給与ファクタリングの過払い金返還請求はできる?

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給与を前借りする感覚で給与ファクタリングを利用し、法外な手数料を請求されて支払いに苦しむ人が急増しています。

給与ファクタリングの実態は貸金取引ですので、法律で定められた以上の手数料を給与ファクタリングで支払っていれば、業者に対して過払い金返還請求ができます

「給与ファクタリングを利用したけど、これ以上支払いを続けるのは困難」
「違法らしいので、できれば過払い金を返してほしい」

貸金業登録を行わずに営業している給与ファクタリング業者は、ヤミ金業者と何の変わりもありません。
業者に言われるまま法外な手数料を支払ってしまっても、諦めたりせず、まずは専門家に相談してみましょう。

この記事では、給与ファクタリングの実態や被害例、過払い金返還請求をするにはどうしたらいいのかなどについて解説していきます。

給与ファクタリングの過払い金返還請求は専門家に依頼する

給与ファクタリングを利用すれば給与の前借り感覚で手軽に金銭を調達できるので、お金に困っている人にとっては、魅力的なサービスに感じられるでしょう。
しかし、給与ファクタリングで法外な手数料を請求されるケースが多数発生し、社会問題になっています。

「給与ファクタリングは、給与をもらう権利を買い取って手数料を徴収しているだけであって、金銭を貸し付けて利息を取っているわけではない」
これが、給与ファクタリング業者のいい分です。

しかし、それはファクタリング業者が勝手にそう言っているだけです。利用者に金銭を提供して利用者自身に返済を求めているので、その取り引きは明らかに貸金だといえるでしょう。

貸金の取り引きでは、法律に定められた以上の利息の徴収は認められていないので、利息を払い過ぎていれば過払い金返還請求によって金銭を取り戻せます。

給与ファクタリングを利用して多額の手数料を支払ってしまった、あるいは請求されていて、業者に過払い金返還請求をしたいと考えている人は多くいるでしょう。
そのような場合は自分一人で業者に申し入れをするのではなく、必ずヤミ金の対応に慣れた弁護士などの専門家に相談をしてください

現在、多くの専門機関が給与ファクタリング被害の解決に向けて動き始めています。

給与ファクタリングの被害内容や相談後の流れについて知りたい人は、「給与ファクタリングの相談先|相談事例や債務整理について解説」も参考にしてみてください。

給与ファクタリングは違法

給与ファクタリングでは、「給与をもらう権利」をファクタリング業者が債権として買い取って利用者に代金を支払います。
代金からはあらかじめ手数料分が差し引かれており、利用者は給与を受け取ったら全額を給与ファクタリング業者に支払います。

事業者向けのファクタリングでは、ファクタリング業者は利用者の取引先企業から直接資金を回収するのが一般的です。
しかし、労働基準法では雇用者が労働者に直接賃金を支払うことを義務付けているので、給与ファクタリング業者は利用者の勤務先からは資金を回収できません。
給与ファクタリングは、本人からしか資金を回収できない仕組みになっているので、取引内容は金銭の貸し付けと何ら変わらないといえます。

実際、金融庁も2020年3月5日に、給与ファクタリングが「金銭の貸し付け」に当たると考えられると表明しています

  • 給与ファクタリング業者が貸金業者の登録をしていない
  • 法律で定められた上限金利を上回る手数料の支払いを給与ファクタリング業者に要求された

このような場合は、業者がファクタリングを装った違法な貸し付けをしているといえるのです。

ファクタリング業者は手数料という名目で利用者から金銭を徴収しますが、これは実質的には利息です。
給与ファクタリングの手数料が利息制限法で定められた上限金利(15~20%)を超えている場合は、金利超過分については無効なので支払う必要はありません

出資法で決められた上限金利(20~109.5%)を超える利息を徴収した場合は、刑事罰の対象です。さらに、利息が109.5%を超える場合には、給与ファクタリングの契約自体が無効になります。

利息制限法に違反すると 罰則なし
上限を超えた利息については過払い金返還請求が可能
出資法に違反すると 刑事罰の対象
上限を超えた利息(20~109.5%)については過払い金返還請求が可能
利息が109.5%を超える場合は契約自体が無効となる

法外な利息を支払う内容の契約は、公序良俗に違反するので無効になります(民法第90条)。

契約が無効ということは、契約をする前の状態に戻すということです。
給与ファクタリング業者に金銭を支払ったなら、業者は全額を利用者に返還する義務を負うので支払った金銭は全額取り戻せ、まだ支払っていない返済に関しては支払う必要はありません。

しかし、これはあくまでも理屈上の話です。利用者が給与ファクタリング業者に金銭の返還を要求したところで、相手にもされないでしょう。
もう支払いはしないと宣言などすれば、相手はあらゆる方法で嫌がらせをしてくるはずです。

給与ファクタリング業者の多くは、通常ではありえない高額な手数料を要求するだけではなく、期日までに返済できなければ強引な取り立ても行います
まさにヤミ金以外のなにものでもないので、対処は必ず専門家に依頼することです。

給与ファクタリングの違法性については、「給与ファクタリングは違法?金融庁の見解や危険な理由【利息1000%超も】」で詳しく解説しているので、そちらもぜひ参考にしてください。

参考元:
一般的な法令解釈に係る書面照会手続|照会|金融庁
一般的な法令解釈に係る書面照会手続|回答|金融庁

給与ファクタリングの判決|過払い金返還請求の集団提訴など

2020年3月24日、東京地方裁判所は給与ファクタリングに関する画期的な判決を下しました。
給与ファクタリングは貸金業法、出資法に違反しているので、利用者との貸付契約(給与債権譲渡契約)は無効で、利用者は返還義務を負わないとしたのです。

東京地裁での判決

この裁判は、利用者に金銭の支払いを求めるために、給与ファクタリング業者側が起こしていました。

業者は7万円で給与債権を買い取って4日後に支払いを受ける内容の契約を結び、利用者に4万円融通しています。
しかし、これは利用者に4万円を貸して4日後に3万円の利息をつけて返済するのとまったく同じです。
4日で3万円の利息を年利に換算すると7,000%近くにもなるので、どこから見ても法外な利息だとしかいいようがありません。

この訴えに対して、東京地裁が出した判決は以下の通りです。

  • 原告(給与ファクタリング業者)の請求を棄却する
  • 給与ファクタリングは「金銭の貸し付け」に該当する
  • 出資法の上限金利を大幅に超えるため、刑事罰の対象となり契約自体が無効である
  • 不法給付原因給付に当たるため、給与ファクタリング業者が利用者に融通した金銭は返還する義務はない

給与ファクタリング業者に給与を払ってしまった場合には、その全額の返還を請求でき、支払い過ぎた利息は過払い金返還請求できるとしたのです。
これまで、給与ファクタリングは借金ではないとしてきた業者の主張が、公式に否定されたといえるでしょう。

この判決をきっかけにか、各地で給与ファクタリング被害者が提訴に踏み切っています。

日付 内容
2020年3月23日 森田悟志弁護士(東京都中央区)が、七福神(ZERUTA)に対して被害者9人で約544万円の集団訴訟を東京地裁に提起
2020年5月13日 給与ファクタリング被害対策埼玉弁護団が、七福神(ZERUTA)に対し合計436万5,000円の返還訴訟を東京地裁に提起
2020年6月3日 大阪府の利用者の男性8人が、東京都内の業者など7社に計約690万円の返還や損害賠償を求めて大阪簡裁などに提訴

参考元:一般社団法人日本ファクタリング業協会

5月13日に東京地裁に提訴されたケースについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

2020年5月13日|給与ファクタリングの被害者9人が集団提訴

原告の一人の50代男性は、消費者金融から借り入れができないためファクタリング業者と契約しました。
給料70万円を債権化して業者に買い取ってもらったものの、手数料として16万5,000円も差し引かれたといいます。
年利換算して1000%以上もの利息を、手数料名目で取られていたのです。

3万8,000円を受け取った数日後に6万円を支払ったケースや、支払期限を過ぎてしまい業者から「支払わなければ勤務先に連絡する」などと脅され、執拗(しつよう)な取り立てを受けていたケースなどもありました。

この裁判で、被害者は不当に高い手数料を取る契約は民法で定める公序良俗に違反して無効だと訴えており、業者に支払った手数料を含めた金額の返還を求めています。

裁判の判決次第では、給料ファクタリングを利用していた人が過払い金だけではなく利用金額の払い戻しを受け取れる可能性も出てくるので、慎重に行方を見守りたいところです。

参考元:機関紙連合通信社|支払った金額の返還求める/被害者9人が集団提訴/「給与ファクタリングは違法」

不当利得返還請求権の債権者について

給与ファクタリングで業者に金銭を支払ったことがある人は「不当利得返還請求権」を有しているので、業者に対して過払い金の返還を請求できます

不当利得返還請求権とは

不当利得返還請求権とは、正当な理由もないのに他人に損失を与えて利益を得た人に対して、損失を受けた人が利益を返還してほしいと請求できる権利のことです。

例えば、消費者金融の過払い金問題で利用者が業者に対して過払い金返還請求をできるのは、不当利得返還請求権があるからだといえるでしょう。
以前の消費者金融は利息制限法に罰則がないのをいいことに、上限金利よりも高い利息を利用者から取っていました。

消費者金融が正当な理由もないのに利用者に損失を与えて利益を得ていたため、利用者は消費者金融に対してその利益を返還するよう不当利得返還請求をしました。
それが過払い金返還請求です。

給与ファクタリングにおいても、業者が利息制限法や出資法に違反して上限利息以上の金銭を利用者から徴収していれば「不当利得」を得ていることになります。
そのような場合は、利用者は不当利得返還請求=過払い金返還請求を起こすことが可能です。

給与ファクタリングは不法原因給付に該当する可能性が高い

出資法の上限金利である109.5%を超える利息を支払う契約を利用者に結ばせた場合は、超過利息以上の金額を不当利得返還請求によって返還してもらえます。
東京地裁の判決では、給与ファクタリング業者が利用者に融通した金銭は不法原因給付になると指摘しています。

不法原因給付とは、不法な原因のために給付をしたら、給付したものを返せと請求することができないとする決まりのことです。

ここで、ヤミ金に関する最高裁判例(2008年6月10日)を確認してみましょう。

  • ヤミ金業者が利用者に年利数百~数千%という高金利で融資した場合、業者は利用者に対して元本を請求できない
  • ヤミ金の被害者が損害賠償を請求した場合、被害金額からは元本部分が減額されない

ヤミ金は犯罪で「不法な原因」に当たるので、ヤミ金で利益を得るために利用者に金銭を貸した業者は、利用者に返済を請求できません。ヤミ金から金銭を借りた人は借金を返済しなくても構わない、ということです。

貸金業者としての登録もせず年利数百~数千%という高金利で融資をし、返済できない利用者には厳しい取り立てをする給与ファクタリング業者は、ヤミ金と何も変わりません。

給与ファクタリング業者の債権譲渡契約は公序良俗に違反するので、契約自体が無効になります。給与債権の売却代金として提供された金銭は、不法原因給付に当たるので返済する必要はありません。

つまり、給与ファクタリングで支払った金銭は全額戻ってくる可能性がありますし、まだ支払いをしていなければ返済も拒絶できます。給与ファクタリングを利用したことがある人は申し出をしておいた方がいいでしょう。

偽装ファクタリング業者に対しての弁護士の対応例

弁護士など専門家に依頼をして給与ファクタリング業者に対する過払い金返還請求を起こすと、その後はどのように手続きが進んでいくのでしょうか。

受任通知を給与ファクタリング業者に発送

利用者から相談を受けると、弁護士は以下の内容を記載した「受任通知」を給与ファクタリング業者の事業所地に発送します。

  • 給与ファクタリングは、金融庁の「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」や東京地裁令和2年3月24日判決においても「貸金業」に該当すること
  • 給与ファクタリング業者の行っている取り引きは、貸金業法、出資法を遵守していないので違法であること
  • 給与ファクタリング業者が回収した金銭があるのなら返還すること
  • 今後は返済などの支払いには応じられないこと
  • 給与ファクタリング業者から相談者に対して請求をしないこと

受任通知が給与ファクタリング業者に届けば、かなり高い確率で借金の請求や督促はストップします。受任通知を受け取って以降は、業者は直接本人に対して請求してはいけないと決められているからです。

金融機関に口座凍結を要請

受任通知を発送すると同時に、弁護士は給与ファクタリング業者が利用している金融機関に連絡をします。違法業者によって口座が利用されているため、すぐに口座を凍結するよう要請するためです。

口座が違法な取引に利用されていることが明らかになれば、ほとんどの金融機関はその口座をすぐに凍結します。これで、以降給与ファクタリング業者は利用者からの支払いを受けられなくなります。

警察に被害届を提出

給与ファクタリングの利用者は、警察に被害届を提出します。弁護士からも警察に対して、違法な給与ファクタリング業者が金融機関の口座を利用している旨の情報提供が行われます。

警視庁の公式サイトにも、給与ファクタリングへの注意喚起を促すページがあるので、それを見せると伝わりやすいでしょう。

参考元:警視庁|無登録の給与ファクタリング業者に注意!

給与ファクタリングで多額の手数料を支払ってきたけれども、業者に「借金ではない」と言われたので相談できなかった、という人は多いです。

しかし現在は、給与ファクタリングは貸金業に当たるとの金融庁や裁判所の見解が正式に示されています。過払い金返還請求を検討している人は、早めに専門家に相談してください。

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