総量規制がない教育ローンと審査について

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お子様の進学が近い親御さんの中には教育ローンの借入を検討している人も少なくないのではないでしょうか?

親御さんの中には総量規制を気にして「自分の年収で子供の進学資金を借りることができる?」と不安に思っている人もいるものです。

しかし、教育ローンの場合には総量規制を気にする必要はありません。教育ローンには総量規制がないため、年収の3分の1を超える借入をすることも可能です。

ただし、教育ローンは審査に通過しないと借りることはできません。

教育ローンの審査ではどのような点をチェックされるのでしょうか?

この記事では総量規制対象外の2つの教育ローンの審査のポイントと、もう1つの教育資金である奨学金の審査のポイントなどについても解説していきます。

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

教育ローンだけでなく、生活費などにも資金を回したいという方は大手消費者金融のカードローン利用がおすすめです。総量規制の対象ではありますが、年収の3分の1までは利用できる可能性があるため、一度以下の公式サイトから借入できるか確認してみましょう。

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総量規制対象外の教育ローン

総量規制対象外で教育ローンは大きく分けて2つの教育ローンがあります。

まずは、銀行の教育ローンと国の教育ローンの違いについて解説していきます。

銀行の教育ローン

銀行も信用金庫も農協も、総量規制対象外となるほとんどの金融機関が教育ローンの取り扱いを行っています。

金利は2〜4%前後の低金利で、教育資金という公共性の高いローンであるからこそ、カードローンやフリーローンなどより低金利で融資を行っています。

国の教育ローン

先ほど述べたように、教育資金というのは公共性の高い使い道です。

そのため、経済的な事情で進学が阻まれることがないように、100%国が出資する日本政策金融公庫も「国の教育ローン」という融資を行っています。

こちらは、銀行などの金融機関のローンよりもさらに金利が低く、固定金利で1.76%という低金利で融資を行っています。

銀行の教育ローンと異なり、国の教育ローンは「所得の低い人ほど借りやすい」という特徴があります。

ジャックスカードの教育ローン

学校が教育ローンの提携先としジャックスを指名している場合があります。

ジャックスも信販会社ですが先に話した理由により、総量規制の対象外となりますので安心してください。

ジャックスの教育ローンは、ジャックスが申込者に代わって代理で学校に学費を立て替えるシステムです。

また申込者は学生ではなく親権者になりますので、返済開始時期も卒業後からではなく在学中から返済が始まります。

ただし在学中から卒業後最大6か月間は利息のみの返済も可能ですので、学生本人でも返済が可能な金額ではあります。

オリコカードの教育ローン

オリコカードも信販会社ですが、ジャックス同様に総量規制の対象外です。

オリコも指定の学校と提携していっているローンですので、融資金額は学校へオリコが立替払を行います。

返済期間もジャックスと同じく在学中から始まりますが、通常の元金と利息の支払のほかに、ステップアップ返済(在学中は利息のみ。卒業後通常返済方法)や、親子リレー(在学中は親権者が支払い卒業後は自身で支払う)などを選ぶことができます。

したがって、事前にどのような返済プランにするのか、家族で話し合う機会をもつといいでしょう。

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銀行の教育ローンの審査

銀行の教育ローンの審査は国の教育ローンの審査よりも厳しいと言えます。

教育資金という公共性の高い資金使途ですが、親の返済能力が認められない限りは融資を受けることはできませんし、年収が低い場合には高額の借入は難しくなります。

カードローンやフリーローンなどのローンとそれほど大きく変わらない視点で審査が行われます。

子供の成績は関係ない

奨学金などは子供の高校や大学での成績が審査に影響します。

しかし、銀行などの金融機関の教育ローンにおいては子供の成績は関係ありません。

借主はあくまでも親

銀行などの金融機関の教育ローンでは、借主はあくまでも親で、親のお金の使い道が「教育資金」ということさえわかれば、融資対象になります。

先ほど述べたように、子供の成績は関係なく、親に「返済能力がある」と認められれば融資の対象となります。

では、返済能力はどのような観点から判断されるのでしょうか?

親の信用情報が審査対象

銀行などの金融機関の審査においては審査の入り口となるのは信用情報で、審査で最も重要になるのも信用情報です。

信用情報に以下のような情報が発見されると審査通過は難しくなります。

①ブラック(自己破産や長期延滞などの事故情報が発見される)

②多重債務(すでに3本以上の他債務がある)

③借入金やクレジットカードの支払いに遅れが多い

教育ローンは金利が低いために審査が厳しく、住宅ローン以外の他債務は1本もない方が理想ですし、あっても1本に留めておかないと審査に落ちてしまうこともあります。

また、借入金やクレジットカードの支払いも年に2回以上あると審査には確実にマイナスになります。

年収以上の借入は難しい

教育ローンは総量規制対象外ですが、基本的に銀行は無担保のローンは年収を超える融資は行いません。

教育ローンも無担保ですので、年収を超える教育資金の融資は難しいと考えた方がよいでしょう。

不動産担保で高額借入も

医学部や薬学部などの高額な学費が必要になる場合には、不動産を担保としてさらに高額の教育ローンを融資する銀行も存在します。

この場合には年収を超える借入も可能です。

銀行によって取り扱いがあるかないかは異なりますので、詳しくは銀行へ相談してみましょう。

国の教育ローンの審査

国の教育ローンは100%国が出資している日本政策金融公庫が融資を行っています。

銀行よりも審査の基準は甘く、所得に関係なく必要な金額を借りることはできんますが、国の教育ローンも信用情報への照会を行います。

銀行よりも甘い目線で審査を行いますが、ブラック情報などがあると審査に落ちてしまうこともあります。

親の所得が審査基準

銀行の教育ローンは年収までしか借りられないということで分かるように、銀行の教育ローンは、所得が多ければ多いほど借りることができる金額が大きくなり、審査通過も容易になります。

しかし、国の教育ローンは逆です。

所得が一定以下でないと借りることはできません。

経済的な事業によって進学を阻まれることがないように設計された教育ローンですので、所得が低い人向けの商品なのです。

まさに、総量規制とは無縁の教育ローンと言えます。

具体的な所得上限の基準は以下のようになっています。

  • 子供1人:年収790万円以下
  • 子供2人:年収890万円
  • 子供3人:990万円以下
  • 子供4人:1,090万円以下
  • 子供5人:1,190万円以下

上記の年収を超えしまうと国の教育ローンを借りることはできません。

子供1人につき350万円まで

通常の教育ローンは借主である親の年収に対して融資限度額というものが決まります。

子供が何人いようが、親の年収によって借りることができる金額は決まってしまうのです。

しかし、国の教育ローンの場合には、子供1人あたり350万円までなら借りることができます。

総額で親の年収よりも多くなってしまっても所定の条件を満たせば融資を受けることは可能です。

融資までには2週間以上必要

銀行の教育ローンは最短で3営業日程度で融資を受けることができますが、国の教育ローンは融資までにはそれなりに時間がかかり、目安として申し込みから融資まで2週間程度の時間がかかります。

銀行から申し込む場合(後述)にはさらに時間がかかることもありますので余裕を持って申し込みをしておくことをおすすめします。

銀行でも申込可能

国の教育ローンは日本政策金融公庫の融資ですが、銀行や信用金庫も代理店業務を行っています。

近くに日本政策金融公庫がないという人は最寄りに金融機関へ相談に行って見ましょう。

なお、日本政策金融公庫のホームページではインターネットから365日24時間申し込みを受け付けています。

インターネットで申し込みを行うと、非対面で郵送による契約手続きが可能です。

奨学金も総量規制対象外

奨学金も教育資金として借りることができるものですが、奨学金は上記2つの教育ローンとは審査の基準が180度異なります。

奨学金の審査はどのような視点で行われるのでしょうか?

借主は子供

奨学金の借主となるのは子供です。

そのため、親がブラックなどの理由で銀行や国の教育ローンを借りることができない世帯でも教育資金を借りることができます。

収入が少ない方が融資を受けやすい

奨学金の審査基準となるのは以下の2つです。

①親の所得が一定以下

②子供の成績が一体以上

通常のローンの審査では当たり前に行われる信用情報などの審査は一切行われません。

上記2つの基準に当てはまれば誰でも借りることができます。

無金利のものもある

奨学金は第1種奨学金と、第2種奨学金の2つの種類があります。

このうち、第1種奨学金は無利息で、第2種奨学金の金利は3%程度です。

第1種奨学金の方が上位2つの審査基準が厳しくなっています。

成績も審査対象

奨学金は成績も審査対象となります。

具体的には、第1種を借りる場合には上位3分の1以上の成績である必要がありますし、第2種奨学金は成績が平均程度である必要があります。

とは言え、第1種第2種合わせて日本の大学生の約半数が奨学金を利用していることを鑑みれば、第2種に関しては親の所得の基準をクリアできれば誰でも借りることができると考えてよいでしょう。

所得の基準は国公立と私立、自宅通学と自宅外通学などによって細かく決められているため、詳しくは日本学生支援機構のホームページを参考にしてください。

◆日本学生支援機構公式サイト

総量規制対象の教育ローンはない

総量規制対象となるローンで教育資金だけにしか使用できない教育ローンというものは存在しません。

では、どのようなローンが総量規制対象となるのでしょうか?

総量規制対象のローン

総量規制対象となるローンは、消費者金融やカード会社などの「預金業務を扱わずに貸金業務だけを行っている貸金業者」のローンです。

つまり、預金業務を扱っている銀行・信用金庫・農協などのローンはどのような種類のローンであっても総量規制対象外となります。

また、貸金業者のローンでも不動産を担保にするローン、自動車ローン、事業資金、おまとめローンなどのローンも総量規制対象外となります。

消費者金融などは取扱なし

そもそも借りたお金の使い道を教育資金だけに限定した教育ローンは消費者金融などでは取扱がありません。

このため、消費者金融のカードローンを利用して教育資金に利用しない限りは、教育ローンに関して総量規制を気にする必要はないでしょう。

まとめ

教育ローンを借りる場合には総量規制を気にする必要はありません。

総量規制は消費者金融などの貸金業者を規制するものであり、貸金業者は教育ローンを扱っていないためです。

教育ローンを扱っている銀行や日本政策金融公庫ですが、これらの借入は総量規制対象外です。

ただし、銀行はいくら借りることができても年収まで、日本政策金融公庫の国の教育ローンは子供1人につき350万円までとなっています。

どちらも親が借主となるため、親の信用情報に問題があるような場合には審査に通過することはできません。

そのような時には、親は審査対象とならず、子供が借主となる奨学金の利用も検討しましょう。