総量規制とは

貸金業法における総量規制とは

総量規制についてご存知でしょうか。まあなんとなく知っている、だいたい知っているという方が多いと思います。

総量規制について知っておくことはカードローンの契約、クレジットカードのキャッシング、または会社を経営している方や個人事業主の方も知っておいて損はないことでしょう。

複数の法律が絡んでくるため、なかなか理解しにくい部分も出てくると思います。今回は総量規制についてできるだけ分かりやすくご説明したいと思います。

借入額を規制することを言う

総量規制とは、個人が借り入れできる上限額を年収の1/3までと規制したものです。法律は貸金業法と貸金業施行規則が関係してきます。

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ちなみに総量規制が導入されるまでは借入の上限がなく貸金業者と契約することができました。

しかしその結果多くの多重債務者を生むことになり、大きな社会問題となりました。借金の額が多くなりすぎて自己破産する方、中には自ら命を絶ってしまう方もいました。

借入額を規制することで多重債務者となることを防ぐ目的も持っています。基本的に貸付の種類には4つあります

・個人向けの貸付
・法人向けの貸付
・及びそれぞれの貸付についての保証債務

以上です例えば年収が300万円の方は100万円まで、年収が600万円の方は200万円までを上限として契約可能としています。

なお総量規制が関係するのはそのうち「個人向けの貸付」についてとなります。法人向けや事業用貸付には適用されません。

規制が導入された背景とは

総量規制を含めた抜本的な貸付のあり方を検討し始めたのが2006年12月、総量規制が導入されたのは4年後の2010年6月18日です。

総量規制は貸金業法の中に含まれている法的解釈となり法律に文言として記載されてはいません。 具体的には貸金業法第13条の2において定められています。

しかし広く社会に浸透させるには覚えやすく、誰でもわかりやすいようなネーミングが必要だったのでしょう。「貸金業法第13条の2」ではなかなか理解しにくいですね。

総量規制導入において一緒に定められたものとして、私たちに大きく関係する上限金利の引き下げも大きな項目です。

出資法の改正により、改正される直前の年29.2%から年20.0%に引き下げられています。参考までに出資法の上限金利は年109.5%から段階的に引き下がっています。

今から考えてみると年109.5%という金利はかなり高かったですね。 その後段階的に引き下げられたとはいえ、しばらく金利が高く状態が続き、いわゆる「サラ金地獄」などと言われ、多くの利用者が借金返済に苦しんでいました。

貸金業者による過剰な取り立ても問題視され、無視のできない問題のひとつとなっていました。

某貸金業者の「借金返せないなら腎臓を売れ」、「目玉を売れ」という暴力的な取り立ても貸金業法改正や出資法の改正の要因となりました。

なお余談ですが、大手消費者金融であった武富士が倒産した理由の一つとして、総量規制は大きくかかわっております。(総量規制のため、消費者にお金の貸付が制限され、利幅が減った)

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年収に含まれるものとは

ここで問題になるのは、年収に含まれるものが給料だけなのかということです。

貸金業法施行規則第10条の22によると、総量規制の計算元となるのは給料以外にも年金や恩給および不動産収入も含まれます。つまり定期的に収入として手元に入ってくるものを年収の中に算入することが可能ということです。

例えば年金受給者がカードローンを申し込む際に、年金額200万円、不動産収入100万円なら合計300万円と見ることが可能です。

安定した収入という点から見ると一時的な収入、例えば退職金や生命保険満期金などは含まれないと考えていいでしょう。

ところで収入を証明するにはどうしたらいいのでしょうか。

貸金業法の第13条によれば、信用情報機関から得ることができる情報や申込者が提出する源泉徴収票、確定申告書や納税通知書、年金証書などによって証明することができます。

貸金業者はそれらの情報によって過剰な貸付とならないように慎重にしなければなりません。なお収入を証明する書類として他にもあり詳細は貸金業法施行規則第10条の17をご参照ください。

また契約金額が50万円を超えるような場合、他社との借入額の合計が100万円を超えるような場合も、所得を証明する書類を申込者から提供を受ける必要があります。

このように多重債務者を増やさないような仕組みになっています。

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総量規制対象となる貸付とは

総量規制の対象となる貸付には「除外」、および「例外」があります。全ての借入額に対して総量規制が対象になることはありません。

平易に言えば消費者金融カードローン、クレジットカードのキャッシング枠が総量規制と関係があります。

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また総量規制は現在の貸付残高を合計するのではなく、利用限度額を合計するものと考えましょう。

クレジットカードのキャッシング枠がありながら利用していなくても、総量規制の合計金額となってしまうことを知っておきましょう。

もしクレジットカードのキャッシングを利用しないのであれば、キャッシング枠をなくしてしまうことで、総量規制の枠を広げることもできますね。なお総量規制の除外および例外については後の項目でご説明したいと思います。

借入残高が定期的にチェックされる

一般的にカードローンの契約は、利用限度額を定めてその範囲内で入出金することができますね。

貸金業者は利用限度額を定めたリボルビング契約を結んだ場合、1か月の貸付金の合計が5万円を超える、および貸付残高が10万円を超える場合、信用情報機関に照会し3ヶ月以内に一回、貸付残高を調査するよう義務付けられています。

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この規定は貸金業法施行規則第10条の25で定められています。

なかなか難しい総量規制ですが、借主が困らないように正規の貸金業者は、会員の借入残高をチェックしなければならない義務を負っているのです。

総量規制の対象とならない銀行貸付?

カードローンなどの契約で総量規制の対象とならないのは銀行が行う貸付です。銀行カードローンは総量規制の除外となっています。

年収の1/3にとらわれることなく契約することが可能で、年収が500万円でも銀行カードローンの契約額が200万円を超えることも珍しいことではありません。

しかし既存契約に消費者金融カードローンがあった場合、返済能力があるかどうか確認することになります。

既に総量規制に達している金額を借りている場合、新たに銀行カードローンを契約することはちょっと難しいような感じもしますね。

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そもそも除外される貸付とは

総量規制の除外となる貸付の例を4点ご紹介します。除外となる貸付は他にもありますのでもっと詳しく知りたい方は以下のリンクをご参照ください。ここではよく利用されている身近な貸付契約をご紹介しましょう。

そのため以下のような貸付があっても、消費者金融カードローンに影響することはないと言えます。ただし契約には審査が必要ですから、審査の段階で落ちてしまえば契約することはできませんね。

日本貸金業協会

住宅ローンや自動車ローン

貸金業施行規則第10条の21によれば、住宅ローンや自動車ローンは総量規制の貸付には含まれません。

そもそもローンの契約先が銀行であれば除外されることになりますね。自動車ローンは銀行以外にノンバンクでも扱っており、金額も数百万円のローンとなることも少なくないですね。

住宅ローンや自動車ローンが総量規制の対象となってしまったのでは、カードローンを契約することができる方が激減してしまいます。

不動産担保貸付など

同じように貸金業法施行規則第10条の21の中に、不動産や自動車などを担保に入れて借入する金額も総量規制とは無関係であることが定められていますね。

顧客が有利となるおまとめローン

貸金業法施行規則第10条の23によって、既に借り入れを行っている顧客が結果的に有利となるような貸付契約は総量規制の対象とはなりません。

銀行が行う借り換え、およびおまとめローンは総量規制の除外対象ですが、消費者金融業者が行うおまとめローンや借り換えは例外規定に相当します。

利用する側から見れば、除外だろうが例外だろうがあまり変わりはないですけれど、法律は細く区分けしています。

消費者金融業者が行う借り換やおまとめローンは、将来にわたって段階的に借入残高を減らすことが見込める場合のみ有効となっています。

おまとめした結果金利が高くなることや、残高がなかなか減らない契約は結ぶことはできません。あくまでも現在の契約よりも負担が軽くなる、顧客が有利になることが条件です。

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緊急を要する医療費

総量規制の例外規定となりますが、貸金業法施行規則第10条の28において、緊急を要する貸付であって10万円を超えない、または 返済期間が3ヶ月を超えない契約は有効になっています。

どのような場合が緊急を要するのかについては、社会通念上妥当とされる範囲内に限られそうです。

他にも貸金業法施行規則第10条の21を参照していただければわかりますが、高額医療費の支払いも総量規制の対象から除外されます。

また不動産を売却する予定で返済可能な貸付契約も、本人の返済能力を超えていなければ総量規制には抵触しません。

同じように借りている本人の親族であって、緊急的に必要となる医療費においても、返済能力を超えないことで有効とされます。

貸付金額が10万円を超えないことなどの一定の条件はあるものの、一時的に総量規制を超えた契約をすることもできるとしています。

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配偶者貸付とは

配偶者貸付という言葉をご存知でしょうか。あまり聞き慣れない用語ですね。総量規制の例外となる貸付の対象の一つです。借主本人と配偶者の合計した年収の1/3以下であれば、借り入れを可能としている規定です。

しかし日本貸金業協会の自主規制基準では、配偶者貸付をできるだけしないように会員に対して求めています。ですから大手消費者金融においては配偶者貸付をしないところが多いですね。

配偶者貸付をしてしまうと収入のない専業主婦でも契約することが可能となるため、あまり積極的にはなっていないようです。

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紛らわしいクレジットカード

クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象となりますが、ショッピングに対しては割賦販売法が適用されるため貸金業法とは関係がありません。

よってショッピングの利用料金を分割払いや、リボルビング払いしている残高は総量規制の対象とはなりません。

キャッシング枠は総量規制の対象、ショッピング利用分については総量規制の対象外というのはなかなか紛らわしいものですね。

分割払いなら支払いが終わるまで借金をしていることには変わりはないのですが、 割賦販売法と言う違う法律で管理されているため、総量規制とは全く関係がないのです。

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ショッピングローンは?

あまり聞かないかもしれません。商品購入の支払い方法としてショッピングローンというものがあります。テレビショッピングや家電量販店から電気製品を購入する場合、クレジットカードを使わずに割賦契約を結ぶことがあります。

このような契約をショッピングローンという言い方をします。クレジットカードを使わないため、購入する際には契約書を作成し、毎月口座から引き落とす形が一般的です。

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携帯電話の分割代金は?

携帯電話やスマートフォンなどの機器代金を毎月の電話料金と一緒に分割払いする方法がありますね。商品購入のため割賦販売法に該当し総量規制とは関係がありません。

したがって、既に総量規制の上限となるカードローンを利用していても、携帯電話の契約をすることができないということはありません。

もちろん契約するには審査が必要ですので、信用情報機関に照会した結果契約できないということもあります。

契約するかどうかは業者の判断

よく勘違いすることとして、総量規制は「年収の1/3まで契約できる権利」と考えていることです。総量規制は貸金業法に含まれている条項ですが、個人の権利を保証しているものではなく貸金業者を規制している法律です。

よって本人が計算した結果、総量規制に達していないとしても契約するかどうかは貸金業者が決めることです。

例えば年収600万円なら総量規制に該当する金額は200万円です。いろいろ合計してみたら180万円だった、となるとあと20万円利用枠があると考えますね。

しかし前述したように、利用枠20万円の貸付を行うかどうかは貸金業者が決めることですから、必ずしも総量規制上限まで契約できるとは限りませんのでご注意ください。

総量規制を超えるとどうなる?

総量規制が導入される前から借り入れしている方は、年収の1/3を超えていることがあります。その場合罪に問われてしまうのでしょうか。

貸金業法は業者を規制する法律ですから、総量規制を超えているからといって個人が罪に問われることはありません。その代わり新規の契約はできないことが法律上定められています。

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業者は法律違反となる

貸金業者は貸金業法第13条の2によって信用情報機関に照会し、借入申込者の既存契約額を調査することが義務づけられています。

および貸金業法施行規則によって、他に年収に含めることができる書類の提示を受けることで総年収額を計算し、その1/3を上限として契約することができます。

もし貸金業法破るようなことがあれば、貸金業者は法律違反となり罰則が設けられています。よって正規の貸金業者は総量規制についてはかなりシビアとならざるを得ません。

内容によっては、営業停止や登録の取り消しなど重い処罰を受けることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。総量規制の概要について今回ご説明しましたが、通常利用する分については参考になったのではないでしょうか。

ポイントとなるのは信用情報機関に照会されるため、借入申込書に嘘を書いてもバレてしまうということです。

そもそも借入申込書には嘘を書いてはなりませんね。嘘を書けば審査に通らない原因ともなります。

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また総量規制は個人の借り入れできる金額を保証しているものではなく、貸金業者が契約してもいいと認められていることです。

総量規制を超えているからといって、登録を受けていない貸金業者と契約することだけは絶対やめましょう。

金利が高いだけではなく取り立ても厳しいと聞いています。契約したからといって個人が罪に問われることはないとしても、多くの人に迷惑かけることには変わりはありません。

警察へ相談、消費生活センターに相談するなど状況が悪化する前に早めの行動をするようにしましょう。もちろん日本貸金業協会でも相談を受け付けていますので以下のリンクをご覧ください。

日本貸金業協会