赤字決算で安定経営!キャッシュを確保する方法

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「赤字」と聞くと企業にとって悪い状態を考える人が大半ではないでしょうか?

確かに赤字の状態が続くことは企業経営において良いことではありません。

しかし、企業の多くが意図的に赤字にしており、赤字を有効に活用している側面があります。

もちろん、本当に売り上げが伸びずに赤字に苦しんでいると言う企業も確かに存在しますが、赤字は企業にとって現金確保に活用できる有効な手段でもあるため、意図的に赤字にしている企業もあると言うことです。

赤字である以上は当然ながらデメリットもありますが、税務上のメリットもあります。

赤字を単に悪い状態であると認識するのではなく、赤字があることによって発生するメリットとデメリットをしっかりと理解して、自社に最も有利な決算を行う必要があります。

この記事では、赤字決算の概要やメリットとデメリットについて解説していきます。

この記事はこんな人におすすめ

この記事は次のような人にぴったりの内容になっています。

  • そもそも赤字決算について知りたい人
  • 赤字決算のメリットとデメリットが気になる人
  • 赤字決算の税金上の取り扱いを理解したい人

赤字決算とは?

赤字決算とは、単純に企業の収益を計算する損益計算書が赤字になっている状態であることは間違いありません。

本当に会社の業績が悪くて決算が赤字になる場合もありますが、企業の多くでキャッシュを確保するために意図的に赤字を計上していることが少なくありません。

意味は「収入より支出が多い状態」であること

収益とは、収入−支出で求めるものです。

赤字とは、収入よりも支出が多いため収支がマイナスになっている状態です。

反対に支出よりも収入が上回っていれば黒字になります。

したがって、赤字決算を免れたい場合は収入を増やすか、支出を抑えるかのどちらかの方法を選択する必要があります。

企業における収支の情報は損益計算書と言う財務諸表で計算しますが、損益計算書で利益が出ていれば黒字、マイナスになっていれば赤字になります。

赤字=お金ないと言うことではない

赤字決算は、必ずしもお金がないとイコールではありません。

先に少し触れた損益計算書は、継続している企業活動の中の1年間だけを切り取って赤字か黒字かを計算しているものです。

このため、切り取った一定期間だけ支出の方が多かったからと言ってお金がなくなるわけではありませんし、現金の流出が伴わない費用を計上して赤字としている会社もあります。

会社は現金がなくなるから倒産するのであって、赤字になったからと言って倒産するのではありません。

財務諸表上は黒字であっても現金のやりくりが上手くいかないことが要因して、黒字倒産をする会社も多くあります。

決算が赤字になっても、お金がなくて会社がすぐに倒産するわけではない点に注意をしましょう。

日本企業の7割が赤字決算

実際に、日本企業の7割が赤字決算で損益を計上していると言われています。

では、日本企業の7割が毎年倒産しているかと言えば全くそんなことはありません。

赤字になってもキャッシュがあるために倒産しない企業もありますし、税務的なメリットを考えてあえて赤字にしている企業もあります。

このため、赤字は必ずしも企業にとって悪いことではないのです。

キャッシュを残すための赤字

赤字によって会社にキャッシュを残せる場合があります。

詳しくは後述しますが、会社は決算が赤字になると税金の支払いを節約できますし、翌年以降の黒字も赤字にできるなどのメリットがあるのです。

このため、会社に現金を残して会社経営を楽にするために、あえて赤字にしている企業が多い実態なのです。

「儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい」と言う目を引くタイトルの本も出版されています。

それくらい会社の決算をわざと赤字にすることに意味があると言うわけです。

赤字決算のメリットは現金の確保

赤字決算のメリットは、なんと言っても現金を確保できることにあります。

赤字=現金が流出するわけではありません。

ちょっとした会計処理によって赤字にできる場合もあるため、企業の多くが現金を確保するために赤字にしているのです。

会社が決算をわざわざ赤字にすることで得られるメリットは、具体的に次の3つがあります。

  • 法人税の支払いを最小限にする
  • 赤字は繰り越して黒字を相殺できる
  • 支払った税金が戻ってくることも

それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

法人税の支払いを最小限にする

会社は決算をあえて赤字にすることで、法人税の支払いを最小限にできます。

法人税とは、会社の利益に対して課税される税金です。

決算さえ赤字にしておけば利益がないのですから、利益に対して課税される税金を最小限に抑えられます。

法人税は利益が出ていなくても支払う必要があり、最低限の税金である7万円だけ支払いを行えばよいことになります。

ちなみにこの7万円の内訳は、都道府県に支払う金額が2万円、市区町村に支払う金額が5万円になっています。

会社は税務上問題のない範囲で経費を膨らませて赤字にすることによって、税金で流出するキャッシュを会社内部に留められるのです。

赤字は繰り越して黒字を相殺できる

会社は決算で一度赤字を出すと、その赤字を最大7年まで繰り越して黒字決算時の利益と相殺できます。

この繰り越し分の赤字を「繰越欠損金」と呼びます。

繰越欠損金があれば、翌年以降に黒字を出したとしても相殺でき、会社に利益が発生することを防げるのです。

例えば、1,000万円の赤字が発生した場合、繰越欠損金は1,000万円になります。

翌年の決算で400万円の黒字になり、利益が出たとしても、繰越欠損金と相殺できるため利益は発生しません。

そして1,000万円の赤字が出た年の翌年の繰越欠損金は、1,000万円-400万円=600万円が残るため、翌年以降も利益と相殺できます。

赤字決算は赤字が発生した年の法人税の節税になるだけでなく、翌年以降の法人税の節税にも寄与するメリットがあります。

支払った税金が戻ってくることも

赤字決算にあえてすることで、一度支払った税金が戻ってくることもあります。
預金利息や株の配当などの税金と言うものは源泉徴収されていますが、源泉徴収された税金は決算で赤字になれば取り戻せます。

赤字によって節税ができるだけでなく、むしろ税金が還付されてキャッシュが増えるメリットもあるのです。

赤字決算はデメリットも多い

赤字決算になると税金の支払いを抑えられたり、税金の還付を受けられたりするメリットがありますが、赤字である以上はデメリットも少なくありません。

特に銀行から融資を受けている企業は、決算を赤字にしてしまうとその後の銀行取り引きに大きな影響を及ぼすこともありますし、上場企業では株主の利益を守る必要があるためキャッシュを確保する目的で決算を赤字にすることは非常に行いづらい行為でもあります。

赤字決算のデメリットは具体的に次の3つがあります。

  • 赤字の決算書は銀行融資に悪影響を与える
  • 社員のモチベーションが低下
  • 投資家に損失をもたらすことも

それでは、以上3つのデメリットについて詳しく解説していきます。

赤字の決算書は銀行融資に悪影響を与える

どのような理由で赤字を計上したにせよ、銀行をはじめとする金融機関は赤字企業に対して良い評価を行うことはありません。

なぜなら、銀行員はお金を貸し出す先である会社の決算が赤字であれば資金を回収できないリスクが高いと判断するからです。

近年は少しずつ財務的なデータだけでなく、事業性評価に重点を置く金融機関も増えてきましたが、これに熱心に取り組む金融機関の数は多くありません。

したがって一般的に赤字企業は、銀行からの借り入れで不利になります。

また、すでに銀行からお金を借りている企業は格付けが下落して追加の融資を受けることが難しくなったり、金利が引き上げられたり、追加の担保を要求される可能性があります。

社員のモチベーションが低下

赤字になると、会社は決算が赤字になった理由を従業員に説明する必要があります。

このときに、「キャッシュを確保するために赤字にした」などと説明したとしても従業員の多くは「赤字企業に勤務している」と捉えて、一度このようにマイナスに捉えられるとなかなか相手の考えは変わるものではありません。

たしかに赤字決算は会社経営においてメリットもありますが、勤務する従業員の理解が得られなければ仕事へのモチベーションが低下して、優秀な人材が流出したり、従業員ひとりあたりの労働生産性が低下したりするなどのリスクがあります。

投資家に損失をもたらすことも

上場企業の場合、株価は決算に大きく左右されるため、上場企業が赤字決算を行うと一般的に株価は下落します。

株価が著しく下落すればすでに株式を持っている株主は損失を被ったり、十分な株式配当が得られなかったりする可能性もあります。

株式会社は株主を満足させる経営ができなければ、株主総会で経営者が解任されてしまうリスクさえあります。

このため、上場企業で赤字決算にするのであればそれなりの覚悟が必要になります。

ここまで、決算を赤字にすることについて詳しく解説してきましたが、続いては赤字になりそうな決算を黒字化したいときにはどうすればいいのかについて見ていきましょう。

赤字決算から免れたいと考えている人は必見の内容になっています。

赤字決算になりそうなときの対策

赤字決算になってしまう場合には、適切な黒字化対策をすれば黒字にもできます。

逆に言えば、黒字企業でも以下の方法によって赤字決算にできます。

今回紹介する方法は、現金の増減を伴わなくても損益計算書をいじって収支を動かせる方法です。

経営者は次の4つの方法を覚えておいて損はありません。

  • 前払い費用のチェック
  • 買掛金のチェック
  • 役員借入金の債務免除
  • 消耗品費をチェック

それでは、以上4つの方法について詳しい内容を見ていきましょう。

前払い費用のチェック

まずは、前払い費用の内容のチェックから始めます。

すでに支払った費用のうち、前払い分がないかどうかをチェックしましょう。

前払い分があった場合には、この支払い済みの費用を前払い費用として資産計上すれば費用を少なくできます。

買掛金のチェック

買掛金の中で、長期間取引先に未払いになっているものがないか探しましょう。

買掛金の取り引き状況を支払先に確認し支払い済みであったような場合には、雑収入に組み入れれば収入を大きくできます。

役員借入金の債務免除

役員から長期間借りっ放しになっている役員借入金がある場合で、この借入金を返済する予定がない場合や返済できない場合には、債務免除を行いましょう。

要するに会社の借入金を免除するのです。

この場合には「債務免除益」という収入が発生します。

役員借入金の金額が大きな場合には、これだけで赤字から黒字へ転換できる場合があります。

消耗品費をチェック

消耗品費の中で10万円以上の消耗品の購入があった場合には、この費用を資産に振り替えられます。

この場合には消耗品費として計上していた費用が少なくなるため、会社の収益向上に寄与できます。

赤字決算時の減価償却費

もうひとつ、現金の流出を伴わない費用項目として減価償却費を挙げられます。

減価償却によって決算を赤字にしたり黒字にしたり、ある程度の調整ができます。

なお、この手口は会計上意味があったとしても、対銀行融資においては通用しない方法ですので注意しましょう。

もう少し詳しく、赤字決算における減価償却費の処理について見ていきましょう。

赤字のときは減価償却をしなくてよい

減価償却とは、固定資産の価値を年数の経過とともに毎年費用を計上して減価させていくものです。

固定資産とは、資産の耐用年数の中で毎年少しずつ利益を発生させていくものであるため、利益に見合った費用を毎年少しずつ計上させていけます。

少し分かりづらいので具体例を挙げて解説します。

例えば、100万円の固定資産で残存価額(耐用年数が終わった時の最終的な処分価格)が10万円、耐用年数が10年の場合には、定額法と言う減価償却の方法では以下のように毎年減価償却費を計上していきます。

この例の場合、1年間の減価償却費の金額は次のように計算できます。

(100万円 – 残存価額10万円) ÷ 耐用年数10年 = 9万円

つまり、減価償却を行うことによって毎年9万ずつ費用を計上させられるのです。

しかも減価償却費は資産を減価させるための費用ですので、現金の流出を伴いません。

法人において減価償却は行っても行わなくてもどちらでもよいことになっています。

会社の決算赤字にしたくないときには、固定資産の減価償却自体を行わないのはひとつの有効な方法です。

法律上は問題ない

法律上、法人は固定資産の減価償却を行わなくても問題はありません。

なぜなら先ほど述べたように、法人において減価償却は任意とされているためです。

では、減価償却が会社にとってどれだけ意味のある行為なのかと言えば、それほど意味のある行為とは呼べないでしょう。

しかし、減価償却費を計上すれば、金額が大きい固定資産を購入した場合に一度に購入金額を費用化せずに済みます。

たとえば、1,000万円の不動産を購入した場合に減価償却費を挙げなければ、1,000万円をまるまる費用に計上することになります。

減価償却をすることで高額な購入金額を少しずつ費用化できると言うわけです。

銀行融資では意味がない

銀行は、企業に対して融資を行う前には企業の決算書を審査します。

企業の決算書に粉飾決算が行われていないかどうかを厳格にチェックしているのです。

減価償却を行わないことは、法律上は問題ないため粉飾決算には当たりません。

しかし、中には減価償却を行っている企業も存在するため、減価償却はしている企業としていない企業を同じ目線で審査したら不平等と言わざるを得ません。

そこで、減価償却を行っていない企業の決算書は銀行審査のときに減価償却を行っている形へと修正されて審査されてしまいます。

減価償却を行わなければ外形上は黒字にできるかも知れませんが、銀行融資の現場においてはほとんど意味がないのが実状です。

赤字決算の法人税の扱い

赤字決算は費用が収入を超過して利益がないのですから、支払うべき税金は非常に少なくなります。

しかし、税金が全くなくなるわけではありません。

具体的にどの税金を支払わなければならないのかを見ていきましょう。

また、一度大きな赤字を出すと、翌年以降の税金の支払いが非常に楽になるメリットもありますのでしっかりと覚えておくようにしましょう。

これを「免税」と言いますが、どのような場合に免税の対象になるのか解説していきます。

赤字でも税金は発生

会社の決算が赤字であっても支払う必要がある税金は、次の3つです。

  • 法人住民税(均等割)
  • 法人事業税
  • 消費税

法人には、都道府県や市区町村に対して住民税を支払う必要があります。

この税金を法人住民税と呼びますが、一定の割合で発生する法人税割と均等割の2つで構成されています。

法人住民税は所得にかかわらず、資本金や従業員数に応じた均等割が存在するため、赤字であってもこの分は支払う必要があります。

法人事業税は資本金1億円超の企業だと決算が赤字であっても、人件費などの支払いに応じて事業税が発生します。

法人事業税は外形標準課税と言う課税方式で発生する税金が決定されますが、外形標準課税は資本割と付加価値割の2つで構成されています。

特に資本割は資本の金額をベースにして発生する税金なので、決算が赤字であっても納税する必要があるのです。

このほかにも、赤字決算の2年前の決算で課税売上高が1,000万円超である場合は、消費税の納税義務が発生する可能性があります。

仕入れなどにかかった金額が消費者から預かった消費税よりも高くなれば納税は不要となりますが、2年前の決算の課税売上高をあらかじめチェックしておくことが大切です。

税金の還付を受けることができる

赤字の場合には、前年の法人税の還付を受けられます。

前年の決算が黒字であっても、翌年が赤字の場合には2年通算では赤字となっていることがあります。

このような場合には、前年支払った税金を上限として法人税の還付を受けられます。

資本が脆弱な中小企業(資本金1億円以下の法人)の救済措置とも言えます。

赤字になると、当年の税金を払う必要がないばかりか前年支払った税金が戻ってくるため、さらに多くのキャッシュの確保に繋がる側面もあります。

赤字は繰り越せる

こちらも先ほど説明したように、赤字は繰越欠損金として7年繰り越せます。

翌年以降、黒字決算であれば発生する可能背がある法人税を節税できるメリットもあるのです。

赤字決算の法人税申告書

たとえ赤字であっても、決算を終えたあとには法人税申告書を提出する必要があります。

青色申告をするのであれば、先に説明した通り、翌年以降に欠損金額の繰り越しができるため正確な赤字の金額を算出することが大切です。

決算申告・納税は基本的に決算から2か月以内に限定されています。

もし期限内に申告をしなければ、たとえ決算が赤字であっても無申告加算税が発生するので注意しましょう。

赤字決算の消費税の扱い

先に少し触れましたが、赤字決算でも前期の課税売上高が1,000万円を超えている場合は、消費税を支払わなければいけない可能性があります。

消費税はなぜ赤字であっても納税義務があるのか、免税になるケースはあるのかについて見ていきましょう。

消費税は赤字に関係なく納税義務がある

消費税は決算が黒字でも赤字でも納税義務があります。

なぜなら、消費税は消費者が会社に対して支払う税金で、そこから会社の必要経費を差し引いた分をまとめて国に納税する仕組みの税金だからです。

会社に対して消費税が課税されていると思われがちですが、あくまでも会社は消費者の代わりに国に税金を納めているだけに過ぎないのです。

消費税は会社の利益に関係なく納税する性質の税金なので、赤字決算であっても納税義務が生じます。

規模が大きな会社になると、一年間の営業期間に発生する消費税の金額は膨大になります。

そのため、日ごろからしっかり帳簿を付けて管理しておく必要があります。

決算申告時に多額の消費税を納めなければならないことを知ると、資金繰りに苦労する可能性が高いので注意が必要です。

担当の税理士などにあらかじめ、おおよその消費税の金額を教えてもらうなどして対応するといいでしょう。

消費税が免税になるケースとは

赤字でも納税義務が発生する消費税ですが、以下のいずれかの条件に該当しない場合は免税事業者になります。

  • 基準期間の課税売上高が1,000万円超
  • 特定期間の課税売上高・給与等支払額が1,000万円超
  • 会社を設立してからの期間が2年以内で、資本金か出資金が1,000万円以上
  • 消費者課税事業者選択届出書を提出済
  • 納税義務免除の特例で課税事業に該当

以上の条件にひとつも該当しない会社は、消費税の免税対象になります。

条件が非常に細かいため、課税売上高が1,000万円以下である場合は所轄の税務署や担当の税理士に確認を取ることをおすすめします。

赤字決算の個人事情主の確定申告

ここまで会社における赤字決算の対応について解説してきましたが、個人事業主の確定申告は少し勝手が違います。

結論から言えば個人事業主は赤字であれば、確定申告をする義務はありません。

ただし、時間を取ってしっかり確定申告をすることで得られるメリットもあるので、詳しく説明していきます。

確定申告の義務はない

先に少し触れたとおり、個人事業主は決算が赤字である場合は確定申告をする必要はありません。

なぜなら、確定申告は原則所得税が発生しなければ申告する必要がないと定められているからです。所

得税が発生しない状態とは、次のケースのことです。

  • 所得金額-所得控除が赤字になる場合
  • そもそも所得金額が赤字の場合

確定申告は手間がかかるので、赤字である場合に無申告で対応する人もいますが、所得証明書や非課税証明書などの各種書類が発行できないため、金融機関でローンが組めなかったり、税金の軽減措置が受けられなかったりなどのデメリットが発生します。

事業規模がそこまで大きくなければ赤字決算の申告をしなくてもそこまで大きなデメリットを被らないかも知れませんが、確定申告をする方がメリットが大きいので続いて解説します。

確定申告するとメリットがある

複式簿記を利用して青色申告すれば、翌年以降に赤字を繰り越せるメリットがあります。

「赤字決算だから面倒な申告はしないでいいや」と安易に無申告にすると、翌年以降も事業を継続した場合に税務的なメリットが得られません。

赤字決算であってもきちんと申告をすれば、将来の税金の節税にも繋がるのでできるだけ青色申告で確定申告をすることをおすすめします。

また、簡易的な申告である白色申告に対して、確定申告書の色が青い青色申告は最大65万円の特別控除の適用が受けられることも覚えておきましょう。

赤字決算に関するQ&A

最後に、赤字決算に関するQ&Aを紹介します。

①繰越利益剰余金がマイナスでも配当可能?

繰越利益剰余金がマイナスの場合、株主配当はできません。

ただし、利益剰余金である任意積立金や利益準備金を使って繰越利益剰余金を補填して配当する方法はあります。

それでも配当資金が足りない場合は、資本金や資本準備金を振り返る手段を取ります。

②会計ソフトは赤字決算に対応している?

会計ソフトは赤字決算に対応しているので、安心して利用できます。

間違った帳簿をつけないためにも、こまめに取り引きを記録しておくことをおすすめします。

こまめに記録しておけば、会計ソフト上ですぐに赤字決算に気付けます。

③役員報酬はどうやって決めればいい?

役員報酬は一般的に法人の収益状況を基に決定されることが多いです。

役員報酬を高くすれば会社が支払う法人税は少なくなるメリットがありますが、社会保険料が高くなるデメリットが生じます。

反対に低く設定すれば会社の利益が増えて納税額が上がりますが、個人が支払う保険料を抑えられます。

法人と個人のどちらに資金をおきたいかを考えて、適切な金額を設定することが大切です。

④赤字決算のとき、所得税はどうなる?

決算が赤字である場合、所得税は発生しません。

毎月の売り上げから所得税が源泉徴収されている場合は、赤字申告をすることで徴収された税金がすべて還付されます。

ただし、売り上げから源泉徴収されるケースは原稿料や診療報酬などに限定されます。

⑤赤字決算だと住宅ローンに通らない?

赤字決算だと住宅ローンに通る可能性は限りなく低いです。

決算が赤字であると言うことは、収入がゼロであることを意味します。

金融機関はローン利用者の返済能力を審査して、基準を満たしている場合に契約をします。

住宅ローンの借り入れを考えている場合は、まずは決算を赤字にすることに努めましょう。

⑥赤字決算でも税務調査はある?

税務署による税務調査はたとえば決算が赤字であっても実施されます。

黒字の会社よりも実施数は少ないですが、源泉所得税や消費税が正確に申告されているかなどの調査を受けることがあります。

赤字決算だからと言って、帳簿などを適当に管理していると大変な目に遭う可能性があるので、日ごろからきちんとしておくことをおすすめします。

まとめ

赤字決算は、必ずしも企業にとって悪いことではありません。

なぜなら、税金の支払いを抑えて会社内にキャッシュを留保できる上、翌年以降の利益に備えられます。

このような事情もあり、多くの企業が赤字決算にしている場合が少なくありませんが、赤字決算は銀行や投資家からの評価が下落するものでもあります。

このため、赤字と黒字を適切に使い分けると言うことが経営者には求められます。

赤字決算のメリットとデメリットをよく理解して、企業にとって最適な決算を行うようにしましょう。

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