消費者金融の貸し倒れ率(デフォルト率)と審査の関連性とは?

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消費者金融のビジネスモデルは一定の貸し倒れ率(デフォルト率)を考えた上で営業貸付残高や金利、審査基準などが考慮されています。いくら信用情報を調べても利用者が最後まできちんと借金を支払ってくれるかどうかまでは予想できません。

貸金業法改正前の金利なら、消費者金融は貸し倒れ率を考慮した上で審査基準も比較的甘く、幅広い顧客層に貸付を行っていました。しかし貸金業法改正によって金利水準がおよそ30%以上引き下がってしまったため、消費者金融の経営は利息収入だけでは成り立って行かない状態なのです。

貸し倒れ率(デフォルト率)とは

貸し倒れ率(デフォルト率)とは、営業貸付残高に占める貸し倒れ損失の割合のことです。

貸し倒れ率を計算するのは基本的に決算期において行われ、財務上は国税庁の指導のもと貸し倒れ引当金の繰入を行なっています。

仮にある消費者金融の営業貸付残高が1億円で、年度決算期の貸し倒れ損失の合計額が100万円とすれば、貸し倒れ率(デフォルト率)は次の計算式で求められます。

・貸し倒れ率=100万円/1億円x100=1.0%

以上のように、上記の消費者金融の貸し倒れ率は1.0%だったとなるわけですね。

当然ながら貸し倒れしてしまった100万円は、貸し倒れ損失として経費計上ができますが利益を圧迫することには変わりはありません。

仮の例として挙げた消費者金融のその年の営業収益が、1,000万円だったとしても貸し倒れ損失した100万円を差し引くことになりますので900万円に減少します。

貸し倒れ率が1.0%でも、条件によっては営業収益が10%の減収となってしまうため、消費者金融はできるだけ貸し倒れ損失が少ないように営業戦略を立てていかなければならないのです。

大手消費者金融アコムの貸し倒れ率

では実際に消費者金融の貸し倒れはどのくらいあるのか、大手消費者金融であるアコムの決算資料から数字を拾い出してみました。

①貸し倒れ損失率:0.80%
②過払い金請求及び債権放棄:0.14%
———————————————————-
※貸し倒れ率(無担保ローン合計):0.94%
———————————————————-

③有担保ローン貸し倒れ率:0.12%
④クレジットカード貸し倒れ率:1.16%
⑤信用保証事業貸し倒れ率:0.64%

以上のようにアコム単体として無担保ローン、つまりカードローンの貸し倒れ率は過払い金請求と債権放棄分を含めて、年間0.94%に及びます。

アコムの無担保ローン貸付残高はおよそ8,090億円ですから、金額にしておよそ76億円が利益から吹っ飛んでいることになりますね。

普通の中小企業ならとっくに会社倒産してもおかしくない金額です。

1年間に76億円の損失を計上しても消費者金融として営業を続けられるのは、新規顧客が年間10万人から20万人右肩上がりで増えているからです。

例えカードローンの貸し倒れ率が0.94%でも、逆に考えると99.09%の割合で利息を回収していると考えることもできますね。

なお有担保ローンの貸し倒れ率な0.12%と低いのは、お金を貸し付ける際の物的担保を処分すること、及び連帯保証人として人的担保を取った場合の借金の肩代わりがあるからですね。

しかしアコムのACマスターカード(クレジットカード)の貸し倒れ率が1.16%と比較的高いのが気になりますね。

またアコムは銀行カードローンの保証会社を引き受けているため、アコムが銀行カードローンの支払いができなくなった会員の借金の肩代わりをした債権にも、年間0.64%の貸し倒れ損失があることも目につくところです。

アコムは貸し倒れ関連費用として総額514億円の損失を出しても、営業収益として1,953億円を達成しているのは見事ですね。

アコム株式会社 2019年3月期 DATA BOOK

他の消費者金融の貸し倒れ率

アコムの貸し倒れ率が過払い金返還請求を含めても0.94%と1.0%を切っているのは、アコムの督促システムがどれほど優秀なのか如実に表している数字です。

なぜそのように言えるのかと言うと、日本貸金業協会がデータ公表している協会会員のアンケート調査によると、貸し倒れ償却費用として平均で4.9%になっているからです。

もちろんアコムも日本貸金業協会会員ではありますが、アコムの低い貸し倒れ率を算入しても平均すると消費者金融全体として、およそ営業貸付残高に対する貸し倒れ損失の割合が5%近いのです。

消費者金融の事業コストとしては相変わらず経営状態が厳しいですね。

日本貸金業協会に加盟している消費者金融は中小消費者金融も含まれ、中小消費者金融はどちらかと言うと、顧客層が貸し倒れになりやすいのではないかという推測も成り立ちます。

大手消費者金融に比べて中小消費者金融の審査が甘いと言われているように、中小消費者金融の審査を厳しくしたのでは貸せる利用者がいなくなってしまいます。

金融事故歴があっても事故内容によっては無担保の貸付を行うと、インターネット上で噂されるのもなるほど、と思わせるフシがありますね。

多少リスクが高いと判断される利用者に対して貸付を行うことで、かろうじて消費者金融業を続けていける現状が見え隠れします。

日本貸金業協会のデータによると2016年から平均して貸し倒れ率が5%前後あります。

ちなみに利息収入の利回り率が15%弱であることも考えると、街金と言われるような営業貸付残高が5億円未満の消費者金融では、利息収入7,500万円、貸し倒れ損失が2,500万円あり、売上だけ見ても差引5,000万円しか上がらない状態ですね。

もちろん営業コストは過払い金返還費用や、その他の営業費用などもあることから、人員配置によっては赤字となっているところも多いだろうと考えられるわけです。

日本貸金業協会 調査・分析レポート(平成29年度)

金利が下がったことで審査が厳しくなった

貸し倒れ率が多少高くても利息収入が十分にあれば、リスク管理はいくらでも可能です。

手元に統計資料がないためはっきりしたことは言えませんが、貸金業法改正前の平均的な貸し倒れ率は6%から7%と言われていました。

消費者金融からお金を借りる人の属性がそれほどよくなく、銀行カードローンの審査に通るだけ信用力や返済能力がない人にも貸付を行っていたからですね。

例えば持ち家の人が消費者金融からお金を借りることはまず考えられません。なぜかと言うと住宅ローンの審査は今も昔も厳しいことには変わりがないからです。

住宅ローンの厳しい審査に通る人なら、銀行カードローンの審査にも十分に通ると考えられるため、消費者金融の顧客層は賃貸住宅に住んでいる人の割合が多かったのです。

消費者金融は以前より無担保無保証の契約方針であったため、仮に貸倒れとなった場合は損失計上するしかありませんでした。

サラリーマンなどの給与所得者であれば給料を差し押さえるなど裁判上の手続きは出来るとしても、消費者金融から借りる人は主婦層、及び高齢者、並びに水商売などの自営業者が多く差し押さえする財産がありません。

貸金業法改正によって直前の出資法で認められていた金利年29.2%から、一気に年20.0%まで引き下げられ、なおかつ消費者金融は利息制限法に基づいて金利を設定しなければならなくなったのです。

年20.0%の金利で契約できるのは貸付元本が10万円未満の場合だけで、10万円以上100万円未満の貸付元本の場合は年18.0%です。

年29.2%の金利であれば貸し倒れ率が6%から7%あっても、単純計算で利回りは年22%以上でしたが、10万円以上の貸付額になると金利が年18.0%となるため、それまでのような貸し倒れ率では利回りが11%程度まで落ち込んでしまいますね。

それではさすがに消費者金融として経営が成り立って行かなくなるため、必然として審査を厳しくすることを余儀なくされたのです。

アコムの審査も厳しくなっている

貸し倒れ率と審査の関連性は前項のご説明でも明らかですが、大手消費者金融であるアコムをもう一度例にとってみてみましょう。

アコムの審査透過率、つまり申し込んだ人のうち何人審査に通るかという割合のことですが、一時は48%と言われたものです。

それが最新のデータによると審査透過率は年々下がる傾向にあり、2017年3月期で46.8%、2018年3月期になると44.8%まで落ち込んでいます。

アコムの貸し倒れ率が1.0%未満であっても、金利が低ければ利息収入が少なく、利息収入が少なくなれば審査を厳しくしないと経営していけない事情もあるわけですね。

大手消費者金融のアコムでさえ平均利回り率は最新データで15.26%です。それしか利息収入が見込めないのに貸し倒れ率をこれ以上上げるわけにはいかないのも当然でしょう。

自己破産件数も年々増えてきており、過払い金請求もまだ底が見えない状況のため大手消費者金融はこれまで以上に審査を厳しくするだろうと予測することもできるのです。

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