三井住友銀行カードローンの保証会社はプロミス
三井住友銀行が取り扱う融資商品には、消費者金融であるプロミスが保証会社を務めているものがあります。
銀行と消費者金融は、どの様な関係で業務提携を行っているのでしょうか?
また、保証会社は銀行カードローンの審査にも関わってきますが、保証会社が行う審査はどのような内容になっているのでしょうか?
今回はそういった内容を中心に、説明を行っていきたいと思います。
この記事はこんなひとにおすすめ
今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。
- 三井住友銀行のカードローン利用を検討している人
- 三井住友銀行カードローンの保証会社に関して知りたい人
記事の目次
銀行と保証会社の付き合いは長い
金融機関というくくりでは銀行も消費者金融も同じですが、それぞれ別の機関という認識が強いと思われます。
両者は融資業務において繋がりがあります。
銀行と消費者金融の関係性を、ひも解いていきましょう。
銀行カードローンは保証会社付き
カードローンはほとんどの銀行で取り扱われている金融商品ですが、カードローンの起源は大阪の貸金業者からでした。
1960年代、今よりも銀行融資が受けづらい時代に、大阪の貸金業者がカードローンという融資を行ったことが普及し、今日に至ったのです。
その後、1980年頃に銀行も参入しました。
融資するにあたり重要なことは、「貸したお金を回収できるか」という点です。
万が一返済不能となった時に残りの融資金を別の人・物から回収するために、住宅ローンのようなローンでは、「保証人」や「動産・不動産担保」を取ることで、保全を図りました。
カードローンにおいては、この点を保証会社という専門の機関に依頼したうえで、取り扱うようになりました。
このことによりカードローンにおいては、申し込み者は第三者へ保証人の依頼をすることや、動産・不動産担保を差し出さずに済み、手軽に利用できる商品となったのです。
保証人の依頼は、たとえ近親者であっても頼みづらいことです。
こうして、近年のカードローンは保証会社の保証が付いたものとなりました。
パンフレットや申し込み書にも、必ず保証会社名が記載されています。
保証のみを行う機関や、融資も行う消費者金融が保証会社となっている場合もあります。
金利が高い理由は保証会社が関係
カードローンは、金利が高いイメージがありますが、金利が高いと必然的に返済額も増える傾向にあります。
近年では金利に幅を持たせたローン商品も増えています(例えば年3.0%~年14.0%など)。
その様なカードローンの金利は、申し込み者の属性により決定されます。
属性とは、年収・勤続年数・居住形態・借金の有無など、主に申し込み書に記載される項目のことです。
金利に幅があるといっても、それでも高いものです。
その理由は、金利の中に保証会社へ支払う保証料が含まれているからです。
保証料は保証会社によって異なります。
たとえば、金利年14.0%で保証料が年8.0%の商品としましょう。
金融機関は年14.0%の利息を得ることができますが、その中から年8.0%分は保証会社へ保証料として支払わなければいけません。
その保証料は、保証会社の収益となるのです。
金利の中には銀行が得る収益と、保証会社が得る収益があることを覚えておきましょう。
よって、カードローンにおいては金利の交渉ができないことにもなります。
プロパー融資とは保証会社無しの融資
銀行では、「プロパー融資」という商品があります。
プロパー融資は銀行独自の融資商品という位置付けになります。
つまり、銀行が保証会社のかわりをするつもりで融資するということです。
保証会社が付かないので、万が一返済不能となったら銀行が独自で回収しなければいけません。
そのため、保証人を依頼したり動産・不動産担保を徴求したりすることになります。
カードローンのように保証会社が付く商品とは異なりますが、銀行が取り扱っている商品の知識として頭に入れておきましょう。
なおプロパー融資は、属性などにもよりますが、金利の交渉が可能です。
銀行・保証会社・債務者の関係性とは
保証会社を付ける理由は分かりましたが、銀行・保証会社・債務者は、どの様な関係性になるのでしょうか?
それぞれの立場に立って分析してみましょう。
保証会社は保証人の代わり
保証会社は債務者(お金を借りる側)から保証料を得ることで、保証人の代わりを行います。
借金の返済が滞りなく全額完済されれば、保証会社は保証料を得るだけでその取引を終えられます。
しかし、債務者が返済不能となった場合、残りの融資金を融資先(お金を貸した側=銀行)に支払わなければいけません。
そのため、保証会社の付いた融資を受ける場合は、銀行の融資審査に加え、保証会社の融資審査もあります。
保証会社は、その顧客が「借りたお金を返済できるか」という点に重点を置いて、審査を行います。
保証会社の審査が通らなければ、その商品は利用できません。
保証会社はお金を融資するわけではありません。
「債務の保証をする機関」と覚えておきましょう。
保証会社は銀行に対して、銀行が持つ膨大な顧客へ自社商品を販売してもらい、保証料を得るという利点があります。
一方、万が一返済不能となった場合は補填をしなければいけないというリスクもあります。
銀行は保証会社から全額回収できる
保証会社は債務を保証する機関であることに対し、銀行は「融資をする機関」です。
プロパー融資のように保証会社を付けず保証人を徴求した融資では、債務者が返済不能となった場合、その融資の保証人にへ返済を請求します。
しかし、保証会社が付いている場合、保証会社へ返済を請求します。
銀行は、融資して得た利息の一部を保証料として保証会社へ支払う代わりに、債務者が万が一返済不能となったときに、残りの債務を全額回収できるという利点があります。
一方、顧客へのセールスや事務整理・期日管理をしなければいけません。
返済不可能なら代位弁済となる
返済不可能とは、保証会社が定めた延滞回数を超えた状態のことを言います。
返済不能となったら「代位弁済」という手続きを行い、保証会社へ残りの融資金の返済を請求します。
代位弁済は債務の引渡しとも言われています。
Yahoo!知恵袋にも以下のような質問が投稿されているように、返済が滞ってしまった場合の手続きのことをあまり詳しく知らない人は、少なくありません。
三井住友のカードローンが払えなくなったら保証会社のプロミスから最終的に請求がくるのでしょうか?
Yahoo!知恵袋より引用
代位弁済は、できるだけ行われないように気をつけるべきです。
カードローンとかクレジットカードの請求とか、しょうもない何十万とかいう額でも何もいわずに延滞し続けたら代位弁済になるんだからね。
「忙しくて放って置いた」「住所変更しないままだから届かなかった」とか言っても通用しないからね。
まじ人生ガチで終わるからね。— 🦒セクハラと闘うきりん (@sppr31) 2012年01月25日
人生ガチで終わるというわけではありませんが、今後の金融取引において、かなり不利な立場に置かれることは間違いありませんからね。
借金を返さなくていいわけではない
たとえば、銀行から100万円をAさん(債務者)が借り、30万円返済したときに返済不能となったとします。
そうなると、保証会社は残りの70万円を銀行へ支払わなければいけません。
つまり、70万円の返済義務が債務者から保証会社へ移ることになります。
この手続きが、上記で説明した代位弁済です。
銀行は、保証会社から70万円を回収できます。
本来なら、まだまだ利息収入を得ることができるはずでしたが、融資した100万円は全額回収できたことになります。
債務者と保証会社の関係は、どうなるでしょうか?
代位弁済をすることにより、保証会社は残債(例では70万円)を保証し銀行に支払いました。
ここからは、保証会社と債務者の話し合いになります。
もちろん、債務者は保証会社へ保証してもらった70万円を支払う義務があります。
70万円を一括返済するか、分割返済するかといった話し合いが進められます。
いずれにせよ、債務者は残りの70万円を返済しなければいけないことになります。
三井住友銀行の保証会社はSMBCコンシューマーファイナンス
ここまでは保証会社についてや、それぞれの関係性について説明してきました。
ここからは、三井住友銀行と業務提携をしているプロミスについて、理解を深めていきましょう。
旧社名はプロミス
三井住友銀行のカードローンに、「SMBCコンシューマーファイナンス」という文字を目にすることがあると思います。
これは社名であり、SMBCコンシューマーファイナンスは現在、三井住友ファイナンシャルグループの子会社となっています。
サービスブランドは、旧社名であるプロミスを利用しています。
プロミスは1962年に設立した消費者金融で、2012年4月にSMBCコンシューマーファイナンスへ社名変更しました。
SMBCコンシューマーファイナンスは保証会社であり、三井住友銀行以外にもジャパンネット銀行や横浜銀行など、複数の金融機関の保証業務や債権管理業務を行っています。
三井住友銀行の親会社の子会社
SMBCコンシューマーファイナンスは、2012年4月に三井住友ファイナンシャルグループの子会社となったため、親会社は三井住友ファイナンシャルグループということになります。
三井住友ファイナンシャルグループは、三井住友銀行の親会社でもあり、銀行業務以外にも、リース、証券、クレジットなど幅広い事業を展開しています。
三井住友銀行もSMBCコンシューマーファイナンスも、三井住友ファイナンシャルグループの傘下にあると覚えておきましょう。
融資は銀行・保証はプロミス
上記記載の「銀行・保証会社・債務者の関係性とは」で説明した通り、銀行と保証会社の役割は異なります。
銀行はお金を融資する機関、保証会社は融資の保証をする機関です。
保証会社の付いた商品を利用するためには、保証会社の融資審査に通ることが必須となります。
そのうえで、銀行でも改めて融資審査を行い、審査可決となれば融資を受けることができます。
SMBCコンシューマ―ファイナンスの審査は厳しい?
三井住友銀行カードローンを利用する場合、SMBCコンシューマーファイナンスの審査を受けなければならないというのは、これまでにお伝えしてきた通りです。
では、SMBCコンシューマーファイナンスの審査は、厳しいものなのでしょうか。
プロミスと比べると?
SMBCコンシューマーファイナンスは、「プロミス」というサービスブランド名で消費者金融業も営んでいます。
ということはもちろん、プロミスで融資を行う場合もSMBCコンシューマーファイナンスが審査を行いますが、両者の審査の厳しさは異なります。
SMBCコンシューマーファイナンスと三井住友銀行は同じ金融グループに属する会社であるとは言え、SMBCコンシューマーファイナンスはグループ間のしがらみや善意によって、保証会社を務めているわけではありません。
保証会社を務める以上は利益を出さなければならないわけですが、上述した「保証料」がその利益に当たります。
先ほど保証料は「8.0%」という数字を用いて説明しましたが、実際に何%であるかは、外部の人間には公表されていません。
しかし、プロミスで融資を受ける際に設定される上限金利である17.8%より低い値であることは、間違いありません。
三井住友銀行カードローンでは、SMBCコンシューマーファイナンスが直接融資をおこなうわけではありませんが、SMBCコンシューマーファイナンスに入ってくるお金に関しては、適用金利が大きく影響します。
適用金利が大きく入ってくるお金が多いと、その分だけリスクを許容できることになるので、より多くの人に対して融資が行えます。
そのため、適用金利が低めの三井住友銀行カードローンと適用金利が高めのプロミスを比較すると、前者のほうがより審査基準が厳しめに設定されているのです。
同じ保証会社を使っていると審査も同じ?
SMBCコンシューマーファイナンスは、三井住友銀行カードローン以外にもさまざまな金融機関のカードローンで、保証会社を務めています。
そうなると、SMBCコンシューマーファイナンスが保証会社を務める銀行カードローンの審査は、どれも同じような審査基準になるような気がしますが、決してそういうわけではありません。
銀行カードローンで適用される金利のうち、どれぐらいがSMBCコンシューマーファイナンスに対する保証料に充てられるかについては、それぞれのカードローンごとに異なります。
また、各銀行ごとに融資に対して取れるリスクも異なります。
そのため、SMBCコンシューマーファイナンスが保証会社を務めているからと言って、それらの銀行カードローンの審査基準が同じというわけではないのです。
三井住友銀行の審査に通らないのはこんな人
ここまでの説明で、三井住友銀行カードローンの審査の仕組みについては、ある程度お分かりいただけたと思います。
続いては、三井住友銀行カードローンの審査に通らない人の特徴について、説明していきたいと思います。
金融事故を起こした人
ローンの返済を延滞したり、クレジットカードの支払いを延滞したりすると、信用情報機関で管理されている信用情報に、延滞に関する情報が登録されてしまいます。
一般的に、返済延滞や債務整理などに関する情報が信用情報に登録されることを、「金融事故を起こす」と言いますが、金融事故を起こしてしまうと各種ローン等の審査において、非常に不利になります。
三井住友銀行カードローンは、銀行カードローンの中でも審査が厳しめなほうなので、金融事故に関する情報が登録されている場合は、審査に通過するのは難しいと考えておきましょう。
クレジットカードて若いうちは必ずハマるよね。そんで金融事故歴のこすのよ。俺もリボで大失敗したし。あれは麻痺するね。若者の通過儀礼みたいなもんだね。リボは法律で禁止すべきと思うぜ。
— demi (@xj849erzx9) 2019年06月23日
気軽に利用していたカードローンやクレジットカードで、金融事故を起こしてしまう人も多いので、節度ある利用を心がけたいですね。
同じ保証会社で問題があった人
過去にSMBCコンシューマーファイナンスが保証会社を務めているローンを利用したことがあり、そこで問題を起こしたことがある場合も、三井住友銀行カードローンの審査に通過するのは厳しいでしょう。
保証会社では、自社が審査を担当した人の個人情報に関しては社内で管理しており、今後同じ人が申し込みを行ってきた場合には、その情報も加味したうえで審査が行われます。
返済能力等は申し分なく、審査基準を十分クリアしていると考えられる場合でも、社内で管理されている情報がネックになってしまうと、審査通過はできません。
カードローンを選ぶ場合は、どこの会社が保証会社を務めているかに関しては、しっかりチェックしておきたいですね。
同じ保証会社が保証している金融機関
以下に、SMBCコンシューマーファイナンスが保証会社を務めている代表的な銀行カードローンを、いくつか挙げてみましょう。
- ジャパンネット銀行「ネットキャッシング」
- 横浜銀行カードローン
- 大垣共立銀行「THE マキシマム」
- 関西みらい銀行カードローン
- 中国銀行カードローン「コ・レ・カ」
過去にSMBCコンシューマーファイナンスと問題を起こしたことのある人は、こういった銀行カードローンも、基本的には避けなければなりません。
なお、同じSMBCグループの消費者金融であるSMBCモビットは、ほとんど保証会社を務めていません。
加盟先機関の違いなどにより、同じグループの消費者金融でも性格や役割に違いがあるのでしょう。
三井住友銀行で審査落ちしたら
では、三井住友銀行カードローンで審査落ちした場合は、どうすればいいのでしょうか。
別の保証会社が保証している所を選ぶ
三井住友銀行カードローンで審査落ちになる理由はいろいろと考えられますが、保証会社が原因で審査落ちになったと考えられるのであれば、別の会社が保証会社を務めているカードローンを検討してみましょう。
SMBCコンシューマーファイナンスが保有している、利用者の過去のカードローン利用に関する情報さえ審査時に参照されなければ、審査に通過できる可能性があるかもしれません。
金融事故の記録が消滅するのを待つ
信用情報上の金融事故に関する情報が原因だと考えられる場合は、金融事故に関する情報が消えるのを待つしかありません。
一般的に金融事故に関する情報は、登録されてから最短でも5年間は消えません。
信用情報機関に対して、自身の信用情報の開示請求も行えますので、自分の信用情報から金融事故の情報が消え去っていることを確認したうえで、再度申し込みをするといいでしょう。
ただ、それでも審査落ちになってしまう可能性は、もちろんありますよ。
どうしてもお金が必要ならアルバイトなどで稼ぐ
別の会社が保証会社を務めているカードローンを探したり、金融事故の情報が消えるのを待ったりしていると、どうしても時間がかかってしまいます。
そんなに待っている余裕はない、どうしてもすぐにお金が欲しいという場合には、日払いのアルバイトなどを利用してお金を稼ぐことを検討してみましょう。
日払いのアルバイトは、肉体労働からオフィスワークに至るまでいろいろな仕事が募集されていますので、自分の都合にあった仕事をきっと見つけられると思いますよ。
まとめ
三井住友銀行とSMBCコンシューマーファイナンスは、三井住友ファイナンシャルグループの元で銀行業務・保証業務を行っている会社です。
SMBCコンシューマーファイナンスはプロミスが社名変更した会社であるため、銀行と消費者金融が業務提携をしていることになります。
また、SMBCコンシューマーファイナンスは三井住友銀行以外にも、他の金融機関の保証業務も行っています。
近年では銀行と消費者金融が業務提携することも、珍しくはなくなってきているのでしょう。