アコムから催告書が届いた!どう対処したらいい?
- 執筆者の情報
- 名前:馬沢結愛(30歳)
職歴:平成18年4月より信用金庫勤務
目次
すぐに一括請求されるわけではない
アコムの借入を延滞していると、場合によっては裁判を起こされてしまいます。
ですが、延滞してすぐに一括請求されるというわけではありません。
アコムが行う督促の流れとしては、
- 電話
- 手紙
- 自宅訪問
- 催告書
というのが一般的です。
まず、延滞初期のころは、電話で督促を行い、基本的には登録されている携帯に来ます。
携帯への督促を無視、または延滞が解消されない場合には、手紙による督促を行い、それでも無視や解消されない場合には、担当者が自宅へ訪問してきます。
ここまで督促をしても無視や延滞が解消されない場合には、催告書などで一括請求されることになります。
本人だけにしか督促をしない
消費者金融といえば、本人だけでなく、家族や職場の人までも巻き込んで督促されるというイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、それは昔の話であり、今では家族や職場にばれないように配慮して督促をしています。
督促の電話を携帯にするのもその1つであり、家族にばれてしまう危険性がある自宅への電話は避けています。
手紙による督促も、家族が受取ってもすぐにわからないように、「ACサービスセンター」という差出人名で送っています。
最も家族にばれる危険性が高い自宅への訪問も、担当者は本人が仕事から帰ってくる時間帯に外で待っており、極力本人だけに会って話ができるようにしています。
最近では、個人情報についての取り扱いが厳しいので、たとえ家族であってもアコムから本人以外に借入の有無などを伝えるようなことはしません。
6ヶ月以上の延滞で一括請求される
冒頭でもお話ししましたように、一括請求されるまでには電話や自宅への訪問など、段階を踏んでからでなければ行われません。
アコムから一括請求されるタイミングは人によってさまざまですが、一般的には6ヶ月以上延滞すると催告書が届くようです。
しかし、中には延滞から2年が経過してから一括請求された人もいますので、どのタイミングで来るかはわかりません。
また、電話などの督促によって、利息だけを支払っているという場合には、一括請求されるタイミングが遅くなるようですが、この場合もいつ請求されてもおかしくない状態です。
催告書の内容
アコムが送る催告書には、期限の利益が喪失したことにより、残債務を期日までに一括返済するよう求める内容となっています。
残債務には、20%で計算される遅延損害金が加算されますので、場合によっては実際に借りた金額よりも多い損害金が付いていることもあります。
また、催告書には期日までに返済されない場合、「裁判所に法的手続きを申し立て、給与差し押さえなどの強制執行をすることがあります」という内容が記載されています。
ですので、一括での返済ができないまま期日を過ぎてしまうと、裁判を起こされてしまう可能性があります。
法的手続きが確定したことの催告書もある
アコムから届く催告書には2種類があり、1つは先ほど紹介した強制執行をする可能性があるという内容のものです。
もう1つは、法的手続きが確定したことを伝える内容のものであり、一括請求の金額と期日と共に、「裁判所に給与差し押さえ等の強制執行の申し立てを行うこととなります」と記載されています。
この催告書が届いた場合には、期日までに返済できなければ、裁判を起こされてしまうことが確実となります。
出廷しなければ一括請求が確定する
催告書に記載されている期日までに返済できなかった場合には、アコムは催告書に従って裁判を起こします。
アコム裁判所へ申し立てを行うと、裁判所から出廷命令の通知が来ます。
裁判所への出廷は平日となりますので、仕事でいけない場合もありますが、ここで出廷しなければアコムの主張が通ることになります。
つまり、一括請求が確定してしまうということであり、一括で返済する義務を負うことになり、判決が確定してしまえばそれを拒否することはできません。
実際に裁判となるのは、催告書の期限からおよそ1週間~2週間程度ですので、すぐに裁判となる可能性が高いです。
催告書は裁判となる一歩手前
アコムの借入を延滞してしまうと、電話やメールなどで督促を受けることになります。
しかし、6ヶ月以上の長期間延滞していると、アコムから催告書が送られて来ることがあります。
アコムが催告書を出すのは、通常の督促では回収することが困難だと判断し、裁判を起こして回収を図る狙いがあります。
また、催告書は借入金の残債を一括で返済するよう求めており、遅延損害金も含めた金額で返済しなくてはなりません。
アコムから催告書が届いた場合には、裁判を起こされる一歩手前であるということを認識し、危機感を持って対処しなければなりません。
アコムに連絡させる狙いもある
アコムが催告書を出すもう1つの狙いは、アコムに連絡させることです。
アコムから督促の電話などを受けた際に、多くの人は電話に出て担当者と返済の延期や返済額の減額などを相談します。
しかし、中にはまったく電話に出ず、連絡が取れない人もいます。
このような人は、状況を把握することもできませんし、返済されない可能性も高いので、連絡を取るための手段として催告書を送ります。
これまでまったく連絡が取れなかった人でも、催告書で裁判を起こされる可能性があると思えば、アコムに自ら連絡してくれる確率が高くなリます。
催告書でも連絡が取れない場合には、そのまま裁判へ移行すればいいだけですので、アコムとしては督促の最終手段であるといえます。
催告書には2種類ある
アコムが出す催告書には、「期限の利益喪失」と「法的手続き確定」の2種類があります。
先ほどもお話ししましたように、アコムが催告書を出すのは連絡をさせるためであり、主に送るのは「期限の利益喪失」の方です。
期限の利益喪失とは、返済期日までに分割で返済できる権利を失うことであり、これにより、期日が到来していなくても、一括で返済しなければならなくなります。
では、2種類の催告書には、どのような内容が記載されているのかということを、解説していきます。
期限の利益喪失
催告書(期限の利益喪失)には、期限の利益を喪失したという内容が先に記載されています。
そして、借金の残債を一括で返済するよう求め、期日を指定してきます。
特に重要なのは、「返済されない場合は、裁判所に申し立てをした後、給与差し押さえ等の強制執行をすることがあります」と記載されています。
つまり、期日までに一括で返済しなければ、法的な手続きによって給与などを差し押さえられてしまう可能性があるということです。
また、返済の前にはアコムへ連絡するよう求めており、日割りで計算される遅延損害金と併せて返済することになります。
法的手続き確定
催告書(法的手続き確定)には、すでに裁判所に法的な手続きをし、一括返済が確定していることが記載されています。
そのうえで、残債を一括で返済するよう求め、期日も指定してきます。
期日で返済ができない場合は、「裁判所に給与差し押さえ等の強制執行の申し立てを行うことになります」とも記載されています。
これにより、返済できない場合は給与などを差し押さえられてしまいますので、期限の利益喪失よりも厳しい内容となっています。
出廷しないと一括請求が確定する
催告書の期限までに返済できない場合には、およそ1週間~2週間で裁判となります。
裁判になると、裁判所から出廷命令が出されますので、指定日に裁判所へ行かなければなりません。
しかし、出廷は平日になりますので、仕事の都合などで行くことができない可能性もあります。
裁判所へ出廷できない場合には、アコムの主張がすべて通ることになりますので、返済義務を負うことになります。
裁判所で決まったことは拒否することができませんので、仕事を休んででも出廷するようにしなくてはなりません。
差し押さえられる財産
催告書の内容にも記載されていますように、アコムの借入を一括で返済できない場合には、給与などを差し押さえられてしまいます。
また、差し押さえは給与だけでなく、換金可能なものはすべて差し押さえの対象となります。
差し押さえの対象となるのは、
- 銀行などの預貯金
- 自動車
- 家電製品、家具など
- 土地や建物などの不動産
などが差し押さえられる可能性があります。
また、差し押さえには優先順位があり、給与や預貯金は優先順位が高く、自動車や家電製品、不動産は優先順位が低いです。
給与の差押えは手取りの1/4まで
給与は優先的に差し押さえられてしまいますが、差し押さえできる割合は法律で決められています。
給与の差し押さえは、「手取りの1/4まで」であり、残りの3/4は差し押さえることができません。
例えば、手取りが32万円あるという場合には、その1/4である8万円を差し押さえられてしまいます。
しかし、手取りが33万円を超える部分に関しては、全額を差し押さえることができ、手取りの1/4の金額と比べて、多い方の金額が差し押さえられます。
例えば、手取り45万円である場合、その1/4は11万2,500円であり、33万円を超える部分は12万円ですので、差し押さえられる金額は12万円となります。
催告書が届いた時の対処法
アコムから催告書が届いた場合、どういった対処をすればいいのでしょうか。
主な対処法としては、
- 一括で返済
- 分割で返済
- 債務整理
- 消滅時効の援用
という4つの方法があります。
アコムから一括請求されたものを、一括で返済することができれば、借金も今後の督促も無くなります。
しかし、一括で返済することができるのであれば、すでに返済しているはずです。
多くの人は一括で返済することができませんので、その際にはアコムに連絡をし、分割での返済を相談します。
アコムも連絡を取るための手段として催告書を送っていますので、分割による返済にも柔軟に対応してくれますが、これまで延滞してきた人を簡単に信用することはありません。
分割での返済を相談する時は、なにを返済財源とするのか、毎月いくらずつ返済していくのかなど、具体的な返済計画をアコムに提示するようにしましょう。
債務整理と消滅時効の援用
一括はおろか、分割でもアコムに返済できない場合には、債務整理することをおすすめします。
債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。
任意整理は、金利を再計算することで、借金を減額させ、さらに将来支払うことになる利息をカットすることができます。
個人再生は、住宅などの財産を残しながら借金を減額することができ、自己破産は借金の返済義務を免除してもらうことです。
しかし、アコムへ最後に返済をしてから5年以上が経過しているという場合には、借金が時効となっている可能性があります。
借金の時効は、アコムに対して時効となっていることを通知しなければならず、このことを「消滅時効の援用」といいます。
消滅時効の援用をすると、借金を返済する義務がなくなりますので、債務整理をする前に時効となっていないかを確認するようにしましょう。
催告書が来た時点で弁護士に相談する
アコムから催告書が来た場合には、できるだけ早く弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士に相談することで費用は発生しますが、さまざまなアドバイスを受けることができます。
また、消滅時効の援用や債務整理の手続きを代理で行ってくれますので、面倒な手続きをする必要がありません。
最近では無料相談できるところも多いですので、これを利用することで、借金問題に詳しい弁護士に費用をかけずに相談することができます。
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まとめ
アコムから催告書が届いた場合、それは裁判を起こされる一歩手前であることを意味します。
ですので、なんらかの対処をしなければならず、何もしなければ給与などを差し押さえられてしまいます。
催告書が届いた場合には、すぐにでも弁護士に相談するようにし、債務整理や消滅時効の援用などのアドバイスも受けるようにしましょう。
借金の問題は何もしなければ解決することができませんので、催告書が届く前に対処することが望ましいです。
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