最強のじぶん退職金制度である小規模企業共済制度のメリット

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小規模企業共済制度は、法律(小規模企業共済法)に基づき、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営し、小規模企業の経営者や個人事業主が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる制度です。

加入手続きは、中小機構と業務委託契約を結んでいる委託団体(商工会・商工会議所等)及び金融機関(銀行・信用金庫・商工組合中央金庫の本支店)の窓口で行えます。

小規模企業共済制度の現況

①在籍人数

小規模企業共済制度は、昭和40年の制度発足以来順調に普及し、毎年の加入人数も増加しており、現在の在籍人数は約138万人です。(平成30年3月末現在)

資料:中小機構

②運用資産

中小機構では、小規模企業共済法に基づき「小規模企業共済資産運用の基本方針」を策定し、払い込まれた掛金を長期的な観点から運用を行っています。

満期保有目的の国内債券を中心に自家運用資産の構成割合を約8割とし、約2割を国内債券・国内株式・海外債券・海外株式に委託機関が運用しています。

資産運用残高:約9兆4,125億円(平成30年3月末現在)

資料:中小機構

それでは、次に小規模企業共済制度のメリットについてコメントしていきます。

小規模企業共済制度のメリット

①加入年齢の制限なし

以下の様に、加入資格者について制限はありますが、加入年齢については年齢制限がありません。

例えば、65歳で会社を退職し個人事業主として事業を開始した方は、将来のじぶん退職金を準備する為に小規模企業共済制度の利用が可能です。

他のじぶん退職金制度として個人型確定拠出年金が挙げられますが、加入年齢は60歳以下に限定されています。

加入資格者:

  • 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
  • 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員

②掛金拠出の年齢制限なし

役員や個人事業主を続けている限り掛金の拠出は可能で、年齢制限はありません。通常、運用は掛金拠出期間が長ければ長い程複利の効果が得られます。

個人型確定拠出年金の場合、掛金拠出は59歳11ヶ月までです。

③手数料はゼロ

契約者から預かっている掛金とその運用収入は、すべて契約者に還元される仕組みで、制度の運営経費は全額国からの交付金によって賄われていますので、
加入者は手数料を一切払う必要はありません。

個人型確定拠出年金の場合、加入手数料(約2,800円)及び事務手数料(年間:2,400円程度)掛かります。

通常、拠出期間は5年以上に渡りますので、手数料ゼロの効果は絶大です。

④共済金(受取額)は給付開始事由毎に保証された固定額

共済金の額は、掛金を原資に一定運用収入を見込んで設定してあり、この運用収入の見込み額を算出する際の利回りを「予定利率」(加入者に対して約束した運用利回り)といいます。

現在の予定利率は1.0%となっています。

掛金月額が10,000円の場合、例えば掛金月額を30,000円として試算する時は、下表の金額を3倍にして計算する。

掛金納付年数 掛金合計額 共済金A 共済金B 準共済金
5年 600,000円 621,400円 614,600円 600,000円
10年 1,200,000円 1,290,600円 1,260,800円 1,200,000円
15年 1,800,000円 2.011,000円 1,940,400円 1,800,000円
20年 2,400,000円 2,786,800円 2,658,800円 2,419,500円
30年 3,600,000円 4,348,000円 4,211,800円 3,832,740円

給付開始事由

A共済事由:

  1. 個人事業主:個人事業の廃止・事業主の死亡
  2. 会社役員等:会社等の解散

B共済事由:

  1. 個人事業主:老齢給付
    (65歳以上で15年以上掛金を納付した事業主)
  2. 会社役員等:老齢給付
    (65歳以上で15年以上掛金を納付した役員)
    役員の疾病又は負傷による退任
    役員の死亡

準共済事由:

  1. 個人事業主:個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をした場合
  2. 会社役員等:法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した場合

⑤設定される予定利率はインフレ対応

国内金利状況により予定利率は見直されます。

現在国内金利は最低水準で推移していますが、将来国内金利が上昇すれば予定利率は引き上げられ、共済金も増額になる可能性があります。

他のじぶん退職金制度として国民年金基金が挙げられますが、加入した時期によって決定した予定利率は生涯に渡って続いていき、インフレ対応していません。

なお、国民年金基金は保険料を払う加入者が減る一方、年金を受給する人が増えて財政が悪化しているため。

2014年4月に加入者に約束する予定利回り1.75%から1.5%に引き下げる一方、2014年4月以降に新規に加入する人の保険料を平均で7%程度引き上げました。

⑥掛金は少額で設定可能

月額1,000円以上500円単位で自由に設定可能です。なお、月額限度額は70,000円です。

⑦掛金は小規模企業共済金等掛金控除として全額所得控除の対象

掛金月額が10,000円の場合、全額所得控除の対象なので掛金10,000円分は所得とならず、自身の所得税率が例えば5%で住民税は一律10%ですので、1,500円(10,000円×15%)が節税可能になります。

従って、実質掛金負担額は8,500円(10,000円-1,500円)となり、実際の利回りは上記の予定利率1.0%を大きく上回ります。

⑧掛金の前納が可能

半年又は1年分の前納が可能で、1ヵ月につき掛金金額の0.09%の割引。1年前納で1.08%の割引になります。

例年11月~12月は、掛金割引に加えて年末調整や確定申告を見据え(所得控除額を増やす)、前納の希望が多くなります。

⑨共済金の年金受取額は公的年金等控除対象及び一時金受取額は退職所得控除対象

共済金の受取りは、年金または一時金を選択できますし、併用も可能です。

通常、年金受取額は雑所得として又一時金受取額は一時所得として課税対象ですが、小規模企業共済制度における年金受取額は、公的年金等控除が適用され、又一時金は、退職所得として退職所得控除が適用されます。

1.共済金年金受取り

雑所得=年金受取額-公的年金等控除額

公的年金等控除額(65歳以上)

(A) 公的年金等の収入金額 公的年金等控除額
330万円以下 120万円
330万円超 410万円以下 37.5万円+(A)X25%
410万円超 770万円以下 78.5万円+(A)X15%
770万円超 155.5万円+(A)X5%

公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は課税所得金額は ゼロとなります。

2.共済金一時金受取り

退職所得=(一時金受取額―退職所得控除額)X1/2

退職所得控除額

掛金年数20年以下 40万円X掛金年数(最低80万円)
掛金年数20年超 800万円+70万円X(掛金年数-20年)

掛金年数に1年未満の端数があるときは、1年として計算する。

退職所得は税制面で以下の様に他の所得より優遇されています。

  • 分離課税で他の所得と合算されない⇒累進課税による高い税率を適用されにくい
  • 掛金年数による大幅な退職所得控除がある
  • 退職所得控除後の金額のさらに2分の1に課税される

⑩一般貸付制度

掛金の納付期間に応じた貸付限度額の範囲内(掛金合計額の7~9割)で、事業資金等を借り入れることができます。

貸付利率は現在1.5%ですので、予定利率1.0%+所得控除効果利率を下回っています。

この様に多くのメリットがある小規模企業共済制度によってじぶん退職金を準備されては如何でしょうか。

ファイナンシャルプランナー
大日 滋(おおくさ しげる)

CFP(日本FP協会)、
1級ファイナンシャル・プラニング技能士(国家資格)、
企業年金管理士(確定拠出年金)(企業年金連合会主管)個人型DC(iDeCo)プランナー(金融財政事情研究会主管)。

2011年7月個人事業主としてファイナンシャル・プラニング事務所インテレクタスを設立。
銀行及び証券会社での実務経験を活かして、公的年金・確定拠出年金・小規模企業共済・運用に関する相談業務及びセミナー・講演会を行っています。

又以下のSNSを通じて情報を発信しています。
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