銀行借入とは

会社を営んでいる人、個人で事業を営んでいる人は銀行から事業資金という資金を借りることができます。

事業資金は個人が車や住宅を購入する時の融資とは異なり、会社の事業に対して行う融資ですので、審査、金利、融資条件、融資方法が個人ローンとは大きく異なります。

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(仮名)
年齢:33歳
性別:男性
職歴:2007年~2014年地方銀行の貸付業務に従事

銀行借入の基礎知識

銀行から事業資金を借りる時はどんな時なのでしょうか?

事業活動とお金は切っても切り離せませんので、お金が必要な場面は会社によって様々です。

急に売上が減少して運転資金が足りなくなった、大口の注文を受けて先に多額の運転資金が必要になった、事業拡大や設備老朽化によって設備投資の資金が必要になったなどの理由が考えられます。

事業資金は会社の経営活動に必要なこれらの理由に対して貸付を行うものです。

必要かどうか不明瞭な資金を返済可能とさえ判断すれば融資を行うカードローンなどとは意味合いが180度異なります。

個人ローンが現在の年収や勤務先などから「返済可能」と判断できれば融資を行うのに対して、事業資金は、融資によって資金注入することによって将来の会社の業況が良くなるかどうかを1つの基準として融資を行います。

金利は1~3%が相場

事業資金の金利は個人のカードローンやフリーローンと比較して大分低い金利となっています。

1%~3%程度が相場です。

銀行や会社の業況が上向けば地域の経済の活性化にもつながりますし、地域経済の活性化はやがて銀行の利益ともなるため、このような公共性の高いローンについては高い金利は設定しません。

同様の理由で住宅ローンや自動車ローンの金利も低く設定されています。

最初に銀行と取引をする際には地方自治体の制度資金などを利用して融資を行うことが一般的です。

制度資金はパッケージ商品ですので、金利、返済期間、融資限度額などが決まっています。

このような商品では金利の交渉は不可能です。

そもそも、事業資金を融資する際の金利は銀行が決算書や確定申告書を分析して、当該企業の格付けを決定します。

金利はその格付けに基づいて決定します。

制度資金以外の融資方法を利用するにしても、銀行と金利の交渉ができるのは格付けの高い企業だけです。

初めて銀行から事業資金を借り入れる際の金利の交渉はほぼ不可能であると考えた方がよいでしょう。

ちなみに自治体の制度資金はそもそも金利が低く設定されており2%台が最も高い金利です。

このため、制度資金を利用する場合には金利の交渉を行う必要はないでしょう。

借入対象は法人企業と個人事業主

借入できる人は法人と個人事業主です。

法人とは会社のこと、個人事業主は個人名で事業を営んでいる人のことで、最近ではフリーランスなどという呼ばれ方もしています。

このうち、税務署に決算書の届け出や確定申告を行っている事業者だけが事業資金の融資を受けることができます。

開業前に開業資金の融資を受けたい場合には、税務署に「開業しました」という旨を届け出る開業届という書類の提出を行って、銀行に確かに公的に開業を行っているという証明を行わなければなりません。

自分で事業を営んでいる人でも、税務署にしっかりと届けて出ている人だけが事業資金の融資を受けることができます。

また、銀行窓口にいるとふらっと事業資金の融資を申し込みにくる人がいます。

その中には稀に今まで1度も確定申告を行ったことがないという人がいます。

このような人は、過去の申告を税務署で行ってから事業資金の融資申し込みを行えば、毎年確定申告を行っていた人と同様に事業資金の融資を受けることができます。

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運転資金と設備資金

事業資金の借入金にはまず大きく分けて運転資金と設備資金という資金があります。

運転資金とは会社の人件費や諸経費などの運転に関する資金を指します。

設備資金とは、機械や建物などを購入するための資金です。

開業時には運転資金も必要でしょうし、初期投資の設備資金も必要な時もあるでしょう。

開業に関わる資金全般を開業資金と呼びます。

開業資金を運転に利用したいのであれば、開業資金で運転資金を借りるというような言い方になります。

また、開業資金を設備投資で借りたいのであれば、開業資金で設備資金を借りるというような言い方になります。

運転資金は比較的短期の5年~8年程度の期間までしか借りることはできません。

設備資金は融資金額が高額となる場合があるため、最長で15年程度の長期間の返済まで対応している銀行もあります。

プロパー融資と保証付き融資

銀行融資には信用保証協会や民間の保証会社の保証を付けて融資を行う保証付き融資と、何も保証会社を付けずに融資を行うプロパー融資という2つの融資方法があります。

個人ローンの保証会社と同様に事業資金においても保証会社のついている融資はもしも貸したお金の返済が滞った場合には保証協会や保証会社が返済金を立て替えてくれるため銀行にとっては安心です。

一方、プロパー融資は保証会社がありませんので、もしも返済が滞った際のリスクはすべて銀行が負わなければなりませんし、不良債権化した時の管理のコストも少なくありません。

このことから、銀行はよほど信用のある取引先にしかプロパー融資を行わないことが通例です。

最初に銀行から融資を受ける際にはまず間違いなく保証付き融資になると理解しておきましょう。

証書貸付・手形貸付・当座貸越・手形割引

貸付には様々な分類があります。まずは借入期間によって異なる種類を説明します。

借入期間が1年以内のものを短期借入金、借入期間が1年を超えるものを長期借入金と分類します。

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貸付方式には以下の分類があります。

①証書貸付、②手形貸付、③当座貸越、④手形割引です。

①証書貸付

返済期限が1年を超える長期借入金を借りる際に使用される融資方式です。

返済方法は基本的に分割返済です。

住宅ローンを想像していただければわかりやすいのですが、借入金額、金利、最終返済期日、毎月返済額等をあらかじめ契約しておき、期日まで契約通りの返済を行うという契約です。

カードローン以外の個人のローンでは大抵この借入方式が採用され、事業資金では返済が1年を超える運転資金の融資や、高額かつ返済が長期にわたる設備資金にも証書貸付という方法が採用されます。

②手形貸付

1年以内に返済期限が到来する短期貸付金を借りる際に使用される融資方式です。

建設業が大口の受注をした際の先払いの運転資金の融資や、不動産のディベロッパーが開発する土地の購入を行う際などに使用されます。

双方ともに最初に経費や仕入れにかかる資金が大きく必要になり、工事完成後や不動産売却後に一気に売上金の入金があるため一括返済が可能であるためです。

このように短期的に資金が必要かつ短期間で返済可能である場合に手形貸付は利用されます。

返済は期日までに一括返済を行います。

③当座貸越

カードローンを想像すれば最も分かりやすいでしょう。最初に「いくらまでなら借りることができる」という極度枠という枠を作成します。

必要に応じてその枠の中から随時審査を行うことなしにお金を借りることができます。会社経営の中でお金の入用は突如として発生することもあります。

このような際に申し込みを行い審査を経て融資を受けるまでにはどうしても時間がかかります。

当座貸越は事前に極度枠に対しての審査を経ているため、急にお金が必要になった時にすぐに融資を受けることができ安心です。

返済は基本的に極度枠の期限内に一括返済し、毎月利息だけ払っていくという流れになります。ただし、特段業況が悪化していなければ契約は継続することもできます。

最近では、事業資金の当座貸越でもATMからお金を引き出せるように事業者カードローンというものも登場しています。

まさにカードローンと同じように利用することができるため、当座貸越は事業者向けカードローンであるとも言えます。

こちらは資金使途が不明瞭なため金利が高めに設定されている商品もあります。

④手形割引

売上代金を手形で受けとる場合に利用することができる貸付方式です。手形とは〇〇万円と〇月〇日までに支払いますという有価証券です。

この手形を期日到来後に銀行に持参すると現金に換えてくれます。

商売の世界では仕入れが先、売上金の入金はその数ヵ月先というのが当たり前ですので、自社の売上金が入金になる前に代金の決済として手形で支払うという企業が少なくありません。

手形は期日到来前はただの紙ですので、手元に現金がない会社は手形が現金化されるまでの期間の資金繰りに苦労することになります。

そこで、手持ちの手形を銀行に預けて手形金額分を銀行から借りることができます。これが手形割引です。

銀行は利息分を引いた金額の融資を行います。

返済は手形の期日が来たら銀行が取り立てを行いますので、割引後は何もする必要はありません。

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⑤売掛債権担保融資

最近では売掛債権担保融資(ABL)という融資方法も登場しています。

自社の売掛金を担保として、その金額の6割程度の融資を受けるという方法です。

返済は売掛金の入金によって行います。

バブル崩壊後手形による決済が少なくなり、売掛金が増えてきたことから登場した融資方法です。

売掛金は1年以内に決済期限が到来するため売掛債権担保融資は短期貸付金に該当します。

どのような形で融資が行われるか、自社の資金繰り状況や仕事の受注状況や必要資金の性格などによって銀行員が提案してくれます。

銀行利用の流れ

利用の簡単な流れは以下の通りです。

窓口で申し込み→審査→契約→借入→返済

申し込みが最も重要です。決算書や確定申告書を3期分は持参しましょう。申込時のヒアリングにおいて、自社の業況、見通し、必要資金の理由と内訳などを銀行員に詳細に説明できるようにしておきましょう。

「ただお金が必要だから」はなかなか通用しません。

申し込み内容をもとに銀行は審査を行い、保証協会も審査を行います。ここで時間が2週間程度はかかると理解しておきましょう。

銀行と保証協会の審査通過後は契約書の記入を行います。

契約書に不備がなければ融資実行となり、申し込みから融資実行まで早くて1週間、おそければ1ヶ月程度時間がかかると理解しておきましょう。

証書貸付であれば返済は毎月1回、手形貸付であれば返済は期日に一括になります。

では事業資金を借りたいという時にはどこの銀行を選択すればよいのでしょうか?

メイン先、という考え方

お金を借りるということは、その銀行に対して返済金を毎月支払っていくということになります。

そのため、普段から利用している銀行や売上金が入金となる銀行を選択したほうがよいでしょう。

何の取引もない銀行からお金を借りても毎月の返済金の入金だけでも大変です。

また、銀行には「メイン先」という考え方があります。

メイン先とは必要な運転資金や設備資金を借りている、売上金の入金がある、従業員の給与振込を行っている、公共料金や仕入れ先への支払いを行っているなど、当該銀行を会社の資金繰りの中で中心に扱っている会社を指します。

銀行はメイン先をとても大切にします。メイン先を育てれば新規融資、従業員との取引の拡大などに繋がるためです。申込先を選ぶのであればまずはメイン先へ相談を行うのが最も早いでしょう。

将来的には数億円規模の設備投資などを計画している場合には、メガバンクなどの大きな銀行を選択するという方法もあります。

また、銀行は新規の取引先などのビジネスマッチングも行っています。

このようなオプションに期待するのであれば地方の事情に精通した地方銀行などを選択するのも1つの方法です。

複数の銀行と上手に付き合うのが良い

銀行は基本的に信用保証協会付の融資を行うため、金利はどこの銀行を選択しても大差はありません。

アフターケアが異なってきます。

前述したようにメイン先として取引している銀行は、メイン先の面倒をしっかりと見ます。

しかし、売上金の入金や資金決済は別の銀行にも関わらず、融資だけ別の銀行からうけているような場合はどちらの銀行にとっても心象がよくありません。

メインの決済口座として利用している銀行からは「融資先の銀行から面倒を見てもらえばいい」という話になりますし、融資だけ受けている銀行からは「メイン先から面倒を見てもらえばいい」という話になります。

複数の銀行とうまく付き合うには、入金も決済もある程度分けた方がよいでしょう。

また、大きな銀行ほど見切りが早いとも言われています。

小さな銀行ほど最後まで取引先企業の面倒を見ると言われているため、細やかなケアを期待するのであれば地方銀行などと取引したほうがよいかもしれません。

会社へこまやかに訪問するのは小さな銀行の方ですので、決算書や審査書類の提出のためにわざわざ足を運ぶ必要はありません。

とはいえ、新商品やマクロの経済樹情報に長けているのは大きな銀行です。

自社が銀行に対して何を望むかで取引する銀行を決めましょう。

申し込む前に商工会議所や自治体で相談

地域の商工会議所や自治体の商工課などは資金繰りのセミナーを開いていますし、担当者に直接相談することもできます。

いきなり銀行に行ってもいいのですが、銀行の場合はどうしても融資ありきでの話になってしまいます。

どのように資金繰りしたらいいのか、どこから借りればいいのかなどの相談は金融機関ではない商工会議所や自治体の窓口で行うのがよいでしょう。

では、実際に銀行に融資を申し込むにはどのような流れになり、どのような書類が必要になるのでしょうか?

銀行借入申し込み方法

申し込み方法はまずは銀行の窓口へ来店することからです。電話をかけて相談すると担当者が会社へ訪問してくれる銀行もあります。

いずれにせよ、最初の面談時にどのような理由でいくらくらいの融資を受けたいのかを明確にして説明することが必要です。

よく「自社の決算状況でいくらくらいまで借りることができるか」と相談に来る人がいますが、それよりも「いくら借りたい」と明示したほうが、経営者としての主体性を窺い知ることができ心証はよいでしょう。

また、最初の面談時にはできれば決算者や確定申告書などの決算書類を少なくとも3期分、また、会社のパンフレットや商品のパンフレットなどの資料を持参しましょう。

必要書類

主な必要書類は以下の通りです。

・決算書または確定申告書
・創業計画書(創業の場合)
・見積書(設備資金の場合)
・印鑑証明書(法人の場合は法人および代表者、個人事業主の場合は代表者個人)
・商業登記簿謄本(法人の場合のみ)
・住民票(法人の場合は代表者、個人事業主の場合は代表者個人)
・納税証明書

以上の書類は契約時にほとんどが必要になります。

申し込み段階では決算書および確定申告書だけ持参して、他の書類に関しては話が進むと銀行から指示があるため、その後に必要枚数だけ持参するのがよいでしょう。

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担保、保証人

設備資金を借りて、不動産を購入または建築する場合には当該土地建物が担保として必要になります。

運転資金の場合には担保は通常必要ありません。

保証人は基本的には信用保証協会が保証を行うため必要ありませんが、法人の場合には代表者が保証人として必要になります。

申込時の注意点

申込時には審査担当者から会社の現状や将来についての質問があります。この際に会社を良く見せようとして、虚偽の回答をするのは止めておいた方がよいでしょう。
担当者は経営者としての人間性もチェックしていますので「この人は信用できない人だ」と判断されてしまったら審査通過は難しくなります。

では事業資金の審査はどのような観点で行われるのでしょうか?

審査の判断基準

審査の判断基準は様々ですが、基本的には融資によって資金注入した場合に会社がどうなるのかという点が重要です。

個人ローンのように返済していけるかどうかが審査の絶対的な基準ではありません。

融資を行うことによって会社の将来が開けるかどうかが最も重要な観点です。

融資を受ければ当該会社の資金繰りは融資金が手元にあるうちは確かに楽になります。

しかし、業況が改善しなければただの時間稼ぎしかありません。

例えば一過性の特別な事情で売上が減少して、時間が経てば経営が改善できる見込みがあるような場合には融資が行われますが、経営改善の見込みが立たないような場合には融資が出ないこともあります。

最も重要な指標が営業利益

営業利益とは売上-売上原価-販売費および一般管理費で算出されます。

要するに通常の会社経営でいくら儲けたかを示す指標です。

ここが何期も赤字になっている場合にはこれ以上営業活動を続けても赤字が累積するだけになり、本業そのものの改善を行わない限りは収益が望めません。

具体的には3期連続で営業赤字の場合には審査に通過するのが困難になると言われています。

債務超過が続くと審査通過は厳しい

債務超過とは、赤字が累積して、バランスシート上の資本金欄がマイナスになっている状況です。

債務超過は収益さえ出せば改善していきますが、赤字が続いて債務超過が解消される見込みが立たないような場合にも審査に通過するのは難しくなります。

損益計算書が営業赤字、バランスシートが債務超過の場合には今後はどうやって改善していくのかを審査担当者にしっかりと説明して、担当者がその説明に納得がいった場合は審査に通過できることもあります。

決算書に上記のような問題点がない会社が融資を受ける際の判断基準は「必要なお金かどうか」です。

1年分の運転資金の融資を受けたい場合には、会社の経費に見合った申込金額かどうか、設備資金の融資を受けたいのであれば見積書通りの金額までしか借りることができませんし、当該設備が会社にとって適正な投資か、投資によって期待できるリターンはどの程度かなども審査の判断基準となります。

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審査の流れ

申し込みを行い、ヒアリングを行うと、審査担当者は会社へ訪問することが一般的です。

会社が本当に運転しているか、会社の中は整理整頓されているか、従業員のモチベーションはどうかなどを実際に会社へ訪問して判断します。

この際にわざわざトイレを借りてトイレは綺麗になっているかをチェックする担当者までいるという話を聞いたこともあります。

銀行が融資を行っても問題ないと判断した場合には信用保証協会へ相談を上げます。

信用保証協会の内諾が出ると、銀行は本審査に入り、その後契約手続きと言う流れになります。

融資実行後は信用保証協会の担当者も会社へ訪問して、銀行同様のチェックを行うことが一般的です。

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面談の内容、注意点

面談時には会社の現状を正直に話す。今後の将来像を具体的に明示することの2点が重要です。

筆者が銀行員時代、取引先の社長の中には、会社の将来像や自分の夢について数時間も延々と語るような社長がいましたが、面談時にはそのくらい熱い気持ちがあった方がいいでしょう。

審査担当者に「この人はこの業界のことならなんでも知っていて、会社経営に対して熱い夢と思いをもっている人だ」と思わせることが重要です。

銀行員に合わせて相手の聞きたい質問にばかり答えるよりは、とにかくありのままに自分の話を一方的にしましょう。

審査を有利にするためのポイント

前述したように、なぜお金が必要なのか、いくら必要なのかを明確に説明できることが重要です。

審査担当者も基本的には面談時の内容と、決算書の状況から保証協会や本部に対して説明を行います。

この説明の中で、審査担当者が他に具体的に説明できる状況をこちらから作ってあげることが重要です。

「いくらでもいいので貸してください」では、審査担当者はお金に困っているからとしか本部や保証協会へ説明ができません。

とにかくありのままに、できるだけ多くの情報と事情と将来の展望を語ることが審査通過への近道です。

もし審査に落ちたら

基本的には審査に落ちた理由は説明してもらえませんが、銀行員にどうしてもと尋ねれば教えてくれることもあります。

しかし、基本的には

  1. 決算内容に問題があった(営業赤字や債務超過など)
  2. すでに他からの借入が多すぎる
  3. 前回の融資から時間が経っていない(基本的には前回から1年以上空いていないと融資は難しい)

過去に申込銀行とトラブルがあった

のいずれかの理由です。このうち、①と④の理由の場合には他の銀行へ申し込みを行えば融資を受けられる可能性があります。

①の部分については審査担当者の本部や保証協会への説明の仕方が悪いという可能性もあるためです。

申込先を変更すれば審査に通過できる可能性もあります。この際、申込銀行は取引先に紹介してもらうような形がよいでしょう。

取引先のメイン銀行は取引先企業の社長の顔を潰すことはできないので、メイン先からの紹介案件は大事に取り扱う傾向にあるためです。

ではもし審査に通り借入した場合、その後の流れはどのようになるのでしょうか?

返済方法

1年超の長期の借入であれば毎月1回の元金均等返済(借りた元金を返済回数に応じて均等に分割した金額と毎月発生した利息を返済していく方法)で返済するのが一般的です。

1年以内の手形借入であれば期日に元金を一括返済します。

また、開業資金や設備資金の場合には、元金の返済を一定期間据え置いて、据え置き期間中は利息だけ返済するという契約方法もあります。

借入後の銀行とのやり取り

銀行から事業資金の融資を受けている間は必ず毎期、決算書や確定申告書を提出しなければなりません。

決算後や確定申告後は銀行へ持参しましょう。

また、たまに会社へ様子を見に銀行員が訪ねてくることもありますし、試算表などの提出を求めてくることもあります。

このような場合に銀行の求めに気さくに応じることも銀行が企業を審査する際の重要なファクターとなります。

銀行員とはできる限り良好な人間関係を構築するように努めましょう。

筆者も銀行員時代はメイン先の社長さんによく飲みに連れていってもらいました。

銀行もこのような取引先を無下にはできないため、銀行員とのコミュニケーションはその後の資金繰りの相談などにも非常に有用になります。

追加で借入したい場合

追加で借入したい場合には特に資料を用意する必要はありません。

必要な書類は銀行がすでに持っているためです。

銀行員に相談を行い、なぜ追加融資が必要なのか、いくら必要なのか、今後の見通しはどうかなどを明確に説明しておきましょう。

なお、普段から銀行員と密にコミュニケーションを取っておくと、このような事情はすでに銀行員が把握しているため、話が早くなるというメリットもあります。

ただし、原則的に前回借入から1年未満の追加融資は難しいと言われていますので承知しておきましょう。

業績が悪化した場合

業況が悪化したら銀行は当該企業の格付けを引き下げます。

格付けが引き下がると、当然ながら審査には通過しにくくなります。

とは言え銀行も取引先を直ちに見捨てたりはしないため、資金注入することによって経営の改善を図ることができると見込める場合には融資を行うこともあります。

このような状況になった時に最も役に立つのが普段からの銀行員との人間関係です。

銀行員も人間であるため、メイン先で社長とも人間関係ができている会社を簡単に見捨てるようなことはなく、できる限り業況が改善できるように力を尽くしてくれます。

返済ができない場合

返済が難しくなったらまずは銀行に相談しましょう。

銀行も金融庁の指導によって、このような苦しい状況になった中小事業者の相談にはできる限り乗るようにという努力義務を課しているので銀行は必ず何らかの対応を取ってくれます。

返済不能には以下の3パターンが考えられます。

①一時的な返済不能
元金返済の一定期間の据え置きなどの条件変更を行うことがあります。

②長期間の返済不能
多重債務によって返済が苦しい場合には借り換えによる毎月返済の軽減、または期間の延長によって毎月返済を軽減するという方法を採ることがあります。

③完全に返済不能
信用保証協会へ代位弁済請求をかけて、銀行との取引は終了します。

こうなってしまうと、今後は融資を受けることはほぼ不可能になります。

銀行借入を利用するときの注意点

事前にやっておくべきことや知っておくべきこと

自社の資金繰りの把握を行いましょう。

なぜお金が足りないのか、売上の入金はいつで、支払いはいつというように、入金と支払いを時系列で並べてみましょう。

こうすると、お金が足りない理由が入金と支払いの時間的なギャップが理由なのか、単純に売上が足りないのかが分かってきます。

申し込みを行う前になぜお金が足りないのかの把握をしておくと銀行員に対しての説明にも説得力が増します。

こういう人には融資を行わない

ヒアリングの際に嘘をつく人と、銀行が要求する書類を気持ちよく持ってこない人です。

当然ながら嘘は信用を失います。

また、事業資金の融資残高がある間は決算書類の提出が義務付けられていますが、申し込み段階で要求した書類を持参しない場合には、今後、決算書類の提出も履行しないかもしれないと邪推されてしまいます。

そのような取引先は融資後の管理が銀行にとって大変になるだけとなってしまいます。このため銀行はこのような人には融資をしたくないと考えます。

地方自治体の制度資金がオススメ

地方自治体の制度資金がおすすめです。

自治体の制度資金は自治体と地域金融機関と信用保証協会の3者で商品性を決定しています。

そのため、金利がかなり低く設定されているという点が特徴の1つです。

また、自治体によって中味は異なるものの、保証料や金利の全部や一部を自治体が補助してくれるという特典もあるため、とてもお得に借入ができます。

相談は金融機関の窓口や自治体の窓口でも行っています。

制度資金はどの金融機関で借りても同じ金利ですし、そもそも事業資金は信用保証協会の保証を付けるため、複数の金融機関に同時に申し込みを行っても意味はありませんので注意しましょう。

銀行借入以外の事業資金融資

事業資金は銀行以外からも借入が可能です。

代表的なものとしては、信用金庫と日本政策金融公庫があります。

政策金融公庫

政策金融公庫は財務省所管の国の融資機関です。

銀行などの事業性融資が保証協会の保証をつけるのに対して、政策金融公庫は信用保証協会の保証をつけません。

信用保証協会は会社によって「いくらまで保証する」という枠が決められており、いかに複数の金融機関から融資を受けようとも、保証協会付の融資は総額で限度額を超えてしまった時点で融資を受けるのは非常に難しくなります。

一方、日本政策金融公庫の融資は信用保証協会の限度額は関係ありません。

このため、信用保証協会の枠が限度になってこれ以上金融機関から融資を受けられないという状況になっても、日本政策金融公庫から融資を受けられる可能性もあります。

事業性融資は金融機関からの信用保証協会付の融資と、日本政策金融公庫の融資の2本立てで受けられることを覚えておきましょう。

また、日本政策金融公庫の融資は金利も1%~3%弱と非常に低金利です。

地方自治体の制度資金並みの金利で融資を受けることができます。

日本政策金融公庫の窓口の他、地域の商工会議所でも申し込みの相談を行うことができます。

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信用金庫

信用金庫も基本的には銀行と同じで信用保証協会付きの融資です。

審査の内容もほとんど変わりはありません。

信用金庫の方が、会社へこまめに足を運んでくれるため、銀行に行く時間がなかなか取れないという人には信用金庫との取引が便利かもしれません。

ただし、担当者にそれほど専門的な知識がないため、担当者レベルでの判断ができずに本部や上司へ相談を行うため話が進むまでに時間がかかるという点が難点です。

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Q&A

会社が倒産したときの返済は誰がする?

会社が倒産した時には、連帯保証人となっている会社の代表者に返済の義務が生じます。

通常は、倒産した時点もしくはその直前で銀行は信用保証協会へ代位弁済請求を行い、保証協会から銀行はお金を返済してもらいます。

その後は保証協会へ債務者がお金を返していく流れになりますが、すでに会社が倒産している場合には、連帯保証人の代表者が返済を行っていくことになります。

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個人事業主が死去したときは親族が返済する?

死亡時には相続が発生します。

相続は資産も負債も相続しますので、死亡者の相続人が借金の相続も行い、返済の義務を負っていくことになります。

稀に、団体信用生命保険付きの事業性融資というものがあります。この場合には、本人死亡時には保険金から返済が行われるため、相続人に返済の義務は残りません。

また、会社の代表者が死亡した時は、保証人としての地位も相続することになります。

相続後に会社が倒産した場合には保証人となった相続人が返済の義務を負うことになります。

親の借金や保証人としての義務を相続したくない場合には、死亡時に相続放棄を行うしかありません。

まとめ

銀行から事業資金の融資を受けるためには、まずは決算書を持参して窓口に相談へ行きましょう。

この際に「なんのために」「いくら借りたい」のかを明確にしておくことが重要です。

また、ヒアリングの際に嘘をつくのは止めましょう。

会社の将来についてしっかりと見通しをもっておくことも重要です。

事業資金は現状に対して融資を行う個人ローンとは異なり、その会社の将来性も審査の材料となるためです。

融資までには数週間の時間を要しますが、金利は個人のカードローンやフリーローンなどよりも圧倒的に低い金利で借りることができます。

個人ローンの審査とは異なり、人間の目で判断する材料が大部分の審査であるため、審査担当者との人間関係やコミュニケーションはできる限り密にして、良好な人間関係を構築することも融資までの近道です。

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借入とは~ローン・融資との違い~

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この記事の執筆者

手塚 龍馬
1982年生まれ33歳
成蹊大学卒業後、地方銀行へ就職。
個人、法人への営業担当として8年勤務し、預金業務、融資業務を行い、住宅ローン、自動車ローン、フリーローン、カードローン、事業性ローンなどを7年行う。
保険業務、投資信託販売業務なども多数取り扱いを行う。
現在は飲食店経営の傍ら、金融関係のライター活動も行っている。

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