法人借入・法人融資の基礎知識

法人ならどの法人でも借入できる?

一口に法人といっても日本には法律上様々な法人が存在します。銀行などから借り入れができる法人はどのような法人でしょうか?

株式会社や有限会社の借入

一般的な法人での借入というと、株式会社や有限会社などの借入です。このような法人は営利を目的として事業を営んでいます。

事業には資金が必ず必要ですので、事業に必要な運転資金や、建物や機械設備などを導入するための設備資金を金融機関や消費者金融などから借り入れることができます。

審査は「返済可能かどうか」「会社の将来性はどうか」などの基準によって判断します。融資金の注入によって会社が利益を生み出すことができるかどうかが重要な審査基準です。

医療法人や学校法人の借入

医療法人や学校法人はそれぞれ医療や教育の質を向上させ社会福祉に貢献することを目的として設立されている法人です。

とはいえ、医療法人や学校法人にも建物や機械設備の導入が必要な場合もありますし、日常の運営活動において運転資金も必要になります。このような場合に金融機関などが融資を行うことがありますが、これらの法人は審査に最も通過しやすい法人です。

医療法人であれば売上のうちの大部分が診療報酬という形で国から入ってきますので、売上の入金が最も確実です。学校法人も含めてこれらの法人には補助金や税金の優遇などといった様々な優遇措置が講じられているため、多くの医療法人や学校法人は財務的に健全です。

銀行にとって、学校法人や医療法人はぜひとも融資をしたい法人であるといえます。

宗教法人の借入

宗教法人も銀行などの金融機関から融資を受けることができます。宗教法人とは営利を目的としない宗教と信者で作る非営利団体を示します。

営利を目的としないといっても、檀家からの寄付などによって収入がある法人はその収入に基づいて融資を受けることができます。審査の基準は「返済可能かどうか」です。

例えばお寺が新しい仏閣を建てたいというような場合には、檀家全員の総意と場合によっては印鑑を押すことによって、宗教法人へ融資を行うこともできます。

NPO法人の借入

NPO法人とは、社会福祉の向上を目的とした非営利団体です。NPO法人は営利を追求することを原則禁止しているのが法律的な趣旨です。

銀行が法人に融資を行う際の前提となる価値観が、「収益から返済しているかどうか」ですので、そもそも収益の追求をしていないNPO法人には基本的に金融機関は融資を行っていません。

しかしながら、NPO法人にも活動資金が必要になります。また、NPO法人の資金不足が社会問題化しています。

このような背景から、地方自治体が地域の信用金庫と連携してNPO法人向けへの制度資金のようなものを用意している場合もあります。

法人はどこからお金を借りる?

収益が出ている法人であれば、いずれかの方法でお金を借りることができます。では、法人がお金を借りようと思ったら、どこから借りればよいのでしょうか?

金融機関

銀行、信用金庫、信用組合などから融資を受けることができます。まずは、決算書を最低3期分用意して、相談に行きましょう。決算書をもとに法人の内容そのものについて審査を行い、格付けや融資方針を決定します。

その後、融資案件の審査を行いますので、取引がない金融機関から融資を受けようとする場合には実際に融資金が振り込まれるまでに1か月程度の時間がかかることも珍しくありません。

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政策金融公庫

財務省所管の特殊法人である日本政策金融公庫は中小企業向けに様々な融資を取り扱っています。国の所管の金融機関ですので、国の政策にも敏感に反応した融資制度があります。

地方創生を国がうたえば、地方創生に貢献する事業を営むための資金を融資する制度や、事業継承の困難さが社会問題化すれば事業継承のために必要な制度資金を用意するなどというように、融資制度が多数あることが特徴です。

地域の商工会議所とも連携しており、商工会議所でのセミナーや商工会議所の資金相談なども窓口として融資に申し込むことも可能です。

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消費者金融

事業資金は消費者金融などのノンバンクも融資を行っています。ノンバンクの特徴は融資までのスピードが速いという点です。即日回答即日融資という会社もありますし、おおむね3営業日以内では融資を受けることができます。

後述しますが、ノンバンクは金利が銀行よりもかなり高い分、銀行などの金融機関から融資を受けることができなくなったような業況の悪い企業でも融資を受けることができる場合があるようです。

法人借り入れの金利はどのくらい?

法人が上記の機関から融資を受ける際の金利はどの程度の金利が適用されるのでしょうか?

銀行からの借入は格付けによって金利が左右される

先ほど述べたように、銀行から融資を受けようとする場合には、最初に企業の業況そのものに対して審査を行い、そこで格付けが決定します。格付けが高い企業ほど低い金利が適用され、格付けが低い企業には高い金利が適用されます。

金利に関してはケースバイケースですが、格付けが高い企業には1%を切るような低金利で融資を行う場合もありますし、格付けが低い企業への金利は3%~5%程度の金利が適用されることが一般的なようです。

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信用保証協会付の借入は金利は低めだが保証料が発生

中小企業への融資は信用保証協会の保証を付けて融資を行うのが民間銀行の基本的な融資スタイルです。

保証協会の保証を受けるためには、保証協会の審査を受ける必要があり、保証協会もその企業の業況について審査を行い、リスクの低い企業には低い保証料を、リスクの高い企業には高い保証料を設定します。

銀行は、保証協会の保証さえつけば、貸し倒れリスクがゼロになるため、金利そのものはプロパー融資よりも低くなる傾向にあります。ただし、この金利も基本的には格付けに基づいて決定します。

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地方自治体の制度資金は総じて金利が低い

地方自治体には中小企業向けに、地域金融機関、信用保証協会、地方自治体で連携して商品設計を行った、制度資金というものがあります。

制度資金の金利や保証料には地方自治体の補助があるのが一般的ですので、地方自治体の制度資金を活用すれば業況が悪く銀行の格付けが低い法人でも、低金利での融資を受けることができる可能性が高まります。

制度資金には利用条件があり、例えば3か月連続して売上が減少しているなどの様々な条件に該当する法人でないと融資を受けることができません。

すべての法人が必ずしも利用対象となるわけではありませんので、まずは金融機関の窓口か地方自治体の窓口に相談に行きましょう。

消費者金融からの借入は個人のカードローン並みの高金利

法人は消費者金融などのノンバンクからの融資を受けることができると説明しましたが、ノンバンクからの借入は一般的に高金利です。

法定金利ぎりぎりの18%という商品も決して珍しくありませんし、むしろこちらの方が一般的です。

銀行は法人融資に対して、法人の業況を向上させ地域経済の発展に寄与するという公共的使命を負っていますが、消費者金融はそのような使命は負っていません。

そのため、高金利を適用して、リスクの範囲内であればたとえ当該企業の成長が今後認められなくても融資に応じてくれる場合があります。このためノンバンクは銀行から融資を断られても借入可能なのです。

審査自体も銀行ほど詳細に様々な分析を行っているわけではありません。このため、審査にかかる時間は長くて数日で、銀行とくらべて圧倒的に早いスピードで融資を受けることが可能です。

金利は高いですが、数日の間に融資を受けたいという緊急の入用には強い味方です。

創業前の法人も借入可能

創業前、もしくは創業して間もない法人も金融機関から融資を受けることができます。この場合には決算書はまだない状態ですので、創業計画書というものが必要になります。

創業計画書とは「どのような事業を計画しているのか」「売上はどの程度の見込みか」「経費はどの程度かかるのか」「その根拠は」などの計画で、創業から3年程度の計画の提出が必要になります。

創業計画書は金融機関の担当者も一緒に作ってくれますので、まずは聞かれたことにできる限り具体的にこたえられるように、詳細な計画を作りましょう。

創業の資金は銀行などの金融機関の他、日本政策金融金庫も積極的に融資を行っています。ノンバンクでは創業資金の取り扱いがあるところはほとんどありません。

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法人借り入れも複数債務を一本化できる

法人の複数の借入を一本化して、毎月の返済額の軽減を図る借り換えも金融機関は対応しています。

信用保証協会の借換保証制度などでは、信用保証協会の保証付きの融資の一本化を図り、さらに審査に通過すれば追加の融資も合わせて受けられる制度です。中小企業向けの借り換えでは、この方法が採用されることが一般的です。

なお、返済額を少なくしようと、返済期限の延長などの条件変更を行うと、銀行の中での格付けが下落して、その後の融資に悪影響となります。

債務の一本化であれば条件変更手続きではないため、毎月返済額の軽減を図りながらも、必ずしも格付けは下落しません。いずれにせよ、法人が毎月返済に苦しい場合には、銀行は相談に乗り、何らかの対処を行う努力義務があります。

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法人借入の審査は保証協会も行うの?

中小企業が銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関から融資を受ける際には、信用保証協会の保証を付けることが一般的です。

信用保証協会の保証をつけると、金融機関が融資した貸付金にもしものことがあっても、信用保証協会が融資残高を保証してくれます。

銀行にとっては、融資金が滞納して不良債権化するリスクがゼロになるため、不良債権残高を気にする金融機関は信用保証協会の保証さえつけば融資を行うという傾向にあります。

中小企業の審査を行っているのは、実質的には信用保証協会であるとさえ言われているほどです。信用保証協会は企業の規模ごとに、おおよその保証限度額を決めており、無制限に保証を行ってくれるわけではありません。

また、企業のリスクに応じた保証料が必要になりますが、先ほど述べたように地方自治体の制度資金を活用すれば保証料の全部または1部を地方自治体が保証してくれます。

法人が借入できる金額の目安

法人が借りることができる金額のおおよその目安は設備資金と運転資金によっても異なりますが、設備資金の場合は当該設備がいくらの利益を生み出すか算定し、その利益の範囲内かつ、設備の耐用年数の範囲内というイメージです。

毎年100万円の利益を生み出し、耐用年数が5年であれば100万円×5年=500万円くらいがおおよその限度額です。運転資金の場合には月商の何倍かという点が1つの目安となります。

建設業の場合には月商の6倍を超えると返済が困難になるといわれているため、借入限度額の目安は月商の6倍以内というのが相場です。

また、製造業や流通業の場合には月商の3倍以内が限度額であるといわれています。さらに、支払利息が売上の1%以内という点も1つの目安として使われている指標です。

年間10万円利息を支払っている会社は10万円÷0.01(1%)=1,000万円以内の借入が限度であるということもよく言われる指標です。

いずれにせよ1つの目安ですし、借入額と月商との関係も、支払利息と売上との関係も金利や期間によっても異なりますので、あくまで1つの目安として参考程度に利用してください。

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法人借入の審査基準

金融機関の法人融資の審査は、当該資金が本当のその企業に必要かどうか、返済は可能か、当該資金を注入したことによって、今後の成長性や資金繰りはどうなるのか、などの多角的な側面から審査を行います。

返済が不可能だとか、融資を行っても企業が再建できる可能性がないと判断された場合には、融資を断られてしまう場合もあります。

このため、審査の際には、資金繰り表や、売上や仕入れ先の明細や、今後の事業計画などの提出を求められることがあります。多角的な側面から時間をかけて審査を行うため、審査にかかる時間は1か月程度かかることも珍しくありません。

一方、消費者金融から法人が借入を行う際の審査は、返済可能か否かだけです。仮に法人の決算内容から返済が困難であるとみられても有力な担保や保証人があれば融資に応じてくれる可能性もあります。

審査のポイントがシンプルであるため、融資までの時間が数日程度のスピード融資です。

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法人借入の利息や金利はどこから借りるかによって大きく異なる

法人借入の金利は金融機間から借りた場合には格付けによっても変動しますが、1%~4%程度が相場です。

金融機関は法人への融資については、当該企業を成長させ、地域経済の拡大や雇用の拡大に寄与するという社会的な使命を負っていますので、個人向けのカードローンのように収益目的の高額な金利は設定していません。

また、さきほど述べたように、地方自治体の制度資金を活用すれば、金利の1部を地方自治体が補助してくれるため2%より下の金利で借りることもできます。

一方、消費者金融などのノンバンクから借入を行う場合の金利は15%程度の法定金利ぎりぎりの金利となることが一般的です。

ノンバンクは金融機関のように社会的な使命を負っているわけではありませんし、そもそも銀行から融資を受けることができなくなった企業が融資を申し込んでくるため、金利が高めに設定されています。

法人借入には連帯保証人が必ず必要?

法人が借入を行う際には、代表者が連帯保証人となることが一般的です。会社名義の融資を代表者が私的に使ってしまっても、代表者を連帯保証人としない場合には、会社が倒産した際に融資金を回収できないためです。

しかし、代表者が保証人となることについては以下の問題点があります。

① 代表者の個人保証には、代表者が保証人となることに消極的なため会社への融資が拡大しない
② 会社の後継者が事業継承の際に、旧社長の連帯保証人としての地位を引き継ぐことに抵抗があるため、代表者保証そのものが事業継承の障壁となっている

このため国は経営者保証に関しガイドラインを出し、法人と代表者が財務的に分離しており、税務的に健全な会社へは代表者なしの融資や、既存の融資についても代表者を外すことなどが少しずつできるようになりました。

とは言え今も、法人借入については代表者保証があることが一般的です。

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まとめ

法人は金融機関、日本政策金融金庫、ノンバンクなどからの借入が可能です。それぞれ、商品性に特徴がありますが、金融機関や日本政策金融公庫からの借入は金利が低い代わりに融資までに時間がかかるという点が特徴です。

また、どのような種類の借入を行うかによって金利や商品性なども異なってきます。まずは気軽に銀行窓口や商工会議所へ相談に行ってみましょう。自社に最も合った融資方法を提案してくれます。

ノンバンクの融資は審査スピードが速いですが、かなりの高金利です。

このため、銀行融資ではどうしても資金繰りが間に合わない場合や、数日間だけのつなぎ資金の利用にとどめておき、銀行から融資が出なくなった時の最後の最後の手段として活用したほうがよいでしょう。

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