中小企業は都市銀行の融資を受けられるの?

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決定

中小企業は都市銀行から融資を受けられるの?はい、受けられます。

むしろ望まれています。ちょっと意外な気がするかもしれませんが、それは事実です。

ただちょっと躊躇されます。①何故望まれるか、②躊躇とは何か、③どうすれば躊躇を解いて借りられるのかを説明しましょう。

尚、かつての都市銀行を先祖に持つ銀行や一部の大手地方銀行を含めて、ここでは大手銀行と呼ぶことにします。

何故望まれるか

さて、まず「何故望まれるか」です。 それは、企業への融資が大手銀行の本業であり、中でも国内事業の99.7%を占める中小企業は企業向け融資中心だからです。

戦後の高度成長期、企業の資金需要は非常に旺盛で多くを銀行に依存していました。そんな環境の下では銀行は融資先を探す苦労もなく本業を謳歌していました。

ところが、社債発行など資金調達手段が多様化すると、証券会社と競って融資先を奪い合うようになります。折悪く、高度成長は終り、資金需要も減退しました。

融資先探しに苦労した銀行は安易にバブルに頼り、その結果多額の不良債権を抱えることになります。

1990年代の終り、これが原因となって破綻する銀行が相次いだところで行政が指導に入りました。公的資金を注入し、大手銀行には不良債権の処理を促したのです。

そして2000年代のはじめ、不良債権処理に一定の目途が見えた頃、行政は、本格的に金融機能の再生を開始しました。中心は中小企業向け融資です。

一方の銀行にとっても、企業の99.7%を占める中小企業向けの融資増強は至上命題です。それは大手も同じです。

送金や資金決済などの業務はフィンテックに浸食されるし、ローン業務やデリバティブ業務はAI業界に浸食されるので、本業融資に回帰せざるを得ないのです。

しかし、かつての方法のままでは再びバブルにまみれるだけ。こんな中、行政が中心になって進めている事業性評価は一条の光明です。

事業性評価審査とは担保や財務分析に過度に依存することなく、事業の構造や確かさに着目した審査方法です。

事業が確かなら不良債権発生も抑制できるでしょう。

こうして、銀行は行政に呼応し、中小企業融資に積極方針を取り始めます。だから、中小企業融資は銀行に望まれるのです。

躊躇とは何か~大手銀行のジレンマ

ところが、大手銀行には悩みがあります。国際的な自己資本比率規制です。大手銀行は海外に支店網を有しています。

そのような銀行は規制により高い自己資本を維持しなければなりません。要求比率を8%として、リスクウェイト75%の中小企業に融資する場合、経費を除いて6%以上の利鞘が必要です。

そんな高率の融資案件ありますか。特にこのマイナス金利情勢化ではほとんど無理です。また、事業性評価には緻密な分析と事後フォローが要求されるので費用もかかります。これでは採算が合いません。

中小企業融資は本業だから推進したいが採算が合わない。大手固有のジレンマです。

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どうすれば躊躇を解いて借りられるのか

しかし、逆に経費のかかる手間を省いてやれば、大手銀行も中小企業融資に戻ってくるはず。

そこで提案です。借り手である中小企業が自分で審査して自分でフォローするのです。その効果は大手銀行の経費を軽くして中小企業融資に積極的にさせること。

考えてみてください。銀行は資金が事業に活かされて成功することを願っています。成功すれば返済が滞らないからです。

一方、事業の成功は借り手の望むところでもあります。両者はいがみ合っているようで、実は利害が一致しているのです。

工夫すれば相互理解が進むはず。要は双方納得のポイントを抑える説明ができればいいのです。それは下記の3点です。

資金使途明確化

まず、資金使途を明確にすることです。「経常運転資金」だけでは駄目です。子供に小遣いをせがまれた時、真っ先に「何に使うんだ」と追求するでしょう。

一番気になるからです。納得させるにはもっと具体的に特定する必要があります。

事業の確かな仕掛け

次に資金を活かす先の事業を説明します。資金を使う先は、事業の構造上の欠落部分があってそのままでは事業が思うように、つまり儲けがでるように進まない個所です。

そこに資金を投じて補えば、必ず事業が進むという仕掛けを説明する必要があります。事業に活きてはじめて返済原資も生み出されるのだと納得がいくのです。

根拠のある採算説明

第3は採算です。「こうすれば世の中が良くなる」と熱く語るだけではだめです。採算がとれなければ返済原資も生まれません。

今は赤字でも、上の2点によってきちんと採算に乗るシナリオができていることを数字で説明します。

その為には単位当たり売上高から単位当たり変動費(売上増減に比例して増減する費用)を差し引いた限界利益率がプラスである必要があります。

結局基本じゃないかと言わないでください。それが出来ていない企業が実に多いのです。

上の3つを整え、是非堂々と大手銀行のドアを叩いてみてください。

中小企業診断士 証券アナリスト
金森 亨

1954年北海道生まれ、慶應義塾大学を卒業して大手銀行に勤務。いくつかの国内支店の支店長や海外地法人社長などを歴任して2004年に退職し、その後は中堅商社にて経営戦略や海外業務などを担当しながら経営の一端を担った。銀行と事業会社両方での実務経験を活かし、事業化や事業性評価、採算管理、事業資金調達、為替リスク管理などの研究を通じて中小企業経営のお手伝いをしている。著書に、「事業再生の現場プロセス」(共著)(中央経済社)、「為替リスク管理の教科書」(中央経済社)、「事業資金調達の教科書」(中央経済社)がある。
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