で本当に働いているのを確認できれば、在籍確認は完了します。「在籍確認の電話に誰も出なかった」「申込者が働いているかどうかを確認できなかった」となると、審査落ちの原因になります。
収入が安定していない
「安定した収入を得ている人」を申し込み条件にする銀行カードローンも多いです。申し込み条件には年齢も含まれますが、そもそも申込者に安定収入がなければ、カードローンに申し込んでも審査で落とされる可能性が高いでしょう。
安定した収入とは「毎月ほぼ一定の収入があって収入金額に変動がない状態」を意味します。会社員などの給料が安定した収入に該当します。
他社借入が多い
他社借入が多いと、カードローンの審査通過が難しくなります。年収300万円の人は、総量規制によって借入可能金額は100万円まで。すでに他社から100万円を借りているなら、いくらカードローンに申し込んでも審査に通過しません。
返済能力が足りないと判断された場合も、審査通過が難しいです。申し込みの際に、申請した希望利用限度額が年収に対して高いと返済能力が足りないと判断されるでしょう。
申し込み情報に誤りがある
カードローンに申し込む際に、虚偽の情報を申請するのは厳禁です。正しい情報を申請するようにしてください。虚偽ではなくても申請内容に誤りがあると、審査通過が難しくなります。
虚偽の申請は審査段階で明らかになるため、たとえ故意でなくても「信用できない人」と判断されるのを避けられないでしょう。
銀行カードローンの審査通過のための3つの対策
銀行カードローンの審査通過のために、以下の3つの方法で対策してください。
- 信用情報の内容を確認しておく
- 他社からの借り入れを減らす
- 安定した収入を得られる仕事をする
それぞれについて解説します。
信用情報の内容を確認しておく
信用情報機関に開示請求の手続きをして、自分の信用情報の内容を確認しておいてください。申込者の借入状況について正確に把握できるからです。
返済トラブルを起こしていたり、多重申し込みの登録を確認できたりする場合、申し込み手続きは進めない方がいいでしょう。申し込んでも審査に落ちる可能性が高いからです。
開示請求の手続きは各信用情報機関で行い、1,000円程度の手数料がかかります。
他社からの借り入れを減らす
他社からの借り入れが多い場合、審査時に「返済能力がない」と判断されやすいです。審査に落ちないためには、可能な限り他社借入の金額や件数を減らしてから申し込んでください。他社からの借り入れが減れば、その分だけ収入に対する返済能力が上がります。
安定した収入を得られる仕事をする
現在無職の人や雇用期間の定まっていない短期のアルバイトの人などは、安定した収入を得られる仕事を見つけましょう。銀行に限った話ではありませんが、カードローンには「安定した収入がある人」といった申し込み条件があるからです。
給料を継続して得られる状態になれば、カードローンの申し込み条件のクリアはもちろん、審査通過の可能性が現実的になります。
銀行カードローン以外に消費者金融カードローンも検討しよう
「銀行カードローンの審査に通過するかどうか不安」と考えるなら、銀行カードローンよりも消費者金融カードローンへの申し込みを検討してください。消費者金融カードローンには、以下のようなメリットがあるからです。
- 最短即日融資に対応
- 金利0円・無利息期間サービスを利用できる
- 本人確認や在籍確認の電話連絡なしが可能
これらは銀行カードローンにはないメリットなので、ぜひチェックしておきましょう。
最短即日融資に対応
消費者金融カードローンの多くが最短即日融資に対応しています。大手消費者金融カードローンでは即日融資について、公式サイトで以下の図表のように伝えています。
消費者金融カードローン | 即日融資の対応状況 |
---|---|
アコム | 審査完了・融資まで最短30分で可能 |
アイフル | 最短20分※₁ |
レイク | Webなら21時までのご契約手続き完了で最短25分融資可能※₂ |
SMBCモビット | 最短で申し込み当日の利用が可能 |
※₁お申込の状況によってはご希望にそえない場合がございます。
※₂21時(日曜日は18時)までのご契約手続き完了(審査・必要書類の確認含む)で、当日中にお振込みが可能です。一部金融機関および、メンテナンス時間帯等を除く。
最短即日融資を希望する場合、カードローンに申し込むタイミングに注意しましょう。審査受付時間内の申し込みだったとしても、混雑していると審査時間が長引く可能性があるからです。
できるだけ平日の午前中や昼間など、早めの時間帯に申し込み手続きを行ってください。
最短即日融資!審査通る?カードローン
カードローン | 実質年率 最短融資 | 特徴のまとめ |
---|---|---|
アイフル | 3.0%~18.0% 最短20分※₁ ※₁お申込の状況によってはご希望にそえない場合がございます | ・初めてのご契約で最大30日間利息0円 ・事前診断で融資可能かチェックできる ・原則、自宅・勤務先への連絡なし※₂ ※₂審査状況により実施する場合があります。プライバシーに配慮し、担当者個人名で連絡します。 |
アコム | 3.0%~18.0% 最短30分 | ・業界№1の融資残高数 ・30日間無利息サービス ・アルバイト、パート可 |
プロミス | 4.5%~17.8% 最短25分 | ・20~30代に人気 ・初めて契約する方は30日間利息0円 ・借入可能かすぐに分かる事前診断でチェックできる |
金利0円・無利息期間サービスを利用できる
一部の消費者金融カードローンは、金利0円無利息期間サービスを提供しています。金利0円無利息期間サービスとは、その名の通り一定期間は金利0円でカードローンを利用できるサービスです。
例えば無利息期間が30日間なら、30日以内に返済をすれば利息が発生しません。早期完済が可能な人なら返済するのは元金だけで済むのです。
無利息期間は利用する消費者金融カードローンによって、日数や適用条件が異なります。単に無利息期間サービスを提供するといった点だけでカードローンを選ぶのではなく、具体的な内容もチェックしてから申し込んでください。
消費者金融 カードローン | 無利息期間 | 無利息期間サービス適用条件 |
---|---|---|
アコム | 契約日の翌日から30日間 | アコムを初めて利用する人 |
アイフル | 契約日の翌日から30日間 | ・アイフルを初めて利用する人 |
プロミス | 初回借入日の翌日から30日間 | ・プロミスを初めて利用する人 ・メールアドレスの登録とWeb明細サービスの利用 |
レイク | 契約日の翌日から 30日間・60日間・180日間のいずれか | ・レイクを初めて利用する人 ・30日間の場合:Web申し込みは契約極度額が200万円超、 Web以外で申し込んだ場合は契約極度額不問 ・60日間:Web申し込みで契約極度額が200万円以下 ・180日間:適用上限額は5万円以下、契約極度額が200万円以下 |
SMBCモビット | 提供なし |
本人確認や在籍確認の電話連絡なしが可能
本人確認や在籍確認の電話連絡を行わない消費者金融カードローンも存在します。「自宅や勤務先に電話をかけてほしくない」「勤務先に電話をかけても勤務実態を証明できるか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
消費者金融カードローンなら、電話連絡以外に書類提出で勤務先の在籍確認を行ってもらえる可能性があります。現在、電話連絡なしを公式サイトで伝えているカードローンは以下の3社です。
アイフル | 原則として、申し込みの際に自宅や勤務先への連絡は行っていない |
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SMBCモビット | Web完結の申し込みなら電話連絡なし・郵送物の発送なし |
レイク | 電話での連絡が難しい場合、書類を提出すれば代替の確認とする相談も可能 |
上記以外の消費者金融カードローンでも、コールセンターに相談すれば電話連絡なしで対応してもらえるケースがあります。電話連絡をどうしても避けたい時は、事前に相談しておくといいでしょう。
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