信用情報はおまとめローンの審査にどう影響する?
借入先が複数ある場合には、返済日も返済金額も異なるので、件数が増えるたびに管理しにくくなってきます。
そこで検討するのは「おまとめローン」ですが、おまとめローンと言っても、審査は必ず行われます。
既に借金が複数あるのですから、信用情報も決していいとは言えない状態です。
おまとめローンでの審査時に、信用情報はどのような影響をもつのかを見てみましょう。
この記事はこんな人におすすめ
この記事こんな人におすすめです。
- おまとめローンを検討している
- 通常の借入れ審査と審査内容が異なるのか気になる
- おまとめローンの審査に落ちる原因ってなに?
上記のようなことを調べている人には、特に参考になります。
記事の目次
おまとめローンの審査の流れ
現在、既に複数の借金を抱えているのならば、借入を1つにまとめる「おまとめローン」を耳にしたことがあるしょう。
おまとめローンは、たとえ現在借入れをしている金融機関であったとしても、別の金融商品に申込むのですから再度審査は必要になってきます。
その審査次第では、審査落ちしたり希望融資金額に届かなかったりなどの、可能性も出てくるのです。
よくおまとめローンのうたい文句として「借金が複数あるのならば、おまとめローンが有効」など言いますが、うたい文句どおり借金が複数あるからと必ず審査に通る訳ではないのです。
それではどのような部分を審査されるのか、しっかりと見てみましょう。
重要なのは返済能力
おまとめローンでの審査時で最も重要視されるのは、信用情報ではなく返済能力の有無です。お察しの通り、おまとめローンの申込みをするということは、皆既に複数の借入れがある状態なのです。
そこで通常の借入時と同じように「他社借り入れ件数が多いから否決」という審査基準では、おまとめする意味もありませんし、審査に通過できる人も限られてきます。
そのため、おまとめローンで重要なのが、「本当に今後この借入を完済できるまでの返済能力があるのか」という返済能力なのです。
在籍確認も行われる
おまとめローンでもカードローンなどの借入時と同じく、必ず在籍確認が行われます。
申込時に申告した情報に誤りがないのか、という確認の他に、先に話した返済能力も関係してきます。
会社員は、会社から給料を得ています。
そこで申告した勤務先に間違いなく勤務していなければ、そもそも返済できる財力もないと判断されるのです。
特におまとめローンは複数の借金をまとめるので、通常の借入金額よりも更に大きい金額を借入れしなくてはいけません。
そのため必ず申告した勤務先へ、在籍確認が行われるのです。
審査時に信用情報機関でチェックされること
信用情報には借入や返済の状況などの情報が登録されていますので、この内容はおまとめローンの審査に大きな影響を与えます。
おまとめローンを申し込むということは、既に複数のローンを借りているということですので、その借入は当然登録されています。
その借入の返済が滞りなく返済しているという状況であれば、おまとめローンの審査においても返済意識が高く、信用も高いと判断されやすくなります。
反対に延滞の事実が登録されていれば、その後返済をしていたとしても返済の意識が低く、場合によっては回収不能となるリスクが高いと判断されてしまいます。
また、過去に代位弁済や債務整理などの情報が登録されていれば、おまとめローンの審査に通ることはまずありません。
審査時での信用情報は、単なる情報として見る訳ではありません。
今後この申込者に融資をしても、問題なく返済できるのかを見極める材料となるのです。
それではどのような項目で、審査をされるのかを見てみましょう。
1.他社借り入れの返済状況
信用情報では申込み時点での、他社借り入れ状況を確認することができます。
何社にいくら借りて、返済はきちんと行っているのかという情報が一目で分かるようになっているのですが、この時点で既に他社返済が遅れているようであれば、審査に通ることは難しくなってきます。
誰しも借金金額が大きくなれば、返済は厳しくなります。
そのためにおまとめローンに申込みをする、という心情も分かるのですが、既に返済ができていない状態であれば、今後もし融資を行ったとしても、いつかは支払いが困難になってしまう可能性は否定できません。
金融機関も貸付金額が大きい分、リスクが高い人には融資できないと捉えてしまうのです。
2.債務整理
信用情報機関で得られる情報は、現在の借り入れ状況だけではありません。
過去に自己破産などの、債務整理を行った場合もその情報は確認できます。
債務整理の情報が残る期間は、5年~10年ですから、まだ情報が消えていないのであれば審査落ちの原因となるでしょう。
3.借入総額
おまとめローンは消費者金融が展開していたとしても、総量規制の対象外です。
そのため年収の3分の1以下などの条件は存在しませんが、やはり余りにも収入に見合わない借入金額であれば、審査に通ることは厳しくなってきます。
先に話したリスクにも関連しますが、現時点では支払えていたとしても今後も確実に返済ができる見込みがないといずれは返済が困難になることは明らかです。
そのため現在の借入総額も審査時では、重視されます。
どの信用情報機関に照会される?(CICなど)
おまとめローンに限らず、ローンの審査を受ける際には必ず信用情報に登録されている情報によって審査されます。
この信用情報は個人を特定する情報から借入残高、返済の状況などのその個人のあらゆる情報が登録されています。
日本には信用情報を記録している個人信用情報機関は、「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3つがあります。
銀行や保証会社はこれらの個人信用情報機関に、1つまたは複数に加盟しており、融資の申し込みがあれば、加盟している機関に対して照会を行って、信用情報を取得して審査の基としています。
他社借り入れをまとめたいなら延滞記録は厳禁
信用情報において過去に完済したということがある情報は、審査のプラス要素となります。
完済をしたということは、きちんと借りたお金を返したという、過去の事実を証明するものですので、完済の情報があると信用は高いと判断されます。
しかし、それは今現在の借入において、延滞などの金融事故がないということが必要であり、過去には完済したことがあるものの、今は延滞しやすくなっているという情報であれば、完済したという情報の意味はなくなってしまいます。
携帯分割払いに注意
スマートフォンなどの携帯電話を購入する際に、2年~4年契約で分割して代金を支払うことがあります。
この場合端末の分割代金は通信料などと合算して、毎月支払っていくこととなりますが、この携帯端末の分割は信用情報に割賦情報として登録されています。
割賦情報の代表的なものと言えばクレジットカードのリボ払いですが、分割する回数が2回を超える場合には割賦販売法に基づき割賦情報となります。
ですので、携帯端末の分割をしているときに、携帯料金の支払いが滞ってしまえば割賦情報に、支払いされていないと登録されます。
つまり実際に遅れたのは携帯料金であったとしても、信用情報に記載される内容は、「割賦で購入した商品の返済が遅れている」という扱いになってしまうのです。
例えばauであれば、契約している信用情報は多くの消費者金融や信販会社が契約しているCICです。
そのため携帯料金の支払いが遅れると、今後はおまとめローンの他、他社に新規で申込みをしようとしても、審査に大きく影響を与える可能性が出てきます。
借入の返済が延滞となっていない場合でも、割賦情報によって審査に影響が出てしまうこともありますので注意が必要です。
事故情報の登録期間
借入金の返済ができなくなってしまえば、保証会社が銀行などの貸付先に対して借主に代わって弁済をすることを「代位弁済」と言い、法的な手続きによって現在の借入れを減額してもらったり、借入そのものをなくしてもらったりすることを「債務整理」と言います。
これは信用情報上「金融事故」と言い、事故を起こしたという登録がある人は今後借入やクレジットカードの発行はできません。
いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれている状態のことを言いますが、金融事故はおよそ5年~10年は消えません。
ですので、この期間はもし代位弁済になっていれば、保証会社へ弁済をしていかなくてはいけませんし、新たな借入はできない生活を送ることとなります。
しかしこの情報は未来永ごう残る情報ではなく、5年~10年が経過すれば情報は消えます。
金融事故情報が消えれば、再度新規で借りることができる可能性は出てきます。
ただしいつから数えて5年~10年なのかなど、行った債務整理内容で異なってきますので、債務整理内容別に記載期間を見てみましょう。
CIC | JICC | KSC | |
---|---|---|---|
代位弁済 | 5年 | 5年 | 5年 |
任意整理 | ― | 5年 | ― |
個人再生 | 5年 | 5年 | 10年 |
特定調停 | 5年 | 5年 | 10年 |
自己破産 | 5年 | 5年 | 10年 |
起算日のカウントですが、自己破産以外全て「完済してから」が起算日です。
例えば2015年に個人再生を行い、完済したのが2017年5月であれば、2017年5月から数えて5年もしくは10年というカウントになりますから注意しておきましょう。
なお、銀行や保証会社などでは信用情報機関以外にも、自社で記録している情報もありますので、代位弁済や債務整理をした際の銀行や、保証会社では5年~10年が経ち、信用情報の情報が消えたとしても借りることはできません。
申込ブラックだとおまとめローン審査にも影響
信用情報には、いつ何社に申込みをしたのかという情報も、記載されています。
余りに短期間に複数の申込みを行うと「申し込みブラック」となり、最初の数社で審査に通らない(否決)となった情報があれば、その後は審査の序盤で否決となってしまう状態のことを言います。
おまとめローンの場合ですと、即日で審査結果が分からないこともあるので、審査待ちの時間に「時間がもったいない」「万が一、審査落ちしたときのため」と、保険として申込みをする人が多いものですが、審査時には逆効果になってしまいます。
申込みを短期間に行うことで、「支払が厳しいのではないか」という印象を与えてしまうため、同時申込みをするにしても2社程度に抑えておく方が安心です。
なお申し込みをした事実は信用情報として登録され、契約とはならなかった内容も6か月間は登録されています。
申し込みをしてきた人が既に他社へ複数申込みを行っているにも関わらず、借入件数が増えていないということは、既に否決となっているとみなされます。
そのため、何らかの原因があって、否決となった可能性があることは、リスクが高い申込者と認識され更に審査が厳しくなってきます。
余りに同時申込みが多ければ、審査に行きつかず、審査の前段階で否決となることもあります。
これが連鎖的に続くということが、申し込みブラックの特徴でもありますので、1度否決となった場合には最低でも、6か月は期間を空けてから申し込みをすることによって、申し込みブラックを回避することができます。
信用情報機関の情報を消してもらうことはできる?
審査時に信用情報での内容が大きな影響を与えるのは、周知の通りですが、「可能ならばネガティブな情報は消してしまいたい」というのが本音ではないでしょうか。
当時どのような事情があろうと、審査時で確認されるのは信用情報に記載された事実内容のみです。
そこには情状酌量なんてものは存在しませんし、わざわざ申込者に「一体このときに何があったのですか」など、ヒアリングされることもありません。
それほど重要なものですが、インターネット上にまことしやかにささやかれているのが、「有料になるが、信用情報機関に記載されている内容を消してもらうことができる」という噂です。
もしそれが本当ならば、大金を積んででも依頼したい人はいるでしょう。
しかしこれは詐欺です。どんなに有能な弁護士を介していたとしても、一度記載された情報を消すことはできません。
冷静に考えればお金を積んで情報を左右できるのであれば、そもそも信用情報機関の意味もありませんし、平等さも失ってしまいます。
そのため基本的には、一度記載された情報を消すことはできません。
ただし例外があり、現在記載されている内容に、相違があった場合には削除が可能です。
まずは自身の信用情報を開示し、内容に相違がないのかを確認してみてはいかがでしょうか。
もし誤りがあれば、その旨を信用情報機関に相談をします。
その依頼で情報を入力した金融機関に確認をし、情報が誤りであったとことが判明すれば削除は可能です。
おまとめローン審査通過のコツ
当然のことですがおまとめローンの審査に通りやすくなるには、返済ができるであろうという信用が高いということが条件となります。
おまとめローンの場合には既に信用情報が登録されていますので、ここで言う信用が高くなるというのは登録されている情報よりも、現在の情報が良くなっているということを言います。
例えば勤務形態がパートから正社員となった、年収が上がったなどによって信用が高くなったということです。
その他にも、返済をきちんとしていることや、完済したものがあるなども信用が高くなる要因となりますので、このようなことがあるとおまとめローンの審査は通りやすくなります。
おすすめのおまとめローン
現在様々な金融機関で、おまとめローンが展開されています。
選択肢が多ければその分、自身の需要に合う商品を選ぶことができるというメリットがある反面、どこを選んでいいのか分からないというデメリットも存在するものです。
そこで今回、4つのおすすめの、おまとめローンをご紹介します。
申込み前に内容を確認して、どの商品がラフスタイルと合っているのかを検討してみるといいでしょう。
アイフル
言わずと知れた大手消費者金融「アイフル」も、おまとめローンを取り扱っています。
アイフルは消費者金融なので、総量規制の対象ではないかと不安に感じてしまいますが、先に話したように、消費者金融であっても、おまとめローンであれば総量規制の対象外です。
アイフルのおまとめローンは「かりかえMAX」と、「おまとめMAX」の2種類存在します。
最高融資額は共に800万円ですが、今までアコムを利用したことがあるのかどうかで申込先が変わってきます。
かりかえMAX | おまとめMAX | |
---|---|---|
申込み条件 |
| 満20歳以上の定期的な収入と返済能力を有する方でアコムの基準を満たす方 |
金利 | 3.0%~17.5%(実質年率) | 3.0%~17.5%(実質年率) |
返済期間 | 最長10年 | 最長10年 |
必要書類 |
|
|
※2019年3月現在
申込み条件で分かるように、違いはアコムの利用有無です。
「今までアコムを利用したことがない」という人は、「かりかえMAX」を申込みするといいでしょう。
アコム
アコムにもおまとめローンは存在し、名称は「貸金業法に基づく借換え専用ローン」です。
最高融資金額は300万円ですから、アイフルと比較した場合にはさほど金額は高くありませんので、注意しておきましょう。
それでは基本情報を以下の表にまとめましたので、見ていきましょう。
商品名 | 貸金業法に基づく借換え専用ローン |
---|---|
申込み条件 | 安定継続した収入を得ていること |
金利 | 7.7%~18.0% |
返済期間 | 最長13年7か月 |
必要書類 | ・運転免許証(交付を受けていない方は個人番号カードや健康保険証等) ※顔写真がない書類の場合は別途書類が必要 ※借入総額により収入証明書(源泉徴収票等)が必要 |
※2019年3月現在
アコムのおまとめローンでまとめられる対象は、ローン元金のみです。
おまとめローンを利用する条件として他社完済が挙げられますが、完済するにはその日までの利息込みの金額を支払わなくてはいけません。
つまり完済日までの利息は手出しとなるので、その点は注意しておきましょう。
プロミス
プロミスのおまとめローンの名称はそのまま「おまとめローン」ですので、分かりやすいと評判です。
最高融資額は300万円でプロミスもアコム同様、借入できる範囲が他社借入の元金のみなので注意が必要です。
それでは基本情報を見てみましょう。
商品名 | おまとめローン |
---|---|
申込み条件 | ・年齢20歳以上、65歳以下のご本人に安定した収入のある方 ※主婦、学生の方でも、パート、アルバイトによる安定した収入がある場合のみ申込み可能。 |
金利 | 6.3%~17.8% |
返済期間 | 最長10年 |
必要書類 |
|
※2019年3月現在
プロミスのおまとめローンの特徴は、申込み条件が緩やかなことが挙げられます。
主婦や学生、パート・アルバイトといった非正規雇用以外でも、安定した収入があれば申込み可能です。
東京スター銀行
東京スター銀行のおまとめローンの名称は、「スターワン乗り換えローン」です。
最高融資金額は1,000万円までと高額なので、「借入金額が多い」という人にとってはピッタリな商品と言えます。
もちろん審査がありその結果次第での、融資金額なので確実に1,000万円を借りることができるという話ではありません。
しかし、消費者金融でのおまとめローンであれば、最高でもアイフルの「かりかえMAX」の800万円が上限でしたから、800万円以上借金がある人や金利を少しでも抑えたい人にとっては有益な選択肢と言えます。
それでは基本情報を見てみましょう。
商品名 | スターワン乗り換えローン |
---|---|
申込み条件 |
|
金利 | 12.5% |
返済期間 | 最長10年 |
必要書類 |
|
※2019年3月現在
注目は金利です。
比較検討する際につい最低金利の数字を見てしまいますが、最初から最低金利が適用される可能性は0に近しいものです。
そのため比較するならば最高金利を見るのですが、今までの消費者金融おまとめローンは18.0%前後であったのに対し、スターワン乗り換えローンは12.5%と、金利が低いことが分かります。
その分、申込み条件などが厳しくなっていますので、まずは自身が申込み条件に該当するのかを確認しておいた方が安心です。
アドバイス「おまとめローン申込時の信用情報について」
おまとめローンはカードローンよりも審査が厳しいというのが一般的ですので、特に信用情報が重要となります。
ふだんから返済を意識して延滞などをしていないという場合には、ほとんど問題はありませんが、少しでも信用が低くなってしまうようなことがあれば、一気に審査は厳しくなってしまいます。
もしも自分の信用情報に自信がないという場合には、おまとめローンを申し込む前に自分の信用情報が、どのようになっているのかを確認することをおすすめします。
個人信用情報機関では手続きをすれば自分の信用情報を開示してくれますので、自分の置かれている状況を確認して、問題がある場合にはそれを改善してから申し込みをすることが無難です。