給与ファクタリングは違法?金融庁の見解や危険な理由【利息1000%超も】

貸金業登録をしていない給与ファクタリング業者はヤミ金であり違法業者です。
取られてしまう手数料を年利換算すると1,000%を超えることも珍しくありません。利用してしまうと個人情報が悪用され、その他の悪徳業者に流用される可能性があるので利用しないようにしましょう。

お金を工面するときはリスクが高過ぎる給与ファクタリングを利用するのではなく、認められた正規業者のカードローンを利用した安心です。
給与ファクタリングよりもはるかに低い金利で利用できる上に、無利息期間を設けているカードローンであれば、さらにお得に利用できます。

給与ファクタリングとは

給与ファクタリングとは個人向けファクタリングのことで、給料日よりも前に現金を手にできるサービスのことです。

「給与買い取り」などともいわれており、給与取得者であれば誰でも利用できます。ただし違法性が高く、金融庁も注意喚起を行っています。
違法性についての詳細は後述する「給与ファクタリングが違法といわれる理由や問題点」を参考にしてください(タップすると該当箇所にジャンプします)。

似ているとされるサービスには「給与前払いサービス」があります。給与ファクタリングを金融サービスというならば、給与前払いサービスは福利厚生制度に近いといえます。

給与前払いサービス業者の全てが適法かといわれればそうではないので、利用には十分に注意が必要です。

ファクタリング自体は違法ではないが⋯⋯

2020年9月現在、企業が行うファクタリングは違法ではなく「売掛金」「未収金」などの債権を、ファクタリング企業に売ることで資金を調達できる手段の一つとして利用されてきました。

しかし対個人となると話は別で、給与ファクタリングを行う貸金業に未登録の悪徳業者は「偽装ファクタリング会社」と呼ばれ、実質的には悪徳業者やヤミ金業者が行っていることも珍しくありません。

給与ファクタリングはなぜ広まったのか

給与ファクタリングが世間に広まった理由として「ブラックでもOK」「審査不要」「借金ではない」「即日現金化」などのインターネット広告やSNSなどの露出も一つの要因です。
信用ブラックの人は一般的な金融機関からの借り入れが難しいため、金策手段として給与ファクタリングが広まってしまいました

上記の一般的な金融機関での借り入れには、銀行カードローンや消費者金融、クレジットカードのキャッシング枠の利用などがあります。
しかし、信用情報が傷ついていたり、債務整理をしている人は利用できません。こういった人を狙ったのが悪質な給与ファクタリング会社です。

給与ファクタリングのアフィリエイト広告

広まった理由にはアフィリエイトも関係しているといえます。検索エンジンで給与ファクタリングについて検索をすると、給与ファクタリング業者を紹介するアフィリエイトサイトが出てきます。

アフィリエイターと呼ばれる人が販売促進をして、売れた数に対して広告主(この場合は給与ファクタリング業者)がアフィリエイターに対して報酬を支払う仕組みです。

2020年9月現在、「TCS Affiliate」というASPで「七福神(ZERUTA)」のアフィリエイトの提携画面を確認することができました。新規登録をしてログインしてみなければ現在も有効なのか分かりかねますが、プロモーションページは存在していることが分かります。

参考元:TCS Affiliate|【金融/ファクタリング】ZERUTA「七福神 買取プロモーション」

給与ファクタリングが違法といわれる理由や問題点

給与ファクタリングに限らず、ファクタリング業界にはヤミ金などの違法業者が多く、ファクタリング協会も状況改善に努めてきた背景があります。

ここで、公的機関などの給与ファクタリングに関する見解を見ていきましょう。

給与ファクタリングに関する公的機関などの見解

金融庁、日本弁護士連合会、警視庁の見解を紹介します。

金融庁

いわゆる「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。

…(中略)…

貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年利に換算すると数百~千数百%になるような法外な利息を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった違法な取立ての被害を受けたりする危険性があります。

また、いわゆる「給与ファクタリング」の利用により、本来受け取る賃金よりも少ない金額しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれがあります。違法なヤミ金融業者を絶対に利用しないでください。

引用元:金融庁|給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!

日本弁護士連合会

…(前略)…

給与ファクタリング業者が、貸金業の登録を受けずに、業として、「給与ファクタリング」と称する資金融通サービスを行うことは、貸金業法に違反する(同法第47条2号、第11条第1項)。また、給与ファクタリング業者が徴収する手数料は利息とみなされるから(出資法第5条の4第4項)、これを年利に換算した場合に年109.5パーセントを超えているときは、出資法に違反する(同法第5条第3項)。上記のいずれも刑事罰の対象となる行為である。

この点、給与ファクタリング業者の多くは、年利に換算すると数百パーセント以上にも相当するような高額な手数料(債権額と買取金額の差額)を徴収しているのであって、かかる業者は貸金業法及び出資法に違反する違法なヤミ金融業者と断ずるほかない

そこで、当連合会は、金融庁及び警察庁その他関係行政機関に対し、給与ファクタリング業者の取締りを徹底するよう求める。併せて、当連合会は、給与ファクタリング業者と称するヤミ金融の撲滅に向けて、相談体制を強化するなど、改めて努力する所存である。

引用元:日弁連|いわゆる「給与ファクタリング」と称するヤミ金融の徹底的な取締りを求める会長声明

警視庁

「給与ファクタリング」とは、企業の資金調達手段の一つであるファクタリングの仕組みを利用したもので、個人の給与を債権とみなし、その給与債権を給与ファクタリング業者に買い取ってもらう資金調達方法を言い、手数料を差し引かれた額を給料日よりも前に現金で手に入れることができます。
しかし、貸金業登録を受けずに給与ファクタリングを行うことは違法であり、こうした無登録業者(ヤミ金融業者)を利用した場合、高額な手数料を支払わされることになります。

「給料を即日現金化」「借金じゃないから利息ゼロ」などの誘い文句に要注意!

貸金業登録を受けていない給与ファクタリング業者により、年利換算で数百から1,000パーセント超の高額な手数料を支払わされるケースもあります。また、複数の給与ファクタリング業者と契約を結ぶことで、多重債務に陥るおそれもあります。

引用元:警視庁|無登録の給与ファクタリング業者に注意!

このように各機関が、給与ファクタリングは違法であるために利用してはいけないという警鐘を鳴らしています。法に触れていることは明らかなので、十分に気をつけましょう。

給与ファクタリングが危険な理由

ここから、給与ファクタリングがいかに危険かということを見ていきます。

[1]手数料が高い

給与ファクタリングを年利換算すると、1,000%を超えるケースも珍しくありません
正規のローン業者の中で高金利とうたわれる消費者金融でも年利18.0%なので、いかに法外な利息を請求されるかが分かります。

以下にシミュレーションで比較してみました。

【借入金額10万円、利用期間1ヶ月の場合】
返済金額 利息 金利
消費者金融 10万1,479円 1,479円 年18.0%
給与ファクタリング 13万円 3万円 年365.0%

上記のシミュレーションでは1,000%を超えませんが、それでも法外金利であることは間違いありません。

[2]脅迫的な取り立てをする

貸金業登録をしていない業者はヤミ金なので、強引な取り立てをすることもあります。「会社に電話するぞ」と脅されたり、家族への強引な取り立て(脅迫)をされたという声が、国民生活センターなどに寄せられています。

自分だけでなく家族も巻き込んでしまう恐れがあり、退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまうこともあるのです。

[3]個人情報が悪用される

悪質な給与ファクタリング業者は一つの屋号のみならず複数の屋号で営業をしているケースも多いです。一度給与ファクタリングを利用してしまえば、個人情報を悪用されることも十分に考えられます。

手数料で稼ぐだけにとどまらず、このように他業者に個人情報を横流しして金銭を手にすることもあるのです。

登録貸金業者情報検索サービスで違法業者かチェックしよう

貸金業登録の有無は、以下の金融庁のWebサービスを検索できます。登録されていない業者は違法業者です。

給与ファクタリングは間違っても利用しないこと!

ここまでお伝えした通り、違法業者の給与ファクタリングはとても危険なもの。利用しないに越したことはありません。
どうしてもお金を用意しなければいけないかもしれませんが、利用をきっかけに人生が破綻してしまっては意味がありません

間違っても利用しないようにしましょう。

もしすでに利用してしまっている、利用を検討している人は「給与ファクタリングの相談先|相談事例や債務整理について解説」を参考にしてください。

給与ファクタリングはヤミ金と認定された|手口や個人情報の悪用について

2020年9月に大阪府で、給与ファクタリングと称したヤミ金が逮捕されました。給与ファクタリング業者が逮捕されるのはこれが初めてです。その屋号は「D―ライン」「プライベートファクタリング」という名称で営業をしていました。

このように、違法な給与ファクタリング業者への取り締まりはどんどん厳しくなっています。しかし、多くの機関が警告を強めてもだまされて利用してしまう人もいるのです。

以下では、その悪質な手口を見ていきます。

給与ファクタリングを行うヤミ金の手口

インターネット広告やSNSなどでお金に困っている人にアプローチし、給料の前借り感覚で契約を迫ります。
実質的には利子であるにもかかわらず手数料とうたい、法外な利息を請求してきます

先述したように、一度利用してしまえばその個人情報は他業者に横流しされ、完済した矢先に他業者から営業電話がかかってくることもあります。これら全てを含めたのが給与ファクタリング業者の手口なのです。

返還請求の集団訴訟が行われた

先ほどのアフィリエイトで説明した際に出てきた七福神は、令和2年3月23日に計544万2,000円で集団訴訟を東京地裁に提起され、令和2年5月13日に合計436万5,000円の返還訴訟を提起されています。

給与ファクタリングの被害者が多いことから、今後もこういった訴訟や逮捕者が増えてくることでしょう

給与ファクタリングの返還請求については、「給与ファクタリングの過払い金返還請求はできる?」で解説をしています。ぜひ参考にしてください。

給与ファクタリングの違法性に関する法律について

ここからは、給与ファクタリングの違法性に関する法律を見ていきます。

貸金業法

給与ファクタリング業者は、貸金業者として管轄の都道府県知事の登録を受けなければなりません。このことは2020年3月24日東京地方裁判所の判決からも分かります。

事業者として登録をして貸金業法にのっとって営業をしなければならず、法を超える利息の契約をしたときにはその契約自体が無効になります

■第3条1項
貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない

■第42条1項
貸金業を営む者が業として行う金銭を目的とする消費貸借の契約(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつて金銭を交付する契約を含む。)において、年109.5%(二月二十九日を含む一年については年109.8%とし、一日当たりについては0.3%とする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。)の契約をしたときは、当該消費貸借の契約は、無効とする

引用元:貸金業法|電子政府の総合窓口 e-Gov

貸金業法が適用されるということは、総量規制に抵触することも考えられます。

出資法、利息制限法

出資法を違反すればその業者は刑事罰の対象です。以下では出資法第5条3項を引用していますが、省略している第5条2項では上限金利が年20.0%と定められています。

■出資法第5条3項
前二項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年109.5%(二月二十九日を含む一年については年109.8%とし、一日当たりについては0.3%とする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

引用元:出資法|電子政府の総合窓口 e-Gov

以下は利息制限法です。

■利息制限法第1条
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする
一 元本の額が10万円未満の場合 年20.0%
二 元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年18.0%
三 元本の額が100万円以上の場合 年15.0%

引用元:利息制限法|電子政府の総合窓口 e-Gov

利息制限法は刑事罰の対象ではありませんが、利息の超過分に関しては民事上は無効になります。

民法

民法708条の不法原因給付については、無効な契約で得た金銭が不当なものかどうかという判断が問題にはなりますが、被害者は返還義務はないものとして考えられる傾向にあります。実際にそのような判決も出ています。

給与ファクタリングの被害事例

以下リストで紹介しているものは、給与ファクタリング業者から受けた被害事例です。
正規業者では考えられないような度を越えた取り立て・脅迫であることが分かります。

  • 取り立てがひどく、夜中でもおかまいなしで1分ごとの取り立ての電話が鳴る
  • 返済が遅れると伝えたところ「詐欺罪だ、警察に言うぞ」と脅された
  • マンションのドアに張り紙をされた
  • 会社に督促の連絡がきた
  • 知らない金貸しから連絡がくるようになった
  • 返済できない旨を伝えるとヤミ金を紹介された
  • 計算してみたら利息1000%を超えていた

何度も伝えますが、貸金業者として登録していない業者はヤミ金です。
そんな違法給与ファクタリング業者は以前のヤミ金よりもひどいといわれており、悪質極まりない手口で利用者を陥れます

給与ファクタリングの違法性に関するQ&A

債権放棄書が届いたけど、これはなに?

債権放棄書は「あなたに対して債権がありますが、これをもって放棄します」という旨の書類です。内容証明郵便で郵送されます。これが届いたということは給与ファクタリング業者が請求・取り立てができないということになるので、金銭的にも精神的にも軽くなるでしょう。大切に保管してください。

投資家は刑事罰の対象にならないの?

給与ファクタリング業者には投資家のような人が後ろ盾についており、配当を分配しなければいけないために過剰な利息を請求されるという流れがあります。出資法違反となれば投資家も捜査対象になるでしょう。業者が破産手続きを踏み、「不当利得返還請求債権」を有す利用者から投資家に請求がいくことも考えられます。

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