自営業者が借金返済に困ったら

自営業者は法人企業に比べると、資本が少ない傾向があるため、ちょっとでも業績が落ちると、借金をする必要が出てくることが多いです。

また事業をスタートさせる段階で借金するケースもあります。

しかし、事業運営はそれほど簡単ではないため、資金が潤沢に回る人ばかりとは限りません。

資金繰りに苦慮している自営業者や、借金返済に苦しんでいる自営業者もいらっしゃいます。

では、借金返済に困ったらどうすれば良いのでしょうか?

この記事では、自営業者の借金返済について徹底解説いたします。

この記事はこんなひとにおすすめ

今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。

・自営業を営んでいる人
・自営業で借金の返済に関して知りたい人

当てはまる人は、ぜひ内容を把握してください。

執筆者の情報
名前:山本馬元(30歳)
職歴:平成21年より信用金庫勤務

目次

自営業で借金返済が困った時にすること

自営業者が借金返済に困った場合には、とにかくうろたえてしまうというケースがありますが、それでは何の解決にもなりませんので、冷静にやるべきことをやって行くことが大切です。

では、具体的にはどのようなことをするべきなのでしょうか?

ここでは自営業者が借金返済に困った場合にすべきこととして「まずは生活費と事業資金を分ける」「借金を返済して再起できるか熟考する」の2点を紹介いたします。

まずは生活費と事業資金を分ける

自営業者が借金返済に困った場合には、このまま事業をして行くべきなのか、それとも廃業するべきなのか、悩みどころかも知れません。

しかし、事業の継続が行えるかどうかの判断をするためには、判断基準が必要となります。

その判断基準を明確化するには、事業性の費用と生活費を分けましょう。

自営業者の中には、収入や支出を家計と一緒にしているケースが多く、事業として本当はうまく行っているのに、家計の浪費が大きくて、事業がうまく行っていないと勘違いしているケースがあります。

自営業者は事業用の銀行口座を作り、事業用の資金はそちらで管理をし、家計用の口座とは分けることが重要です。

最近では、クラウドの会計システムが、銀行口座と連動しているものもあるため、事業用の口座と家計用の口座を分けていると、確定申告の処理がしやすいというメリットもあります。

生活費の借金を優先的に返済する

生活費の借金がある場合には、優先的に返済して行きましょう。

どれだけ事業がうまく行っていても、生活費に借金があると、事業用の資金が流れて行く可能性が高いです。

生活が困窮していると、気持ちにもゆとりが持てず、集中して事業運営ができなくなることも考えられるため、生活費の借金はさっさと返してしまいましょう。

もちろん、住宅ローンのような長期的なローンはカンタンに返せるものではないため、この場合は計画的な返済を行うことになります。

とはいえ、まとまったお金が手に入った時には、生活に無理のない範囲で、繰り上げ返済を検討すると良いでしょう。

借金を返済して再起できるか熟考する

借金を返済さえすれば、事業を継続し、再起できるのか、慎重に検討する必要があります。

事業がうまく行かずに借金ができた場合には、根本原因が何なのかを突き詰め、その原因自体がクリアできるものなのかも検討してみましょう。

場当たり的な原因究明ではなく、真の原因を突き詰めるために、「なぜ?」を何度も繰り返し、本質を追求しなくてはなりません。

もし、原因が分かったとしても、今後も同じ原因が起こり得る場合には、事業継続が困難となる可能性があります。

また、原因がクリアできる場合でも、それだけで事業を継続して良いと考えるのは早計です。

事業に将来性があるのかも見極めて判断しましょう。

自営業が再起できると判断したらまずは金融機関に相談

自営業は借金返済が苦しくなったら相談

まずは借入金融機関(融資を受けた金融機関)に相談をしましょう。

自営業の場合、毎月の売上や利益が不安定であり、借金の返済が遅延してしまうケースは、よくあることです。

そこで、直ぐに借入金融機関へ相談をすれば、改善の方法も時間も十分にあります。

一番してはいけないことは、上記の逆の事で、借入金融機関にも相談せず売上・利益が出た時にまとめて返済すればよいという考えです。

相談に行く前に改善計画書は用意しておこう

毎月の返済が苦しくなり条件変更を行なう場合、改善計画書を作りましょうという話になります。

改善計画書とは先5年、10年単位で業況を元通りに戻すための計画書です。

来期以降の売上、売上原価、販管費(経費)、利益といったように毎年の収支を作成します。

金融機関としても、改善計画無しに返済が厳しいので返済額を下げて欲しいと言われても対応できません。

改善計画書はインターネット上に雛形が多くあります。

改善計画書を作成した上で相談へ行くと心証も良くなると思われます。

金融機関の担当者と条件変更を検討する

借入金融機関へ相談に行くと、返済が困難となった理由や、一月毎の収支状況などを聞かれます。

毎月の返済が困難な場合、金融機関は条件変更を行なうと思います。

条件変更とは当初の契約を変更することです。

例えば、毎月の返済額を抑えたり、返済期限を延長したりという手続きです。

条件変更を行なうと、毎月の返済額は一時的(1年間もしくは2年間)に抑えられますが、返済額を抑えた期間に支払わなかった金額は、最終返済日に加算されます。

返済が困難となった場合、条件変更を行なうことは仕方のないことではあります。

条件変更も行なわず廃業するより、条件変更を行なって事業を続けていくことは重要と言えます。

ですが、条件変更を行なうと、条件変更中は新規の融資を受けることができないというデメリットがあります。

事業を行なう上で借金が必要となった場合、借金ができない状態だと事業継続に大きな打撃を与えてしまいます。

利益が出た時にとは考えない事!

殆どの融資商品には保証会社がついております。

延滞が増えると、金融機関(銀行や信用金庫等)は保証会社の決められた手続きに沿って代位弁済を行ないます。

代位弁済とは、一言で言うと債務の譲渡です。

代位弁済が行なわれると、金融事故として個人情報に登録され、以後5年から10年はローンを組んだりクレジットカードを作ることができなくなります。

俗に言うブラックリストの登録です。

この様になってしまっては、生活していく上で様々な支障が生じてしまうので、その様になる前に借入金融機関へ相談すると良いでしょう。

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自営業の継続を断念するなら債務整理を行う

自営業の借金でも債務整理できるのか

もしも、事業の継続が困難だと判断し、借金返済も難しい場合には、債務整理をしましょう。

債務整理は、将来利息のカットなどを含めて借金を軽くしてくれる「任意整理」や、自分で手続きすることで費用を浮かす「特定調停」、財産を失うことなく借金を5分の1まで大幅軽減してくれる「個人再生」、20万円以上の財産を失う代わりに借金が帳消しとなる「自己破産」があります。

先行きが不安で、事業継続が難しいと判断した場合には、そのまま放置していると状況が悪化するばかりなので、なるべく早い段階で債務整理を行いましょう。

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債務整理に必要な書類と手続きとは

債務整理を行なうことにより毎月の返済額を抑えたり、債務を減らすことができます。ですが、手続きは複雑で、必要な書類も多くあります。

債務整理には任意整理や自己破産などいくつかの種類があるため、司法書士や弁護士に相談した上で手続きを進めていくとよいでしょう。

司法書士や弁護士を訪問する際、必要な書類を準備しておくだけでも手続きは大分スムーズに進みます。

主な必要書類としては、「身分証明書」・「借入残高の書類」・「当初の契約書」・「印鑑」・「確定申告書」・「各金融機関の金融資産・所有不動産の謄本・生命保険の保険証券」などです。

これらの書類から資産と負債を把握することができます。

その中で、返済可能な金額を相談していきます。

債務整理にかかる費用は

司法書士や弁護士に手続きを依頼するので、当然費用は発生します。

債務整理の種類や依頼先によって差はありますが、過払い金請求・任意整理については1件3万円から4万円、民事再生は40万円から50万円、自己破産については30万円から50万円が相場となっております。

数万円から数十万円単位の費用が必要であるため、予め各事務所の費用形態を調べてから相談に行くとよいでしょう。

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債務整理後のデメリットとは

債務整理を行なうと、毎月の返済額を抑えたり債務を減らすことができますが、大きなデメリットも発生します。

債務整理を行なうと、5年から10年はローンを組んだりクレジットカードを持つことができなくなります。

債務整理を行なうと個人信用情報に事故歴が残ってしまい、ローンやクレジットカード申し込みの際の審査で必ず引っかかってしまいます。

生活していく上で、ローンやクレジットカードが契約できないという点は大きなデメリットです。

ですが、このデメリットがあるために債務整理を行なわず事業を続けていった結果、債務が更に膨れ上がってしまっては元も子もありません。

債務整理に限らず、不測の事態となったら早い段階で手続きを行うとよいでしょう。

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自営業者が債務整理するときの注意点

万一、自営業者が自己破産などの債務整理をする場合には、いくつか注意しておくべきことがあります。

ここでは、その注意点として「自己破産には同時廃業と管財事件がある」「取引先からの信頼を失ってしまう」の2点を紹介いたします。

自己破産には同時廃業と管財事件がある

自己破産には、管財事件と同時廃業があります。

管財事件とは管財人が選出された破産手続きのことを指します。

自己破産の手続きは、破産した人の財産を債権者に公平に分配する手続きでもあります。

そのためには財産の調査や管理などが必要になります。

これらの作業は裁判所が全て行うのではなく、裁判所が選んだ管財人が行います。

自己破産手続きは、管財事件が原則なのですが、全く財産がないことが明白な場合には、いちいち管財人を選んで手続きする意味がありません。

この場合には、破産手続き開始と破産手続きは廃止決定を同時に行うケースがあり、このことを同時廃止事件と呼びます。

要するに、財産を処分しても、破産手続き費用すら払えない場合に破産手続きを終了させることです。

取引先からの信頼を失ってしまう

取引先が債権者となっている場合に債務整理をしたケースでは、取引先が損害を被ることになります。

もしも、事業を継続できたとしても、取引先からの信頼は失うことは覚悟しなければなりません。

事業は信用が重要です。

たとえば新規営業をしている人は、与信管理を教わります。

新規の顧客から受注した場合に、いきなり多額の注文を受けると、顧客が支払えなかった際に、仕入費用が丸ごと損害となってしまいます。

そのため、様子を見ながら少しずつ注文数を増やすということが、新規営業で重要な与信管理なのです。

それほど信用というのはビジネスにおいて重要なことですので、一旦信用を失ってしまうと、仮に事業を継続できたとしても、受発注がうまく行かなくなる可能性があります。

廃業や倒産したらどうなる?

廃業や倒産したらどうなる?

 

もしも廃業や倒産したら、借金はどうなるのでしょうか?

ここではよくある素朴な疑問として、「廃業や倒産したら借金は無くなるのか」「自営業者が死亡した場合、借金は無くなるのか」について見て行きましょう。

廃業や倒産したら借金は無くなる?

残念ながら借金は無くなりません。

廃業や倒産は事業の状態のことであるため、借金の返済には関係のないこととなります。

ですが、廃業や倒産をすると当然収入が無くなるので、借金の返済も遅延していくケースが多いです。

廃業や倒産をすると毎月の返済が苦しくなり、上記に記載した条件変更の手続きになることが考えられます。

また、今後の返済の目途がつかない場合は債務整理となる可能性も十分にあります。

自営業者が死亡した場合、借金は無くなる?

自営業者が死亡した場合も、借金は無くなりません。個人(人)が死亡した場合、相続の手続きを行います。相続は資産(預金・株式・動産不動産等)に加えて負債(借金等)も相続の対象となります。

よって、借金は家族が引き受け、返済を行なっていかなければいけません。ですが、相続放棄という方法があります。

例えば資産が1,000万円あり、負債が2,000万円あった場合、相続をすると負債の1,000万円(=負債-資産=2,000万円-1,000万円)が残ります。

上記のケースは資産を全て売却して負債に充てた場合になります。相続をすることによって資産は何も残らず、負債だけ残る状態です。ならば相続放棄をして、資産も債務も全て放棄した方がよいです。

相続放棄をすることにより、その者は相続の対象外となります。ですが、相続放棄を行なったら債務は無くなるのかというと、そうではなくて次の親族に相続の権利が進みます。

例えば債務者(死亡)、配偶者、子の3人家族で、配偶者と子が相続放棄を行なった場合、相続人は債務者の両親となります。相続放棄は親族に関わっていく手続きであるため、親族と相談した上で慎重に行うべき手続きと言えます。

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借金はいくらまで可能?

借金はいくらまで可能?

自営業者が借金する時には、いったいどれくらいの額が借りれるのか気になりますよね?

そこで、「自営業の開業時点でいくらくらい借りれるものなのか?」「借金の適正金額とは」「経営中に借金をする場合の適正金額とは」という3つについて解説いたします。

自営業の開業時点でいくらくらい借りれるものなのか?

お金を借りる場合、一番に思いつく機関は銀行や信用金庫と思われます。

ですが、開業する際、融資を受けることができる機関は他にもあります。

一番有名な機関は、「日本政策金融公庫」(以下、政策公庫)です。政策公庫では開業資金の融資を取り扱っており、借りれる上限額も銀行や信用金庫に比べて遥かに多いです。

事業の借入には「設備資金」と「運転資金」があります。「設備資金」は事業を行なうための「物」を購入する資金です。例えば店舗・営業車・机や椅子・機材などです。

「運転資金」は事業を行なう上で資金を円滑に回すための資金です。開業時は自己資金が少なかったり、毎月の収支が定まらないということで資金を効率的に回せない場合があります。

その点を見越して、資金をうまく回すための資金が必要となります。

政策公庫の借入上限金額に話は戻りますが、政策公庫では「運転資金の上限」が4,800万円、「運転資金と設備資金の合計の上限」が7,200万円と決められています。

また、政策公庫で融資を受ける場合は、「開業と同じ業種に通算6年以上勤務している」などいくつかの条件があります。融資額の上限も、規模によって上限いっぱいに利用できるとは限りません。

政策公庫の店舗は全国にあるため、最寄りの店舗にて相談に行くとよいでしょう。


借金の適正金額とは

業種や規模によって一概には言えませんが、開業するために3,000万円も5,000万円も必要というケースは多くはないと思われます。

開業であるため、今後の売上は未知数です。

開業資金の融資を受ける場合は、収支予想を立てる必要があります。

一般的に、「売上」と「借金」の目安があります。

「売上」は一月分として勘定します。

借金額が4ヶ月分の売上以内なら「健全」、借金額が6ヶ月分以上の売上なら「要注意」、借金額が12ヶ月分以上の売上なら「危険」となります。

経営中に借金をする場合の適正金額とは

運転資金においては適正金額の基準があります。運転資金は資金を円滑に回すための資金と説明しましたが、どの資金が対象となるのでしょうか?

その答えは、損益計算書にあります。

損益計算書には①「売上」からはじまり、材料費などの②「売上原価」、給与や公共料金・税金等の支払いである③「販売費及び一般管理費(販管費という)」、営業以外の収益と支出の④「営業外収益」・⑤「営業外費用」、臨時に発生した収益と支出の⑥「特別利益」・⑦「特別損失」があります。

この中で②と③が、運転資金の対象となります。

一般的には年間の2~3割が適正金額と言えます。

例えば売上原価が年間100万円、販管費が年間500万円の場合、120万円~180万円が適正金額となります。

自営業は借金していて当たり前

自営業は借金していて当たり前

自営業を営む際には、誰しもがなるべく借金をせずに、資金を潤沢に回したいと思うものです。

しかし、自営業者は借金をして当たり前だという声もあります。

では、自営業者にとっての借金とは、どのように捉えれば良いのでしょうか?

ここでは、「借金をするということ」「借金をするときは、この点に注意しよう」という2点を紹介します。

借金をするということ

事業を始めるためには様々な費用が必要です。借金をせずに事業を行なうことができれば、一番良い状態と言えます。ですが、実際は借金をせずに事業を始めることは難しいと言えます。

自己資金を準備したとしても、設備を整える費用、資金を円滑に回すための費用などを合わせると数百万から数千万円が必要となります。

これらの費用を確保するためには借金が必要となりますが、借金をすることにはメリットもあります。人は現金を持っていると安心感や活力を持てます。

逆に、手元に資金がないと不安で新しいことに踏み込めないことも人間の心理であります。お金を借りる上で重要なことは、低利の商品で返済可能な計画を立てることです。

このように良い借り方をすれば、心にも気持ちにも余裕を持って、充実した事業を経営することができると言えます。

借金をするときは、この点に注意しよう

開業資金は政策公庫などの公的機関を利用すればよいと説明しましたが、開業には実現可能な計画が必要となります。

この点においては、借金の返済額においても言えることです。

誰でも借りたお金は早く返してしまいたいものです。

ですが、事業でも同じ様にやっていくと、売上が伸びない時期や不測の事態が発生した時に返済の遅延に繋がります。

何事にも余裕を持った行動が必要ということです。

今日の貸出金利は非常に低利となっております。

事業資金においても1.0%~2.0%前後で融資を受けることができます。

例えば1,000万円を5年返済で金利2.0%で借りた場合、利息の総支払額は516,620円となり毎月の利息負担も非常に小さいと言えます。

利息負担を新しいアイディア発掘のためと考えれば、安いものではないでしょうか。

余裕をもった資金計画を立てることは事業の発展にも繋がるので、余裕のある返済計画を立てることが重要と言えます。

借金は経費になる

借金は経費になる

借金が経費となるからくりとは

会社の場合は決算期に決算書を、自営業者の場合は12月末締めで確定申告書(以下、申告書)を作成します。

決算書や申告書は、会社・自営業者の1年間の成績表とも言えます。この内容によって借入ができるか否か、いくら借りれるかなどに影響していきます。

借金は経費になるのかという点ですが、経費にすることが可能です。ただし、経費として認められるものは利息分のみとなります。毎月の返済額は「元金」と「利息」で構成されています。例えば100万円の借金をした場合、100万円と利息を返済しなければいけません。

100万円の部分は返済する部分、利息も同じく返済する部分ですが会計上では利息は元金を借りるために支払う「費用」となります。よって借入金の増減は貸借対照表へ、利息の支払いは「費用」であるため損益計算書に乗ります。

売上に対して原価や費用が多いと、最終的な利益は小さくなったりマイナスになることがあります。税金は最終的の所得金額に対して課税されるので、支払った利息を費用として見ることにより税金の節税が可能となります。

自営業の借金返済に関してよくある質問

自営業の借金返済に関して、よくある質問をまとめました。

これから借金を検討している人や、借金返済中の人は、ぜひ参考にしてください。

Q.会社員の旦那が自営業を始める場合、貯金はどの位あった方が良いですか?

自営業がすぐに軌道に乗るとは限りませんし、むしろ一定期間がかかるケースが多いため、その間の生活費は貯えて置いた方が良いでしょう。

具体的には1年分~2年分以上の生活費を貯金しておきましょう。

Q.義両親のお店を担保にしている場合返済ができないとお店はとられますか?

担保がある場合には、返済ができないと担保が取られてしまいますが、競売にかけられるまでは17カ月程度と、一定の時間があります。

借金返済が滞ると、「来店依頼状」や「督促状」などが届き、それでも返済できなければ「差し押さえ通知書」「競売開始決定通知書」「競売の期間入札通知書」などが送られてきますが、入札前であれば取り下げが可能です。

実際に入札が始まると売却を阻止できませんので注意が必要です。

Q.主人の実家が経営している会社にお金の援助をする場合の注意点はありますか?

お金の援助をすると、贈与税がかかる可能性があります。

贈与税は年間110万円以上の贈与にかかる税金で「贈与税額―110万円×税率―控除額=贈与税額」の計算式で算出できます。

贈与税の税率は以下の表を参考にしてください。

課税価格20歳以上の人が直系尊属から受けた贈与左記以外の贈与
税率控除額税率控除額
200万円以下10%10%
200万円超300万円以下15%10万円15%10万円
300万円超400万円以下15%10万円20%25万円
400万円超600万円以下20%30万円30%65万円
600万円超1,000万円以下30%90万円40%125万円
1,000万円超1,500万円以下40%190万円45%175万円
1,500万円超3,000万円以下45%265万円50%250万円
3,000万円超4,500万円50%415万円55%400万円
4,500万円超55%640万円55%400万円

Q.結婚して子供がいますが銀行からの借金がある場合子供に迷惑掛かりますか?

将来的に借金が残り、相続が発生したとしても、相続放棄ができますので、直接的な迷惑はかかりません。

ただし、借金が回りまわって生活に影響を及ぼす場合は、間接的に迷惑がかかる可能性があります。

借金をする場合には、返済シミュレーションと、事業成功の根拠を見出してから慎重に行いましょう。

Q.自営の仕事が激減しました。自営業をたたんで会社員になる方が良いですか?

今後も仕事が増える可能性がないのであれば、会社員になるという選択肢もあり得ます。

ただし、一過性の激減ということで、将来増える可能性がある場合には、継続することも良いでしょう。

情報収集を入念に行い、市況を読んで判断しましょう。

借金が60万円あります。42歳男性です。仕事は自営業。仕事量は激減。家族もいます。返していけるでしょうか?気が滅入っています。(ヤフー知恵袋より引用)

Q.消費者金融への支払いで困った場合、アルバイトなどした方が良いですか?

事業をしていて、まだ時間や体力に余裕があるのなら、アルバイトをしても良いでしょう。

ただし、アルバイトによって本業が疎かになる場合は、本末転倒です。

本業とのバランスを考慮して検討しましょう。

Q.自営業をしていますが、父や妻がお金を持っていた場合借りることはできますか?

借りることはできますが、万一返せない場合に信頼関係を損なう恐れがあります。

また、生計を共にしていない父などの場合は、贈与とみなされ、税金がかかる可能性があります。

贈与とならないためには、借用書を作り、金利を設定し、返済実績を付けることが必要となります。

まとめ

自営業者になると1から10まで全てのことを自分でしなければいけません。事業を行なう以外に、借入や申告・税金等についても同様です。

また、一般的に自営業者は収入が不安定である傾向にあります。確定申告を3期並べてみると、年度によって大きく違うという場合もよくあります。

そのことを前提に、資金計画を立てることは重要と言えます。サラリーマンと違って会社からの補助や安定した給与の支払いはありません。様々な不測の事態を予測した上で、余裕をもった資金計画を立てましょう。

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この記事の執筆者

山本馬元
大学時代は心理学を専攻。
金融機関へ就職は、金融機関という世間的にイメージの良い業界で働きたいという理由があった。
その中で、地元の金融機関で融資業務に携わり、腰を据えてお客様と相談し融資を行いたいという希望もあった。
入庫後は渉外担当者として預金や保険を中心に個人との取引に従事。
入庫後4年目には融資担当者となり、当初希望していた係りに付く。
融資商品を取り扱う中で、商品の上辺だけではなく深い知識を学ぶ。
また、融資は型にはまった仕事ではなく、同じ商品でも様々なケースがあり、日々、様々な案件をこなし、知識・経験を深めている。

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